理学研究院 機械工作室での研修について

理学研究院 機械工作室での研修について
触媒化学研究センター 研究支援技術部
第二研究機器開発班 川村裕介
発表の流れ
採用からこれまで6年間同じ工作室で働いてきた
が、このたび理学研究院 機械工作室の方々に声
をかけていただき、現在工作の研修を受けさせて
いただいている。
これまでの研修の
・ 概要
・ 詳しい内容や教わったこと
・ 成果と課題
・ 感じたこと
を発表する
研修の概要
○研修の目的:機械工作の技術を向上
・ 考え方や見方を広げる
・ 新たな工作技術を習得
・ NC工作機械を扱う
○研修の期間
・ 4月10日~5月16日(1ヶ月)
・ 7月2日~12月27日(半年)
研修の方法
理学研究院の製作業務を行いながら、
教えていただく
IKEGAI
ED-18
加工例Ⅰ:深穴加工
銅の丸棒にΦ1.0mm,
深さ25mmの穴を開ける
ポイント
①感覚をつかみやすいので、縦
フライス盤の上下ハンドルで加
工
②少し送ってはドリルを戻し、こ
まめに切りくずを排出し、油を十
分に供給
SHIZUOKA 縦型フライス盤VHR-A
加工例Ⅱ:メタルソー
縦フライス盤に取り付けて、溝加工ができる
加工例Ⅲ:旋盤のチャッキング
円盤状(薄板)のものを旋盤で加工するとき、
爪を外してつかむ方法もある
加工例Ⅳ:ダイスホルダー
曲がることが少なく、まっすぐネジが切ること
ができる
加工例Ⅴ:ヘリサート
アルミ・樹脂など軟らかい材料でも、強度のあ
るメネジをつくることができる
NC工作機械の加工例
CAMソフトは「NCVC」を使用
・ 曲面加工が可能
・ 同じ加工を効果的に繰り返す事ができる
・ 単純だが加工時間が長いものにも便利
・ 自動運転中に、他の作業ができる
注意点:ハンドルが強制的で感覚がない
→汎用機の良さ
NC旋盤の加工例
テーパーネジが切れる
球面の加工ができる
TAKISAWA TAC-510
NCフライス盤の加工例
複雑な形状加工、微細な加工に便利
SHIZUOKA NC MILL AN-SRN
いろいろな材料
今まで扱ったこと
のない材料を加工
・ ポリエチレン
・ NiCrAl : 高強度。硬度を調整できる
・ ベリリウム銅 : 銅合金では最強
便利な機械
・ 面取り機
均一に早くバリが落とせる
・ ドリル研磨機(DARE X)
ドリルが左右対称に研げる
・ リークディテクター
(Edwards spectron 300E)
真空にして漏れがないか検査
これまでの研修の成果
・ 新たな工作技術を身に付けることができ、これまで
の工作技術をより深めることができた
・ 今までにない製品を作ったり、材料を加工すること
で、機械工作の経験や知識を広げることができた
・ NC工作機械の使い方を知り、特徴を理解すること
ができた。また、汎用工作機械の良いところも知るこ
とができた。
・ さまざまな機械や道具、作業方法について学べた
・ 発注や工作室の運営について参考になった
残りの期間の課題
・ 工作技術をより吸収し、自分のものにする
・ NC工作機械の習熟(特に、CAM加工)
・ より効率的に段取り良く作業する
(最善の加工方法、汎用とNCをうまく使い分ける)
・ 加工を行うだけでなく、設計をしたりアイデアも出
せるように
他の工作室で働くこと(研修)のメリット
→ 今までと異なる環境
(人、製作物、工作機械、材料など)
⇒ 知識や経験、視野を広げるチャンス
(スキルアップ)
人事交流について
他の場所で仕事をすることにより、新たなことを学
べるし、よい刺激になる。横のつながりもできる。
今後も、このような交流が活発にできたら大学全
体として活性化でき、技術を共有し、次世代に継
承できるので良いと思う。
他の職場で研修できるような仕組み(制度)ができ
たら良いと思う。
最後に
この研修は多くの方の協力で実現しました
理学研究院 機械工作室
小 川 正人 様
加 藤 尚史 様
佐々木 康隆 様
心から感謝いたします