2015年6月2日(火)14:00-16:40 開会にあたって 日英図書館交流史の一端 国立国会図書館長 大滝 則忠 大英博物館図書閲覧室 (1857年開館) ●閲覧室の人々 カール・マルクス (1818-1883) 1867『資本論』第1巻 福沢諭吉(1835-1901) 1862訪英 1866『西洋事情』刊 畠山重成(1842-1876) 1865-1867在英 田中稲城(1856-1925) 1889-1890在英 南方熊楠(1867-1941) 1892-1900在英 ⇒ 1872(明治5)年 近代日本に国立図書館・博物館の設置 夏目漱石(1867-1916) 1900-02在英 2 1875(明治10)年の寄贈書 明治十年納付 故東京書籍館長畠山義成遺著 (英書を主に920冊) 畠山義成 (1842-1876) 1865-1867在英 1866年11月20日(慶応年間) University College在学時 ロンドン市内Gower街 杉浦[弘蔵]購入と自署 明治8-9(1875-76) 東京書籍館長 3 30年余にわたる近代日本 図書館界のリーダー 田中稲城の欧米留学 1890(明治23)・東京図書館長就任 1921(大正10)・帝国図書館長退任 (1888夏~90春) 図書館分野初の 文部省留学生 米国(主にボストンを拠点)から 英国等へ 「図書館に関する 学術修行」 田中稲城 (1856-1925) 1889-1890在英 (留学時代) 欧米の図書館事業を広く学び、 業務を構築 4 そして、100年以上の後 1990年11月・ロンドン “図書館間貸出と 文献提供サービス” ー国際シンポジウムー 関西館構想を国際発信 『関西館:文献提供サービスにおける 国立国会図書館の将来の役割』 5 英国図書館の発展 ※1973年、大英博物館(British Museum)から、 英国図書館(British Library)が分離(英・国立図書館の組織的な統合) 1997年新館開館(セントパンクラス)+ボス・トンスパ(BLDSC) 1991年8月 関西館設立第二次基本構想「情報資源の共有をめざして」 関西館設立を契機に、国立国会図書館の情報資源の遠隔利用拡大 当時、BLDSCの文献提供サービスは年間300万件 ⇒ 日本のモデルに <歴代の英国図書館長> • 初代(1973ー1984) ハリー・フックウエイ館長 • 二代(1984ー1991) ケネス・クーパー館長 (教育・科学行政から) (雇用省を経て、不動産業者連盟総裁から) • 三代(1991ー2000) ブライアン・ラング館長(歴史的遺産保護行政から) • 四代(2000ー2012) リン・ブリンドリー館長 (英国図書館を経て、大学図書館経営から) • 五代(2012ー ) ロリー・キーテング館長 6 3代の英国図書館長の来日 1996年3月 国際シンポジウム 東京/京都 「21世紀の国立図書館」 • 長期的な情報提供を保証する 国立図書館の役割の重要性 • 英国図書館文献提供センター(ボストン・スパ) の紹介と関西館設立の国立国会図書館へ の期待 2006年1月 公開シンポジウム 東京 「デジタル時代における 図書館の変革―課題と展望」 基調講演: 新しい情報環境における 英国図書館の挑戦 7 国立図書館のビジョン ビジョン(方向性)を定め、職員が共有して、その達成をめざす ビジョンのもとに「戦略的目標」を定めて取り組む 社会に公開し、各界の理解と支援を得る 説明責任を果たしながら、透明性の高い運営を図る 英国図書館 Living Knowledge [2015-2023(50周年) ビジョン] 国立国会図書館 「私たちの使命・目標 2012-2016」 Growing Knowledge 「国立国会図書館創立60周年を 迎えるに当たってのビジョン」 [2007-2012] 2020 Vision [2010-2020] 「国立国会図書館ビジョン2004」 [2004-2007] [2011-2015戦略計画] 8 「私たちの使命・目標 2012-2016」 国立国会図書館は、出版物を中心に国内外の資料・情報を広く収集し、 保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行 政・司法及び国民に図書館サービスを提供することを通じ、国民の創造的 な活動に貢献し、民主主義の発展に寄与します。 おおむね 5年間に最大限に努力すべき6つの目標 目標1:国会 の活動の補佐 ・信頼性の高い 専門的調査・分 析と迅速、的確 な情報提供を強 化 目標2:収集・保存 目標3:情報アクセス ・納本制度の一層充実、 国内出版物の網羅的収集 ・電子的に流通する情報 を含め、様々な資料・情 報を文化的資産として収 集、保存 ・収集資料や必要な情報に迅 速かつ的確にアクセスできる 環境・手段の整備 ・情報環境に対応した資料の デジタル化、探索手段の向上 目標5:東 日本大震災 アーカイブ ・未曽有の災 害の教訓を後 世に伝える 目標4:協力・連携 ・国内外の関係機関と連携、知識・文化の基盤を一層豊かにし、人々の役に立つものへ 目標6:運営管理 ・透明性が高く効率的な運営管理 ・高度なサービス提供を担う人材を育成 ・必要な施設整備の推進 9 図書館サービス向上のために (前提) ・各国事情に応じた図書館の発展、一方で多くの共通性 ・デジタル時代で求められる図書館サービスの変貌 ・人類の記憶を伝える社会的装置としての飛躍 ・厳しい経営環境、資源獲得等への対応 デジタル時代、情報流通のグローバル化にいかに 対応するか 新しい利用者の要求にいかに応えるか 共通課題の解決のために、経験共有と連携深化 ~様々な協働と相互交流を今後とも期待~ 本日は、よろしくお願いいたします 10
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