数学科教育法Ⅰ • 新教育課程(新学習指導要領)とは何か ・中学校数学 ・高等学校数学 ・総合学習の実例 156004 156010 156103 156134 新井 健太郎 石川 祐大 高玉 秀一 長谷川 潤 新学習指導要領 平成10年に告示される。 ・幼稚園・・・平成12年 ・小学校、中学校・・・平成14年 ・高等学校・・・平成15年 に施行された新しい学習指導要領 旧学習指導要領の改訂の主眼 社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間 の育成をすることから、自ら学び自ら考える 力などの「生きる力」などの育成することに変 わった。 教育課程の基準の改善のねらい 1、豊かな人間性や社会性、国際社会に生き る日本人としての自覚を育成すること。 2、自ら学び、自ら考える力を育成する。 3、ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本 の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実す る。 4、各学校が創意工夫を生かして特色ある教育、特色 ある学校づくりを進める。 新学習指導要領のポイント 1、授業時数の縮減等 2、教育内容の厳選 3、「総合的な学習の時間」の創設 4、選択学習の幅の拡大 5、道徳教育 6、国際化への対応 7、情報化への対応 8、体育・健康教育 9、各学校段階ごとの改善 新たに新設された科目について 1、情報 情報化社会を理解し、基礎的な技能・技術 を身に付けるのがねらい。 興味関心により「情報A・B・C」から選択が可 能。 2、総合的な学習の時間 評価の方法の変化 相対評価 → 絶対評価 (例)五段階評価で成 績がクラスの上から 何%が5、何%が4と いうように集団の中で その子どもが何番かと いう位置づけをする。 (例)その時間の授業 の目標を、教師が"漢 字10個を書けるように なる"として、もし全員 の子どもが漢字10個 を書けて、目標が達成 されたら、みんなが5と いう評価になる。 中学校数学 学習指導要領について 学習指導要領改訂の要点 (1)中学校数学科の目標の改善 (2)「指導計画の作成と内容の取り扱い」 に関する改善 (3)中学校数学科の内容の変更点 (1)目標の改善 ・ 自ら学び考える力を育成できるようにす る ・ 数学的活動の充実を図ることができるよ うにする ・ 観察,操作や実験を通して,直観的な見 方や考え方を深めるとともに,論理的に 考察する基礎を培う (2)「指導計画の作成と内容の取り扱 い」に関する改善 ・課題学習の充実 → 体験的な学習を取り入れる等 ・コンピュータや情報通信ネットワーク等 の活用 → 資料を表やグラフに整理する等 ・選択教科としての「数学」の拡充 → 習熟度別授業等 (3)内容の変更点 <厳選の考え方> • 高度になりがちな内容は、上の学年や学校 段階に移行統合、または削除する。 • 例えば小学校で複雑な加減乗除の計算を軽 減するなど、日常生活に必要な内容に重点 化すること。 • 作業的・体験的な活動や問題解決的な学習 活動をゆとりをもって行う。 小学校からの移行内容 小学校算数 中学校数学 数と計算 ・文字を用いた式(5年) 量と測定,図形 ・図形の合同(5年) ・図形の対称(6年) ・縮図や拡大(6年) 数と式 ・文字と式(1年) 図形 ・図形の合同(2年) ・平面図形(1年) ・図形と相似(3年) 指導事項の示し方の改善 • ゆとりもって学習を進めていけるようにした。 • 指導事項のすべてを文章に改めたことにより、 適切な学習活動ができるようにすることを意 図している。 • 学年目標については、「培う→養う→能力を伸 ばす(育てる)」という整理をした。 • 指導内容は、できる限り「~を知ること」「~を 理解すること」「~ができること」と表現し、何を 学び、それによってどのような能力を身につけ させるか分かるようにした。 高等学校数学の指導 要領 平成15年度施行 目標の説明 • 「数学的活動を通して創造性の基礎を培う」と いう文句が加えられた。 • 高等学校における概念や原理・法則に関す る知識・理解が、小中学校に比べて体系的に 整った内容であることを示している。 • 高等学校における考察の対象が、数量と図 形に限らず、それらを含んで体系化された数 学であることを示している。 科目構成・標準単位数の改善 新しい科目構成 これまでの科目構成 科目 標準単位数 科目 標準単位数 数学基礎 数学Ⅰ 数学Ⅱ 数学Ⅲ 数学A 数学B 数学C 2 3 4 3 2 2 2 数学Ⅰ 数学Ⅱ 数学Ⅲ 数学A 数学B 数学C 4 3 3 2 2 2 必修科目・選択科目について 選択科目 必修科目 内容のすべてを 内容を選択して 履修 履修 「数学基礎」 「数学A」 「数学Ⅰ」 「数学Ⅱ」 *どちらか選択 「数学Ⅲ 」 「数学B」 「数学C」 各科目の変更点 移行された内容 数の集合と四則 一元一次不等式 二次方程式の解の公式 いろいろな事象と関数 相似形の面積比・体積比 球の表面積・体積 三角形の重心 円の性質の一部 資料の整理 高等学校での位置付け 標本調査 「数学基礎」、「数学C」 「数学Ⅰ」 「数学A」 「数学基礎」、「数学B」 1.数学基礎 身近な問題の解決に数学を活用しようとする態度を 育成し、数学の学習の必要性を認識させるために 新設された科目である。 ①数学と人間の活動 数学の概念と人間の活動のかかわりを理解させる ②社会生活における理数的な考察 社会の身近な現象から数学的見方や考え方を学ぶ ③身近な統計 集めた資料の適切な整理方法を学ぶ 数学Ⅰ ①方程式と不等 式 ②二次関数 ③図形と数量 数学Ⅱ ①式と証明 ②図形と方程式 ③いろいろな関数 ④微分・積分の考え 数学Ⅲ ①極限 ②微分法 ③積分法 数学A ①平面図形 ②集合と理論 ③場合の数と確 率 数学B ①数列 ②ベクトル ③統計とコンピュ ータ ④数値計算とコン ピュータ 数学C ①行列とその応 用 ②式と曲線 ③確率分布 ④統計処理 まとめ 今回の指導要領の改訂では、高等学校 数学からは移行せず、中学校数学から 移行された内容が加わり内容が改訂前 より多くなった 。 総合学習について Ⅰ Ⅱ 「総合的な学習の時間」 「総合的な学習の時間」の時間 数・単位数 Ⅲ 「総合的な学習の時間」のねらい Ⅳ 「総合的な学習の時間」の特色 Ⅰ 「総合的な学習の時間」 (1)地域や学校、子供たちの実態に応じ、学 校が創意工夫を生かして特色ある教育 活動が行える時間 (2)国際理解、情報、環境、福祉・健康など従 来の教科をまたがるような課題に関する 学習を行える時間 Ⅱ 「総合的な学習の時間」 の時間数・単位数 小学校では3年間以上から週当 たり3時間程度、中学校では週 当たり2~4時間程度、高等学校 では卒業までに3~6単位配当さ れます。 Ⅲ 「総合的な学習の時間」 のねらい (1)自ら学び、自ら考える力の育 成 (2)学び方や調べ方を身に付ける こと Ⅳ 「総合的な学習の時間」 の特色 (1)総合的な学習の時間の内容は、各学 校で決めます。 (2)学校の時間割における総合的な学習 の時間の名称も各学校できめます。 (3)自ら課題を設けて行う学習や将来の 生き方を考える学習が積極的に行われ ます。 Ⅳ 「総合的な学習の時間」 の特色 (4)自然体験やボランティア活動などの社 会体験など体験的な学習や問題、解決 的な学習が積極的に行われます。 (5)グループ学習や異年齢集団による学 習、地域の人々の参加による学習や地 域の自然や施設を積極的に生かした学 習などの多様な学習が行われます。 総合学習の実例 中学生 橋本市内に住む一人暮らしの高齢者の方々あ てに暑中見舞いはがきを作成しました。 「数学は、積極的に創造していくべきもの」と捉 え、 「考える」「表現」を大切にし、それを「いか に表現していくか」という過程に存在していると 考えている。 指を使って考える かけ算九九の授業 近くにある物を使って自分 の考えを表現する授業 高校生 おもりをしょったり手袋やゴーグルをつける など、普段よりもかなり不自由な状態で、雑 誌のページをめくったり、階段の上り下りを するなどの体験
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