○年金に関する質問 企業年金:確定給付型と確定拠出型の比較 確定給付年金 確定拠出年金 拠出・給付 給付が確定 拠出が確定 掛金運用 年金基金が運用 個人が運用 運用・年金支 給の責任 企業、運用成績が悪く 個人の自己責任、運用結果につい て積立不足が生じれば て企業に責任なし 企業が穴埋めor年金 給付金の切下げor年 金基金の解散 年金債務(積立不足) を企業のB/Sに計上 ポータビリティ 難しい(元々長期勤続 者を優遇する制度で、 転職者にとって不利) 容易(個人の持分が明確)、但し転 職先が確定拠出年金を導入してい ることが条件 1 • 確定拠出年金導入の背景 – 企業にとっての確定給付型年金運営の困難化 – 企業の浮き沈み・盛衰の激化 – 労働の流動性の高まり – 年金制度が不十分な中小企業従業員・自営業者 も加入できる年金を創設する 2 ・なぜリスクのある株式に年金資金を運用するのか? ⇒ 井出・高橋『ビジネス・ゼミナール:証券投資入門』p.107 3 井出・高橋『ビジネス・ゼミナール:証券投資入門』p.108 4 第4章.ファンド資本主義 (1)買収ファンド • 買収ファンド • 経営上の問題で効率が低下している企業、経営破綻企業等 • 証券会社の – 買収ファンドと同じことを証券会社が自己資金で行う • 野村プリンシパル・ファイナンス、大和証券SMBCプリンシパル・ インベストメント、日興プリンシパル・インベストメント – 証券会社はプリンシパル・インベストメントと同時に買収 ファンドの組成・運営業務も行っている 5 • Private Equity Fund(PEファンド) – private:非公開の、public:公開の – PEファンド:未公開企業の株式に投資するファン ド ・ベンチャー・キャピタル・ファンド スタート・アップ段階の企業への投資 ・広義のPEファンド ・狭義のPEファンド(買収ファンド) すでに事業基盤を持っている 企業への投資 ・米国では買収ファンドの活動は1970年代に始まり、現在では ベンチャー・ファンドよりはるかに規模が大きい(98年段階で5倍 越p.81) 6 ・買収ファンド 出所:レコフ 7 ・日本のバイアウト事例 『証券アナリストジャーナル』2005.4.p.15 8 ・買収ファンドによる投資の類型 – 長銀、カネボウ、福助 – すかいらーく、ポッカ – 東芝は03年東芝タンガロイ(超硬工具メーカー)、06年東芝セラミッ クスをグループ再編で手放す(買収ファンドと組んだMBO) – 企業オーナーから経営陣と買収ファンドが組んでMBO – 事業承継を専門とする買収ファンドも存在 – 買収ファンドと組んで買収するのが普通 9 『証券アナリストジャーナル』2005.4.p.69 10 ○事例研究:買収ファンド「リップルウッド」による 日本長期信用銀行買収 • 2000年3月買収 – 国からの株式買取10億円+新規出資1200億円 • 企業風土改革 – 元シティバンク在日代表八城氏を新生銀行トップに派遣 • インダストリアル・パートナーシップ制度:各業界でのビジネス経 験の豊富な人材と契約、投資案件の発掘・評価、投資対象企業 の経営への参画 – 年功序列・前例主義・ローテーション人事の打破:実力主 義・中途採用・議論を戦わせる風土・社員はどの分野か の専門家になる – 企画部・人事部の解体と戦略立案・人事権の各事業部門 への移管、経営トップと現場との距離の短縮 11 • 2004年2月新生銀行株式上場 – 売出し価格525円、初値872円、終値827円 – 新生銀の発行済み株式(リップルウッドが100%保有) 13億5800万株 – 売出株数4.4億株×引受証券会社への株の引渡し価 格501円 = 2200億円 – 証券会社の引受手数料= 4.4億株×( 525円-501 円)=105.6億円 – 残りの株が800円で売却できたと仮定して、リップル ウッドによる長銀への投資の内部収益率IRRを計算 する – 9.18億株×800円=7344億円 – 1210億円→4年後:9544億円 – 投資の内部収益率 = 67.6% 12 ○事例研究:MBO型 「すかいらーく」による株式非公開化 • 2006年6月8日:MBOによる非公開化を発表 – すかいらーく非公開化の理由: • 現在のファミレスという事業モデルが少子高齢化、単身世帯増加 により陳腐化。抜本的事業再編が必要だが、短期的には収益悪 化も予想され、多くの株主を抱えたままでは大胆な改革が難しい。 • TOB(株式公開買付け)を実施 – 期間:6月9日から7月10日まで – 価格:2500円(過去6ヶ月間の平均株価を27.4 %上回る) – 買付株数:全株の66.7% • MBOのための資金調達 – 出資:英国の買収ファンドCVCキャピタル・パートナー: 600億円、野村プリンシパル・ファイナンスのファンド: 1000億円 – 借入金:1200億円 13 • 7月10日: TOB成立(94.38%の応募) – 最終的には株主から全株を取得予定 • 9月19日:上場廃止 • 10月25日:臨時株主総会 – 買収ファンドのCVCと野村プリンシパルから各1人社外取 締役を受け入れ • 07年1月:すかいらーくと受皿会社が合併予定 • 格付会社S&Pは有利子負債増大により「すかい らーく」を格下げ:BBB-→BB – 有利子負債:1048億円→2200億円 • 将来的(5年後?)には再上場を目指す 14 東京証券取引所ホームページ 15 LBO:Leveraged Buy-Out : 買収ファンドにとって投資収益率を嵩上げするための有力な手段 16 最終的には買収対象企業と受皿会社を合併させ、新会社を作る。 17
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