教育・研究の高度化を支える技術者組織

教育研究支援本部の取り組み
技術専門員 小川正人
教育研究支援本部運営委員
理学研究院技術部
2013.1.16
平成24年度KEK技術職員シンポジウム
1
報告の流れ
○ 全学的な教育研究支援体制の構築に向けて
教育研究支援本部の将来像
段階的移行
系統別グループ化(組織化)
○教育研究支援本部 研修検討ワーキンググループの活動
平成24年度北海道地区国立大学法人等技術職員研修
全国的研修の等の参加支援
技術職員の組織化に係る情報収集
○北海道大学工作技術交流会の活動
平成24年度工作技術フオーラム
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北海道大学組織図
教育研究支援本部(技術支援本部平成25年4月改名)
教育研究支援本部運営委員会
本部長(副学長)
役員補佐
研究科長
研究院長
センター長他 教員 7名
技術専門員
2名
教育研究支援本部
研修検討ワーキンググループ
研究院・研究科・センター
研究所
技術専門員
技術専門職員 17名
本部長
センター長
研究院 教員 3名
技術専門員 2名
事務局
2名
グループ長
3
国立大学法人北海道大学教育研究支援本部規程
(目的)
第2条 支援本部は,国立大学 法人北海道大学(以下「本学」という。)の教育研究活動の効率的な推
進及び円滑な実施を図るため,技術職員に関する組織化の推進,人員の管理,人材の育成,資
質の向上及び確保等を行うことを目的とする。
(業務)
第3条 支援本部は,前条の目的を達成するため,本学の技術職員に関し,次に掲げる業務を行う。
(1) 組織化及び体系的な整備に関すること。
(2) 資格,職務内容等の情報に係るデータベースの整備に関すること。
(3) 計画的配置に関すること。
(4) 人件費の管理に関すること。
(5) 採用,人材育成,再教育及び研修に関すること。
(6) その他前条の目的を達成するために必要と認める事項
平成19年3月1日
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全学的な教育研究支援体制の構築に向けて(Ⅰ)
第一期中期目標(H23.2.22)で指摘された
問題点
(1)新たな分野、ニーズに対する技術職員の配置が困難
(2)人事の流動性の欠如による組織の停滞
(3)一人職場の技術継承や病気で欠けた場合の補完体制が未整備
(4)技術職員の教育システムの欠如
(5)複数の職名(文科省訓令職、国大協技術部職)による複雑化
技術専門員
技術専門職員
技術職員
技術部長
技術長
班長
5
全学的な教育研究支援体制の構築に向けて(Ⅱ)
方針・指針
(1)「支援本部による技術職員の一元的管理」目指す。
ただし多様な職務・位置づけを考慮すると、画一的な一元管理にはなじまない。
(2)その第一段階の試みとして、 系統別グループごとに検討・議論を行った。
①機器分析
②機械工作
③フィールド
④動物飼育
適切なグループ化によって、
☆効率的で高度な技術の提供および技術の継承や高度化が可能となる。
☆部局横断的な異動が可能になり、人事の活性化が期待できる。
そのためには、
★組織・制度面の改革。
★長期的な方針・ビジョンの提示が欠かせない。
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教育研究支援本部の将来像
(1)将来像(ビジョン)
「北海道大学の教育・研究の高度化を支える技術者組織」
第二期中期目標「教育研究の高度化及び活性化を推進するために、
教育研究支援機能を強化する」
(2)任務(ミッション)
教育・研究の基盤となる多様な技術的支援および教育・研究の高度化に
伴って必要となる新たな技術的支援を提供すること。
・化学分析・機器分析等の各種分析技術の提供
・機械工作・電子工作等の工作技術の提供
・野外における教育・研究に関わる技術的支援の提供
・研究用動物の飼育に関わる技術的支援の提供
・IT、ホームページ等に関わる情報技術支援の提供
・その他、新たに必要となる技術支援の提供
段階的移行
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(1)組織
・部局を横断して、系統別グループを組織し、全学的な技術支援体制を構築する。
・各グループにグループ長と運営会議を置く。
・グループ長と運営会議は、学内資源の有効活用を図り、支援技術の高度化に努める。
・当面の系統別グループを5グループとする。
①分析グループ、 ②工作グループ、 ③フィールドグループ、
④動物飼育グループ、 ⑤情報技術グループ、
(2)職名
・部局をこえて異動することを容易にするために、現在2つの設定
(文科省訓令職、国大協技術部職)になっている職名を統一する。
(3)実施時期
・H24年度中の実施を目指して、協議・検討を開始する。
・将来的には、段階的移行の実施状況に基づいて、支援本部への一元化を検討する。
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移行のイメージ
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段階的移行図(部局横断型)
北海道大学
平成24年4月1日現在
情
報
環
境
推
進
本
部
医
学
研
究
科
歯
学
研
究
院
獣
医
学
研
究
院
水
産
科
学
研
究
院
19部局
理
学
研
究
院
薬
学
研
究
院
農
学
研
究
院
工
学
研
究
院
北
海
道
大
学
病
院
低
温
科
学
研
究
所
電
子
科
学
研
究
所
遺
伝
子
病
制
御
研
究
所
触
媒
化
学
研
究
セ
ン
タ
ー
北
方
科生
学物
セ圏
ンフ
タィ
ーー
ル
ド
ア
イ
ソ
ト
ー
プ
総
合
セ
ン
タ
ー
リ人
サ獣
ー共
チ通
セ感
ン
タ染
ー症
創
成
研
究
機
構
高
等
教
育
推
進
機
構
教
育
研
究
支
援
本
部
グループ長
分析系
33
工作・観測系
51
フィールド系
81
動物飼育
・医療系
24
情報技術系
34
選択困難
1
13
13
3
4
3
5
1
20
4
11
43
3
3
9
10
9
6
75
1
2
7
4
12
234名
10
系統別グループ及び職務内容
分析系グループ
(平成24年4月調査・12月再調査)
化学分析・機器分析等の各種分析技術の提供
放射線管理に関わる技術の提供
工作・観測系
グループ
機械工作・電子工作等の工作技術の提供
観測装置の保守・管理及び観測データーの処理等の技術の提供
フィールド系
グループ
野外における生態系・農林水産系の教育・研究に関わる技術の提供
医学・実験動物系
グループ
研究用動物の飼育に関わる技術の提供
医歯薬系の教育・研究に関わる技術の提供
情報技術系
グループ
IT・ホームページ等に関わる情報技術の提供
環境・安全衛生系
グループ
環境・安全衛生に係る点検等に関わる技術の提供
安全教育・訓練に関わる技術の提供
核燃料物質等の安全管理に関わる技術の提供
実験・実習系
グループ
実験・実習・演習等の教育研究支援に関わる技術提供
(学生の教育支援を主とするもの)
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教育研究支援本部研修検討ワーキンググループの活動
任務:技術職員の育成及び資質向上を図ることを目的とする研修についての
企画、立案、実施等を行う。
組織:教育研究支援本部長が指名する技術専門員又は技術専門職員
その他本部長が必要と認めた者
平成19年度から13部局から17名の技術専門員、技術専門職員で構成
主な活動
○北海道地区国立大学法人等技術職員研修
○全国的研修の等の参加支援
○技術職員の組織化に係る情報収集
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平成24年度北海道地区国立大学法人等技術職員研修
目的:北海道地区国立大学法人等の技術職員に対し、その職務遂行に必要となる基本的かつ一般
的な知識並びに最新の専門的な知識及び技術等を習得させ国立大学法人等の技術系業務
における重要な担い手としてその資質向上を図る。
主催:一般社団法人国立大学協会北海道支部、北海道大学
実施期間:平成24年9月24日(月)~26日(水)
場所:北海道大学百年記念会館大会議室
受講者数:24名(北海道大学、旭川医科大学、帯広畜産大学)
実施分野:生物・生命科学系
平成25年度:理学・工学系、
平成26年度:システム・情報系
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研修日程表
於:北海道大学百年記念会館
〔実施分野:生物・生命科学系〕
9:00
10:00
15
9月24日
(月)
9月25日
(火)
9月26日
(水)
受
付
オ
リ
エ
ン
テ
ー
シ
ョ
ン
30
開
講
式
35
11:00
15
30
工学研究院
工学技術センター
・技術部の紹介
技術専門員
中村真人技術部長
ススキからバイオエタノール
北方生物圏フィールド科学
センター
生物生産研究農場長
教授 山田敏彦
免疫の基礎と研究手法
遺伝子病制御研究所
免疫生物分野
教授 清野 研一郎
休
憩
休
憩
45
12:00
15
休
憩
45
昼
休
み
自己紹介
+グループ討議
医薬品のパラダイムシフトと
ドラッグデリバリーシステム
薬学研究院
准教授 秋田英万
安全保障輸出管理
産学連携本部
産学連携マネージャー
須佐太樹
特定専門職員
佐久間温子
13:00
15
閉
講
式
昼
休
み
14:00
45
技術報告
歯学研究科
技術専門員
本間義幸
技術報告
創成研究機構
技術専門職員
岡征子
15:00
30
休
憩
45
16:00
15
30
技術発表
17:00
30
7件程度
施設見学
北大生物生産研究農場酪農生産研究施設~北大植物園
15
移
動
懇
親
会
14
技術職員研修の風景
技術発表
北大植物園
グループ討議
生物生産研究農場
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技術職員の全国的研修等の参加支援
総長室事業推進経費(年間:150万円予算)
(技術職員の資質向上の取り組み等への支援)
応募対象者:本学の技術職員、嘱託職員とする。
対象とする全国的研修等:全国的な専門研修(民間主催も含む)
審査の概要:研修検討ワーキンググループで予備審査を行い、
教育研究支援本部長が採択者を決定する
期間:前期(4月~9月)後期(10月~3月)年間12件程度
技術職員の組織化に係る情報収集(研修検討ワーキンググループ構成員)
高エネルギー加速器研究機構技術職員シンポジウム
機器・分析技術研究会
総合技術研究会
実験・実習研究会
年間6件程度
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北海道大学工作技術交流会の活動
目的:技術職員の育成及び資質向上を図ることを目的とする研修・技術発表
(工作技術フーラム)等の企画、立案、実施等を行う。
組織:北海道大学内の工作機械等の設置している施設
理学研究院 技術部 機械工作室
2名
触媒化学研究センター 技術部 金属工作室
3名(内1名技術補助員)
工学研究院 工学系ワークショップ
5名
電子科学研究所 技術部 機械工作室
3名
低温科学研究所 技術部 装置開発室
4名(内1名嘱託職員)
平成24年度の他の活動
○理学研究院~工学研究院 配置換え、電子科学研究所~理学研究院
○触媒化学センター~理学研究院 技術研修10カ月
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工作技術フオーラム(ものづくりとひとづくり)
目的
1.若手技術職員の工作技術やプレゼンテーション能力のスキルアップを目指す。
2.経験豊かな技術職員から若手技術者へ助言、部局の垣根を越えて、北大で働く技術職員のスキ
ルアップ、ボトムアップを目指す。
3.工作系技術職員が勤務する工作室等を利用された教員から、技術職員の技術的評価と今後につ
て、研究者側から研究内容発表を通じて助言をしていただく。
4.道内外の他大学・他高専の工作系技術職員からも工作技術に関する発表をしていただき、相互に
技術を高めること目指す。
第5回工作技術フォーラム
第5回低温科学研究所技術部セミナー
参加人数:43名
他参加機関:室蘭工業大学
旭川高専
苫小牧高専
函館高専
北海道大学博物館(理学研究院)
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第5回工作技術フオーラムの風景
9月28日(金)10:00~17:00
技
術
発
表
電
子
科
学
施研
設究
見所
学ガ
ラ
ス
工
作
室
19
第5回低温科学研究所技術部セミナー
KEK 安島氏の講演
9月27日(木)15:00~
長岡技大 星野氏の講演
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終わりに
○教育研究支援本部の取り組みの報告
○研修検討ワーキンググループの活動
○工作技術フオーラムの活動
現在:部局を中心に技術職員が活動している中、
部局を超えた
「全学的な教育研究支援体制の構築に向けて」
一歩ずつ進み、継続的に進化し続けると思います。
ご清聴有難うございました
平成24年12月25日製作
溶融電界紡糸装置