生物情報計測学 第7回 植物の生育・水分状態の計測 光合成色素 色素 含有植物 吸収波長 クロロフィルa クロロフィルb クロロフィルc クロロフィルd 全植物 高等植物・緑藻類 褐藻類・珪藻類 紅藻類 赤,紫~青 赤,紫~青 赤,紫~青 赤,紫~青 フィコシアニン ラン藻類・紅藻類 橙~赤 フィコエリトリン ラン藻類・紅藻類 緑 カロチノイド (カロチン) 全植物 (キサントフィル) 青,緑 個葉における光のゆくえ H2Oの取り込み 入射 表面反射 CO2の取り込み H2Oの放出 気孔:イネで約300個/mm2 吸収 透過 内部反射 葉緑体は光合 成の場で、チラ コイドでは光エ ネルギーの取り 込みや水の分 解が、ストロマ では二酸化炭 素を取り込んで 炭水化物の合 成が起こる。 植物群落における光のゆくえ 入射:100 反射率:r α=100 – r – τ+(0.01rs×τ) 吸収されない 吸収率: α 土壌面で反射した比率 透過率: τ 土壌面反射率:rs 反射 (Reflectance : R) 透過 (Transmittance :T) 吸収(Absorption : A) (-・-・-) 光合成色素の吸収スペクトル (BIDWELL,1979) 植物色素の光選択吸収性 緑色で 反射率 大 反射率 透過率 近赤外域で 反射率大 イネの葉に含まれる光合成色素によ る吸収率(1枚の葉の吸収率に対する 各色素の寄与率を表わす) (INADA、1980) 葉緑素計(SPAD-502) イネの葉に含まれている葉緑素量を、葉をいため ることなく簡単に測定できます。 9枚 近赤外域におけ る反射率の増加 ダイズ 1枚 ( %反 )射 率 可視域における 反射率の維持 波長(nm) 複層葉におけるスペクトルと反射率との関係 1100nm ダイズ ( %反 )射 率 波長により,SLW の積算値が異なる 近赤外域 枚 750nm 拡散反射 光の増加 SLW(面積重)の積算値 ダイズのSLW(面積重)の積算値と反射率との関係 Leaf A:低い葉緑素値 Leaf B:高い葉緑素値 反 射 率 ( % ) 入射光 反射光 1 波長(nm) Leaf A:低い葉緑素値 上層葉 Leaf B:高い葉緑素値 下層葉 反 射 率 ( % ) 2 1 Leaf B:高い葉緑素値 上層葉 2 Leaf A:低い葉緑素値 下層葉 波長(nm) 可視域 上層葉のスペクトルに依存 近赤外域 複層葉のスペクトルに依存 葉緑素値の異なる複層葉の分光反射特性 サツマイモ SLWが増加(葉が厚くなる)と 近赤外域の反射率が増加 ダイズ クワ SLWが同じでも近赤外域の反射率 が異なる→葉内の組織構造などが 拡散反射に影響 ( %反 )射 率 SLW(面積重)と近赤外域の反射率との関係 近赤外域 葉面積指数 近赤外域 葉面積の増減によ る反射率の変化 高 低 可視域 反 射 率 ( % ) 低 高 低 測定日 可視域 クロロフィル含量の 増減による反射率 の変化 高 波長(nm) ダイズ群落における分光反射率の推移 繁茂 従来は,解体調査により求めていた葉面積指数 ↓ 2つの波長(850nm, 650nm)を測定することにより, 非破壊的手法により推定が可能と 葉面積指数:4.7 葉 面 積 指 数 850nmと650nmを測定 比率を計算:20 疎 反射率850nmと反射率650nmの比と葉面積指数の関係 水分の吸収域 乾燥 反 射 率 ( % ) 湿潤 波長(nm) 緑葉の反射率と水の吸収率 葉が乾燥(水分が減少する) ↓ 近赤外域では反射率が増加 水分の吸収域 反 射 率 ( % ) 波長(nm) 葉内水分量の異なる葉における反射率の変動 1496nm 重 相 関 係 数 ( R ) 決定係数が低い 波長 波長と決定係数の関係 葉 内 水 分 量 10 mg/cm2 38% 反射率(1496nm) 1496nmの反射率(%)と葉内水分量の関係 葉内水分量を推定するために選択された波長と 重相関係数・標準誤差(ダイズの場合) 選択された波長(nm) 重相関係数(R) 標準誤差 非破壊分析法の概念 透過法 反射法 大型試料の反射スペクトル 測定装置 農業分野での近赤外分光法の利用
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