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住民が自ら動いた
「東区健康まちづくり」の取り組み
~住民の主体性を生み出し連鎖する働きかけ~
東区健康まちづくりモデル
横山 七重 小仲 靖江
西川 いと 東 貴子
山崎 越子
林 由香
東区健康まちづくり
• 熊本市の生活習慣病における課題
1)新規透析導入者割合が全国1位 生活習慣病1件当たり医療費が上位である
2)特定健診受診率24.9%で全国32%と比べて低い
• 東区健康まちづくり活動方針
「予防可能な生活習慣病で倒れることのないよう、住民が自らの健康を自分で管理す
る力をつけ、生涯を通して生きがいのある生活が送れるようにする。」
• 東区健康まちづくり成果指標
平成28年度までに・・・
①健診受診率の向上!
東区の受診率H23年度25%⇒50%
②特定健診データの改善!!
健康学習会参加者のデータ 維持改善率80%
③新規人工透析導入者数の減少!!!
提言
1)住民が自分の健康を自ら管理する力をつけることで、主体
的に予防行動が取れるようになる(主体性を生み出す)た
めには
①健診結果を元に、オーダーメイドの情報提供を行い、健康に関する取り組
みを自分のこととして関心を持ってもらう
②現在の自分の身体の状態と、将来の健康状態が予測できる包括的な説明
を行う
2)住民が予防行動の重要性を主体的に周りに発信していくこ
とで、より多くの住民へ働きかけることができる(主体性
の連鎖を生み出す)ためには
①リーダー自身に、家族、知人、住民へのアプローチの方法を考えてもらう
②リーダーと協働で、健康学習会を企画実施し、さらに参加者同士の交流、議
論の場(グループエンパワメントを引き出す場)を設定する
東区健康まちづくり
• 校区リーダーに、校区もしくは熊本市の健康課題を説明し、校区
リーダー自身の健康状態を個別に説明する
• 住民向けの健康学習会を開催し、住民の知識の習得を目指す
• 食べたものが身体の中で代謝される仕組みについて学ぶ
遊離脂肪酸
脂肪細胞
TNFα
レジスチン
糖の入り口が
開かない
東区健康まちづくり
• 実際の事例を用いて、軽度の疾患の放置が重
大な合併症につながることを実感してもらう
例)糖尿病・高血圧
適切な治療や生活習慣の改善をしなかった場合
失明、透析、壊疽による片足切断のケース
• CKD(慢性腎臓病)の悪化と生活習慣病の悪化
には強い相関があることを説明
• 健診で身体の中の変化がわかることを具体的に説明
し、健診を受けるメリットを感じてもらう
東区健康まちづくり
• オーダーメイドの情報提供で、自分で自分の健診結
果の読み取りができるようになり、自分の身体の中で
起こっている変化や、今後起こりうることを予測できる
ようになる
• 健診情報や健診の大切さを住民自身が周りの住民に
伝達し、まち全体に広げる意識を高める
• まちぐるみの健康づくり活動に取り組む組織や機関が
増えるように働きかける
東区健康まちづくりの住民の反応
個人の反応
• 血管の話、事例の話は聞
いてぞっとした。自覚症状
がないまま悪くなっている。
• 「食べたものが身体の中で
どうなるか」の話は聞いた
ことがなかった。
• 「なぜ糖分や脂肪の取り過
ぎ、運動不足が悪いか」身
体の中の事を知りよくわ
かった。
「広げる」意識の高まり
• 健診はやっぱり受けたほうが
いいと思った。家族、知人に
も勧めたい。
• 町内で健診を勧める回覧を
したい。
• やっぱり食事と運動は大事。
今度は食事や運動の大切さ
についても話を聞きたい。人
を集めておくから話してほ
しい。
• 今までは異常か正常かの興
味しかなかったが、学んだこと
を友人や近所の人に伝えた
い。
C校区における健康学習会(知識)の広がり
まち(校区)の小学校
中学校等関係機関に広
がる
これはとても大
事な話。中学校
PTAでもぜひ話
をして!
中学校PTA
民生委員の集会
校区リーダー
学習をもっと
深めたい!
小学校PTA
小学校PTA
1回目
2回目
小学校PTA参加者、民生委
員の集会参加者、中学校PT
A参加者が集まって合同で健
康学習会
D校区における健康啓発行動の広がり
近所の人にも健
診を勧める声か
けをしたい!
隣保組長会
議でもぜひ
話を!
まち(校区)
全体に広がる
近所の人
町内隣保組長の会議
知り合いが声を
かければ、健診
に行くよね!チラ
シを作ろう!
校区リーダー
校区住民
校区自治協議会
会議
健診啓発チラシの
作成
40歳以上の方へ
特定健診を受けましょう!!
年に1回は
・・・毛利自治会・・・
身体のメンテナンス!!
脂質・血糖・血圧
高いと・・・
動脈硬化
特定健診の受け方
国民健康保険の
方
社会保険の方
お勤め先にお問いあわ
せください。
(被扶養家族含む)
後期高齢者医療の方
申し込みが必要です。
*65歳以上で後期高齢者
医療制度の被保険者の方
も含む
お尋ね等は・・・
健診専用ダイアル:ひごまるコール
電話 096-334-1507
送付された受診券と健康保険証を持参のうえ、
受診してください。
西原校区自治協議会
まとめと今後の課題
1. 地域住民と行政との信頼関係を深めることができる
•
•
住民と話し合いをしたり、協働する機会が増える
住民自治の動きがさらに活発化していくことが期待できる
2.住民の予防行動の継続を促す
•
•
•
具体的で日常的な支援を継続するため、住民と協働での話し合い、地域の繋がりや
店、企業、社会資源、関係機関を活用
若い世代へのフェイスブック等電子媒体の活用
個人や集団の取り組みの結果を住民に返すことで、住民のやる気を継続させ、予防行動の更な
る広がりを促す
•
地域組織やグループのつながりを強化し、まちぐるみでの取り組みを促す
3.住民の反応や予防行動の広がりについて、継続して検証していく
•
今年度開始した事業のため、健診受診率や健診結果データの変化についての評価は
次年度以降になる。今後も継続して、結果を検証していく。