小・中学校における「情報モラル」学習の 指導計画・内容について <小・中学校における「情報モラル」の指導計画・内容とそのねらいについて> 「相手の人権」を大切にする 「自分の人権」を大切にする 「豊かな人権感覚」をもち, 人と人との「ふれあい」や「コミュニケーション」を大切にする児童・生徒 小学校 インターネットを積極的に活用した交流活動の場面を想定した具体的な主な指導内容 コンピュータの使い方 みんなが安心して使うために 情報発信 責任ある態度で 楽しい交流 電子メール・電子掲示板で 著作権 つくった人の気持ちを大切に セキュリティ パスワード・ウィルス 情報選択 真偽を確かめるために 高度情報通信ネットワーク社会における「 光と影」の部分を理解 京都市立小・中学校では,フィルタリングソフトに よる「閲覧できる情報の制限」を実施 中学校 インターネット上で発生しやすいトラブルを想定した具体的な指導内容 電子メール ウィルスメール チェーンメール 他 電子掲示板・チャット 誹謗中傷・発言責任 なりすまし 他 Webページ 有害ページ・有料サイト 著作権・自己責任 他 ネット売買 トラブル相談窓口 賢い消費者 他 小学校 「情報モラル」学習 指導内容一覧 1年 2年 3年 青色欄は,主に相手を「守る」「大切 黄色欄は,主に自分を「守る」「大切 にする」視点から作成 にする」視点から作成 4年 5年 コンピュータをみんながきもちよくつ インターネットをつかって見ることの インターネットを使って見ることので かうために,どんなことをたいせつに できるしゃしんや文には,どんな気 きる写真や文を使うとき,どんな使 したらいいのでしょうか。 もちがこめられているのでしょうか。 い方をすれば作った人がうれしい気 持ちになるのでしょうか。 コンピュータの使い方 マナー 著作権 写真や絵 著作権 勝手な改変の禁止 一人一人が,「次に使う人の気持 インターネットから取り入れた絵や インターネット上に公開されているも ち」を考えて使うことが大切であるこ 写真を勝手に変えたり、勝手に使っ のには,すべて著作権があることを とを知り,みんなが気持ちよくコン たりすることで,いやな気持ちに 知り,著作権を守ることは,著作者 ピュータを使うことができるようにす なってしまう人がいるかもしれない の人権を守ることにつながることを るためにどうすればよいのかについ ことを知り,よりよい使い方を考え 考える。 て考える。 る。 コンピュータをつかうとき,どうしてパ インターネットのじょうほうは,すべ インターネットで学習をするときに スワードをたいせつにするのでしょ て正しいじょうほうなのでしょうか。 は,どんなことを大切にして調べた うか。 らいいのでしょうか。 電子メールを送るときには,どんな ことを大切にしたらいいのでしょう か。 インターネットを使って交流するとき には,どんなことを大切にすればい いのでしょうか。 電子メール わかりやすい内容 電子メールは送信ボタンをクリック すると二度と取り返せないことを知 り,相手がこの電子メールをもらっ ていやな思いをしないか,意味は伝 わるか,という2点で見直すことが 大切であることを考える。 インターネットの情報は,すべて正し い情報なのでしょうか。 楽しい交流 ネット社会の特性 電子掲示板やチャットなど匿名で参 加できるネット社会の特性を知り, 簡単にできる「なりすまし」がどれほ ど人の気持ちを傷つけるものになる か,考える。 情報選択 うのみの危険性 インターネット上の情報にすぐに反 応することは決してよいことばかり ではないことを知り,だれが,何の ために情報を発信しているのかをた ちどまって考えることの大切さや, 情報をうのみすることの危険性につ いて考える。 みんなのさくひんにはどんないいと けいじ板やでんしメールで,気もち インターネットで友だちと楽しくこう インターネットで交流しているとき, ころがあるのでしょうか。 のよい書き方はどれでしょうか。 りゅうするために,どんなことを大切 見ている人が楽しい気持ちになるに にしたらいいのでしょうか。 は,どんな書き込みをすればいいの でしょうか。 著作権 よいところみつけ 楽しい交流 文字中心の世界 楽しい交流 責任ある態度 楽しい交流 第三者の閲覧 一人一人の作品は,同じものがな 電子掲示板や電子メールは,「文 電子掲示板やチャットでは,ハンド 電子掲示板やチャットは,第三者も いことを知り,友達の作品のいいと 字」が中心の世界であることを知 ルネームで参加していても嘘を書き 簡単にみることができることを知り, ころを見つながら,それぞれの作品 り,だれがみても気持ちのよい内容 込んではいけないことや,間違って 何気ない悪口やうっぷん晴らしが大 に込められた願いや思いについて であることが大切であることを,よい 送信した場合は,まずは訂正の文を きくなっていく可能性や思わぬ方向 考える。 見本を見せながら考える。 送ることが大切であることを知り,責 へ発展してしまう危険性があること 任ある使い方について考える。 について考える。 電子メール 返信の仕方 安易な電子メールの返信は,個人 情報が漏れることにつながることを 知り,自分を守るために,差出人の わからない電子メールは基本的に 破棄・無視することが必要であるこ との意味について考える。 コンピュータをつかっていてこまった ときは,どうすればいいのでしょう か。 コンピュータの使い方 安心 コンピュータを使っていて困ったとき に自分一人で悩むことなく,大人と いっしょに安心して学習を進めてい くことができることを知り,みんなで 安心してコンピュータを使うために 大切にしたいことについて考える。 インターネットを興味本位で使うこと は,どんな危険な可能性につながる のでしょうか。 情報選択 危険性 興味本位で自殺や薬物に関するサ イトをさがしたり,安易にオンライン ショッピングに参加したりすること が,自分の生活に重大な影響を与 えることにつながる場合があること を知り,よりよいインターネットの使 い方を考える。 セキュリティ パスワードの役目 ネットワーク社会の一員としてパス ワードが大切な役目をもっているこ とを知り,パスワードの正しい扱い 方について考える。 情報選択 真偽の確かめ インターネットに公開されている情 報の一部には,正しくない情報もあ るということをいくつかの例示によっ て知り,「ほんとうかな?」とたちどま ることの大切さについて考える。 インターネットで学習をするときに は,どんなじょうほうをさがせばいい のでしょうか。 情報選択 検索のめあて インターネットを使うときは,TPOに 応じて自分自身で選ぶことが自分 の学習を進める上で大切であること を例示を通して知り,学習の時間に どんな情報を探していけばいいのか 考える。 情報選択 検索のめあて インターネットを使って検索する際, いろいろなページに目がいきがちだ が,自分がほしい情報を,めあてを もって検索することが自分の学習を 進める上で大切であることを知り, よりよい使い方を考える。 インターネット上で名前などをしつも んされたとき,なんでもすぐに答える ことは,いいことなのでしょうか。 個人情報保護 安全 個人情報の収集だけを目的にする ようなホームページがあることを知 り,安易にアンケートに答えたり,電 話番号を書き込んだりするなどの個 人情報を漏らさないことが自分を守 ることにつながることを考える。 インターネットでは,なんでもすぐに ダウンロードをしてもいいのでしょう か。 セキュリティ ウィルス 安易にゲームファイルのダウンロー ドを行ったり,興味本位で添付ファイ ルを開けたりする行為が,ネット ワークそのものを壊す可能性がある ことを知り,ウィルス被害に遭わな いようにするためにどうすればいい のかを考える。 自分に関係のない電子メールがき たときには,どうしたらいいのでしょ うか。 すてきなホームページをつくるに は,どんなことを大切にしたらいいの でしょうか。 情報発信 ホームページ作成 インターネットで情報を発信するとき は,だれが見ても気持ちのよい情 報や正しい情報の掲載が大切であ ることを知り,責任をもって情報発信 できるように大切にしたいことにつ いて考える。 中学校版 「情報モラル」学習 指導内容一覧表 電子メール 電子掲示板・チャット WEBページ ネット売買 電子メールで,どうすれば 電子掲示板やチャットでの WEBページを使って,情報 ネットショッピングや,ネッ 相手に自分の気持ちを伝 書き手としての注意事項 収集するためには,どんな トオークションを利用する 相 えることができるか考えて 相 やマナーについて考えて 相 ことに注意をすればよいか 自 上での注意事項やネット 手 みよう。また,トラブルに 手 みよう。また,トラブルに 手 考えてみよう。 分 ショップ等での売買での注 なったときの対処について なったときの対処について 意事項を考えてみよう。 学習しよう。 学習しよう。 ① 電子メールは,しゃべり言 葉のままであったり,相手 の顔がみえなかったりした とき,どんな書き方をすれ ば,相手に自分の気持ち が伝わるだろうかを考える ことを通して,発信者として のマナーを考えさせる。ま た,トラブルになったときの 正しい対処法を知らせる。 電子掲示板やチャットの性 質を知り,「書き手」とし て,記入する上で大切なこ とはなにかを話し合わせた り,考えさせて,電子掲示 板やチャットの記入上の注 意事項やマナーを指導す る。また,トラブルになった ときの正しい対処法を知ら せる。 WEBページの内容につい ては,正確であるか,新し いものであるかなど,各人 が責任を持つことになって いる。そこで,受ける側とし てどのようにして確認すれ ばよいか,どんな点に注意 すればよいかなど,注意事 項やモラルを指導する。ま た,トラブルになったときの 正しい対処法を知らせる。 安心して購入したり,ネット ショップを開設するための ネット上での売買について の注意事項やマナーを指 導する。また,トラブルに あったとき,どのようにす ればよいかを話し合わせ たり,考えさせたりして,正 しい解決の方法を指導す る。 発言責任・書き方・信頼性 誹謗・中傷・発言責任・ チャット・なりすまし 有害ページ・有料ページ・ 出会い系サイト・内容の真 偽確認・自己責任 賢い消費者・トラブル相談 窓口 チェーンメールについてど 電子掲示板での受け手 んな点が間違っているの (読み手)としての注意事 自 か,どのように対処するか 自 項やマナーについて考え 分 考えてみよう。 分 てみよう。 ② WEBページを作成する上 の注意しなければならな 自 いことは,何かを考えてみ 分 よう。 「不幸の手紙」のように, 不特定多数に出すチェー ンメールについて,出す 側・受ける側の気持ちを考 えさせて,防止・阻止する ための方法を指導する。 電子掲示板の性質を知 り,利用上の注意点を話し 合ったり,多くの人の意見 を聞いたりなど,受け手 (読み手)としての注意事 項やマナーを指導する。ま た,トラブルになったときの 正しい対処法を知らせる。 WEBページは,見るものが 内容を見極め,判断するこ とが求められていますが, 作る側の責任やモラルや 著作権・肖像権・個人情報 などを指導する。また,トラ ブルになったときの正しい 対処法を知らせる。 無視・受け手の気持ち・ウ イルスメール 多様性・質問・コメント・信 憑性 発信責任・誹謗・中傷・個 人情報・肖像権・著作権・ ストーカー行為 メールを受けたり読んだり 電子掲示板やチャットを利 するとき,どんなことに注 用するとき,個人情報等で 自 意をすればよいかを考え 相 注意しなければならないこ 分 てみよう。 手 とを考えてみよう。 ③ メールには,不愉快な内 容や,虚偽の情報などが 含まれたりしている。こん な場合,どのように対処す ればよいかを考えたり話し 合わせて,受信者としての マナーを指導する。 電子掲示板やチャットの負 の性質を知っていろいろな 情報を読んだり,見たり, 書いたりして,相手がどん な気持ちになるかを考えさ せると共に,コミュニケー ション・個人情報の大切さ を指導する。 現実の社会において犯罪や社会的 非難の対象となる行為は,インター ネットは「匿名性」や「仮面性」を持っ ていますが,決して特別な世界では なく,絶対にしてはいけません。 ひとりひとりがたいせつにされる ネットワークにしましょう。 ウィルスは? けんこうは? じぶんで えらぶ じょうほうの うけ手として ちょっと先の 事を考える (命・生き方・心) 自分の人けんを 大切にする Webページ 正しいじょうほう まちがった こう ひつようのない うそ(だます)じょうほう げき 電子メール どこから? だれが? 何のため に? 正しいメール めいわくメール コミュニケーション 相手の人けんを 相手の気持ち を考える (命・生き方・心) せきにんを じょうほうの もつ おくり手として うけ手の気持ちを トラブルにあわないくふう かんがえて まきこまれないくふう 正しいじょうほう 人をまもるじょうほう がめんのむこうに 友だちのえがお (^_^)/ 高度情報通信ネットワーク社会に 生きる子どもたちに育てたい資質 噂などをうのみにしないこと セキュリ ティ 健康 無視をする 勇気・決断 力も必要 著作権を尊重 情報の正しい利用 えらぶ 情報の 受け手として 正しいメール どこから? だれが? 何のため に? 大切にする めいわくメール 文字を媒介とした間接経験 コミュニケーション 直接経験(出会う,電話等) 相手の人権を 人との出会いを大切にできる心 (命・生き方・心) トラブルを回避する知恵 トラブルに対処する知識 有 まちがった情報 害 不必要な情報 攻 うそ(だます)情報 撃 電子メール 自分の人権を 情報の 送り手として 正しい情報 人を公平にみること (命・生き方・心) 考える Webページ 責任をもつ 受け手の気持ちを 考えて発信 正しい情報 人を守る情報 画面の向こうに 友だちの笑顔 情報モラル 「情報社会で適正な活動を行うための 基になる考え方と態度」 日常のモラル 情報モラル 日常生活を送る上で必要なモラル 高度情報通信ネットワーク社会を 生きていくうえで必要なモラル 家庭で 学校で 学校で ・家庭教育 ・しつけ 等 ・基本的生活習慣 ・集団生活のルール 等 ・情報教育 豊かな人権感覚 日常のモラルで「してはいけないこと」は 情報モラルでも「してはいけないこと」 進歩にともない新しいルールやマナーが必要 情報モラル インターネットにはとても危険なことがあるが, それを補ってあまりあるすばらしいことがたくさんある インターネットの危険性と夢の両面を指導 現実世界と違う点<情報通信技術の特性から> ・距離に関係なく世界中の人とつながること(範囲) ・情報が一瞬で伝わること(速度) ・匿名性が高いこと(相手) ・情報のコピーが非常に簡単にできること ・主に文字を媒介としてつながっていること ・予想以上の大きな影響力をもっている ・よくない情報には関わらないことが自分を守ること 自殺や薬物,爆発物に 関するサイト 本当に実行してしまう可能性 出会い系サイト アダルトサイト 誘拐などの凶悪犯罪の被害 援助交際・ブルセラ行為 個人情報の流出 国際電話料金の請求 有料サービスによる高額な利用料金 掲示板 チャット 電子メール 誹謗中傷の被害 名誉毀損や脅迫の罪 なりすまし 誹謗中傷の被害 チャット依存症 なりすまし メールによるストーカー 個人情報の流出 スパムメール コンピュータウィルス いやだなあ ネットショッピング 個人情報の流出 親のクレジット番号の流出 不愉快だ こわいなあ だまされ ネットオークション た 詐欺被害や売買トラブル 傷つい ブルセラ行為・麻薬など 違法物品の入手 た 腹が立つ これ,罪? ホームページの開設 メールによるストーカー行為 著作権や肖像権侵害案等の罪 なぜ? 損をし た 画面の 向こうに 人がいる インターネットカフェ ファイル交換ソフト 個人情報の流出 著作権侵害の罪 情報モラル 「情報社会で適正な活動を行うための 基になる考え方と態度」 子ども一人一人の実態を 子どもひとりひとりが安心して生活できる環境を 豊かな人権感覚 がめんのむこうには人がいます。 思いやり 相手の気持ちや次に使う人の気持ちを考えましょう。 せきにん めあて ちょっと先の事を考えるようにしましょう。 自分自身を大切にすることにもつながります。 何のためにコンピュータをつかっているのか, めあてをしっかりもちましょう。 本データ作成にあたっては 以下のソフトの収録画像データを使用しています。 一太郎12,一太郎2004 Microsoft Word 2002 Just System Microsoft ホームページを動かすための素材集 (株)インプレス
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