希望 • もぐら叩きはやめよう • 化学物質と他の要因(開発、乱獲、 外来種)の影響の統一的な基準を目 指す • 薬剤耐性をどう見積もるか • 未試験の物質、種への毒性の予測 • Adaptive managementの思想 • 調査・研究を激励する基準 1 生態系保全の特徴 • • • • 有限の生命を尊ぶ 無常の生態系を保全する 無知の知 基準以上でも全滅するわけでは ない • 生態系影響評価には、閾値がな かった 2 生態系の価値 • 利用価値+オプション価値+? – 正確に評価できない – 深刻または不可逆的な損失を防ぐ(予防原 則) – 合意形成と危険の周知 – 生物多様性の保全 – 経済的割引率 – 共有の悲劇 3 環境影響評価法に係る基本的 事項(平成9年環境庁告示第87号) 予測の不確実性の検討 –科学的知見の限界に伴う予測 の不確実性について、その程 度及びそれに伴う環境への影 響の重大性に応じて整理され るものとすること 4 野外調査結果も重視 過去・今後の過ちに学ぶ 5 リオデジャネイロ宣言 第15原則 • 環境に対して深刻あるいは 不可逆的な打撃を与えると き、科学的に不確実だから という理由で環境悪化を防 ぐ措置を先延ばしにしては いけない 6 生物多様性条約前文 • 生物の多様性が有する内在的な価値並び に生物の多様性及びその構成要素が有す る生態学上、遺伝上、社会上、経済上、科 学上、教育上、文化上、レクリエーション上 及び芸術上の価値を意識し、 • 生物の多様性の保全が人類の共通の関 心事であることを確認し、 7 自然の恵みの特徴 • • • • 基底性=全体として欠かせない 公共性=皆で享受する 固有性=掛け替えがない 連続性=一部が全体に波及 8 環境省植物Redlist 1998 日本国際博覧会協会作成のCD-ROM 9 絶滅危惧種の類別 (IUCN 2001) 絶滅(EX) ( 絶 滅 危 惧 種 の 段 階 分 け ) 野生絶滅(EW) ( 評 価 あ り ) ( 適 切 な 情 報 あ り ) ( 絶 滅 危 惧 ) 絶滅危惧Ia類(CR) 絶滅危惧Ib類(EN) 絶滅危惧II類(VU) CITES ap.I CITES ap.II 準絶滅危惧(NT) 絶滅の恐れが少ない(LC) 保全依存(cd) 情報不足(DD) 評価せず(NE) 10 絶滅危惧生物の判定基準 IUCN(2001) 松田「環境生態学序説」 基準 CR EN VU A1,3,4 個体数減 >80%/10 年 3世代 >50%/10 年 3世代 >30%/10年 3世代 少率が A2( 管理下) >90%/10 年 3 世代 >70%/10 年 3 世代 >50%/10 年 3 世代 B1生息域が <10km 2 <500km 2 <2000km 2 B2分布域が <100km 2 <5000km 2 <20000km 2 C (C1減り続け <250(25%/3 年 1世 <2500(20%/5 年 2世 <10000(10%/10 年 3 た )個体数が 代の減少 ) 代の減少 ) 世代の減少 ) D1 個体数が <50 <250 <1000 D2 生息域が (規定無し) (規定無し) 近縁種の <10% E 絶滅の恐れ 10年か 3世代後 (100 20年か 5世代後 (100 100年後に 10% が 年以内 ) に 50% 年以内 ) に 20% [1] http://iucn.org/themes/ssc/siteindx.htm • どれか一つを満たせばよい(根拠の明示) 11 植物レッドデータブックに見られる 各種各区域別の減少要因の頻度 農薬汚染水質汚濁 12 誤用される予防原理 ◎証拠不十分なものでも対策をとる ○保守的な前提を使う ▽他の証拠がそろっても見ない ▽全ての発見されたリスクを避ける 基準Eを満たさないとわかったもの は、絶滅危惧種ではないとすべき 13 基準A(3世代で80%以上減少) をみたしたミナミマグロ 14 アマミノクロウサギ裁判 一審判決文(2001鹿児島地裁) • 市民や環境NGOが当然に原告適格 を有するという解釈をとることは、行政 事件訴訟法で認められていない客観 訴訟(私人の個人的利益を離れた政 策の違憲、違法を主張する訴訟)を肯 定したのと実質的に同じ結果になる のであって、現行法制と適合せず、相 当でない 15 アマミノクロウサギ裁判 一審判決文(続き) • 個人的利益の救済を念頭に置い た従来の現行法の枠組みのまま で今後もよいのかどうかという極 めて困難で、かつ、避けては通れ ない問題を我々に提起したという ことができる 16 アマミノクロウサギ裁判 一審判決文(続き) • 個別の動産、不動産に対する近代所有権 が、それらの総体としての自然そのものま でを支配し得るといえるのかどうか、ある いは、 • 自然が人間のために存在するとの考え方 をこのまま押し進めてよいのかどうかは、 深刻な環境破壊が進行している現今にお いて、国民の英知を集めて改めて検討す べき重要な課題というべきである。 17
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