スライド 1

サービス管理責任者研修テキスト
分野別講義
「アセスメントと
サービス提供の基本姿勢」
<児童(児童デイサービス)>
平成22年9月9日・10日
(目 次)
1.分野別事業概要
(1)児童デイサービスの概要
(2)障害児福祉の動向
2.総論
(1)発達支援の基本的課題と視点について
3.サービス提供の基本的姿勢
4.サービス提供のポイント
5.アセスメントのポイント
(1)発達障害児の特性を踏まえたアセスメン
トとその支援の考え方について
6.サービスの評価
(1)発達や療育支援の視点による評価
(2)家族支援の視点による評価
7.サービス管理プロセスの実際
(1)相談支援時の状況把握
(2)アセスメント
(3)個別支援計画の作成
(4)個別支援計画の実施
(5)中間評価と修正
(6)他機関との連携
(7)就学支援
(8)終了時評価
8.参考資料
第2日目午前
講義の進行
9:00
9:40
(1) 分野別
事業概論
11:00
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
総 論
サービス提供の基本的姿勢
サービス提供のポイント
アセスメントのポイント
サービスの評価
3時間
11:10
休
憩
(
10
分
)
(1)分野別事業概論 (40分)
・
・
・
・
児童分野における研修目標の確認(ガイダンス)
児童デイサービスの概要
最近の動向
サービス管理責任者の役割
(2)総論 「発達支援の基本的課題と視点について」
(3)サービス提供の基本的姿勢
(4)サービス提供のポイント
(5)アセスメントのポイント
(6)サービスの評価
(7)サービス管理プロセスの実際 (60分)
(80分)
12:10
(6) サービス管理
プロセスの実際
児童分野の研修のポイント
【アセスメント等】
○ 適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める必要が
ある。 → 発達の評価方法、活用等について理解を深める。
【発達障害支援に関する知識】
○ 増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等につい
て、事例を通じながら認識を深める必要がある。 → 発達障害に関する知識(チェックリスト等
を活用した評価・支援方法を含む)について、理解を深める。
【家族支援】
○ 療育は、子ども支援だけでなく家族支援が重要である。障害受容等保護者の心情に寄り添っ
たサポートについて認識を深める必要がある。 → 障害受容など家族の心理機制について学
習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深める。
【関係機関との連携】
○ 児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のない継続
的な支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの関係機関との
連携が必要である。 → 切れ目のない継続した支援の必要について、理解を深める。また、
連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営について認識を深める。また、地域
の発達支援システム構築について検討する地域自立支援協議会への参画の重要性について認
識を深める。
1.分野別事業概要
児童デイサービスの概要と
障害児福祉の動向
厚生労働省 社会援護局
障害保健福祉部 障害福祉課
地域移行・障害児支援室
(1)児童分野における研修目標の確認
児童分野では、児童デイサービス事業におけるサービス
管理責任者の役割を理解する。
児童デイサービス事業における対象者像を念頭に、
・アセスメント(ニーズの把握)と課題の整理
・個別支援計画の作成とプロセス管理(モニタリング、計
画修正)
・終了後を意識した取り組み(関係機関との連携)等に
ついて演習を行いながら理解するとともに、
「模擬支援会議」等を通じて、会議運営やサービス提供職
員に対する指導・助言等についても理解する。
(2) 児童デイサービス事業の概要
○ 対象児童
療育の観点から個別療育、集団療育を行う必要が認められる児童
※ 市町村は、支給決定の際、当該児童が療育指導を必要とするか否かについて、 児童相談所・保健所に意見を求めるこ
とが望ましいものとする。
※ 放課後対策、レスパイトを理由とする利用については、地域生活支援事業の「日中一時支援事業」等で対応
○ サービス内容
■
■
施
■
■
○ 主な人員配置
療育目標を設定した個別プログラムの策定及び評価
指導員等による児童への個別指導を1日に一定時間以上実
個別プログラムに沿った集団療育の実施
保健、医療、教育も含めた支援システムを構築するため、
関係機関と連携を図る
■ サービス管理責任者
■ 指導員又は保育士
10:2以上
※ みなし基準該当児童デイサービス事業所
15:2以上
○ 報酬単価
■ 基本報酬
未就学児の利用者数が70%以上など(Ⅰ)
435単位~828単位(利用定員に応じた単位を設定)
左記に該当しない事業所(Ⅱ)
349単位~689単位(利用定員に応じた単位を設定)
■ 主な加算
家庭連携加算(187単位~280単位)
→居宅を訪問し障害児及びその家族等に対する相
談援助等の支援を行った場合
○ 事業所数
1,649か所
(国保連 平成22年4月実績)
医療連携加算(250単位~500単位)
→医療機関との連携により看護職員を訪問させ障害
児に対し看護を行った場合
(3)最近の動向
児童福祉法
(昭和22年制定)
身体障害者福祉法
知的障害者福祉法
障害者基本法
(昭和24年制定)
精神薄弱者福祉法として
昭和35年制定
心身障害者対策基本法とし
て昭和45年制定
精神保健福祉法
精神衛生法として昭
和25年制定
障害者雇用促進法
身体障害者雇用促進法とし
て昭和35年制定
国際障害者年(「完全参加と平等」)【昭和56年】 を契機に「障害者対策に関する長期計画」策定【昭和57年】
障害者の所得保障改革(障害基礎年金制度の創設)【昭和61年】
「ノーマライゼーション」理念の浸透
福祉8法改正(在宅福祉サービスの推進)【平成2年】
精神衛生法から精神保健法へ(社会
復帰施設の法定化)【昭和62年】
身体障害者雇用促進法か
ら障害者雇用促進法へ
(すべての障害者を法の対
象に)【昭和61年】
心身障害者対策基本法から障害者基本法へ(障害者基本計画、障害者プランの策定)【平成5年】
精神薄弱者福祉法から知的障
害者福祉法へ【平成10年】
社会福祉基礎構造改革(措置から契約へ)
【平成12年(支援費制度の施行は平成15年から)】
精神保健法から精神保健福祉法へ
(手帳制度の創設)【平成7年】
障害者雇用促進法改正
(知的障害者雇用の義務
化)【平成9年】
精神保健福祉法改正(ホームヘルプ等
を契約方式で法定化)【平成11年】
介護保険法の施行【平成12年(法の制定は平成9年) 】
中央省庁の再編(厚生行政と労働行政の一本化:雇用と福祉の連携強化)【平成13年】
障害者基本法改正(差別禁止、就労支援を規定)【平成16年】
長野スペシャルオリンピックス(知
的障害者のスポーツ大会)冬季
世界大会開催【平成17年】
発達障害者支援法制定(発達障害者支援センターの法定化)【平成16年(平成17年施行)】
障害者自立支援法制定(3障害共通の制度へ)・障害者雇用促進法改正(精神障害者雇用対策の強化)【平成17年】
障害者自立支援法の見直しについて
1. 障害者自立支援法の3年後の見直し
附 則 (検討)
第三条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律及び障害者等の福祉に関する他の法律の規定の施行の
状況、障害児の児童福祉施設への入所に係る実施主体の在り方等を勘案し、この法律の規定について、障害者等の範
囲を含め検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第二章第二節第五款、第三節及び第四節の規定の施行の
状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
3 政府は、障害者等の福祉に関する施策の実施の状況、障害者等の経済的な状況等を踏まえ、就労の支援を含めた障
害者等の所得の確保に係る施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2. これまでの経緯
○18年 4月 : 障害者自立支援法の施行 (同年10月に完全施行)
○平成18年12月 : 法の円滑な運営のための特別対策
(平成18年~平成20年度の3年間で国費:1,200億円)
→ ①利用者負担の更なる軽減、②事業者に対する激変緩和措置、③新法への円滑な移行等のための緊急的な経過措置)
○平成19年12月 : 障害者自立支援法の抜本的な見直しに向けた緊急措置
(①利用者負担の見直し、②事業者の経営基盤の強化、③グループホーム等の整備促進)
○平成20年12月 : 社会保障審議会障害者部会報告のとりまとめ
○平成21年
○平成21年
○平成22年
○平成22年
3月
9月
1月
4月
:
:
:
:
障害児支援の見直しに関する検討会
(平成20年7月)
「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案」 国会提出 → 同年7月、衆議院の解散に伴い廃案
連立政権合意における障害者自立支援法の廃止の方針
厚生労働省と障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団との基本合意
低所得者の障害福祉サービス及び補装具に係る利用者負担を無料化
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において議論開始
○平成22年 5月 : 「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間にお
いて障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」(衆院議長提案)
→同年6月16日、参院本会議の流会に伴い廃案
○平成22年 6月 : 「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(閣議決定)
障害児支援施策の見直しの考え方
改革の背景
改革の
方向性
基本的
な視点
少子化社会の進展
(子育て不安の増加)
障害者自立支援法の施行
特別支援教育の実施
(障害者の自立と共生社会の実現)
(一般校での受入れ促進)
発達障害者支援法の施行
(「新たな」障害への対応)
「自立と共生」の子育て
①障害のある子どもの将来の自立を目指し、発達支援や家族支援を通じて「子育て」を支援
②障害のある子どもが、他の子どもと共に「遊び・学び・活動する」共生社会を実現
本人の自立を支援する
ための発達支援
子どものライフステージ
に応じた一貫した支援
できるだけ身近な地域・
一般施策における支援
~サービス提供主体及び行政~
障害児の家族を含めた
トータルな支援
~ライフステージに応じた一貫した支援~
検討事項
早期発見・早期対応
就学前の支援
学齢期・青年期の支援
可能な限り健常児と共に育つ環境へ
家族支援
行政の実施主体
政権交代前に提出された
障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要(H21.3.31国会提出→廃案)
① 利用者負担の見直し
- 利用者負担について、応能負担を原則に
- 障害福祉サービスと補装具の利用者負担を合算し負担を軽減
② 障害者の範囲及び障害程度区分の見直し
- 発達障害が障害者自立支援法の対象となることを明確化
- 障害程度区分の名称と定義の見直し
(※ 障害程度区分そのものについても障害の多様な特性を踏まえて抜本的に見直し)
③ 相談支援の充実
- 相談支援体制の強化(市町村に総合的な相談支援センターを設置、「自立支援協議会」を法律上位置付け)
- 支給決定プロセスの見直し(サービス利用計画案を勘案)、サービス利用計画作成の対象者の大幅な拡大
④ 障害児支援の強化
- 児童福祉法を基本として身近な地域での支援を充実
(障害種別等で分かれている施設の一元化、通所サービスの実施主体を都道府県から市町村へ
- 放課後型のデイサービス等の充実
⑤ 地域における自立した生活のための支援の充実
- グループホーム・ケアホーム利用の際の助成を創設
- 重度の視覚障害者の移動を支援するサービスの創設(個別給付化)
(その他)事業者の業務管理体制の整備、精神科救急医療体制の整備等
施行期日:1年6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日。(障害者の範囲は公布の日。 障害程度区分、③、④は平成24年4月1日。)
など)
④ 障害児支援の強化
児童福祉法を基本とした身近な支援の充実
(課題) 障害を持つ子どもが身近な地域でサービスを受けられる支援体制が必要。
→ 重複障害に対応するとともに、身近な地域で支援を受けられるよう、障害種別等に分かれている現行
の障害児施設(通所・入所)について一元化。
→ 在宅サービスや児童デイサービスの実施主体が市町村になっていることも踏まえ、通所サービスにつ
いては市町村を実施主体とする(入所施設の実施主体は引き続き都道府県)。
放課後等デイサービス事業の創設
(課題) 放課後や夏休み等における居場所の確保が必要。
→ 学齢期における支援の充実のため、「放課後等デイサービス事業」を創設。
在園期間の延長措置の見直し
(課題) 18歳以上の障害児施設入所者について、障害者施策として対応すべきとの意見。
(障害児支援の関係者で構成された『障害児支援の見直しに関する検討会』の中での議論)
→ 18歳以上の入所者については障害者施策(障害者自立支援法)で対応するよう見直し。
(その際、支援の必要な継続のための措置や、現に入所している者が退所させられることがないよう
附則に必要な規定を設ける。特に重症心身障害者については十分に配慮する。)
障害児支援施策体系の見直し
<< 障害者自立支援法 >>
<< 児童福祉法 >>
【市町村】
【市町村】
児童デイサービス
<< 児童福祉法 >>
【都道府県】
障害児通所支援
知的障害児通園施設
盲ろうあ児施設
・難聴幼児通園施設
肢体不自由児施設
・肢体不自由児通園施設(医)
通
所
サ
ー
ビ
ス
・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
新 ・保育所等訪問支援
重症心身障害児・者通園事業(補助事業)
知的障害児施設
・知的障害児施設
・第一種自閉症児施設(医)
・第二種自閉症児施設
盲ろうあ児施設
・盲児施設
・ろうあ児施設
肢体不自由児施設
・肢体不自由児施設(医)
・肢体不自由児療護施設
重症心身障害児施設(医)
【都道府県】
入
所
サ
ー
ビ
ス
(医)とあるのは医療の
提供を行っているもの
障害児入所支援
・福祉型
・医療型
障害児のライフステージに応じた支援
※「保育指導要録」を小学校に送付
新保育所保育指針(21.3.28)
保健センター
保育所
(早期発見・
早期対応)
幼稚園
小学校
中学校
高校
放課後児童
クラブ
連携による支援
放課後等デイサービス
児童発達支援
障害児入所支援
在宅サービス(ホームヘルプ、ショートステイなど)
個別支援計画の作成・支援会議の開催による一貫した支援
・ 個別の支援計画を作成し、関係者の連携により支援を行う。
・ 特に、障害の発見時、入学、進学、卒業時等の節目において支援。
就
労
・
地
域
に
お
け
る
自
立
(4)サービス管理責任者の役割
• 発達状況、心理状態を踏まえた上で、的確にニーズを把握する。
• アセスメント全体を把握した上で、最終ゴールを想定することが重要。
• 情報が少ない場合こそ、あらゆる可能性を視野に入れることが重要。
• 障害のある子どもや家族が、まだ具体化できていないニーズを推測する。(真の
ニーズを把握することが重要。)
• 利用者の真のニーズを含めた個別支援計画を策定し、支援プロセスの全体を
管理する。
• 個別支援計画の策定に当たっては、訓練担当職員、保育士等のチームで取り
組むよう、支援会議を開催し意見調整の上、方針の統一を図る。
• 地域の社会資源を理解し関係機関と連携調整を行う。
• 以上の支援全般に渡って、サービス提供職員に対し、適宜、指導・助言を行う。
2. 総 論
~発達が気になる子どもの支援を概観する~
うめだ・あけぼの学園
加藤 正仁
平成22年度
サ-ビス管理責任者研修
<児童分野>
乳幼児期・児童期にある発達の気に
なる子ども達とその家族への効果的な
支援を考える上で、児童プロパ-として
彼らを取り巻く「今日的状況」と、「今後
の課題」について概観・考察する。
海図・気象図をもたない闇夜の航海
子どもを取り巻く今事情-1
地球的規模からの視点
ノーマライゼ-ション・人権・地域・主体性
“
Nothing about us, without us”
昨夏からの障がい施策を取り巻く施策動向
障害者自立支援法の3年後の見直しにともなう
一部改正法案が衆議院解散にともない廃案となる(2009年7月)
↓
政権交代(2009年9月)
↓
障がい者制度改革推進本部設置(2009.12.8)
↓
障害者自立支援法を廃案にして障がい者総合福祉法へ(2009.12.15)
↓
障がい者制度改革推進会議の立ち上げ/25人(2010.1.12)
↓
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の立ち上げ/55人(2010.4.27)
↓
障害者自立支援法等の一部を改正する法律案(4.27→6.1参議厚労委通過)
↓
「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見書)」発表(2010.6.7)
↓
障害者自立支援法等の一部を改正する法律案は廃案(2010.6.16)
子どもを取り巻く今事情-2
日本の社会は
財政難・低福祉低負担・福祉ニ-ズの拡大
2009-10年度一般会計予算
高齢化の推移と将来推計
35.0
4500
28.7
26.0
高齢者人口(万人)
4000
25.0
3500
20.0
3000
2500
14.6
2000
1500
10.3
7.9
1000
500
30.0
3277
3473
20.0
2556
15.0
1828
高齢化率(%)
5000
10.0
1247
5.0
887
0
0.0
1975
1985
1995 2005
年度
2015
2025
高齢者人口(万人)
高齢化率(%)
子どもを取り巻く今事情-3
子ども福祉の世界では
少子化・児童福祉法・核家族・離婚
多国籍化・共稼ぎ・児童虐待
児童相談所/虐待通告件数の急増現象
子どもを取り巻く今事情-4
特別支援教育の世界では
孤立からネットワ-キング
特別支援教育コーデイネーター
就学支援シート
盲・聾・養護学校から特別支援学校へ
中教審 2004年12月1日中間報告から
子どもを取り巻く今事情-5
気になる子どもは
<発達支援の特異的課題>
①手帳を持たないグレイゾ-ンの子ども(発達が気になる子ども)に対する支援サ-ビスは通園関係施設での早期療育事業の役割
の一つであるが,そうしたグレイゾ-ンの子どもの場合には自己申請による契約制度には馴染みに難い部分がある。
乳幼児期の発達上の課題はダウン症に代表されるような遺伝性や先天性の疾患に帰因するもの以外に,未だ障害が十分に顕
在化しておらず確定診断には至らないことも珍しくない。従って早期診断・早期発見・早期対応への具体的行動に踏み出すことに
家族も関係者も逡巡し時期を失することもあり得る。そのための支援には特別にハイレベルな知識・技術・情報・経験とメンタリ
ティを持つ人や機関によるデリケ-トな支援が不可欠である。
②乳幼児期は発達が未分化でいろいろな機能が相互依存的であり,また医療的な課題も多く抱えていることが多い。そのために周
囲の環境に左右され易く,場合によっては命さえも大きな危機にさらされている時期であるとも言える。
発達上の各種機能の敏感期(発達の可塑性に富み,様々な機能が相互に影響しあっている)が集中しているこの時期への安定
的で適切且つタイムリ-な支援は大きな効果が期待できる。その意味では緊急性の高いサ-ビスが集中している時期である。
③家族(母親を中心に)は我が子の育ちに不安を抱え,心身共に不安定傾向にあり人・社会・知識・情報からの孤立状態にある。
予想しなかった子育て状況に,混乱・苦悩・悲哀・失望・不安の真っ直中に放り出された感じを抱く親に対する最新・最良・最適
な知識・情報・技術での対応,さらには同じ状況に置かれた者同士の仲間づくりを中心とする社会化に向けた支援と子育てや障
害福祉についての知識情報を持たない孤立状況に対する支援は重要且つ緊急なものである。
④家族が障害のある(またはリスク児)我が子の受容と前向きな養育体制づくりに向けた第一歩を踏み出す時期である。
子どもと日々共に暮らす家族が「障害」という事実を前向きに受け止め,共に力を合わせて生きようとする姿勢を構築する過程
は家族構成メンバ-の一人ひとりに課せられる重く,長く,苦しい課題となる。この困難さから家族そのものが崩壊してしまうことも
決して珍しくはない。障害受容の取り組み(特に父親への働きかけをはずさないでの)は早期療育事業の必須課題である。
⑤発達上に転導性や多動性,もたつき,アンバランスさ,イレギュラさなどのある子どもは家族をはじめ周囲の人々の無理解と偏見
から被虐待児になり易い。
障害児者は人口の10%前後であろうが,未だ社会の理解度や受容度は十分とは言えない。その事が彼らの社会参加や自立
のバリア要因となっているし,それらが乳幼児や学童児に向けられたものがいじめや虐待ではないか。
<具体的な支援事業>
①社会自立参加支援事業(担当:障害に関する知識・技術・経験を持つ保育士)
→集団に馴染みにくい子どもの集団社会参加への支援サ-ビスは,その形態としては個別支援→小規模集団→中規模集団→健
常児集団というきめ細かなステップが必要である。また孤立しがちな保護者の社会化を促す場としての初期段階での母子参加
集団も大きな効果が期待できる。またこの支援サ-ビスが早期療育の基本的なサ-ビス形態である。
②発達支援事業(担当:各種療育士/理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床発達心理士など)
→発達支援サ-ビスとしての言語・運動・認知・社会性・感覚統合など各種機能別のニ-ズのある親子を対象とした個別対応に
よるデリカシ-をもってのティ-ムアプロ-チが必要である。
③地域生活支援事業(担当:各種療育士/理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床発達心理士,保育士など)
→地域の保育所や幼稚園など健常児集団でのインクル-シブな生活がより効果的に営まれる上での個別的な課題に対する専門
的・個別的な相談支援・発達支援サ-ビスや子どもの関係機関やスタッフに対する知識や技術支援を行うことが求められてい
る。
④家族・相談支援事業(担当:社会福祉士,精神保健福祉士,臨床心理士など)
→混乱期にある母親を中心とする家族への支援,心理的なバリア-の大きい地域での生活支援など彼らのニ-ズと社会資源を
タイムリに繋げるケア-マネ-ジメントやカウンセリングサ-ビスが必要である。
→被虐待児の早期発見,早期対応や早期予防のためのカウンセリングサ-ビス等によりその発生予防や被害の最小化が期待で
きる。
⑤健康・医療看護支援事業(担当:看護士・言語聴覚士・理学療法士など)
→健康面に置いて多くの課題を抱え,またそれらがなかなか安定しない乳幼児期であることから日常の健康チェックや保護者から
の健康医療相談活動,さらには偏食改善や健康維持増進面だけでなく嚥下・咀嚼機能や発声・発語機能の改善向上にもつな
がる給食という摂食場面での支援サ-ビスも重要な課題である。
障害児施設等の体系
入所施設:472ヵ所(24,567人) 通所施設:382ヵ所(14,083人) 通園事業:286ヶ所(2,050人) 児童デイサービス:1,137カ所(36,611人)
根拠法令等
肢体不自由児施設
62ヵ所 2,623人
入所施設
肢体不自由
通所施設
身
体
障
害
児
入所施設
視覚・聴覚・言語障害
肢体不自由の児童を治療し、独立自活に必要
な知識、技能を与える。
肢体不自由児療護施設
7ヵ所 249人
児童福祉法第43条の3
(最低基準第68条)
病院に入所することを要しない肢体不自由のある児
童であって、家庭における療育が困難なものを入所
させ、治療及び訓練を行う。
肢体不自由児通園施設
99ヵ所 2,777人
児童福祉法第43条の3
(最低基準第68条)
肢体不自由の児童を通所によって治療し独立
自活に必要な知識技能を与える。
盲児施設
10ヵ所 132人
児童福祉法第43条の2
視覚障害児童を入所させ、独立自活に必要な
指導又は援助を行う。
ろうあ児施設
13ヵ所 167人
児童福祉法第43条の2
聴覚・言語障害児童を入所させ、独立自活に
必要な指導又は援助を行う。
難聴幼児通園施設
25ヵ所 963人
児童福祉法第43条の2
(最低基準第60条)
強度の難聴の幼児を保護者のもとから通わせ
て、必要な指導訓練を行う。
入所施設
重症心身障害児施設
125ヵ所 11,827人
児童福祉法第43条の4
重度の知的、重度の肢体不自由が重複してい
る児童を入所させ、治療及び養護を行う。
通園事業
入所施設
通所施設
三
障
害
児童福祉法第43条の3
通所施設
重複(身・知)障害
知
的
障
害
児
施設(事業)の性格
重症心身障害児(者)
通園事業
A型 62ヶ所 930人
B型 224ヶ所 1,120人
補助事業
知的障害児施設
248ヵ所 9,350人
児童福祉法第42条
知的障害の児童を入所させ、保護するととも
に独立自活に必要な知識技能を与える。
自閉症児施設
7ヵ所 219人
児童福祉法第42条
(最低基準第48条)
自閉症を主たる症状とする児童を入所させ、
独立自活に必要な知識技能を与える。
知的障害児通園施設
258ヵ所 10,343人
児童デイサービス
1,137ヵ所 36,611人
児童福祉法第43条
障害者自立支援法
第5条第7項
日常生活動作、機能訓練等必要な療育を行うこ
とにより、運動機能等の発達を促すととも
に、
併せて保護者等の家庭における療育技術の習
得を図る。
知的障害の児童を日々保護者のもとから通わ
せて保護するとともに、独立自活に必要な知
識技能を与える。
日常生活における基本的動作の指導、集団
生活への適応訓練等を行う事業。
※施設数及び在所者数は、平成20年10月1日現在
重症心身障害児(者)通園事業については、平成21年度実施箇所数及び定員
12000
11000
10188
9537
10000
10428
10602
10670
10749
10719
9674
8727
8365
9000
10492
7961
7270
8000
7000
6973
6373
6000
5000
5452
4825
4843
7
8
5675
5904
6249
6369
12
13
7102
7200
15
16
6722
6995
7130
7120
7260
17
18
19
20
4381
4000
3000
2000
1000
0
6
9
10
11
14
か所数
(※ 児童数は、特別扶養手当支給対象児童数)
実施か所数
全保育所数に占
める割合
児童数
受入れ児童数
全利用児童数に
占める割合
平成18年度
7,130 (+135)
31.40%
10,670 (+68)
0.53%
平成20年度
7,260 (+140)
31.70%
10719 (-30)
0.50%
(年度)
障害児支援の見直しに関する検討会
1:2008.3.18-7.22までの11回
2:見直しの基本的な視点
①自立に向けた発達支援
②life-stageに応じた一貫した支援
③家族を含めたtotalな支援
④出来るだけ子ども・家族にとって身近な地域での支援
3:具体的な検討事項
①早期発見・早期対応(出産前後妊婦健診・母子手帳・母親学級 etc.)
②就学前支援(保育所での受け入れ・併行通園・児童デイサービスの見直し etc.)
③学齢期・青年期の支援(放課後・長期休暇問題,就労や地域生活に向けた教育・福祉の連
携 etc.)
④life-stageを通じた相談支援策(関係者連携・市町村と専門機関連携)
⑤家族支援(養育支援・respite-service・経済的負担 etc.)
⑥入所施設の在り方(入所施設の役割と類型・期間延長 etc.)
⑦行政の実施主体(障害福祉圏域・自立支援協議会 etc.)
⑧その他
発達が気になる子どものことが、
児童福祉(子ども・子育てシステム検討会議)と
障害者福祉(障害者制度改革推進会議)の
谷間に落ち込んでしまっているのでは
就学前児童に関するあるシミュレーション
A:1,100,000×6年(0-5才)=6,600,000人
B:6,600,000人×2.13%=140,580人
C:72,983人(2007度の障害児施設等利用数)(C/A=0.93%)
D:B-C=67,597人(D/B=0.48)
発達が気になる子の育ち支援における基本的課題と
それらの関係樹図
networkingとteam approach
・子どもとその家族のニ-ズに対して、1個人・1職種・
1機関で完結することはできない。
(医療・教育・保健・福祉の連携)
・子供の育ちに関する各職種の知識・技術・情報・経験を
持ちよっての学際的な連携が必要である。
(医師・看護士・PT・OT・ST・SW・心理・栄養士・教師・保育士など)
・職種間に上下関係はなく、いかなる職種も利用者の前では
平等である。
・障害保健福祉圏域・特別支援教育圏域・小中学校校区
発達支援サービス提供のいくつかのポイント
(1)早期の対応と気軽で身近なアクセス先となるように→Gray-zone・手帳
(2)家族支援
● 障害受容 ● 児童虐待 ● 離婚 ● 国籍
● 保護者の精神障害 ● 父親 ● 親の孤立
(3)支援目標の視点
▼発達が課題になる要因として
運動因子・知的因子・情緒因子・言葉因子・環境因子・疾病
(4)個別支援と集団活動
(5)環境への配慮
▼構造化の問題/時間・活動・環境(人と物)の構造化
▼感覚情報/Sensory dominance
▼安全・安心
▼自発性の育み→食事当番・食卓上の鏡の例
(6)ライフ・ステ-ジのつながり
(7)地域の支援システムづくりと地域自立支援協議会
障害受容の二層性
1)我が子の障害の受容
・障害の原因
・障害の予後
・我が子の発達レベル
・具体的な子育ての指針
2)障害のある我が子の受容
・価値観の転換(強者の論理からの脱却)
・父親への働きかけ
発達の気になる子どもが地域に育つ時
① 交流(混合)保育と統合保育は違う
② 発達最近接領域説とモデル
③ 豊かであることと多すぎること/悪しき平等観
④ 個別的なニ-ズに答える/IEP
⑤ 発達課題と保育者のデリカシ-/有用感
⑥ 保護者の障害受容(モラトリアム)と父親
⑦ 地域社会資源のネットワ-ク化
⑧ 我が子の障害の受容から障害のある我が子の受容へ
⑨ 親の孤独感と情報からの孤立
⑩ 発達支援-家族支援-地域生活支援
新たな発達・教育課題
① 主体性・自己選択・自己決定
② 障害の自己覚知
③ 拒否・浪費・嘘・さぼり
④ Help Call
⑤「形成」から「関係」へと支援サ-ビスの在り方のSift
⑥ADL→QOL→DOLへの哲学的観点のSift
etc.
子どもを取り巻く今事情-6
これから発達支援は
発達支援センター
うめだ・あけぼの学園
医師、看護師、保育士、児童指導員、治療教育士、理学療法士、作業療法士、
言語聴覚士、臨床発達心理士、臨床心理士、視覚担当、栄養士、ケースワーカー、e.t.c.
職
員
派
遣
普通学校
職
員
派
遣
特別支援学校(地域のセンター校)
幼稚園
保育園
職
員
派
遣
特別支援学級
職
員
派
遣
学童保育クラブ
児童館
保健センター(1歳6ヶ月検診、3歳児検診 など)
子ども家庭支援センター
地域の 子ども発達センター
誕生から乳児期
幼児期
レスパイトサービスの提供
学齢期
青年・成人期
重層的発達支援センター構想図
(厚労省:080624障害児支援の見直し検討会への提出資料)
第3次
発達支援センター
発達総合支援センター
(都道府県に1~2ヶ所)
医
療
支
援
療
育
支
援
家
族
支
援
地
域
支
援
・アセスメント
人
・個別支援計画
材
・ケア計画
養
成 ・サービス調整
療
育
支
援
家
族
支
援
地
域
支
援
人
材
養
成
医 ・アセスメント
療 ・個別支援計画
・ケア計画
支
援 ・サービス調整
療
育
支
援
家
族
支
援
・地域支援
第2次
発達支援センター
発達支援センター
(障害保健福祉圏域に1~2ヶ所)
・地域支援
・地域支援
学校教育機関
学童保育
保健センター
第1次
発達支援センター
児童デイサービス
(市町村事業)
保育・幼児教育機関
保育所・幼稚園
認定こども園
(都道府県/市町村事業)
保育支援・幼児教育
子育て支援(就労支援)
日中一時支援
日中一時支援
(市町村事業)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
日中預かり レスパイト
タイムケア 遊びの広場
10 11 12 13 14 15 16 17 18 (歳)
・個別支援計画
・ケア計画
・サービス調整
・保育計画
・指導案
全国児童発達支援協議会
CDS JAPAN
The Council of Developmental Support center,JAPAN
(知的・肢体・難聴・児童デイⅠ型)
①発達支援の意味と役割編
③ 発達支援の日常実践編
•
発達支援の意味と課題
•
こころの育ちを育む
•
子どもの権利条約と障害乳幼児
•
姿勢変換や移動の力を育む
•
発達支援と児童虐待
•
ものを操作する力を育む
•
ノ-マライゼ-ションと統合保育
•
状況を理解する力を育む
•
家族支援
•
コミュニケーションの力を育む
•
関係機関との連携・ネットワ-キング
•
仲間と楽しむ力を育む
•
アセスメントとティ-ムアプロ-チ
•
見る力を育む
•
就学支援
•
聞く力を育む
•
発達支援と障害児医療
•
食べる力を育む
•
障害受容
•
まねる力を育む
•
個別的発達・教育支援計画の作成とその課題
•
健康管理(肥満・偏食・アレルギー・栄養)
②発達支援の技法と理論編
•
医療面/薬物・合併症・術前後など
•
AACの考え方とその実際
•
救急対応
•
TEACCHの考え方とその実際
④発達支援に関わる制度等編
•
マカトン法の考え方とその実際
•
児童福祉制度とその動向
•
INREAL法の考え方とその実際
•
特別支援教育の制度とその動向
•
Bobath・Vojtaの考え方とその実際
•
保健医療の制度とその動向
•
感覚統合療法の考え方とその実際
•
保育の制度とその動向
•
行動分析法の考え方とその実際
•
幼児教育の制度とその動向
•
Montessori法の考え方とその実際
•
障害のある人の権利の条約
•
音楽療法の考え方とその実際
•
海外の制度とその動向
•
Swimming療法の考え方とその実際
•
•
Positioningと環境調整の考え方とその実際
•
PORTAGE
PROGRAMの考え方とその実際
発達支援と障害児医療
1. はじめに
5) 排尿障害
1) 障害児医療とは
6) 便秘
2) 障害児医療に係る制度について
7) アレルギー
~障害児医療制度と母子保健施策の動向~
2. 障害の診断と評価
8) 肥満
9) 骨折・脱臼
1) 診断の意味と障害告知の在り方
10) 不眠・生活リズムの乱れ
2) 障害の発見から支援の開始まで
11) 偏食
3. 基礎疾患について
7. 重症心身障害児
1) 運動機能障害:脳性麻痺、二分脊椎、神経筋疾患
1) 重症心身障害の概念
2) 精神遅滞:精神遅滞、染色体異常、先天奇形症候群
2) 超重度障害児の概念
3) 発達障害:広汎性発達障害・自閉症、AD/HD、LD
3) 「医療的ケア」について
4) 感覚器障害:視覚障害、聴覚障害
① 「医(療)行為」と「医療的ケア」
4. 日常の健康管理について
1) 日常の健康管理と環境づくり
② 「医療的ケア」を実施するための体制整備
③ 「医療的ケア」の実際
2) 体調のチェックポイント
・痰の吸引
3) 健康診断
・薬液の吸入
4) 歯科検診と口腔衛生
・経管栄養(経鼻チューブ、胃ろう、PEG)
5. 感染症対策
・導尿
1)
学校保健法に基づく感染症
2)
MRSA
3)
B型肝炎
1) 発熱
4)
予防接種
2) けいれん
6. 合併症とその対応
1) てんかん
・気管切開の適応や手技と気管切開部の管理
8. 救急対応
3) 気管内異物(窒息)・呼吸困難
4) 蘇生術
2) 先天性心疾患
9. 遺伝相談
3) 呼吸障害と呼吸器感染症
10. 医療機関との連携
4) 摂食嚥下障害
<今後検討すべき緊急性の高い課題>
1)実施主体が都道府県から区市町村になることの課題
(第Ⅰ種社会福祉事業から第Ⅱ種社会福祉事業になることの課題)
2)子ども自身の意見表明権
3)施設配置基準の問題
4)人員配置基準と各種専門職の位置づけの問題
5)発達支援センタ-としてのサービス内容・水準の確保と指針作り
6)サービス管理責任者の配置とその養成の在り方
7)蛸壺・自己完結型から地域資源・ネットワーク型へのsiftの課題
8)専門性とシステムと理念(philosophy)の構築とそのversion up
9)センター長の資質と資格について(管理だけでなく運営を)
10)資源過疎地域の発達支援サービス確保についての問題
etc.
Passion
と
○Passion
=intense emotion
=strong feeling
=受難・殉教
○Mission
=伝道
=使命・天職
=派遣
Mission
3.サービス提供の基本的姿勢
児童デイサービスの中核的機能は
療育や発達の支援
サービスの中核的機能
が明確でなかった
児童デイの中核的機能
は療育や発達の支援
(発達支援)
児童デイサービスは、発達
課題をもつ児童の支援機能
の他に、障害児の放課後や
長期休暇の預かり機能もも
ち、中心的に取り組むべき機
能が必ずしも明確でなかっ
た。
主な対象を就学前児童とし、
発達課題のある児童に対し、
できるだけ早期の段階から
支援を行うことを中心的機能
とする。そのための適切なア
セスメントと支援を実施する。
保護者や家族も支援のパートナー
家族は指導の対象者
保護者や家族も支援の
パートナー
(家族支援)
発達のつまずきや障害の
告知を受けてとまどい悩む
保護者の想いを受けとめき
れず、児童本人だけを指導
してきた。支援の内容や方
法も保護者や家族と十分に
共有されず、支援のパート
ナーとしていない。
取り組む指導内容や見通し
を分かりやすく伝える工夫を
し、保護者や家族へ障害受
容を促す。児童本人の発達
課題について理解が深まり、
保護者や家族の役割が確認
され、一緒に取り組む。
集団活動と個別プログラムの
効果的な組み合わせ
集団活動への偏り
支援(指導)計画が画一的
で、集団の適応訓練などに
力点が置かれ、支援プログ
ラムに偏りがある。
集団活動と個別プログラ
ムの効果的な組合せ
保護者や関係機関と的確な
アセスメントを実施し、集団活
動と個別プログラムの効果的
な組み合わせによる計画を作
成する。
地域での育ちが続く支援
事業所完結の支援と
コマ切れの支援
地域での育ちが続く支援
サービスの実施内容や結
果が事業所だけにとどまり、
次のステージに活用されて
いない。支援システムづくり
が不十分。
発達段階に応じた支援が継
続されるようにライフステー
ジのつながりを重視する。家
族支援を含めた一人一人の
療育や発達の支援が地域の
支援システムづくりにつなが
ることを意図してサービスを
実施する。
(地域連携)
4.サービス提供のポイント
(1)早期の対応と
気軽で身近なアクセス先となるように
• 乳幼児健診、保健所、保健センター、子育て支援
センターや障害児等療育支援事業等から経由さ
れる事例への早期の対応
• 診断のつきにくい発達障害児への対応や発達の
つまづきに気軽で身近にアクセスし相談できるよ
うにする(関連情報を提供し、支援との距離感を
縮める)
• 個々の発達レベルや障害特性を理解し、専門的
支援と有機的に結びつける
(2)家族支援
• 家族支援のポイントは、精神的援助と子育て支援、それ
らを通じて家族・保護者が障害の理解と受容を進める
• 兄弟姉妹への支援を行い家族機能の維持をはかる
• 福祉的、経済的支援に関わる場合や、医療的支援(例
えばリハビリテーションなど)についても、児童デイサー
ビス事業所は親と専門家と連携して取り組む
• 保護者自身がエンパワメントできるような、個別懇談、
お母さん勉強会(お父さんの会)などの実施に努める
• 毎日通園、「母子通園から母子分離へ」など手法は様々
だが、保護者に見通しを示して合意しながらすすめる
(3)支援目標の視点
(例)
【発達支援】 ・ 姿勢・運動
・ 生活習慣(ADL)
–
–
–
–
食事
排泄
着脱
衛生
・ 言語(コミュニケーション)
・ 社会性
– 遊び
– ソーシャルスキル
【家族支援】(家族サポート、説明と同意)
【地域連携】(医療的配慮等ネットワークの中での連携項目)
– 専門的支援
(4)個別支援と集団活動
• 個別支援プログラムの立案
• 行事等の集団活動を通して本人の様子を観察する
• 個別支援と集団支援の活動の違いから見える子ど
もの様子、支援者の関わり、必要とされる療育内容
の点検を行う
• 専門的支援が必要な場合に、障害児等療育支援事
業、発達障害者支援センター等を活用するなどして
集団活動の適応のための助言指導を受けながら進
める
(5)環境への配慮
• 支援の場面では環境への配慮が必要
• バリアフリー環境の用意
• 的確な観察により構造化した環境を用意し、活動
の見通しを持たせる
• 刺激を軽減し不必要なパニックを防止する
(6)ライフステージのつながり
• 就学にむけた支援
• 保育所、幼稚園と併用している場合支援状況の
共有を行うとともに、その後移行する際には個別
の移行支援会議を開催
• 支援のバトンタッチがスムースに進むよう、療育
や発達を支援するための定期的な会議や教育(
特別支援教育)との連携会議などを活用
ライフステージ移行支援イメージ図
移行支
援会議
移行支
援会議
移行支
援会議
移行支
援会議
個別の移行支援計画
乳幼児期
(保育所等)
入
学
小学校
中学校
個別の教育支援計画
児童デイ
通園施設等での
個別支援計画
個別支援計画
(児童デイサービスⅡ型)
個別支援会議
モニタリング
各学校高等部
卒
業
就 労
日中活動
アフター計画
(7)地域の支援システムづくり
• 就学後の生活を見通した地域のネットワークを形成
する
• 子どもを取り囲む関係機関(保健師・保育所・幼稚園
・障害児等療育支援事業、児童相談所・子育て支援
センター・ことばの教室・教育・医療機関・行政等)と
のつながりと信頼関係をつくる
• 機関間・職種間・官民間・役割間など上下関係を存
在させずに支援内容と連携協働する役割を確認する
• 定期的な発達支援のための会議を構築するとともに
必要な場合は個別の支援事例を地域で検討する会
議を実施する
5.アセスメントのポイント
発達障害児の特性をふまえた
アセスメントとその支援の考え方について
うめだ・あけぼの学園
(地域支援専門員)
竹谷 志保子
「発達の障害」分類と重複図
広汎性発達障害
学習障害
自閉症
ADHD
知的障害
発達障害の発達特性
☆遅れではない、特異的発達(非定型発達)
• 知的障害がない
• イマジネーションの障害
• 実行機能の障害
• ディスクレパンシー(discrepancy)
発達障害の子によく見られる様子
• 困ったときに不適切行動でヘルプコールする
• 結果を白黒で判断してしまう。
友だち関係も、勉強も・・・ 早急に結果を求める
• あきらめやすい、頑張りきれない
• 自己中心的であると共に自己評価が低く
マイルールで対応してしまいやすい
• 人の気持ちや集団の動きに気づきにくい
など
発達障害のある子どもは
• 何らかの脳機能の障害による発達の特異的(遅れでは
ない)な発達特徴のために
• 活動・行動、コミュニケーション、生活、学習等に不自由
さと困難さを抱えているこども。
• それらの発達特徴故に、幼児期から適切な理解と関わり
を受けられずにいる場合には
• 行動や精神面での二次的障害も併発しやすく
• より一層の困難を抱え
• その困難への適切な対応と自己感情・行動の適切な社
会化ができずにいることが少なくない。
思春期に起こりやすい二次障害
• 素行障害、反抗挑戦性障害
• チック
•
•
•
•
•
•
•
身体表現性障害(身体化障害/疼痛症状・胃腸症状)
睡眠障害
摂食障害
気分障害(うつ病、双極性障害)
不安障害(パニック発作、強迫性障害、PTSD)
パーソナリティ障害
解離性障害(解離性健忘、解離性同一性障害・・・特に
PDD、ASP)
• 統合失調症
発達障害のある子の
保護者の負担とリスク
•
•
•
•
•
育てにくさ
関わりにくさ
理解のしにくさ
行動の問題への心配
将来への心配
子育ての辛さ・負担感
達成感・喜びの少なさ
親としての自信の喪失
適切に関わる回数の減少
<知っておきたい 発達背景の一つ>
感覚統合が正常な状態
(イメージ図:感覚統合Q&Aより)
第4段階
第3段階
第2段階
第1段階
聴覚
前庭覚
固有覚
触覚
視覚
<知っておきたい 発達背景の一つ>
感覚統合障害
(イメージ図:感覚統合Q&Aより)
第4段階
第3段階
第2段階
第1段階
聴覚
前庭覚
固有覚
触覚
視覚
感覚およびその統合と最終産物
(イメージ図:感覚統合Q&Aより)
感覚
入力の統合
第1段階
第2段階
眼球運動
固有覚
触覚
言葉
姿勢
第4段階
集中力
組織力
バランス
身体知覚
自尊心
筋トーン
身体の両側統合
自己制御
重力に対する安心
感
運動企画
目と手の協応
自信
活動レベル
視知覚
学習能力
注意力
目的的活動
抽象的思考や論理的
能力
吸う
食べる
視覚
第3段階
話し言葉
聴覚
前庭覚
最終産物
母と子のきずな
触覚的心地よさ
情緒的安定
身体と脳の特殊化
発達障害と二次障害
本人の素因
環境
(大人)
感情の社会化の未形成
反応性愛着障害
自尊心の喪失
自己認識の未形成
傷つき体験の悪循環
二次障害
の併発
外在化表現・内在化表現
(1)相談支援時の状況把握
☆主訴の聴き取りと受け止め
・・・・・・保護者の葛藤の大きさ
 理解しにくい子ども
 関わりにくい子ども
 保護者の傷つき体験
 子どもについての理解・気づきの少なさ
 医療機関利用情報
(2)アセスメント 初期状態の把握
☆発達特性(障がい特性、個人内差)の
スクリーニング
 「検査の数値」に表れない状態の観察
 子ども自身の混乱や不安の把握
 複数の検査・評価の組み合せ(テストバッテリー)
田中ビネー、WISC-Ⅲ、K-ABC、DN-CAS
CHAT、ASQ、PRS など
(通常は、療育開始後に加えて実施)
(2)アセスメント ②基本的ニーズの把握
☆「生活」に即したニーズ把握
 家庭内での困っていること
 外出時に困っていること
 「園」で困っていること
 将来困ると思われること
(2)アセスメント ③課題の整理
認知特性の把握
社会性・行動・情緒の発達課題の把握
遅れと特異性の見極め
誤学習と未学習の視点からの理解
得意さ・強み、苦手さ・弱さの把握
(3)個別支援計画の作成
●
発達支援・・・
教育学的支援
心理・教育的/神経心理学的
神経生理学的アプローチ
●
 発達障がいを対象にした
種々のアプローチ法につ
いて、基本的知識を身に
つけていること。
生理学的・医学的アプローチ
 個別支援による、認知・学習領域へのアプローチ
 小集団支援による、社会性支援のアプローチ
自己理解、自信、自尊心につながる支援
 一般集団への般化プログラム
 保護者の子ども理解支援プログラム
(4)個別支援計画の実施
環境の構造化と構造化はずし
感覚刺激情報の整理
補助的(視覚的)手がかりによる
理解のサポート
空間の理解、時間理解、役割理解を
促す工夫
般化プログラム
個別・集団・家庭・地域
行動・活動の自己評価と他者評価
(6)他機関との連携
保育園・幼稚園との連携(協働)
医療機関との連携
(7)就学支援
地域の通常学級での特別支援教育の
状況の把握
入学前、入学後の連携
認知特性、行動特性、言語特性と対
応などを、エピソードを加えてしっかり伝
える。
6.サービスの評価
サービスの評価基準
視点
家
族
支
援
評価の項目
質の高い
サービスの提供
評価の方法
①利用児童の発達度や家族のサービス内容への満足度
②要望・苦情解決の件数
③サービスの質の第三者評価の導入
①資格取得の促進 (キャリアアップ)による有資格者数
発
達
や
療
育
の
支
援
職員の質の向上
②OJT、OFF JTの実施件数
③部内外研修、自主研修の実施件数(時間)
①利用児童数の増減
事業の推進
②事業所、利用者と社会資源との関係図の作成
③他の関係機関、事業と連携した件数(支援会議)
発達や療育支援の視点による評価
• 例えば、各種の発達検査による分析などを行い、
児童の発達の伸びを評価する
• 児童の生活ぶりに対する家族の評価を把握する
• 家族が行う事業者評価表(例えば、満足度評価、
苦情処理件数など)に発達支援の視点を加えたも
のを事業所で作成し、そのチェック度を評価する
• 関係機関の事業所に対する発達支援技量の評価
を確認する
家族支援の視点による評価
• 家族にとって生活のしやすさという実感が生まれ
見通しがもてているか把握する
• 家族、特に母親のストレスの予防マネジメントに
ついて、どのような対応が出来たか評価する
• 家族と社会資源の結びつきがエコマップ上どのよ
うに拡がっているか確認する
サービス管理責任者の役割
• サービス提供の視点(7項目)が実施されている
か把握し、必要に応じ助言指導する
• 個別支援計画の進捗状況を把握し、必要に応じ
助言指導する
• サービスの質の向上のための研修やスーパーバ
イズ体制等について検討する
• 児童デイサービス事業全体のマネジメント
-職員のマネジメント
-リスクマネジメント
7.サービス提供プロセスの実際
うめだ・あけぼの学園
(地域支援専門員)
竹谷 志保子
サービス提供のプロセス
(
1
)
相
談
支
援
時
の
状
況
把
握
(
2
)
ア
セ
ス
メ
ン
ト
①
初
期
状
態
の
把
握
②
基
本
的
ニ
ー
ズ
の
把
握
③
課
題
の
整
理
(
3
)
個
別
支
援
計
画
の
作
成
①
到
達
目
標
の
設
定
支
②
個
別
支
援
計
画
の
作
成
援
(
4
)
個
別
支
援
計
画
の
実
施
(
5
)
中
間
評
価
と
修
正
会
定期的に
繰り返し
①
支
援
計
画
の
中
間
評
価
議
②
支
援
計
画
の
修
正
*
*
他
機
関
と
の
連
携
就
学
支
援
(
6
)
終
了
時
評
価
ケースの概要と経過











知的障害、多動性を伴う広汎性発達障害 男児
保健センターから紹介されて来園
2歳8ヶ月時に相談面接を実施
初回アセスメント時
DQ 全領域56 姿勢・運動100 認知・適応54 言語・社会47
多動性・衝動性、他児を突き飛ばすなどの他害的行動が見られた。
2歳9ヶ月から、週3回通園の親子通園を開始。
多職種のチームアプローチにより個別支援、小集団支援を実施した
。
行動調整の支援を、支援内容に含めた。
保護者の子ども理解に向けての支援を実施した。
4歳児から保育園に入園し、保育園との連携によって支援をした。
特別支援学校入学。報告書、来園により引継をした。
(1)相談支援時の状況把握
実施方法
事例より
• 2:8時に、保健センターからの紹介され
• 保護者の主訴(心配なこと、相談・療育
両親で相談に来園。
機関利用の意向など)を把握する。
• 主訴はことばの遅れ、友だちと遊べな
• 主訴と質問に応じた情報の提供をする。
い。
• これまでの経過について把握する(発達
• 保健センターでは1:6より心理相談(経
経過、利用機関、医療情報等)。
過観察)を受けている。
• 子どもの状態像について把握する。
• 保護者の状況(心理状況、家族状況など • 子どもの状態についてまだ適切には理
解しておらず、通園意思も確実ではなく
)について可能な範囲で把握する。
迷っている。
• 個人情報の管理については慎重に行う
• これまで専門機関を利用したことはな
い。
必要なツール
• 学園案内と学園を利用する場合の手続
きの説明をする。
• 相談受付表、施設案内、施設の手続き • 心理評価を実施し、発達の状態につい
て伝える(口頭説明と報告書)。
説明書
• 重要事項説明書(契約時)
• 支援検討会議実施後、療育の必要性の
説明と、学園以外で利用できる近隣の
他の相談支援機関を紹介する。
(1)大切にしたい視点
•
•
•
•
相談者(保護者)の主訴を適切に把握し受け止める。
心配ごと、困っていること、希望
子どもの理解・・・そこから見えてくる受容段階
両親、家族内での理解と受容の温度差の有無
子どもの基本情報、これまでの経緯を過不足なく収集できているか
相談者の質問や要望に適切に答えられているか。
気軽で身近なアクセス先になるように、施設の案内を地域に発信できている
か。
•
相談者が初めてアクセスしたときに、分かりやいシステムと親しみやすい雰囲
気をもっているか。
•
必要な場合には他機関紹介ができるように、地域の情報を整理しているか。
•
•
紹介元への必要な連絡(結果等)はできているか。
個人情報保護は職員に徹底できているか。
111
(2)アセスメント ①初期状態の把握
実施方法
• 発達検査、あるいは障害に応じ
た適切な評価を実施し、身体状
況や心理・発達状況など状態像
の客観的な把握に努める。
• 聴取により生育歴、発達歴など
これまでの状況を把握する。
• 必要な場合には、保護者の許可
を得て、他機関からの情報を入
手する。
必要なツール
• 発達検査、発達評価
事例より
• 発達検査により状態像を把握
新版K式発達検査 CA2:8
全領域56(1:6)
姿勢・運動100(2:8)
認知・適応54(1:5)
言語・社会47(1:3)
• 多動性、注意の転導性が見られる。
• 有意味語は数語で、実用的には使用
していない。
• 伝達的なことばの使用が少ない。
• 遊具を共有して遊ぶことが少ない。
• ミニカーなど特定の遊具への遊びの
こだわりが見られる。
• 触覚への過敏さが見られる。
(2)ー① サービス管理責任者の視点
• 適切な評価ツールを使用してアセスメントを実施しているか。
• 他機関の評価、保護者からの情報を含め、評価に必要な情報収
集ができているか。
• 評価の結果を、保護者に分かりやすく説明しているか。
• 評価の結果が、療育に活かせるようになっているか。
113
(2)アセスメント ②基本的ニーズの把握
実施方法
• 相談時の面談、初回アセスメ
ントの情報等を整理して、子
ども、母親、父親、それぞれ
のニーズを把握する。
• それらのニーズにずれはな
いか、その有無を把握する。
必要なツール
• 面談時の情報、発達評価
結果
事例より
• 子どものニーズ
コミュニケーションと行動面の問
題、知的な遅れを併せ持ち、専門機
関をベースとする発達支援が必要。
• 母親の主訴
友だちに手を出すことが多く、また
すぐにどこかに行ってしまうので、外
出時に目を離すことができず、疲れ
てしまう。言っても聞き分けがない。
• 父親の主訴
男の子だからことばが遅い。少し
元気すぎるが、母親が心配しすぎ。
(2)ー② 大切にしたい視点
• 子どもの発達ニーズが適切に把握できているか。
• 父親、母親、家族の思いを丁寧に聞き取り、理解し、主訴と
して把握できているか。
• これらを合わせて、家族支援のニーズを把握できているか。
115
(2)アセスメント ③課題の整理
実施方法
• 基本的ニーズの把握に基づ
き、課題を整理する。
• 支援項目ごとの内容と方法
は、保護者の同意を得なが
ら進める。
• 併用する他の機関がある場
合は、必要に応じて、他機関
と役割分担と協働による支援
を実施する。
必要なツール
•
支援項目ごとの課題の整理表
事例より
<子どもの状況>
・身辺自立、行動調整、ことばとコミュニ
ケーション、認知と遊びについての個
別及び小集団による発達支援。
・感覚統合評価
<家族の状況>
・子どもの発達状況と関わり方についての
適切な理解を支援することで、父親と
母親の状況認識のずれを修正する。
母親の育児負担感を軽減する。
<支援の状況>
・他の専門機関の利用はない。
(2)-③ 大切にしたい視点
• 列挙された課題に優先順位を付けて整理ができているか。
*緊急度、効果、般化度
• 家族支援についても同様に整理できているか。
• 発達支援の課題と家族支援の課題の関係性を整理しているか。
• 実施可能性を想定して課題整理しているか。
• 他機関との連携・役割分担が確認されているか。
117
(3)個別支援計画の作成
実施方法
事例より
(一部)
・落ち着いて遊べるようになる。
・友だちへの不適切な関わりがなくな
長期目標 り、一緒に継続的に遊べるようになる。
・自分で食事ができるようになる。
項目
短期目標
支援内容
• 支援項目の課題に基づき到達した
い長期目標と短期目標を定める。
• 時間(支援期間)と領域(支援内容)
という2つの観点から個別支援計画
を作成する。
• 到達目標は、時間軸を通して段階を 行動調整
踏んで達成される。
• 保護者の意見や希望を確認しなが
対人関係
ら作成し、保護者の同意を得る。
対こども
必要なツール
• 個別支援計画表
食事
着席して一つの
課題の順番、量を
課題を達成す
視覚的に示す。
る。
グループの自由場
友だちと遊具を
面や園庭で、大人
共有して遊べる
の仲介で順番に遊
ようになる。
具を使う。
スプーン、
フォークで自分
食べられるよう
になる。
給食時に、自食を
促す。
(3) 大切にしたい視点
• 長期目標と短期目標が適切な期間で設定されているか。
(短期:3か月前後~期間が長すぎる目標は具体性がないことが多い)
• 目標と課題内容は分かりやすく、具体的で、実施可能か。
• 発達支援3、家族支援1、地域連携1は必ず考えよう。
• 多重性、相互性を活かした支援の組み立て。
• 育ちの特長・芽生えを活かしているか(ストレングス)。
• 分かりやすく文章化し、保護者に渡しているか。
保護者・子どもの立場に立った表現
ポジティブ表現
• 保護者の同意を得ているか。保護者の同意は選択可能な状況・条件の中
で行われているか。
119
(4)個別支援計画の実施
実施方法
事例より
• 感覚統合評価を実施し、感覚統合療法
の必要性を確認。
• 支援スタッフはお互いに情報
交換しながら支援を実施する。 • 個別療育 心理1/W OT1W
小集団療育 保育士・OT 1/W
• 支援のペースやスケジュール
• <OT>
については、保護者の同意を
触覚、前庭系庭反応の過敏さの改善
得て実施する。
• <心理>
• 設定された目標を、効率よく達
分かりやすく構造化され、活動の予測
がつきやすい環境設定。遊具を使った
成することに努める。
やりとり、一つの課題を達成できるよう
に促す。
• <小集団>
必要なツール
感覚統合遊びとコミュニケーション遊び
ケースファイル、各記録用紙、評価記
*保護者の時間で、母親同士の交流を
図る。
録用紙、支援実施一覧表など
*父親参観を実施
(4) 大切にしたい視点
• 支援内容は計画通りに実施されているか。
• 支援の記録が残されているか。
• 支援内容と方法は、目標達成に効果がありそうか。
• 支援スタッフの相互連携がとれているか。
• 保護者が意見や希望を伝えることができているか。
• 安定した出席率となっているか。
(5)中間評価と修正 ①個別支援計画の評価
実施方法
• 時期(段階)ごとに、到達目標
達成度を評価し、分析する。
• 保護者からのサービス評価を
取り入れる。
• 保護者の要望や状況の変化
については、常時情報を得る
ようにする。
必要なツール
• 中間評価記録表、療育アンケート、
発達評価など
事例より
<子どもの様子>
• 個別場面では、離席せずに最後まで課題
を行えるようになる。
• ことばが増え、要求や拒否をことばで伝え
られるようになってきた。
• スプーン、フォークで食事できる。
• 登園時や園庭など他児の動きが急に近
づいてきた場面では、突き飛ばすことが
続いている。遊びたいときにも急に抱きつ
いたり叩く行動がある。
<両親の様子>
• 両親とも子どもの状態についての理解が
深まり、親の活動に積極的に参加するよ
うになる。
• 療育アンケートでは、行動面への具体的
助言がもっと欲しいとのことであった。
(5)-① 大切にしたい視点
• 設定した期間(短期目標)ごとに中間評価を実施している
か。
• 設定した期間以外でも、常に発達ニーズや保護者ニーズ
の変化に気を付け、必要に応じて中間評価と修正を加える
ことができているか。
• 保護者の満足度、要望、苦情を知る方法を設定しているか
。
(5)中間評価と修正 ②個別支援計画の修正
実施方法
• 到達目標に達成できていない場合は
、その原因を分析的に考え、新たな
目標設定をしていく。
• 修正にあたっては、 担当者間で連携
を取る。必要に応じて、他の視点から
の助言を得る。
• 保護者に修正や変更の同意を得る。
必要なツール
• 個別支援計画の修正、変更記録表
事例より
<関係者会議の実施>
• 個別、集団担当者、部長、コンサルテー
ション担当者が集まり、支援計画修正の
ための会議を開く。
↓
• 行動の問題の背景として
①感覚統合の問題 触覚の過敏さと 感覚
情報処理の混乱からくる、衝動性
②適切なコミュニケーションスキルの弱さ
③大人の注意を引き行動
↓
• 感覚統合の視点での遊びを、家庭や個
別の遊びに取り入れる。
新年度から、環境の構造化を取り入れた
小集団に所属する。
行動の前後の因果関係を分析的に理解
し、「遊ぼう」などの表現をカードで伝えら
れるようになる。
(5)ー② 大切にしたい視点
• 中間評価に基づき、適切な修正ができているか。
• 適切なスタッフで検討会議を開催しているか。
• 必要に応じて、修正内容の検討のための評価を実施しているか
。
• 保護者の意見を聞き、同意を得ているか。
• 修正結果を文章化できているか。
(6)他機関との連携
実施方法
• 併用機関について、内容、日程、担
当者等を正しく把握する。
• 電話、報告書、訪問等、必要に応じ
た方法で連携を取る。
• 連携の希望の有無、その方法と内容
、時期については、保護者と十分に
話し合いながら実施する。
• 個人情報保護の視点と発達支援、
家族支援の視点から、伝えるべき内
容と伝えるべきでない内容について
吟味する。
事例より
•
•
•
•
4歳児の4月から、保育園に通園しなが
ら個別療育と小集団療育を週1回ずつ
利用することになった。
保育園入園にあたり、療育経過を報告
書としてまとめて、本児の状態と配慮点
を伝えた。
6月に保護者より、「友だちとのトラブル」
についての相談があった。
保育園訪問して、保育の様子を見学し、
担当保育士、保護者、園長、学園担当
者の三者で相談の場を設けた。
学園で使用している伝達カードの使用
友だちに本児への関わり方を伝える など
必要なツール
•
他機関連携記録表、報告書、連携希
望書
•
担当保育士が来園し、本児の療育見学
を行い、その場でも話し合いを行った。
(6) 大切にしたい視点
• 必要な時に、主体的に、連携が実施されているか。
*連携の目的・・・そのための課題の整理
*連携する機関・人
*連携の方法
*頻度
*役割分担とキーパーソン
• 保護者の希望、相手機関の希望を把握してるか。
• 地域ネットワークの視点で連携しているか
*ヴィジョン・アクション・フィードバック・連携ツール
• 個人情報保護の視点を持って行っているか。
(本人主体・倫理の共有)
(7)就学支援
実施方法
• 保護者への情報提供
• 保護者が悩みや考えを話し合える場
の提供。
• 担当者が意見や考えを伝えるので
はなく、家族で話し合い、情報を収集
し、子どもにとって適切な場を選択し
ていくプロセスを支える。
• このプロセスを通して、子どもを、地
域をより理解できるように支援する。
必要なツール
•
学校情報、特別支援教育体制のリスト
事例より
<就学支援のための企画>
・小集団の保護者同士の時間の中でテーマとし
て取り上げる。
・就学支援講座の実施
・就学支援のための相談の実施
・就学相談や学校情報の掲示、ファイリング
<保護者と担当者の動き>
・各企画に参加
・特別支援学校、特別支援学級で迷っていた。
・学園の担当者に就学の相談
区の就学相談、学校見学、就学支援シート
の利用を勧める。
・担当者は個別の中で進路の支援と確認
<就学後>
・就学先に報告書の提出
・来園による情報交換(4月末)
(7) 大切にしたい視点
• 就学に関する相談支援が、実施されているか。
(就学を迎える児全員に対して)
• それは、保護者の主体的な行動・選択を支えているか。
• 地域の学校情報、最新の特別支援教育の体制やサービスについ
て把握し、整理しているか。
• 就学に向けての企画が、タイムリーに実施できているか。
就学支援のプロセス(課題解決プロセス)
•
気持ち・考えの整理・・なぜ○○学校に行かせたいか
•
情報の収集・・資料の集め方、見学、体験等
•
情報の整理・・子どもにとっての長所と短所
•
子ども理解の再整理と親の希望(価値観)の整理
・・ここが一番苦しい
•
選択・・選ばなかったことの補償の方法
•
希望が満たされるための交渉、関係作り
•
振り返り
•
このプロセスを支え課題解決の姿勢と方法を伝えていくことが、就学支援
•
このプロセスに両親/家族の参加を促すことが、家族支援につながる。
•
この姿勢とスキルは、その後の選択場面に活かされていく。
•
この姿勢とスキルは、やがて子ども自身の生き方に活かされていく。
就学支援に含まれる意味
•
•
•
•
障害理解と受容
エンパワメント
カウンセリング
家族機能の育成・回復
なぜ「就学支援」が効果的か
•
•
•
•
•
•
全員が通過する課題
テーマと目標(学校決め)が明確
選択肢(学校)が絞られている
日程と期間が定められている
家族全体のことを考えられる
継続的に振り返りができる(結果検証)
131
(8)終了時評価
実施方法
• 到達目標達成度を含めた個別
支援計画全体を客観的に評価
。
• サービス提供はスムーズに行
われたか、また、行われなかっ
た場合の原因は何かを評価。
• 利用者の状態の変化・満足度
などの観点から評価。
• 同様のケースの個別支援計画
作成に評価を活かす。
必要なツール
•
終了時評価表
事例より
•
発達検査により発達度を確認
新版K式発達検査 CA5:9
全領域 60(3:5)
姿勢・運動54(3:1)
認知・適応58(3:4)
言語・社会65(3:9)
•
終了時点の様子
行動面では落ち着き、衝動的になりそう
なときでもガマンする様子が見られるよう
になった。ことばが育ち、「遊ぼう、ありがと
う、まって」など、自分の気持ちを他児に対
して表現するようになった。
予定外の場面では興奮することがある
が、視覚的な手がかりも使いながらことば
で伝えると、気持ちを落ち着かせられるよ
うになってきた。
(7) 大切にしたい視点
• 就学に関する相談支援が、実施されているか。
(就学を迎える児全員に対して)
• それは、保護者の主体的な行動・選択を支えているか。
• 地域の学校情報、最新の特別支援教育の体制やサービスについ
て把握し、整理しているか。
• 就学に向けての企画が、タイムリーに実施できているか。
8.参考資料
障害児支援の見直しに関する検討会「報告書」の概要 等
障害児支援の見直しに関する検討会
障害者自立支援法の3年後の見直し
○ 障害者自立支援法(平成17年法律第123号)(抄)
(検討)
第三条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律及び障害者等の福祉に関す
る他の法律の規定の施行の状況、障害児の児童福祉施設への入所に係る実施主体の在り方
等を勘案し、この法律の規定について、障害者等の範囲を含め検討を加え、その結果に基づい
て必要な措置を講ずるものとする。
障害児支援の見直しに関する検討会の開催について
検討会の開催状況
第1回
日時:3月18日(火)
議題:現行の障害児支援施策等について
第2回
日時:4月15日(火)
議題:関係団体からヒアリング
(メンバー)
市川 宏伸
◎柏女 霊峰
(都立梅ヶ丘病院長)
(淑徳大学教授)
北浦 雅子
(全国重症心身障害児(者)を守る会会長)
君塚 葵
(全国肢体不自由児施設運営協議会会長)
(甲子園大学教授)
第3回
日時:4月25日(金)
議題:関係団体からヒアリング
第4回
日時:5月12日(月)
議題:障害の早期発見・早期対応策について
就学前の支援策について
坂本 正子
日時:5月30日(金)
議題:就学前の支援策について
学齢期・青年期の支援策について
柴田 洋弥
(日本知的障害者福祉協会政策委員会専門委員)
末光 茂
(日本重症児福祉協会常務理事)
日時:6月10日(火)
議題:ライフステージを通じた相談・支援の方策について
家族支援の方策について
副島 宏克
(全日本手をつなぐ育成会理事長)
田中 正博
(全国地域生活支援ネットワーク代表)
日時:6月16日(月)
議題:入所施設の在り方について
行政の実施主体について
中島 隆信
(慶應義塾大学客員教授)
橋本 勝行
(全国肢体不自由児者父母の会連合会会長)
日時:6月24日(火)
議題:論点整理①
松矢 勝宏
(目白大学教授)
宮崎 英憲
(東洋大学教授)
宮田 広善
(全国肢体不自由児通園施設連絡協議会会長)
山岡 修
(日本発達障害ネットワーク副代表)
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
日時:7月 4日(金)
議題:論点整理②
第10回
日時:7月14日(月)
議題:とりまとめ①
第11回
日時:7月22日(火)
議題:とりまとめ②
坂本
(東松山市長)
渡辺 顕一郎 (日本福祉大学教授)
以上17名
障害児支援の見直しに関する検討会報告書の概要
(平成20年7月22日)
<見直しの4つの基本的視点>
(1)子どもの将来の自立に向けた発達支援
(2)子どものライフステージに応じた一貫した支援
(3)家族を含めたトータルな支援
(4)できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援
1.障害の早期発見・早期対応策
○ 医療機関(産科、小児科等)、母子保健、障害児の専門機関等の連携を強化。
○ 「気になる段階」から、保健センター等の身近なところで専門的に支援。
2.就学前の支援策
○ 障害児の専門機関による、保育所等への巡回支援等により、保育所等での受入れをできるだけ促進。
○ 通所施設について、障害種別による区分をなくし、多様な障害の子どもを受入れられるよう検討。
3.学齢期・青年期の支援策
○ 放課後において、子どもの発達に必要な訓練などを実施するものは、放課後型のデイサービスとして
事業実施を検討。
○ 卒業後の地域生活や就労を見据え、夏休み等において体験的に就労事業等を利用。
4.ライフステージを通じた相談支援の方策
○ 市町村を中心として、都道府県や障害児の専門機関が、市町村を支える体制。
○ 地域自立支援協議会(子ども部会の設置)等により関係者の連携を強化。教育と連携した「個別の支
援計画」づくり。
5.家族支援の方策
○ 心理的なカウンセリング、養育方法の支援等を検討。
○ ショートステイの充実等により、家族の負担感を軽減。
6.入所施設の在り方
○ 障害の重複化等を踏まえれば、基本的な方向としては、一元化を図っていくことが適当。その際、それ
ぞれの施設の専門性を維持していくことが可能となるよう配慮。
○ 子どもから大人にわたる支援の継続性を確保しつつ、満18歳以上の入所者は、障害者施策として対
応することを検討。その際、支援の継続のための措置や、現に入所している者が退所させられることが
ないようにするなど配慮が必要。
○ 特に、重症心身障害児施設については、更に、児者一貫した支援の継続性が保たれるよう、小児神経
科医等が継続して関われるようにするなど、十分な配慮が必要。
7.行政の実施主体
○ 通所については、在宅の支援施策等との関係から、市町村とする方向で検討。
○ 入所については、当面は都道府県。(この場合、市町村の関与を現状より強めることが適当。また、将
来的には、市町村とすることを検討。)
※ 検討会報告では3案が併記されたが、障害者部会報告において、上記の案となった。
○ 障害児施設の利用(措置・契約)については、現行制度を基本にさらに検討。措置と契約について全国
的に適切な判断が行われるよう、ガイドラインを作成。
8.法律上の位置付けなど
○ 保育所等の一般施策との連携の観点から「児童福祉法」に位置付けることを基本とすべき。
( 資 料 集 )
障害児の支援体制について
対象児童:肢体不自由児、知的障害児、発達障害児など
乳幼児健診
等による早
期発見
特別支援
教育体制
特別支援
教育体制
保育所における支援
放課後児童健全
育成事業 等
通園施設での発達支援
就労支援等
児童デイサービス
日中一時支援事業
在宅サービス(ホームヘルプ、ショートステイなど)
入所施設(肢体不自由児、知的障害児施設など)
相談支援(市町村、保健所、児童相談所、発達障害者支援センター 等)
0歳
7歳
18歳
1歳6か月児健康診査及び3歳児健康診査について
(母子保健法第12条)
市町村は、次に掲げる者に対し、厚生労働省令の定めるところにより、健康診査を行わなけれ
ばならない。
1 満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児
2 満3歳を超え満4歳に達しない幼児
健康診査の内容
○1歳6か月児健康診査(母子保健法施行規則第2条第1項)
母子保健法第12条の規定による満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児に対する健康診査は、次の各号に掲げ
る項目について行うものとする。
1 身体発育状況
2 栄養状態 3 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
4 皮膚の疾病の有無 5 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
6 四肢運動障害の有無 7 精神発達の状況 8 言語障害の有無
9 予防接種の実施状況 10 育児上問題となる事項 11 その他の疾病及び異常の有無
○3歳児健康診査(母子保健法施行規則第2条第2項)
法第12条の規定による満3歳を超え満4歳に達しない幼児に対する健康診査は、次の各号に掲げる項目について
行うものとする。
1 身体発育状況
2 栄養状態 3 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
4 皮膚の疾病の有無 5 眼の疾病及び異常の有無 6 耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無
7 歯及び口腔の疾病及び異常の有無 8 四肢運動障害の有無 9 精神発達の状況 10 言語障害の有無
11 予防接種の実施状況 12 育児上問題となる事項 13 その他の疾病及び異常の有無
障害児保育の実施状況について
か所数
児童数
(人)(か所)
12,000
11,000
10,188
9,537
10,000
8,365
9,000
10,492
10,428
7,102
7,200
15
16
10,602
10,670
10,749
6,995
7,130
7,120
7,260
17
18
19
20
10,719
9,674
8,727
7,961
8,000
7,000
6,973
7,270
6,373
6,000
5,000
5,452
4,825
4,843
7
8
5,675
5,904
6,249
6,369
12
13
6,722
4,381
4,000
3,000
2,000
1,000
0
6
9
10
11
14
(年度)
障害児支援に関する現行制度
サービス分野
根拠法
実施主体
備考
障害者自立支援法
市町村
障害種別による区
別なし
在宅
(居宅介護・児童デイ
サービス等)
通所
障害種別による区
別あり
(知的障害児通園施設・
肢体不自由児施設 等)
都道府県
児童福祉法
入所
(重症心身障害児施設・
知的障害児施設 等)
指定都市
児童相談所設置市
(例)
知的障害児通園施設:知的
障害
重症心身障害児施設:重度
の知的障害及び重度の肢
体不自由が重複 等
障害児施設などの実施主体
<保育所> <児童養護施設等>
(児童福祉法)
<障害児>
<障害者>
(児童福祉法)
(障害者自立支援法)
(児童福祉法)
【契約】
市町村
【措置】
都道府県、指定都市又は
児童相談所設置市
契約
措置
【支給決定/措置】
都道府県、指定都市又
は児童相談所設置市
契約
利用者
①
申
請
②
契
約
措置
契約
利用者
③
措
置
①
申
請
都 道 府 県
市 町 村
【支給決定】
市町村
②
報
告
児童相談所
③
支
給
決
定
利用者
③
措
置
③
支
給
決
定
都 道 府 県
市 町 村
②
報
告
児童相談所
)
①
相
談
(
通
告
)
(
※
①
相
談
(
通
告
)
(
②
意
見
聴
取
※
※ 市町村に通告する場合もある。
①
申
請
※ 市町村に通告する場合もある。
)
②市町村審査会に
おいて障害程度区分に
関する審査等
障害児施設等の体系
入所施設:472ヵ所(24,567人) 通所施設:382ヵ所(14,083人) 通園事業:286ヶ所(2,050人) 児童デイサービス:1,137カ所(36,611人)
根拠法令等
肢体不自由児施設
62ヵ所 2,623人
入所施設
肢体不自由
通所施設
身
体
障
害
児
入所施設
視覚・聴覚・言語障害
肢体不自由の児童を治療し、独立自活に必要
な知識、技能を与える。
肢体不自由児療護施設
7ヵ所 249人
児童福祉法第43条の3
(最低基準第68条)
病院に入所することを要しない肢体不自由のある児
童であって、家庭における療育が困難なものを入所
させ、治療及び訓練を行う。
肢体不自由児通園施設
99ヵ所 2,777人
児童福祉法第43条の3
(最低基準第68条)
肢体不自由の児童を通所によって治療し独立
自活に必要な知識技能を与える。
盲児施設
10ヵ所 132人
児童福祉法第43条の2
視覚障害児童を入所させ、独立自活に必要な
指導又は援助を行う。
ろうあ児施設
13ヵ所 167人
児童福祉法第43条の2
聴覚・言語障害児童を入所させ、独立自活に
必要な指導又は援助を行う。
難聴幼児通園施設
25ヵ所 963人
児童福祉法第43条の2
(最低基準第60条)
強度の難聴の幼児を保護者のもとから通わせ
て、必要な指導訓練を行う。
入所施設
重症心身障害児施設
125ヵ所 11,827人
児童福祉法第43条の4
重度の知的、重度の肢体不自由が重複してい
る児童を入所させ、治療及び養護を行う。
通園事業
入所施設
通所施設
三
障
害
児童福祉法第43条の3
通所施設
重複(身・知)障害
知
的
障
害
児
施設(事業)の性格
重症心身障害児(者)
通園事業
A型 62ヶ所 930人
B型 224ヶ所 1,120人
補助事業
知的障害児施設
248ヵ所 9,350人
児童福祉法第42条
知的障害の児童を入所させ、保護するととも
に独立自活に必要な知識技能を与える。
自閉症児施設
7ヵ所 219人
児童福祉法第42条
(最低基準第48条)
自閉症を主たる症状とする児童を入所させ、
独立自活に必要な知識技能を与える。
知的障害児通園施設
258ヵ所 10,343人
児童デイサービス
1,137ヵ所 36,611人
児童福祉法第43条
障害者自立支援法
第5条第7項
日常生活動作、機能訓練等必要な療育を行うこ
とにより、運動機能等の発達を促すととも
に、併せて保護者等の家庭における療育技術の
習得を図る。
知的障害の児童を日々保護者のもとから通わ
せて保護するとともに、独立自活に必要な知
識技能を与える。
日常生活における基本的動作の指導、集団
生活への適応訓練等を行う事業。
※施設数及び在所者数は、平成20年10月1日現在
重症心身障害児(者)通園事業については、平成21年度実施箇所数及び定員
障害児施設の施設数及び利用児童数の推移(入所施設)
か所
人
〈社会福祉施設等調査報告〉
障害児施設の施設数及び利用児童数の推移(通所施設)
16 千
か所 450
通所児童数
400
14
350
12
知的障害児施設通所利用児童数
300
10
250
8
200
6
150
肢体不自由児通園施設利用児童数
4
100
2
難聴幼児通園施設利用児童数
50
0
0
H8
H9
H10
H11
知的障害児通園施設
H12
H13
H14
H15
肢体不自由児通園施設
H16
H17
H18
H19
H20
人
難聴幼児通園施設
〈社会福祉施設等調査報告〉
障害児関係施設(事業)の箇所数の推移
単位:箇所
1,159
1,200
1,137
1,092
1,000
800
600
886
708
540
375
547
541
540
380
378
380
245
263
276
平成17年度
平成18年度
平成19年度
545
382
400
229
280
200
0
平成16年度
入所施設
通所施設
児童デイサービス
重症心身障害児(者)通園事業
(出典) ※入所施設、通所施設及び児童デイサービスは、社会福祉施設等調査(各年10月1日現在)等による
※重症心身障害児者通園事業は、障害福祉課調べによる
平成20年度
障害児関係施設(事業)の利用者数の推移
単位:人
40,000
36,919
35,676
35,000
32,030
30,000
25,000
31,860
32,329
27,105
31,869
31,600
31,911
13,028
14,083
23,439
20,000
15,000
12,624
12,631
12,335
10,000
5,000
1,516
1,529
1,652
1,710
1,777
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
0
平成16年度
入所施設
通所施設
児童デイサービス
重症心身障害児(者)通園事業
(出典) ※入所施設、通所施設及び児童デイサービスは、社会福祉施設等調査(各年10月1日現在)等による
※重症心身障害児者通園事業は、障害福祉課調べによる
障害児入所施設の概要
施設類型
根拠法令
施設の性格
施設数
利用者数
知的障害児施設
児童福祉法42条
知的障害のある児童を入所させて、これを保護し、又は治療す
るとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とす
る施設。
自閉症児施設
児童福祉法42条
自閉症を主たる症状とする児童を入所させる知的障害児施設。
7か所
219人
盲児施設
児童福祉法43条の2
盲児(強度の弱視児を含む。)又はろうあ児(強度の難聴児を含
む。)を入所させて、これを保護するとともに、独立自活に必要
な指導又は援助をすることを目的する施設。
10か所
132人
ろうあ児施設
児童福祉法43条の2
同上
13か所
167人
肢体不自由児施設
児童福祉法43条の3
肢体不自由のある児童を治療するとともに、独立自活に必要な
知識技能を与えることを目的とする施設。
62か所
2,623人
肢体不自由児療護施設
児童福祉法43条の3
病院に収容することを要しない肢体不自由のある児童であって、
家庭における養育が困難なものを入所させる施設。
6か所
249人
重症心身障害児施設
児童福祉法43条の4
重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童を
入所させて、これを保護するとともに、治療及び日常生活の指
導をすることを目的とする施設。
125か所
11,827人
248か所
9,350人
〈社会福祉施設等調査報告(H20.10.1現在) 〉
障害児入所施設の概要(基準等)
○ 福祉型(病院であることを要件としない障害児入所施設)
施設類型
知的障害児施設
第2種自閉症児施設
盲児施設
対象者
職員配置
設備基準
知的障害のある児童
自閉症を主たる症状とする児
童であって病院に収容するこ
とを要しないもの
盲児(強度の弱視児を含む)
ろうあ児施設
ろうあ児(強度の難聴児を含
む)
肢体不自由児療護施設
病院に収容することを要しな
い肢体不自由のある児童で
あって、家庭における養育が
困難なもの
児童指導員
保育士
嘱託医
栄養士
調理員
職業指導員
(職業指導を
行う場合)
医師
看護師
居室
調理室
浴室
便所
医務室
静養室
講堂・遊戯室
訓練室
職業指導に必要な設備
音楽指導に関する設備
講堂・遊戯室
訓練室
職業指導に必要な設備
映写に関する設備
訓練室
屋外訓練場
障害児施設等の概要(基準等)
○ 医療型(病院であることを要する障害児入所施設)
施設類型
第1種自閉症児施設
対象者
職員配置
自閉症を主たる症状とする児
童であって病院に収容するこ
とを要するもの
観察室
静養室
医療法に規定
理学療法士又
する病院とし
は作業療法士
て必要な職員
肢体不自由児施設
肢体不自由のある児童
児童指導員
保育士
重症心身障害児施設
設備基準
重度の知的障害及び重度の
肢体不自由が重複する児童
職業指導員
(職業指導を行
う場合)
医療法に規
ギブス室・訓練室
定する病院
屋外訓練場・講堂
として必要な
図書室
設備
訓練室
浴室
理学療法士又
は作業療法士
心理指導を担当
する職員
特殊手工芸等の作業を指導
するに必要な設備
義肢装具を製作する設備(他
に適当な施設があるときは設
けることを要しない)
観察室
静養室
看護師詰所
障害児通園施設等の概要
○ 児童福祉法に基づく通所施設
施設類型
根拠法令
施設の性格
施設数
知的障害児通園施設
児童福祉法43条
(昭和32年)
知的障害のある児童を日々保護者の元から通わせて、これを保護するととも
に、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設。
258か所
10,343人
難聴幼児通園施設
児童福祉法43条2
(昭和50年)
ろうあ児施設のうち、強度の難聴の幼児を保護者の下から通わせて指導訓練
を行う施設。
25か所
963人
肢体不自由児通園施設
児童福祉法43条の3
(昭和38年)
肢体不自由児施設のうち、通所による入所者のみを対象とする施設。
99か所
2,777人
利用者数
○ その他の通所施設
施設類型
根拠法令
事業の性格
施設数
児童デイサービス
障害者自立支援法第5
条第7項
(昭和47年から補助事
業として実施)
日常生活における基本的動作の指導、集団生活への適応訓練等を行う事
業。
1,137か所
事業の性格
施設数
利用者数
A型 62か所
B型 224か所
A型
930人
B型 1,120人
施設類型
重症心身障害児(者)通
園事業
根拠法令
予算事業
(平
成元年よりモデル事業)
重症心身障害児(者)に対し、日常生活動作、運動機能等に係る訓練、指導
等必要な療育を行うことにより、運動機能等低下を防止するとともにその発達
を促し、併せて保護者等に家庭における療育技術を習得させ、在宅福祉の増
進に資する事業
利用者数
36,611人
社会福祉施設等調査報告(H20.10.1現在)
重症心身障害児(者)通園事業は、障害福祉課調べ(H21年度)
障害児通園施設等の概要(基準等)
○ 児童福祉法に基づく通所施設
施設類型
実施主体
知的障害のある
児童
知的障害児通園施設
難聴幼児通園施設
対象者
都道府県
指定都市
児相設置市
強度の難聴(難聴
に伴う言語障害を
含む)幼児。
職員の職種
児童指導員
保育士
児童指導員、保育士
聴能訓練担当職員、
言語機能訓練担当職員
設備基準
嘱託医
栄養士
(調理員)
肢体不自由児のあ
る児童
診療所として必要な職員、
児童指導員、保育士、看護師、
理学療法士又は作業療法士
実施主体
対象者
職員の職種
児童デイサービス
市町村
障害児(知的・身
体・精神)
(グレーゾーンも可)
施設類型
実施主体
対象者
肢体不自由児通園施設
利用の実態等
指導室、遊戯室、屋外遊戯
場、医務室、静養室、相談
室、調理室、浴室又はシャ
ワー室、便所
遊戯室、観察室、医務室、
聴力検査室、訓練室、相談
室、調理室、便所
利用に当たっては、児童
相談所長の意見(判断)
が必要
整備に当たっては、整備
費の国庫補助がある。
診療所として必要な設備、
訓練室、屋外訓練場、相談
室、調理室
○ その他の通所施設
施設類型
重症心身障害児(者)通
園事業
都道府県
指定都市
中核市
重度の知的障害と
重度の肢体不自由
が重複している児
童
サービス管理責任者
児童指導員又は保育士
管理者
職員の職種
児童指導員又は保育士理
学療法、作業療法、言語療
法等を担当する者
医師、看護師
施設長
設備基準
利用の実態等
指導訓練室(必要な機
械器具等を備えたも
の)、サービス提供に
必要な設備、備品
利用は実施主体の支給決
定による
整備費の補助制度なし。
設備基準
利用の実態等
A型は、訓練室、集会室
兼食堂、診察室、静養
室、浴室又はシャワー
室、便所、調理室
B型は、本体施設の設
備を利用
利用は、実施主体の決定
(重心の判定があるため、
児相に確認しているのでは
ないか。) 一部補助有
障害児通園施設等の概要
○ 児童福祉法に基づく通所施設
施設類型
予算
知的障害児通園施設
難聴幼児通園施設
法律に基づく負担金
国
1/2
都道府県
指定都市
1/2
児童相談所
設置市
肢体不自由児通園施設
〈定員規模30人単位 地域加算がない場合)
最低基準
単位
21日利用した場
合
児童指導員・保育士の総数は、通じておおむ
ね乳児又は幼児の数を4で除して得た数及
び少年の数を7.5で除して得た数の合計数
以上、嘱託医
663単位
(+264単位)
139,230円
(幼児 194,670円)
児童指導員、保育士、聴能訓練担当職員、
言語訓練担当職員の総数は、通じておおむ
ね幼児4人につき1人以上 (聴能訓練担当
職員・言語機能訓練担当職員はそれぞれ2
人以上)、嘱託医
1,019単位
213,990円
診療所として必要な職員、児童指導員、
保育士、看護師及び、理学療法士又は
作業療法士
316単位
(+医療費)
66,360円+医療費
○ その他の通所施設
施設類型
予算
児童デイサービス
法律に基づく負担金
国
1/2
都道府県1/4
市町村 1/4
調理に係る費用は含
まれていない。(原則
自己負担)
〈定員規模11~20人単位 地域加算がない場合)
指定基準
サービス管理責任者
児童指導員又は保育士 10:2
施設類型
予算
補助基準
重症心身障害児(者)通
園事業
予算補助
1/2
都道府県
指定都市 1/2
中核市
児童指導員又は保育士、理学療
法、作業療法、言語療法等を担当
する者、医師、看護師
国
その他
単位
508単位
(10人は、
754単位)
21日利用した場
合
11~20人規模
106,680円
(10人規模
158,340円)
単価
月額(事務費)
A型 3,099,440円(206,629円)
B型 1,320,780円(264,156円)
その他
食事は、事業化されていな
い。
その他
この他に、事業費を支給利
用者は、飲食物費につき、
負担。
利用者負担の軽減について
○ 連立政権合意において「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、利用者の応能負担を基本とする新
たな総合的な制度をつくることとしている。
○ 応能負担への第一歩として、平成22年度予算において、低所得(市町村民税非課税)の障害者等につき、福祉サー
ビス及び補装具に係る利用者負担を無料とした。
○ 施行期日:平成22年4月1日
○ 所要額:107億円
○ 負担軽減の対象者数
・ 福祉サービス:41万人(障害者39万人、障害児2万人。平成21年7月国保連データ等による推計)
・ 補装具:16万件(平成20年度実績等による推計)
※原則として費用の1割を負担。ただし、以下のとおり負担の上限額を設定。
(参考:平成22年3月までの負担上限額一覧)
区分
生活保護
世帯
市町村民税非課税世帯
低所得1
低所得2
福祉サービス(居宅・通所)
【障害者】
0円
1,500円
3,000円
通所:1,500円
福祉サービス(居宅・通所)
【障害児】
0円
1,500円
3,000円
通所:1,500円
福祉サービス(入所施設等)
【障害者(20歳以上)】
0円
個別減免
0円~15,000円
個別減免
0円~24,600円
福祉サービス(入所施設等)
【障害者(20歳未満)・障害児】
0円
3,500円
6,000円
補装具
0円
15,000円
24,600円
平成22年4月から利用者負担を無料化
一般(市町村民税課税世帯)
市町村民税所得割
16万円未満 28万円未満 46万円未満
9,300円
世帯の範囲
46万円超
者
児
本人
及び
配偶者
※
住民
基本
台帳上
の世帯
※
37,200円
4,600円
37,200円
37,200円
9,300円
37,200円
37,200円
全額
自己負担
※ 施設に入所する20歳未満の障害者又は障害児については、当
該障害者又は障害児を監護する者(保護者等)の属する世帯とする。
利用者側から見た障害児施設と障害者支援施設等の比較
【20歳以上の障害児施設と障害者支援施設等利用者の場合】
根拠条文
利用者負担
支給決定期間
障害程度区分
障害種別
実施主体
3年以内
判定不要
障害種別あり
都道府県
障害種別なし
市町村
【収入】
原則本人の収入
障害児施設
児童福祉法
【軽減】
個別減免
判定必要
障害者
支援施設
(生活介護)
療養介護
【収入】
原則本人の収入
障害者
自立支援法
3年以内
【軽減】
個別減免
生活介護利用者
(障害程度区分4
以上)
療養介護利用者
(障害程度区分5
以上)
障害児施設と障害者支援施設の居室・廊下の基準比較
居室
障害児施設
(福祉型)
障害児施設
(医療型)
障害者支援施設
1室の人数 15人以下
(療養病床のみ)
1室の人数 4人以下
1室の人数 4人以下
廊下幅
1人あたり3.3㎡以上
患者2人以上の場合
1人あたり4.3㎡以上
(小児のみ) 上記の2/3以上で可。
ただし、一の病室の床面積は6.3㎡
以下であってはならない。
1人あたり9.9㎡以上
1人あたり6.6㎡以上
経過的障害者支援施設
(支援費対象施設)
1室の人数
原則として4人以下
(支援費の建物)
1人あたり3.3㎡以上
(支援費以前の建物)
適用無し
廊下幅 1.8㎡以上
(両側に居室ある場合は、2.1㎡以上)
(療養病床のみ)
廊下幅 1.8㎡以上
(両側に居室ある場合は、2.7㎡以上)
廊下幅 1.5㎡以上
(中廊下は、1.8㎡以上)
廊下幅 1.35㎡以上
(支援費の建物)
適用無し
(支援費以前の建物)
障害児施設と障害者支援施設の設備概要
設備
知的障害児施設
居室、調理室、浴室、便所、
医務室(30人以上)
静養室、
第2種自閉症児施設
居室、調理室、浴室、便所、静養室、医
務室
盲児施設
居室、講堂、遊戯室、調理室、浴室、便
所、医務室(30人以上)、静養室(3
0人以上)
ろうあ児施設
肢体不自由児療護施設
第1種自閉症児施設
肢体不自由児施設
重症心身障害児施設
障害者支援施設
特別な配慮
居室、講堂、遊戯室、調理室、浴室、便
所、医務室(30人以上)、静養室(3
0人以上)
居室、医務室、静養室、調理室、
浴室、便所
職業指導に必要な設備
(児童の年齢、適性等に
応ずる)
訓練室、職業指導に必要な設
備、音楽に関する設備
・階段の傾斜を緩やかにすること
・便所の手すり、特殊表示等身体の機能
の不自由を助ける設備
訓練室、職業指導に必要な設
備、映写に関する設備
訓練室、屋外訓練場
・階段の傾斜を緩やかにすること
・浴室及び便所の手すり等身体の機能の
不自由を助ける設備を設けること。
医療法に規定する病院として必要な設備、観察室、静養室、訓練室、浴室
医療法に規定する病院として必要な設備、ギブス室、訓練室、屋外訓練場、講堂、図書室、特殊手
工芸等の作業を指導するに必要な設備、義肢装具を製作する設備(他に適当な施設があるときは
設けることを要しない)、浴室
医療法に規定する病院として必要な設備、観察室、静養室、訓練室、看護師詰所、浴室
訓練・作業室、居室、食堂、浴室、洗面場、便所、相談室
在所期間の延長措置について
18歳
20歳
▽
▽
法第31条第2項、第3項
知的障害児施設(国設置以外)、肢体不自由児施設
措
置
法第31条第2項、第3項
知的障害児施設(国設置)、重症心身障害児施設
法第31条第2項
盲ろうあ児施設
契
約
法第63条の3の2第1項
知的障害児施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、
重症心身障害児施設
法第63条の3第1項、法第63条の3の2第2項
(参考) 重症心身障害児施設への新規入所
法第63条の2第1項、第2項
障害児施設の利用者の年齢構成について(入所)
乳幼児
(0歳~6歳)
学齢期・青年期
(7歳~17歳)
加齢児
(18歳以上)
知的障害児施設
3.2%(311名)
56.8%(5,568名)
40.1%(3,929名)
自閉症児施設
3.4%(8名)
67.2%(158名)
29.4%(69名)
盲児施設
5.8%(8名)
81.0%(111名)
13.1%(18名)
ろうあ児施設
12.1%(20名)
81.2%(134名)
6.7%(11名)
肢体不自由児施設
31.3%(854名)
59.9%(1,634名)
8.9%(242名)
肢体不自由児療護施設
9.7%(23名)
43.5%(103名)
46.8%(111名)
重症心身障害児施設
2.8%(319名)
10.1%(1,131名)
87.1%(9,765名)
〈社会福祉施設等調査報告(H18.10.1現在)〉
措置と契約の取扱いについて
原則として障害児施設の利用は契約によることとなるが、児童相談所が下記の事由
のいずれかに合致すると判断した場合については、児童福祉法第27条第1項第3号
の措置による利用を行うものとする。(障害児施設給付費等の支給決定について(平成19年障発0322005号)
・ 保護者が不在であることが認められ利用契約の締結が困難な場合
・ 保護者が精神疾患等の理由により制限行為能力者又はこれに準ずる状態にある場合
・ 保護者の虐待等により、入所が必要であるにもかかわらず利用契約の締結が困難と認められる場合
等の具体的事例
・ 親が養育拒否(親に対する指導を児童相談所が行っても、改善されない場合)をしている場合
・ 親が障害を受容できず、健常児と同じ育児に固執し、児童に悪影響を与える場合
・ 家庭環境の問題によって、児童を家庭から引き離さなければ、児童の成長に重大な影響を与えると判断さ
れた場合
児童養護施設等と障害児施設との比較
児童養護施設等
・児童養護施設に入所している児童の
20.2%は、障害等あり。その内、知的障
害8.1%、肢体不自由児0.4%。また、
ADHD1.7%となっている
・ 児童自立支援施設に入所している児
童の27.3%は、障害等あり。その内、知
的障害8.6%、ADHD7.5%、
・ 情緒障害児短期治療施設の59.5%が
障害等あり。その内、知的障害8.3%
ADHD9.1%
(平成15年児童養護施設入所児童等調査)
障害児施設
・知的障害児施設や肢体不自由児施設
に入所している児童の大部分は、社会
的養護を必要としている児童。知的障
害児施設の入所理由を見ると、養育能
力28.1%、離婚等12.4%、虐待・養育
放棄が11.3%。平成17年度については、
入所数の30.4%が虐待による入所。
(平成18年度全国知的障害児・者施設
実態調査報告書)
・肢体不自由児施設に入所している児童
の4%は、被虐待児。
(「療育施設に入所している被虐待児童について
の研究・調査」、平成15年度子育て支援基金事
業)
障害児が利用できる放課後支援策について
事業概要
対象者
実施主体
(実施場所)
日中において監護する者がい
ないため、一時的に見守り等の支援
日中一時支援事業
(障害部)
放課後児童クラブ
(雇児局)
が必要な障害者等の日中における活
動の場を確保し、障害者等の家族の
就労支援及び障害者等を日常的に
介護している家族の一時的な休息を
図る。
共働き家庭など留守家庭のおお
むね10歳未満の児童に対して、児童
館や学校の余裕教室、公民館など
で、放課後に適切な遊び、生活の場
を与えて、その健全育成を図る。
20年度予算額
実施か所数
日額or月額
(障害児受入か所数)
地域生活支援事業
障害児(者)
市町村
(特段の定めなし)
(440億円)の内数
(補助金)
1,521市町村
で実施
※H20.5.1現在
自治体毎の判断
留守家庭のお
おむね
10歳未満の
児童
274億円
市町村
(小学校の余裕教室、
児童館等)
(補助金)
1クラブ当たり
年額302.6万円
18,479か所
(8,330か所)
※H20.5.1現在
※児童数40人の場合
放課後子ども教室
推進事業
(文科省)
放課後や週末等にすべての子ど
もを対象として、安全・安心な子ども
の活動拠点(居場所)を設け、さまざ
まな体験活動や交流活動等の取組
みを推進する。
主に小学生
市町村
(小学校の余裕教室等)
学校・家庭・地域の
連携協力推進事業
(131億円)の内数
(補助金)
自治体毎の判断
7,919か所
※H20.5.1現在
介護給付費
(参考)
児童デイサービス事業
(障害部)
日常生活における基本的動作の指
導、集団生活への適応訓練を行う。
障害児
市町村
(知的障害児施設
肢体不自由児施設等)
(日中活動・居住サービス
(3,740億円))の内数
(負担金)
1人日額 4,650円
*利用定員11~20人の場合
1,649か所
※H22.4現在
年齢別の児童に対する放課後支援
小学生
障害部
日中一時支援
事業
障害部
児童デイサービス
事業
雇児局
放課後児童クラブ
文科省
放課後子ども
教室推進事業
中学生
高校生
(参考)
障害部
経過的
児童デイサービス
10歳
12歳
18歳
日中一時支援事業
【利用者】
○ 日中において監護する者がいないため、一時的に見守り等の支援が必要と市町村が認めた障害者(児)
従来の「障害児タイムケア事業」、「知的障害児・者短期入所事業の日中預かり」、「身体・知的障害
者デイサービス事業」の一部を取り込む形で地域生活支援事業(市町村が行う事業)に位置づけ。
障害児タイムケア事業等の再編
障害児タイムケア事業
知的障害児・者短期入所
事業の日中預かり
小規模な身体障害者・
知的障害者デイサービス
【サービス内容等】
○日中、障害福祉サービス事業所、障害者支援施設、学校
の空き教室等において、障害者等に活動の場を提供し、
見守り、社会に適応するための日常的な訓練等を行う。
○障害者等の家族の就労支援及び障害者等を日常的に
介護している家族の一時的な休息を目的とする。
日中一時支援事業
知的障害者・身体障害者につい
ても利用可(年齢要件を緩和)
【利用定員等】
利用定員及び職員等の配置基準
については、適切なサービス提供
が行えるよう市町村が定める。
【実施状況】
【H18’】 1,397市町村(76.5%) ⇒ 【H19’】 1,527市町村(84.0%)
放課後児童クラブにおける障害児の受入れ状況
〈放課後児童クラブの概要〉
児童福祉法第6条の2第2項の規定に基づき、保護者が労働等により、昼間家庭にいない小学校に修学しているお
おむね10歳未満の児童に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、そ
の健全な育成を図るもの。
(注) ( )内は、全クラブ数に占める割合、[ ]内は全登録児童数に占める割合である。
〈厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課調べ〉
受入れに対する経費の補助 〈障害児受入推進事業〉
放課後児童クラブにおける障害児の受入推進を図るため、障害児対応の指導員を各クラブに配置する
ための経費。(平成20年度予算 1クラブ当たり年額1,421,000円)
障害児の相談支援体制
障害児等療育支援事業
都
道
府
県
○訪問による療育指導
○外来による療育指導
○施設職員等に対する療育技術指導
○療育機関に対する支援
関係機関
・発達障害者支援センター
(都道府県)
・児童相談所(都道府県)
【財源】 交付税
障害者相談支援事業
市
町
村
関連施設
○一般的な相談支援
・障害児入所施設
【財源】 交付税
・障害児通園施設
サービス利用計画費
(指定相談支援事業者)
○サービス利用の計画※・あっせん・調整
【財源】自立支援給付(法定)
・児童デイサービス事業
(参考)一般施策
・市町村保健センター
国1/2、県1/4、市町村1/4
※サービス利用計画作成費の対象者は特に計画的な自立支援を必要とする者
(乳幼児期から学齢期、学齢期から就労への移行等、生活環境が大きく変わる場合も含まれる)
等
相談支援事業の実施状況について
1
市町村相談支援の実施状況
実施主体:市町村直営23%
(21年4月1日現在)
委託64%
直営+委託13%
(※ 「委託」とは、相談支援事業者への委託)
2
都道府県自立支援協議会の設置箇所数
(21年4月1日現在)
すべての47都道府県で設置(未開催1あり)
3
地域自立支援協議会の設置箇所数
1,426市町村/1,798市町村
4
(21年4月1日現在)
=
指定相談支援事業者数
79%
(21年4月1日現在)
2,913事業者
5
サービス利用計画作成費の支給決定者数
3,080人(うち障害児 104人)
(22年4月1日現在)
地域自立支援協議会について
【概要】
市町村が、相談支援事業をはじめとする地域の障害福祉に関するシステムづくりに関し、
中核的役割を果たす協議の場として設置する。[交付税]
【実施主体】
市町村 (①複数市町村による共同実施可 ②運営を指定相談支援事業者に委託可)
【主な機能】
① 地域の関係機関によるネットワーク構築等に向けた協議
② 困難事例への対応のあり方に関する協議、調整
③ 地域の社会資源の開発、改善
※ 都道府県においても、都道府県全体のシステムづくり等のため、自立支援協議会を設置。
サービス事業者
行政機関
保健・医療
当事者
企業・就労支援
地域自立支援協議会
子育て支援・学校
高齢者介護
民生委員
相談支援事業者
障害者相談員
障害者自立支援協議会の運営例
運営のイメージ
全体会
専門部会
暮らし部会
就労部会
住まい部会
権利部会
子ども部会
定例会
地域自立支援協議会の設
置形態、運営方法(専門部
会の運営等)は、地域特性
を反映して多様に展開され
ている。
(例)
※部会を設置し、それぞれの
テーマごとに、個別支援事例
で確認された地域課題の協
議等を行うことが考えられる
運営会議(事務局会議)
※要保護児童対策協議会、特
別支援教育のための協議会
との連携も考えられる
ニーズ・課題
・困難ケース等
Aさんの
個別の
支援会議
Bさんの
個別の
支援会議
Cさんの
個別の
支援会議
Dさんの
個別の
支援会議
連携強化・システムの構築
地域における相談支援のイメージ
発達障害者支援センター(都道府県)
児童相談所(都道府県)
障害児等療育支援事業
○訪問による療育指導
○外来による療育指導
○施設職員等に対する療育技術指導
○療育機関に対する支援
(都道府県・圏域ごと)
支援
連携
地
域
専門機関
へ
の
新
(通園施設
た
・児童デイ等) な
支
援
療育支援
専門職が保育所等へ巡回し、本人
(及び親、保育士等)を支援
一般の相談支援
保育所等への巡回や、センターで、
グレーゾーンを含む相談に対応
個別の相談支援
個別の支援計画づくりや、支援会議
のコーディネートを行う
障害者相談支援事業
(市区町村ごと)
ライフステージに応じた相談支援
早
期
発
見
・
早
期
対
応
乳幼児期
小学校
中学校
高校
就 労
日中活動
個別の教育支援計画
教育・福祉の連携
個別支援計画の作成・支援会議の開催・モニタリングの実施
※個別の支援計画とは・・・支援が必要な者に対して、ライフステージを通じた一貫した支援が可能となるよう、医療、保健、福祉、教育、労働等の
関係機関が連携して策定する計画。
※個別の教育支援計画とは・・・障害があり特別な教育的支援が必要な幼児児童生徒に対し、乳幼児期から学校卒業後までを通じて一貫して
的確な教育支援を行うことを目的として、福祉、医療、労働等の関係機関との連携を図りつつ、学校(学級担任
等)が中心となり作成するもの。
障害児の専門機関による支援のイメージ
保健センター
保育所
学校
幼稚園
放課後児童クラブ
放課後子ども教室
専門機関が出向
いていくことによ
り、敷居が低いと
ころで支援を受け
ることができる。
専門機関が出向いていく
ことにより、一般施策にお
ける受入れを促進する。
並行通園する児童を増や
していく。
支
援
障害児の通園施設
児童デイサービス
(障害児の入所施設)
就
労
・
地
域
に
お
け
る
自
立