JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 (57)【要約】 ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来の免疫原性タンパク質遺伝子R7を発 現するベクターで形質転換したジャガイモの葉を、経口ワクチンとして、鶏に投与を行な った結果、鶏の抗体価を上昇させることに成功した。 (2) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 【特許請求の範囲】 【請求項1】 植物細胞で転写可能なプロモーターの下流に機能的に結合された原虫病発病防御抗原をコ ードする遺伝子を含むベクター。 【請求項2】 原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子が導入された形質転換植物細胞。 【請求項3】 請求項2に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。 【請求項4】 請求項3に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。 10 【請求項5】 請求項3または4に記載の形質転換植物体の繁殖材料。 【請求項6】 原虫病発病防御抗原を含む、請求項3若しくは4に記載の形質転換体またはその繁殖材料 の処理物または抽出物。 【請求項7】 請求項2に記載の形質転換植物細胞、請求項3若しくは4に記載の形質転換植物体、また は請求項5に記載の繁殖材料から原虫病発病防御抗原を単離する工程を含む、原虫病発病 防御抗原の製造方法。 【請求項8】 20 請求項2に記載の形質転換植物細胞、請求項3若しくは4に記載の形質転換植物体、請求 項5に記載の繁殖材料、請求項6に記載の処理物若しくは抽出物、または請求項7に記載 の方法により得られた原虫病発病防御抗原を動物に経口投与する工程を含む、該動物に原 虫に対する免疫を賦与する方法。 【請求項9】 請求項2に記載の形質転換植物細胞、請求項3若しくは4に記載の形質転換植物体、請求 項5に記載の繁殖材料、請求項6に記載の処理物若しくは抽出物、または請求項7に記載 の方法により得られた原虫病発病防御抗原を含む、抗原虫病経口ワクチン。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 30 【0001】 本発明は、植物体において発現させた原虫病発病防御抗原を用いる、抗原虫病経口ワク チンに関する。 【背景技術】 【0002】 鶏のロイコチトゾーン症は、住血胞子虫類であるロイコチトゾーン・カウレリー(Leuc ocytozon caulleryi)の感染によって引き起こされる疾病である。L.caulleryiは、最初 、1909年ベトナムにおいて、鶏の血液中にマラリア顆粒を持たない円形のガメトサイト( 生殖母体)として認められ、ロイコチトゾーン属の原虫としてそのように命名がなされた ものである。 40 【0003】 わが国における鶏のロイコチトゾーン症は、1954年に兵庫県下で初めて確認され、その 病原体は、L.caulleryiと同定され、その後、本原虫は吸血昆虫の一種である双翅目Dipte raのヌカカ科Ceratopogonidaeに属するニワトリヌカカCulicoides arakawae(以下ヌカカ と略称する)によって生物学的に伝播されることが実験的に証明され、その生活環がほぼ 明らかにされた。ロイコチトゾーン・カウレリーは、宿主の鶏の体内でのシゾゴニー(増 員生殖)とガメトゴニー(生殖体形成生殖)、伝播者であるヌカカの体内でのスポロゴニ ー(胞子形成生殖)の3つの発育期を持っている。 【0004】 本原虫に感染したヌカカの吸血の際にその唾液と共に鶏の体内に侵入したスポロゾイト 50 (3) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 (種虫)は、主として肺、肝、脾、腎などの血管内皮系の細胞に寄生して第1代シゾント (分裂体)を形成する。感染後5∼7日目にはそれより第1代メロゾイト(分裂小体)が 血液中に放出され、それらは全身に分布する血管内皮系細胞に再び侵入して第2代シゾン トとして増殖し、後期には宿主細胞から離れて細胞間隙でさらに発育する。14日目にはこ れらシゾントから第2代メロゾイトが血液中に放出され、次いでそれらは赤血球細胞に侵 入して発育、18∼19日目には宿主細胞から遊離してそれぞれマクロガメトサイト(雌性生 殖母体)、ミクロガメトサイト(雄性生殖母体)として成熟する。 【0005】 両ガメトサイトはヌカカの吸血時に鶏の血液と共にその中腸内に取り込まれ、マクロガ メート(雌性生殖体)とミクロガメート(雄性生殖体)を形成して融合(受精)し、チゴ 10 ート(融合体)を経てオオキネート(虫葉体)となり、虫腸壁の細胞間隙に侵入し、次い でその外膜下に移行してオオシスト(胞のう体)に発育する。オオシストの内部には数十 個のスポロゾイトが形成され、それらはオオシスト壁の崩壊に伴ってヌカカの対腔に出た 後の唾液腺に移動してその発育環を完了する。 【0006】 本原虫感染による鶏の症状と病変は、主として第2代シゾントが発育するシゾゴニーの 末期と第2代メロゾイトが赤血球系細胞に寄生してガメトサイトに発育する過程のガメト ゴニーの時期に認められる。本症の最も特徴的な各臓器及び組織の出血病変と貧血症状は 、第2代シゾントによる血管栓塞に伴う出血とガメトゴニーの原虫の寄生によって赤血球 が破壊されるために引き起こされるものと考えられている。 20 【0007】 本原虫の媒介体であるヌカカは、水田などに生息するため水田を有する東南アジア、中 国、北朝鮮、韓国が流行地と認められている。わが国においても初めてロイコチトゾーン 症が確認されて以来、毎年夏期にその流行が繰り返され、鶏の生産性に対して多くの損失 を与えてきたが、1964年以降にはピリメタミンが、1968年からはピリメタミンとサルファ 剤の合剤が本症の予防薬として飼料に添加されるようになってからはその発生は激減した 。しかしその後、原虫のこのような薬剤に対する耐性の獲得や薬剤の残留性の問題から、 有効薬剤の使用期間が限定されたこと、また一部有効薬剤が安全性の問題により、その使 用が禁止になったこと等によりその防圧は困難なものとなってきており、被害も恒常的な ものになってきている。 30 【0008】 鶏ロイコチトゾーン症に対し従来試作されていたワクチンには、スポロゾイトを用いた 生ワクチンと虫体由来物質を抗原とする不活化ワクチン、さらには原虫感染した鶏の臓器 乳剤を材料とした不活化ワクチンがある。スポロゾイトを用いた生ワクチンはヌカカの唾 液腺よりスポロゾイトを分離し、その少数で鶏を免疫するものである〔非特許文献1参照 〕。また虫体由来物質を抗原とした不活化ワクチンは次のようなものである。 【0009】 虫体由来抗原には鶏体及び発育鶏卵由来の第1代シゾント、第1代メロゾイト、第2代 シゾント、第2代メロゾイトならびに可溶性抗原などがあるが、この中スポロゾイト接種 後10∼15日目に感染鶏の血清中に検出される可溶性の抗原は第2代シゾントと抗原性状が 40 ほぼ同じで、それと同様に比較的強い免疫原性が認められている。そこで、この血清抗原 材料をホルマリンで不活化して試作したワクチンで、その有用性が認められている〔非特 許文献2参照〕。 【0010】 更に臓器乳剤不活化ワクチンは、上述のような原虫抗原を大量に得る困難さを改善する ためになされたもので、スポロゾイト接種後13日目の感染鶏より胸腺、肺、肝、脾、腎、 F嚢を採取して臓器乳剤とし、これをホルマリンで不活化した材料でワクチンを試作する ものであり、やはりその効果が認められている〔非特許文献3参照〕。 【0011】 また、安定かつ大量のワクチン供給を可能とするために、本発明者らにより、ロイコチ 50 (4) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 トゾーン・カウレリー第2代シゾント由来の免疫原性蛋白質を発現させた遺伝子組換え微 生物を利用したワクチンが提供されている〔特許文献1参照〕。 【0012】 しかしながら、これまでのワクチンは、いずれも注射による投与を前提としており、そ のコストと不便さから、利用が制限されるという問題がある。 【特許文献1】特許第3582663号公報 【非特許文献1】椎原ら、静岡県養鶏試験場研究報告、13:25-27(1978) 【非特許文献2】Isobe and Suzuki,Jpn,J.Parasitol.,37:214-219(1988) 【非特許文献3】Morii,T.et al.,J.Parasitol.Res.,76:630-632(1990) 【発明の開示】 10 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で、かつ簡 便に投与しうる抗原虫病ワクチンを提供することにある。より詳しくは、本発明は、植物 体において発現させた原虫病発病防御抗原を用いる、抗原虫病経口ワクチンの提供を目的 とする。 【課題を解決するための手段】 【0014】 本発明者は、上記課題を解決するために、形質転換植物体を利用した抗原虫病経口ワク チンの開発を試みた。具体的には、抗原遺伝子として、ロイコチトゾーン・カウレリー第 20 2代シゾント由来の免疫原性タンパク質遺伝子R7(特開H07-284392、特許第3582663号公報 )を選択し、この遺伝子を発現するベクターを、アグロバクテリウムを介して、ジャガイ モ塊茎に導入し、この塊茎から再生個体を作製した。次いで、形質転換個体の葉を乾燥さ せ、鶏用配合飼料と混合して、大腸菌由来のロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾン ト由来の免疫原性R7タンパク質で既にワクチン接種されている鶏に対し、経口投与を行な った。その結果、経口投与により、鶏の抗体価を上昇させることに成功した。抗体価の上 昇は、特に、試験開始時に、高いレベルの抗体価を有していた個体ほど顕著であった。同 様の手法を他の原虫防御抗原に適用することが可能である。 【0015】 即ち、本発明は、植物体において発現させた原虫病発病防御抗原を用いる抗原虫病経口 30 ワクチン並びにその製造及び利用に関するものであり、より詳しくは、以下の〔1〕∼〔 8〕を提供するものである。 〔1〕植物細胞で転写可能なプロモーターの下流に機能的に結合された原虫病発病防御抗 原をコードする遺伝子を含むベクター。 〔2〕原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子が導入された形質転換植物細胞。 〔3〕〔2〕に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。 〔4〕〔3〕に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。 〔5〕〔3〕または〔4〕に記載の形質転換植物体の繁殖材料。 〔6〕原虫病発病防御抗原を含む、〔3〕若しくは〔4〕に記載の形質転換体またはその 繁殖材料の処理物または抽出物。 40 〔7〕〔2〕に記載の形質転換植物細胞、〔3〕若しくは〔4〕に記載の形質転換植物体 、または〔5〕に記載の繁殖材料から原虫病発病防御抗原を単離する工程を含む、原虫病 発病防御抗原の製造方法。 〔8〕〔2〕に記載の形質転換植物細胞、〔3〕若しくは〔4〕に記載の形質転換植物体 、〔5〕に記載の繁殖材料、〔6〕に記載の処理物若しくは抽出物、または〔7〕に記載 の方法により得られた原虫病発病防御抗原を動物に経口投与する工程を含む、該動物に原 虫に対する免疫を賦与する方法。 〔9〕〔2〕に記載の形質転換植物細胞、〔3〕若しくは〔4〕に記載の形質転換植物体 、〔5〕に記載の繁殖材料、〔6〕に記載の処理物若しくは抽出物、または〔7〕に記載 の方法により得られた原虫病発病防御抗原を含む、抗原虫病経口ワクチン。 50 (5) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 〔10〕〔2〕に記載の形質転換植物細胞、〔3〕若しくは〔4〕に記載の形質転換植物 体、〔5〕に記載の繁殖材料、〔6〕に記載の処理物若しくは抽出物、または〔7〕に記 載の方法により得られた原虫病発病防御抗原の、抗原虫病経口ワクチンの製造における使 用。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子を導入した遺伝子組 換えジャガイモ並びに非遺伝子組換えジャガイモにおけるELISAの結果を示す図である。 【図2】ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子を導入した遺伝子組 換えジャガイモにおけるジェノミックPCRの結果を示す電気泳動写真である。 10 【図3】ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子を導入した遺伝子組 換えジャガイモを経口摂取した注射免疫歴のあるニワトリにおける、血中抗体の再誘導を 示す図である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本発明は、原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子が導入された形質転換植物細胞を提 供する。 【0018】 原虫病とは、生体への、単細胞の真核生物である原虫の寄生によって生じる疾病である 。1975年にWHOは、その防除対策が急務であると定めた6大熱帯病、即ちマラリア、トリ 20 パノゾーマ病、リーシュマニア病、フィラリア症、住血吸虫症、らい病を挙げているが、 このうちの3疾病は原虫病であり、人獣を問わず多くの原虫病が猛威を振るっている。 【0019】 このうちコクシジウム亜網住血胞子虫亜目に属する原虫による感染症としては、ロイコ チトゾーン・カウレリーの感染によって引き起こされるロイコチトゾーン症、プラスモデ ィウム属原虫の感染によって引き起こされるマラリア(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア 、四日熱マラリア、卵形マラリア)等が例示できる。また、肉質鞭毛虫門に属する住血原 虫による感染症としてはリーシュマニア症、トリパノゾーマ病等が、ピロプラズマ亜網に 属する住血原虫による感染症としてはバベシア症、タイレリア症等が例示できる。 【0020】 30 「原虫病発病防御抗原」とは、このような原虫病の発病を防御する抗原である。例えば 、ロイコチトゾーン症に対しては、ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来のR 7抗原(アミノ酸配列/配列番号:1、塩基配列/配列番号:2参照)が、マラリアに対 しては、AMA-1(apical membrane antigen 1)抗原(Cheng,Q. and Saul,T.,Mol.Biochem.P arasitol.,65:183-187(1994)参照)、CSP(circum sporozoite protein)抗原(Haeseleer, F.et al.,Mol.Biochem.Parasitol.,57:117-126(1993)参照)、LSA-1(liver stage specif ic antigen-1)抗原(Yang,C.et al.,Mol.Biochem.Parasitol.,71:291-294(1995)参照)、 MSP-1(merozoite surface protein-1)抗原(Ranford-Cartwright,LC.et al.,Mol.Biochem .Parasitol.,46:185-187(1991)参照)、PfEMP1(Plasmodium falciparum infected erythr ocyte membrane protein 1)抗原(Ward,CP.et al.,Mol.Biochem.Parasitol.,102:167-177 40 (1999)参照)、SERA(serine repeat antigen)抗原(Li,WB.et al.,Mol.Biochem.Parasito l.,33:13-25(1989)参照)、TRAP(thrombospondin related adhesion protein)抗原(Trot tein,F.et al.,Mol.Biochem.Parasitol.,74:129-141(1995)参照)が挙げられるが、本発 明の原虫病発病防御抗原はこれらに限定されない。また、これらの防御抗原には遺伝子配 列やアミノ酸配列が変化している変異体防御抗原が含まれる。自然または人工的に作出さ れた変異体防御抗原も含まれる。 【0021】 本発明の形質転換植物細胞の由来する植物としては、経口投与に適している限り、特に 制限はなく、例えば、ジャガイモ、トマト、ダイズおよび小豆等の豆類、イネ、コムギお よびトウモロコシ等の穀類、イチゴ等の果実類ならびに牧草類などが挙げられる。 50 (6) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 【0022】 本発明の形質転換植物細胞は、原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子を含むベクター を植物細胞に導入し、発現させることで作製できる。植物細胞における遺伝子発現に用い るベクターとしては、植物細胞で転写可能なプロモーターと転写産物の安定化に必要なポ リアデニレーション部位を含むターミネーター配列を含んでいれば特に制限されず、例え ば、プラスミド「pBI121」、「pBI221」、「pBI101」(いずれもClontech社製)などが挙 げられる。植物細胞で転写可能なプロモーターとしては、例えば、植物細胞内での恒常的 な遺伝子発現を行うためのプロモーターや外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモ ーターを用いることが可能である。恒常的に発現させるためのプロモーターとしては、例 えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odell et al. 1985 Nature 31 10 3:810)、イネのアクチンプロモーター(Zhang et al.1991 Plant Cell 3:1155)、トウ モロコシのユビキチンプロモーター(Cornejo et al. 1993 Plant Mol.Biol. 23:567)な どが挙げられる。これらプロモーターに機能的に結合した原虫病発病防御抗原をコードす る遺伝子を含むベクターを植物細胞に導入することにより、植物細胞内で原虫病発病防御 抗原を発現させることができる。ここで「機能的に結合」とは、植物細胞内で原虫病発病 防御抗原が発現するように、プロモーターと原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子とが 結合していることを意味する。本発明は、このような原虫病発病防御抗原を組み込まれた 形質転換植物細胞を製造するためのベクターをも提供するものである。 【0023】 形質転換される「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プ 20 ロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。 【0024】 植物細胞へのベクターの導入は、アグロバクテリウムを介する方法、ポリエチレングリ コール法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、パーティクルガン法など当業者に 公知の種々の方法を用いることができる。 【0025】 形質転換された植物細胞は、再分化させることにより植物体を再生させることが可能で ある。再分化の方法は植物細胞の種類により異なるが、例えば、ジャガイモであればViss erらの方法(Theor.Appl.Genet 78:594 (1989))、チユーバーディスク法によって植物体 を再生させる方法など、イネ等の単子葉穀類であればHieiらの方法(Hiei Y, Komari T, 30 Kubo T :Transformation of rice mediated by Agrobacterium tumefaciens. Plant Mol Biol 1997 35:1-2 205-18)、Ishidaらの方法(Ishida Y, Saito H, Ohta S, Hiei Y, K omari T, Kumashiro T :High efficiency transformation of maize (Zea mays L.) medi ated by Agrobacterium tumefaciens. Nat Biotechnol 1996 Jun 14:6 745-50)、エレク トロポレーション法(Shimamoto,K., Terada, R., Izawa, T.et al. :Fertile transgeni c rice plants regenerated from transformed protoplasts. Nature 338,274-276(1989) )など、イチゴであればAsaoらの方法(Asao,H.,Y.Nishizawa,S.Arai,T.Sato,M.Hirai,K. yoshida,A.Shinmyo and T.Hibi. :Enhanced resistance against a fungal pathogen Sph aerotheca humuli in transgenic strawberry expressing a rice chitinase gene. Plan t Biotechnology.14(3):145-149(1997))など、いくつかの技術が既に確立し、本願発明 40 の技術分野において広く用いられている。本発明においては、これらの方法を好適に用い ることができる。 【0026】 一旦、ゲノム(染色体)内に原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子が導入された形質 転換植物体が得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが 可能である。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、 果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該植物 体を量産することも可能である。本発明には、本発明の形質転換植物細胞を含む植物体、 該植物体の子孫およびクローン、並びに該植物体、その子孫、およびクローンの繁殖材料 が含まれる。 50 (7) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 【0027】 経口投与ワクチンとしては、このようにして作出された形質転換植物細胞、形質転換植 物体、あるいはその繁殖材料を直接用いることも可能であるが、原虫病発病防御抗原を含 むそれらの処理物若しくは抽出物を用いることも可能である。ここで「処理物」とは、形 質転換植物細胞、形質転換植物体、あるいはその繁殖材料をワクチン投与に適した形態に 処理した物を意味し、例えば、形質転換ジャガイモであれば、その葉を凍結乾燥処理した ものを例示することができる。また、「抽出物」とは、形質転換植物細胞、形質転換植物 体、あるいはその繁殖材料から原虫病発病防御抗原を含む成分を抽出した物を意味し、粗 精製物および精製物も含まれる。形質転換植物細胞、形質転換植物体、あるいはその繁殖 材料から原虫病発病防御抗原を単離(精製)するには、塩析法、限外濾過法ならびにイオ 10 ン交換クロマトグラフィー及びゲルクロマトグラフィー等の一般的な蛋白質の精製法を用 いることができる。 【0028】 本発明は、このような原虫病発病防御抗原を単離する工程を含む、原虫病発病防御抗原 の製造方法をも提供する。 【0029】 また、本発明は、上記形質転換植物細胞、形質転換植物体、繁殖材料、それらの処理物 若しくは抽出物、または上記方法により単離された原虫病発病防御抗原を動物に経口投与 する工程を含む、該動物に原虫に対する免疫を賦与する方法も提供する。 【0030】 20 本発明において原虫病発病防御抗原の投与対象となる動物としては、例えば、原虫病が ロイコチトゾーン症であれば鳥類が、マラリアであればヒト及びサル並びに鳥類が例示さ れる。また、リーシュマニア症であればヒト、イヌが、トリパノゾーマ病であればヒト、 ウシ、ウマが、バベシア症であればイヌ、ネコ、ウシ、ウマが、タイレリア症であればウ シが例示される。 【0031】 本発明の原虫病発病防御抗原遺伝子が組み込まれた植物体を経口的に投与する場合、上 記形質転換植物細胞、形質転換植物体、繁殖材料、それらの処理物若しくは抽出物、また は単離された原虫病発病防御抗原自体を投与することも可能であるが、他の成分を配合し て投与してもよい。他の成分としては、粘膜免疫アジュバント物質(コレラトキシン、サ 30 イトカイン等)、投与対象の動物の飼料、嗜好性を向上させるための添加剤(ラクトース 等)との併用を例示することができる。 【0032】 投与量は投与対象動物によっても異なるが、例えば、鶏においては、原虫病発病防御抗 原遺伝子が組み込まれた植物体を通常の餌に混合して、1日あたり2g∼5g摂取させること が好都合であると考えられる。他の動物の場合も、体重に換算した量、あるいは体表面積 あたりに換算した量を投与することができるが、これらの量に限定されない。好適な投与 量は、防御抗原発現量や至適抗体産生、配合飼料の性質などを考慮して決定することがで きる。 【0033】 40 本発明の経口ワクチンは、既にワクチン投与(例えば、注射による投与)により抗体価 が高められた個体に投与することも可能であり、これにより該個体の抗体価をさらに高め ることができる。例えば、本実施例においては、大腸菌で発現させた抗原を既に接種され 、高いレベルの抗体価を有している個体(3200倍希釈した血清のELISA吸光度値で0.4以上 、好ましくは0.7以上の個体)に経口投与することにより、顕著な抗体価の上昇を確認で きた。 なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入 れられる。 【実施例】 【0034】 50 (8) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限 されるものではない。 【0035】 [実施例1] ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来の免疫原性タンパク質を コードするR7遺伝子の植物体発現用プラスミドへの移入 ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来の免疫原性タンパク質遺伝子R7(特 開H07-284392、特許第3582663号公報)を含むpTH-R7プラスミドベクターを制限酵素SmaI 及びSacIを用いて切断し、得られたR7遺伝子DNA断片(配列番号1及び2)を、カリフラワ ーモザイクウイルス35Sプロモーター、β−グルクロニダーゼ遺伝子、ノパリンシンター ゼターミネーターを持つプラスミドベクターpBI121(Clontech社製)を制限酵素SmaI及び 10 SacIを用いて切断した部位にクローニングして、本発明発現ベクターであるpBI-R7を得た 。 【0036】 [実施例2] ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子のジャガイモへ の導入と発現 1. アグロバクテリウムへのロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子 の導入 上記[実施例1]のようにして得られた、ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント 由来R7遺伝子発現プラスミドpBI-R7を、凍結溶解による直接導入法によって、Agrobacter ium tumefaciens LBA 4404(Clontech社製)に導入した。 20 【0037】 即ち、Agrobacterium tumefaciens LBA 4404を、50mLのLB液体培地中(1% Bacto tory pton , 0.5% Yeast extracts , 1% 塩化ナトリウム)で、A600の吸光値が、約1.0にな るまで28℃で振とう培養した。氷上で冷却後、4℃で3000gの遠心分離(Kubota RA-6を用 いた)を行い、集菌後、1mLの氷冷した20mMの塩化カルシウム溶液に浮遊させた。これを 、0.1mL毎にエッペンドルフチューブに分注した。 【0038】 これに組換えプラスミドpBI-R7を1μg加え、液体窒素中で急速に凍結した。次に、得ら れた凍結細胞を、37℃で溶解した後、5分間静置した。これに、1mLのLB培地を加え、28℃ で2∼4時間振とう培養した。約10000gで1分間遠心分離(Kubota KM-15200を用いた)して 30 集菌し、0.1mLのLB培地に浮遊させた後、リファンピシン(100μg/mL)、カナマイシン (25μg/mL)及びストレプトマイシン(300μg/mL)を含むLB固形培地に広げた後、2∼ 3日間、28℃で培養して、pBI-R7が組み込まれた形質転換菌を得た。 【0039】 上記で得られた形質転換されたAgrobacterium tumefaciens LBA4404は、LB液体培地で2 8℃で振とう培養後、4℃で3000gの遠心分離(Kubota RA-6を用いた)を行い、集菌し、MS 培地〔Physiol. Plant.15:473(1962)〕中に浮遊させ、これを植物の形質転換操作に用い た。 【0040】 2. アグロバクテリウム法によるジャガイモへの導入 40 ジャガイモへのロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子の導入は、 上記において作出したアグロバクテリウムとチユーバーディスク法により行った。 【0041】 すなわち、ジャガイモ塊茎の皮を剥き、1%次亜塩素酸ナトリウム溶液で15分間殺菌し 、滅菌蒸留水で6回洗浄した。この塊茎から、殺菌したコルクボーラーで直径1cmの円柱状 にくり抜き、さらに2∼3mm厚の平板状にスライスした。このディスクを、上記1.で作出 したpBI-R7を保有するAgrobacterium tumefaciens LBA4404のMS液体培地懸濁液に15分間 浸した。この後、MS培地〔3%蔗糖、0.1μg/mLインドール酢酸、0.1μg/mLジベレリン 、0.1μg/mLアブシジン酸、2μg/mLゼアチンリボシドを含む(pH5.9)〕上で、28℃で3 日間培養後、抗生物質カナマイシン100μg/mL及びカーベニシリン500μg/mL(いずれも 50 (9) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 シグマ社製)を含むMS液体培地でディスクを洗浄した。 【0042】 洗浄後のディスクは、上記抗生物質を含むMS固形培地(3%蔗糖を含む)上で、25℃で2 週間毎に継代培養した(16時間照明、8時間暗期)。培養4∼8週目にディスク表面上にカ ルスが形成され、さらに継代培養することによりシュートが誘導された。 【0043】 このシュートを根本から切り取り、ホルモンを含まないMS固形培地〔3%蔗糖、カナマ イシン100μg/mL、カーベニシリン500μg/mLを含む(pH5.9)〕上に移植し、培養した 。2∼4週間後に発根してきた植物体は、培養土をいれたポット(径10cm)に移植し、人工 気象器の中で栽培した。 10 【0044】 3. 再分化植物体におけるロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子の 導入確認及び遺伝子の発現確認 (1)ELISAによるロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子発現の確認 再分化したジャガイモの葉を、生量の3倍量のPBS-T緩衝液〔135mM塩化ナトリウム、1.5 mMリン酸二水素ナトリウム、2.7mMリン酸水素二ナトリウム、0.05%(v/v)Tween20、pH 7.2〕で磨砕後、3000gで15分間の遠心分離(Kubota KS-5000を用いた)により得られた上 清を粗汁液とした。 【0045】 0.05Mの炭酸ナトリウム緩衝液〔1リットル中、炭酸二ナトリウム1.59g、炭酸水素ナト 20 リウム2.93g、(pH9.6)〕で、2μg/mL濃度に希釈した抗ロイコチトゾーン・カウレリー 第2代シゾントモノクローナル抗体〔Gotanda, T. et al., J. Vet. Med. Sci. 64(3):281 -283 (2002)〕を、96穴ELISAプレート(IWAKI社製)に分注し、4℃で一晩放置してコーテ ィングした。 【0046】 コーティングしたプレートをPBS-T緩衝液で洗浄後、ウシ血清アルブミンが最終濃度3% (w/v)となるようPBS-T緩衝液に加えたブロッキング液をプレートに分注し、37℃で1時 間静置して、ブロッキング処理した。 【0047】 ブロッキング処理後、PBS-T緩衝液で洗浄し、その後、葉の粗汁液をプレートに添加し 30 、37℃で1時間静置して、抗体と反応させた。このプレートをPBS-T緩衝液で洗浄後、ウシ 血清アルブミンが最終濃度0.3%(w/v)となるようPBS-T緩衝液に加えた抗体希釈用液で 4000倍希釈したHRPO標識抗ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾントモノクローナル 抗体〔Ito, A. et al., J. Vet. Med. Sci. 64(5):405-411 (2002)〕をプレートに分注し 、37℃で1時間反応させた。このプレートをPBS-T緩衝液で洗浄後、基質溶液(1L中にリン 酸水素二ナトリウム14.6g、クエン酸一水和物10.2g、O-フェニレンジアミン1g、過酸化水 素水1mLを含む)をプレートに添加して、37℃で15分間暗所で静置し反応させた。反応は 停止液(5N硫酸水溶液)で停止後、A492の吸光度値をマイクロプレートリーダー(Corona MTP-120を用いた)で測定した。その結果、幾つかの再分化ジャガイモ個体で、ロイコチ トゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7タンパク質が発現していることが明らかにな 40 った(図1参照のこと)。 【0048】 (2)ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子のジャガイモ体内への遺伝 子導入の確認 ELISAで反応の認められた、幾つかの個体の葉を、液体窒素存在下で乳鉢を用いてパウ ダー状に磨砕した。これに試薬RED Extract-N-Amp Plant PCR Kit(SIGMA社製)をその説 明書の記載に従って用い、前述のジャガイモの葉の全DNAの抽出、並びにR7遺伝子を特異 的に増幅するプライマーR7f(5'-GGAAATGTGTCCTTAACTTC-3':配列番号3)とプライマーR7 r(5'-CTTCTTCTTCATTACTTTTTC-3':配列番号4)を用いて、ジェノミックPCRを行った。反 応後の試料の一部を、1.2%アガロースゲル電気泳動した結果、R7遺伝子と同一位置にバ 50 (10) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 ンドが確認され、これらのジャガイモ体内の染色体上に、ロイコチトゾーン・カウレリー 第2代シゾント由来R7遺伝子が導入されていることが確認された(図2の電気泳動写真参 照のこと:図中、矢印は、ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子の バンドの位置を示す)。 【0049】 [実施例3] ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子導入ジャガイモ の抗原性の確認 ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾント由来R7遺伝子を導入したジャガイモの葉 を、乾燥重量として生重量の約1/12になるまで凍結乾燥(共和真空技術株式会社製RLE-2 04を用いて48時間工程で実施)した。乾燥した葉を、パウダー状に磨砕後、鶏用配合飼料 10 (船橋農場製)と混合して、経口投与材料とした。 【0050】 経口投与試験に供試したSPF鶏(日生研株式会社製)は、現在野外で広く使われている 鶏ロイコチトゾーン病ワクチン〔ワクチン抗原成分として大腸菌で発現させたロイコチト ゾーン・カウレリー第2代シゾント由来のR7タンパク質を用いている(特開H07-284392) 〕を注射されて17週目の雌鶏3羽を用いた。経口投与材料は、給餌総量として1日1羽当り6 0g(このうち、4gが凍結乾燥したR7遺伝子導入ジャガイモの葉とした)給餌し、5日間連 続で経口投与(自発的に摂食させた)した。R7遺伝子導入ジャガイモの葉を含む給餌が終 了した後は、1日1羽当り60gの鶏用配合飼料(船橋農場製)を与えた。なお、通常の鶏用 配合飼料のみを1日1羽当り60g、試験開始より投与した対照鶏1羽を設定した。経口投与材 20 料の給餌時より、随時対照鶏を含む全試験鶏の翼下静脈より血液を採取し、遠心分離によ り血清を得た。これらの血清を用いて、下記に示すELISA法で抗体検査を実施した。 【0051】 0.05Mの炭酸ナトリウム緩衝液〔1リットル中、炭酸二ナトリウム1.59g、炭酸水素ナト リウム2.93g(pH9.6)〕で、0.1μg/mL濃度に希釈したロイコチトゾーン・カウレリー第 2代シゾント超音波処理可溶化抗原〔Ito, A. et al., J. Vet. Med. Sci. 64(5):405-411 (2002)〕を、96穴ELISAプレート(IWAKI社製)に分注し、4℃で一晩放置してコーティン グした。 【0052】 コーティングしたプレートをPBS-T緩衝液で洗浄後、ウシ血清アルブミンが最終濃度3% 30 (w/v)となるようPBS-T緩衝液に加えたブロッキング液をプレートに分注し、37℃で1時 間静置して、ブロッキング処理した。 【0053】 ブロッキング処理後、PBS-T緩衝液で洗浄後、ウシ血清アルブミンが最終濃度0.3%(w /v)となるようPBS-T緩衝液に加えた抗体希釈用液で、100倍から51,200倍まで2倍階段希 釈した血清をプレートに分注し、37℃で1時間静置して、抗体と反応させた。このプレー トをPBS-T緩衝液で洗浄後、抗体希釈用液で12,000倍希釈したHRPO標識抗ニワトリIgG(ZY MED社製のものを用いた)をプレートに分注し、37℃で1時間反応させた。このプレートを PBS-T緩衝液で洗浄後、基質溶液(1L中にリン酸水素二ナトリウム14.6g、クエン酸一水和 物10.2g、O-フェニレンジアミン1g、過酸化水素水1mLを含む)をプレートに添加して、37 40 ℃で15分間暗所で静置し反応させた。反応は停止液(5N硫酸水溶液)で停止後、A492の吸 光度値をマイクロプレートリーダー(Corona MTP-120を用いた)で測定した。 【0054】 この試験の結果を図3に示す。図3より、供試した全ての鶏で、R7遺伝子導入ジャガイ モの葉を経口投与後、ロイコチトゾーン・カウレリー第2代シゾントに対する抗体の再誘 導が確認された。特に、試験開始時に高いレベルの抗体価を保有していた個体ほど、その 上昇は顕著であった。 【産業上の利用の可能性】 【0055】 本発明により、(1)原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子を含む植物細胞用発現ベ 50 (11) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 クター、(2)原虫病発病防御抗原をコードする遺伝子が導入された形質転換植物細胞、 (3)該形質転換植物細胞を含む形質転換植物体およびその子孫またはクローンである形 質転換植物体、(4)該形質転換植物体の繁殖材料、(5)該形質転換体またはその繁殖 材料の処理物または抽出物、(6)該形質転換植物細胞、該形質転換植物体、または該繁 殖材料から原虫病発病防御抗原を単離する工程を含む、原虫病発病防御抗原の製造方法、 並びに(7)上記の形質転換植物細胞、形質転換植物体、繁殖材料、若しくはそれらの処 理物若しくは抽出物、または上記方法により得られた原虫病発病防御抗原を動物に経口投 与する工程を含む、該動物に原虫に対する免疫を賦与する方法、が提供される。これによ り、コストパフォーマンスに優れ、簡便に投与できる抗原虫病ワクチンを開発することが 10 可能となった。 【図1】 【図3】 (12) 【図2】 【配列表】 2005116216000001.app JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 (13) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 【国際調査報告】 10 20 30 40 (14) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (15) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (16) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (17) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (18) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (19) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 10 20 30 40 (20) JP WO2005/116216 A1 2005.12.8 フロントページの続き (81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM), EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ, CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW (72)発明者 五反田 亨 10 埼玉県北本市荒井六丁目111番地 社団法人北里研究所生物製剤研究所内 (72)発明者 小林 栄樹 埼玉県北本市荒井六丁目111番地 社団法人北里研究所生物製剤研究所内 (72)発明者 久米 勝巳 埼玉県北本市荒井六丁目111番地 社団法人北里研究所生物製剤研究所内 (72)発明者 松村 健 北海道札幌市豊平区月寒東二条17丁目 独立行政法人産業技術総合研究所北海道センター内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AD08 CA17 4B024 AA01 AA08 AA10 BA31 CA02 DA01 EA04 GA11 HA03 4B065 AA86Y AA88X AB01 AC14 BA02 CA24 CA45 4C085 AA03 BA06 CC32 EE01 (注)この公表は、国際事務局(WIPO)により国際公開された公報を基に作成したものである。なおこの公表に 係る日本語特許出願(日本語実用新案登録出願)の国際公開の効果は、特許法第184条の10第1項(実用新案法 第48条の13第2項)により生ずるものであり、本掲載とは関係ありません。 20
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