【カタログ】SAGE製品ガイド (PDF:1.83MB)

SageGlass®
変化する世界のためのダイナミックガラス
SageGlass®
極めて優れた効率性を備えた SageGlass は、
商業用ビルや公共施設、住宅向けに最高の性能と
確かな信頼性を与えます。
エネルギー効率に優れた建物に最適な製品
建物のオーナーや建築家、ガラス工事業者が
SageGlass®に納得する理由とは
静的ガラスは、建物を設計・運用する上で最も古くから存在する問題のひとつです。窓や天
窓、カーテンウォールを利用すれば自然光を取り込むことができますが、同時に不要な熱やグ
レアも取り込んでしまいます。また、従来の日照調整方法では景観が妨げられてしまい、ガ
ラスを使用する本来の目的が損なわれてしまいます。SageGlassはこの問題を解決すると同時
に、コストやエネルギーを節約する数多くの長所を備えた製品です。
電子的に性能を変化することができる動的なSageGlassを利用すれば、建物のオーナーやオペ
レーターが日射と日射熱を調整し、居住者や利用者の快適性を高めるとともに、エネルギー消
費量とコストを大幅に節約することができます。そのため建築家はSageGlassを利用すること
により、魅力的な外観を備えた、エネルギー効率に優れた持続可能な建物を設計することがで
きます。
耐久性に優れたイノベーション
SageGlassは施工しやすく、長期にわたる信頼性を備えた製品です。SageGlassは、コーティ
ングを施した上で業界標準の複層断熱ガラス(IGU)として製造しています。このユニットは
窓や天窓、カーテンウォールフレームに施工することができます。
自然光に満ちた美しい建物
商業用ビルへのSageGlassの納入は、2003年に始まりました。当社では、世界中のオフィスや学校、博物館、政府施設、医療施設に何百枚も
のSageGlassを納入してきました。これまでのSageGlassの変遷の詳細については、www.sageglass.com/portfolioをご覧ください。
1101 ブリッケル・アヴェニュー | マイアミ(フロリダ州)
この2階建ての建物には立方体状にガラスを配置したデザインが施されており、顧客や社員に豊かな日照と活気あふれるブリッケル・アヴェニ
ューの眺望を届けています。SageGlassは過度の熱やグレアを調節し、マイアミの強烈な日射を防ぐと同時に、建物全体のエネルギー消費量を
抑える役割を果たしています。
キンメル舞台芸術センター | フィラデルフィア(ペンシルバニア州)
45メートルの高さに広がるガラス製のアーチ型天井により、キンメルセンターのガーデンテラス
の屋内温度が37度以上にまで上昇するという、日射制御に関する重大な問題がありました。
ガーデンテラスの天窓に設置されたSageGlassは、素晴らしい景観を妨げることなく、利用者に
とって快適な温度を維持する役割を果たしています。
マーシー整形外科病院
フォートスミス(アーカンソー州)
SageGlassは、マーシー整形外科病
院の屋外に広がるガーデンの落ち着
いた景観を妨げることなく、エネル
ギー効率に優れた方法を用いて患者
や職員に降りそそぐ日射を和らげて
います。
SageGlass製品
プロジェクトにはひとつとして同じものは存在しません。その理解に基づき、SageGlassはガラスと同様、ダイナミ
ックで幅広い対応をしております。
製品仕様の決定
サイズと形状
SageGlassは、さまざまなサイズ、形状、カラーの二重/三重窓ガラ
新築や改修物件で一般的に取り付けられる矩形
ス構造を標準的に取り揃えています。SageGlass は、ほとんどのフ
の窓ガラスに適した、1524×3048mmまでガ
レームシステムに取り付けることができます。弊社製品は、最高品
ラスを用意しています。また、平行四辺形や台
質のシーリング材とコンポーネント材料を用いた自社生産品です。
形、三角形など意匠性の高い特殊な形状も対応
可能です。
二層ガラス
様々な形状
下図は、弊社の標準的な二重ガラス製品を示したものです。また当
意匠性
製品を使用した建築方法のうち、最も優れた事例の特徴の一部を合
建物の外観と調和する様々な熱吸ガラスやコーティングを用意して
わせて示しています。当社では約25 mmのIGUを標準製品としてい
います。
ますが、個別の要件に合わせて最外層と内層の厚さをカスタマイズ
することもできます。
SageGlassは、ほぼ全てのフレームに取り付けることができます。弊
SageGlass 合わせ複層断熱ガラス 断面図
熱処理ガラス
社は、窓や天窓、カーテンウォールの大手メーカーと強力な関係を
Sage コーティング
黒バンド
SageGlass
コーティング
光
熱
の取り付けに関する詳細な情報をご用意しています。
3面目
標準バスバー
短辺の長さが1016 mm以下のIGUでは、窓ガラスの長辺に平行な
方向に2本のバスバーを取り付けています。短辺の長さが1016 mm
1面目
を超える場合には、3 mm幅の導体を窓
4面目
5面目
空気層
6面目
結んでおり、各製造業者のフレームシステムの多くについて当製品
熱処理ガラス
ラミネート
フレームに取り付けた SageGlass IGU
フレーム
2面目
ガラスの中央に取り付けることができま
す。この導体の両側に施されているコー
ティングは、個別に制御することができ
ます。それにより窓ガラスを2つのゾーン
三層ガラス
エネルギー効率をさらに高めるため、三重ガラス構造のSageGlassも
ご用意しています。当社の三重窓ガラス製品は、現在市販されてい
る窓ガラスのなかで最も優れたエネルギー効率を実現しています。
スイッチングスピード
平均サイズのSageGlassの場合、15~20分でダイナミックレンジの
90%にわたり、色を変化(透明から熱吸、または熱吸から透明)さ
せることができます。このスイッチング速度は、周囲の温度やガラ
スのサイズ、バスバーの間隔、影(庇やフレームなどの)など、さ
に分け、一方向からのグレアを制御する
機能を高めると同時に、日光を最大限に
利用することができます。
天窓(センターバスバー付)
センターバスバーなし
1524×3048 mm以下のSageGlassでは、センターバスバーを取り付
けていない製品も用意しています。標準バスバーを取り付けた製品
のほうが、短時間で色を変化させることができます。一方、センタ
ーバスバーを取り付けていないSageGlass製品は、ガラスそのものの
エレガンスかつ美しさを備えています。
まざまな要因によって変化します。すなわち、気温が高いほどガラ
スの色の変化が速くなり、サイズが大きいガラスのほうがサイズの
小さいガラスよりも完全に色が変化するまでの時間が長くなり、セ
ンターバスバーを取り付けていない大型の窓ガラスのほうがセンタ
ーバスバーを取り付けている大型の窓ガラスよりも色が変化するま
での時間が長くなります。
また日常的に使用する場合には、ガラスの色を完全に透明な状態か
ら完全に着色した状態に変化させるよりも、段階的に変化させる
(中間色から次の段階の明るい色や暗い色に変化させる)ことのほ
うが多いため、色の変化に必要な時間が短くなります。
カーテンウォール
(センターバスバーなし)
画期的な性能
SageGlass® の動的性能と従来の窓ガラスとの比較
SageGlassを利用すれば、可視光透過率や日射熱取得率(g値)を広
0.60
い範囲でコントロールすることができます。したがって建物を設計
熱吸ガラス
0.50
日射熱取得率
する際に、日射熱取得率と可視光透過率とのバランスについて妥協
する必要がなくなります。SageGlassは、天候や利用可能な光量に
関わらず、光と熱のバランスを最適に保ち、エネルギーコストを抑
え、居住者の快適性を維持します。
Low-e2
ガラス
0.40
0.30
Low-e2熱吸ガラス
0.20
熱反ガラス
0.10
0.00
0
10
SAG
EG
20
LA
SS
動
® の
30
的性
Low-e3
ガラス
能
40
50
60
70
80
可視光透過率(%)
光学的性能
(SR2.0)
熱的性能
可視光
SageGlass クリア
®
透過率(%)
日射
反射率(%)
OUT
IN
透過率(%)
反射率(%)
OUT
IN
熱貫流率
遮蔽係数
日射熱取得率
W/(㎡k)
S.C
g
透明
60
16
14
36
15
16
1.6
0.47
0.41
中間色1
18
10
9
8
10
13
1.6
0.15
0.13
中間色2
6
10
9
3
10
13
1.6
0.09
0.08
着色
1
11
9
0
11
14
1.6
0.07
0.06
EN410-2011 及び EN673-2011(アルゴン充填)のデータによるモデル計算
最も優れたグレア制御機能
持続可能性に優れた SageGlass
SageGlassは、可視光透過率が1%となるレベルにまで着色するこ
SageGlass を利用すれば、屋外の景観を常にクリアに保ちつつ、
とが可能な業界最高の性能を備えています。この着色レベルでは、
グレアを生成する光の99%を遮蔽し、部屋の明るさを効果的に抑え
ると同時に、景観を維持することができます。SageGlassは、暗闇
に近い条件が必要となる場合がある用途(AV機器を利用する部屋な
ど)にとっても理想的な製品です。
快適で持続可能性と省エネルギーに優れた環境を生み出すことがで
きます。米国エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所によ
れば、エレクトロクロミックガラスの利用により冷房負荷を20%程
度、ピーク時の電力需要を30%程度抑えることができるとされてい
ます。またSageGlassはエネルギー効率性に優れていることから、
静的ガラスを使用した建物と比較してHVACシステムを最大25%小
型化することができます。建物のLEED®レーティングの取得を目指
す方にとって、SageGlassはクレジットを獲得する有効な手段とな
ります。
SageGlass 早見表
SageGlassの性能
(透明~完全着色)
SageGlassの特徴
可視光透過率
日射熱取得率
紫外線透過率
退色保護*
60%~1%
0.41~0.06
0.4%~0%
15%~0.6%
SageGlassを利用
すれば、さまざまな
日照条件を制御する
ことができます。一
方、静的ガラスの場
合、たったひとつの
日照条件でしか最適
な効果を発揮するこ
とはできません。
SageGlassは、着
色ガラスとしても透
明ガラスとしても利
用することができま
す。したがって必要
に応じ、太陽熱を取
り入れたり、遮 蔽し
たりすることができ
ます。
SageGlassの最大
紫外線透過率は、通
常のL o w - eガラス
の最小紫外線透過
率をさらに下回って
います。
SageGlassを利用
すれば、ほぼ100%
のフェーディング防
止 効 果 を 得 ること
ができます。この性
能は、従来型ガラス
製 品 の 最 高 性 能を
はるかに上回ってい
ます。
*KDFは、フェーディングを生じるガラスを通過する日射量を評価する単位です。
フェーディングが生じない場合には1-KDFとなります。上記のデータは、25 mmのアルゴン充填IGUに基づき、Window 6.3を用いて計算した値です。
SageGlass 総合コントロール機能
SageGlassは、コントロールシステムからコマンドを受信した時点で熱吸ガラスや透明ガラスに変化します。弊社のコントロール
システムは専用アルゴリズムを採用し、ガラスの性能範囲全体に及ぶさまざまなレベルの着色を実現します。このシステムには、
居住状況や照明レベル、建物管理システムとの整合に基づいて日照、グレア、エネルギー使用量、着色レベルを管理する高性能ツ
ールも搭載されています。自動コントロールを行うことができますが、手動優先オプションも選択でき、また完全に手動で制御す
ることもできます。日照に関する設計の主な目標をどこに設定しようとも、弊社ではお客様のニーズに合わせたシステムを設計す
ることができます。
標準ゾーニング
ゾーニング
弊社のガラスでは、日照の管理を最も効率的に行うため、ゾーンをカスタマイズしてプログラミングし、運用することができま
す。ゾーニング設計は、建物の向き、居住者・利用者の所在場所とニーズ、内部空間の設計、ガラスの主な目的(グレアまたは熱
の制御)など、数多くの要因によって左右されます。弊社では、(1)標準ゾーニング(窓ガラスをグループ化し、統合して制御
する方法)と(2)ガラス内ゾーニング(SageGlass LightZone™)(窓ガラス面を2個ないし3個の区画に分割し、それぞれの区
画を個別に制御する方法)の2種類のゾーニングを提供しています。
部屋に差し込む光の質、視界・温度の快適性、エネルギー性能のバランスを最適化するためには、ゾーニング戦略が非常に重要と
なります。標準ゾーニングを採用したファサードの場合、例えば1列を完全
に着色して1方向からのグレアを制御し、1列を透明にして色を中和し、さら
に必要に応じてその他の窓ガラスを中間色レベルに着色することによって、
部屋に差し込む日照と太陽熱の量を最適化することができます。床から天井
まで届くガラスの場合には、居住者の快適性を維持するためにはゾーニング
が非常に重要となります。窓ガラスが非常に大きく、グレアを制御する必要
がある場合、全てのガラスを着色すると部屋が暗くなりすぎ、快適性が失わ
れるおそれがあります。ガラス内ゾーニングを利用すれば、直射日光が差し
込むガラスの部分のみを着色して1%の可視光透過率とし、残りの部分につ
いては日照やエネルギー、光の色の質を最適化する着色レベルに設定するこ
とができます。それにより、建物の居住者は部屋に自然光が差し込んでいる
感覚を得られると同時に、強すぎるグレアを快適に制御することができま
す。
中間色状態
中間色状態を利用すれば、日照をさらに微調整することができます。さほど
中間色状態を利用すれば、日射に関する設定を微調
整することができます。この写真では右側のガラスに
ゾーニングを施し、(最上列から最下列までの各列の)
日照が強くない状態、あるいはさほど外気温が高くない状態で直射日光をあ
可視光透過率を 6%、 18%、 60%にそれぞれ設定
る程度抑える必要がある場合には、ガラスをある程度着色することにより、
しています。 それにより日射を豊富に取り入れると同
日照を豊富に(ただし多すぎない程度に)取り込むことができます。日照に
時に、 強い直射日光を和らげています。
関する設計上、どのようなニーズが生じようとも、弊社ではお客様の仕様に
合わせてシステムを完全にカスタマイズし、プログラミングすることができ
ます。
新たな SageGlass の機能
継続的なイノベーションを通じ、建築家や建物のオーナー、ガラス工事業者に新たな高性能製品を提供します。
SageGlass LightZone™
エレクトロクロミックガラス1枚を最大3つの着色ゾーン
に分割することができる製品は、SageGlass以外にはあ
りません。この製品はSageGlass LightZone™といいま
す。SageGlass LightZoneを利用すれば、SageGlassガ
ラス1枚を分割し、透明ゾーンと着色ゾーンを自由に組
み合わせることができます。当製品では、標準バスバー
または滑らかなレーザーカットラインを利用してゾーン
を分割します。ゾーンを自由に分割することができるた
め、快適さと美観、エネルギー効率性の最適なバランス
を実現することができます。
SageGlass Unplugged™
SageGlass Unplugged™は、太陽電池を内蔵した
SageGlassのワイヤレスバージョンです。SageGlass
Unpluggedは、電気配線を行うことなくダイナミックガ
ラスを後付けすることができる画期的な製品です。した
がって手が届きにくい天窓や壁上部の採光窓などを利用
したプロジェクトにも対応可能な代替品としてご利用い
ただけます。当製品は、オーナーや建築家やにとってダ
イナミックガラスを建物に取り付ける方法の自由度を大
幅に高めてくれる製品です。電気配線は一切必要ありま
せん。必要なのは美しいガラスだけなのです。
SageGlassモバイルアプリ
SageGlassモバイルアプリを利用すれば、これまで実現
することができなかった日照制御機能を利用することが
できます。この便利なアプリはiOSとAndroid双方のデバ
イスでの使用が可能であり、建物内のどこからでもガラ
スの着色レベルを簡単にコントロールすることができま
す。精密技術の採用により、全てのゾーンの着色レベル
を微調整することもできますし、事前に設定しておいた
「シーン」設定を呼びだして特定の着色効果を実現する
こともできます。
SageGlass の仕様決定
お客様がSageGlassの仕様を決定する際には、当社がサポート
いたします。SAGEがご提供するサービスの一部をご紹介しま
す。
・ガラス性能のモデル化。
・最適なガラスとゾーン設計の特定。
・窓/天窓/カーテンウォールの製造業者との協力による設置
方法の詳細に関する検討。
・フレームシステムを通る配線の設計と仕様決定のサポート。
・フレームシステムの選定と評価のサポート。
・制御システム配線図と回路図の作成。
・建物オートメーションシステムとSageGlass制御システムの
統合のサポート。
・制御システム構成の仕様と設計を通じたサポート。
・ガラス工事業者と低電圧工事業者に対する現場トレーニング
と電話によるサポート。
サンゴバン・ハングラス・ジャパン株式会社
〒102-0083
東京都千代田区麹町3-7 サンゴバンビル
03 5275 0865
www.saint-gobain.co.jp
www.sageglass.com
SageGlass®はサンゴバンの製品です。当製品は、オンデマンドで着色ガラスや透明ガラスに変化し、建物の日照を最
適化する高性能ダイナミックガラスです。SageGlassは、「窓業界のシリコンバレー」の中心地であるフェアリボー
(ミネソタ州)で製造されています。当社は、世界最大手の建材企業であるサンゴバン(パリ)の完全子会社です。
©2015 SAGE Electrochromics, Inc. 無断複写・転載を禁じます。SageGlassはSAGE Electrochromics, Inc.の登録商標です。MKT-48.4
本文書は、消費財廃棄物を10%含有する再生紙を利用して作成しています。