新学習指導要領の実施にむけて

教育課程研究集会資料
新学習指導要領の手引(理科)
徳島県立総合教育センター 学校経営支援課
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手引の構成
Ⅰ 改訂の趣旨
1 改善の基本方針 2 改善の具体的事項
Ⅱ 改訂の要点
1 目標の改善
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について 2 内容について
Ⅳ指導計画の作成と内容の取扱い
Ⅴ 移行期間中の取扱い
Ⅵ Q&A
2
Ⅰ 改訂の趣旨
1 改善の基本方針 (略)
2 改善の具体的事項
(1)科学に関する基本概念の一層の定着を図り,科学的な見方
や考え方,総合的なものの見方や考え方を育成すること
・1分野,2分野は維持
・「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」を柱とした内容構成
(解説pp.12~15)
・国際的な通用生,内容の系統性
(2)科学的な思考力,表現力を育成すること
・分析して解釈する能力
・自らの考えを表現する能力
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Ⅰ 改訂の趣旨
2 改善の具体的事項
(3)科学的な体験,自然体験の充実を図ること
・ものづくり
・自然観察
・継続的な観察
・季節を変えての定点観測
(4)理科を学ぶことの意義や有用性を実感することについて
・実社会・実生活との関連
・環境教育の充実
(5)学習内容の順序に関する規定について
・順序規定の改善
4
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
1 教科の目標
自然の事物・現象に進んでかかわり,目的意
識をもって観察,実験などを行い,科学的に探
究する能力の基礎と態度を育てるとともに自然
の事物・現象についての理解を深め,科学的な
見方や考え方を養う。
改善箇所
自然に対する関心を高め
→ 自然の事物・現象に進んでかかわり
科学的に調べる能力
→ 科学的に探究する能力の基礎
5
Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
○ 教科の目標
自然の事物・現象に進んでかかわり
・理科学習の出発点
・主体的に疑問を見付ける
・「関心を高め」に比べ,積極性を重視
目的意識をもって観察,実験などを行い
・観察・実験を探究的に進める
・現行を引き継いでいる
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Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
○ 教科の目標
探究する能力の基礎と態度
・「調べる能力」よりも科学的に探究する活動を一層
と重視
・高等学校理科との接続を明確にしている
自然の事物・現象について理解を深める
・自然の事物・現象についての知識の体系化
・科学的に探究する学習のために重要
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Ⅲ 具体的な改善事項
1 目標について
○ 教科の目標
科学的な見方や考え方を養う
・科学的に探究する能力や態度の育成
・自然の事物・現象についての理解と知識の体系化
・いろいろな事象に対して総合的に活用
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Ⅲ 具体的な改善事項
2 分野の目標について
2 分野の目標
○ 1分野の目標
(1)物質やエネルギーに関する事物・現象に
進んで関わる
(2)(3)観察・実験の結果を分析して解釈し表現する能力
を育てる
(4)科学技術の発展と人間生活との関わりについて
認識を深める
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Ⅲ 具体的な改善事項
2 分野の目標について
1 目標について
2 分野の目標
○ 2分野の目標
(1)生物とそれを取り巻く自然の事物・現象に
進んで関わる
多様性や規則性を発見したり課題を解決したりする
方法を習得させる
(2)(3)観察・実験の結果を分析して解釈し表現する
能力を育てる
(4)生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を
育て,自然を総合的に見る
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Ⅲ 具体的な改善事項
2 内容について
2 内容について
学習指導要領(理科)の表記
「~について扱う」は,ていねいに,深く,学習するもの
「~について触れる」は,教師が提示したり演示したりして軽く
触れるもの
新しい学習内容
1分野
電力量,力の合成と分解,仕事と仕事率,水溶液の電導性,
原子の成り立ち,イオンなど
2分野
生物の多様性と進化,遺伝の規則性,DNAの存在,日本の天気,
月の動きと見え方,地球の変動と災害など
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2 内容について
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 1年
(1)身近な物理現象
ア 「音と光」
現行とほぼ同じ
イ 「力と圧力」
・力とばねの伸び
力の大きさとばねの伸びの関係
測定値の処理の仕方
目盛りをふってグラフを作成
・重さと質量の違いに触れる
・水圧,浮力にも触れる
・力の合成と分解は3年生に移行する
☆レポートの作成や発表
☆ものづくり
簡単なカメラや楽器
12
3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 1年
(2)身の回りの物質
ア 「物質のすがた」
・プラスチックの特徴
・密度の計算
イ 「水溶液」
・質量パーセント濃度に触れる
・溶解度曲線に触れる
・酸とアルカリは3年に移行
ウ 「状態変化」
・加熱,冷却による粒子運動の様子に触れる
☆粒子モデルを用いた微視的な見方や考え方
☆保護めがねの着用
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☆廃棄物を適切に処理
Ⅲ 具体的な改善事項
3 内容について
2
○ 1分野
1分野 2年
(3)電流とその性質
ア 「電流」
・合成抵抗に触れる
・2つの抵抗のつなぎ方を中心に扱う
・電力量を扱う
・熱量に触れる
単位は,(W),(J)を扱い,(kWh)(cal)に触れる
・電流が電子の流れであることを扱う
→誘導コイル,クルックス管の準備
イ 「電流と磁界」
・直流と交流の違い
☆日常生活や社会との関連
☆ものづくり 簡単なモーター
☆レポートの作成
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 2年
(4)化学変化と原子・分子
ア 「物質の成り立ち」
・周期律表に触れる
・原子の記号は,基礎的なものを扱う
イ 「化学変化」
・酸化と還元,化学変化と熱が3年から移行
・化学式,化学反応式は簡単なものを扱う
ウ 「化学変化と物質の質量」
・定量的な実験における方法の習得
☆ものづくり カイロ
☆理科室の換気,保護眼鏡
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 3年
(5)運動とエネルギー
ア 「力のつりあい」
・力のつりあいが,1年から移行
・力の合成と分解
・自由落下にも触れる
イ 「力学的エネルギー」
・仕事,仕事率を扱う
・仕事の原理に触れる
仕事の単位は(J)
☆日常生活や社会との関連
☆レポートの作成 発表
☆測定誤差をふまえた上で規則性を見いださせる
☆表やグラフの活用
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 3年
(6)化学変化とイオン
ア 「水溶液とイオン」
・イオンを学習
イオン式に触れる
・原子核の仕組みに触れる
イ 「酸・アルカリとイオン」
・1年から移行
・pHに触れる →pH計の準備
・塩には水に溶けるものと溶けないものがあることに触れる
☆pHなど日常生活や社会との関連
☆保護眼鏡の着用
☆廃棄物を適切に処理
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 1分野
1分野 3年
(7)科学技術と人間
ア 「エネルギー」
・エネルギー効率について扱う
・放射線の性質と利用に触れる
イ 「科学技術の発展」
・科学技術が生活を豊かで便利にしていることを認識させる
ウ 「自然環境の保全と科学技術の利用」
・2分野と統合して学習
・自然を総合的に見ながら生徒に意志決定させる場面の設定
☆1,2分野を融合した環境教育
☆義務教育段階の集大成
☆探究的な学習と発表
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 1年
(1)植物の生活と種類
ア 「生物の観察」
・動物も対象
イ 「植物の体のつくりと働き」
・多様性と規則性
ウ 「植物の仲間」
・種子をつくらない植物を学習
胞子について
シダ植物,コケ植物を学習(藻類は除かれている)
☆観察・実験器具の扱い方の指導
☆レポートの作成 発表
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 1年
(2)大地の成り立ちと変化
ア 「火山と地震」
・火成岩は,代表的な岩石を扱う
(現行は,火山岩,深成岩とも1種類)
イ 「地層の重なりと過去の様子」
・ 断層,褶曲に触れる
・博物館や科学館などの活用
☆直接体験の重視
☆野外観察の際の安全
☆学習の後で地層の観察を行う
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 2年
(3)動物の生活と生物の変遷
ア 「生物と細胞」
・3年生から移行
イ 「動物の体のつくりと働き」
ウ 「動物の仲間」
・無脊椎動物についても学習
節足動物や軟体動物の観察
動物の解剖例としてイカ
エ 「生物の変遷と進化」
・進化について学習
・現在の生物と化石との比較
☆飼育・継続観察
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 2年
(4)気象とその変化
ア 「気象観測」
・継続観察の実施
・自記温度計,自記湿度計,自記気圧計
イ 「天気の変化」
・水の循環と太陽エネルギー
ウ 「日本の天気」
・日本の天気の特徴を気団の動きも含めてとらえる
・地球の大きさや大気の厚さなどの認識を深める
☆継続的な観測
☆記録や資料の分析
☆ものづくり
観測器具の自作
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 3年
(5)生命の連続性
ア 「生物の成長と殖え方」
・染色体の複製について強調
・生物と細胞は2年生に移行
イ 「遺伝の規則性と遺伝子」
・分離の法則を扱う
・DNAについて触れる
・クローンについて
☆レポートの作成
☆図やモデルの活用
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 3年
(6)地球と宇宙
ア 「天体の動きと地球の自転・公転」
・現行とほぼ同じ
イ 「太陽系と恒星」
・月の満ち欠けの学習
月食・日食に触れる
・金星の満ち欠け
月の満ち欠けの学習を関連付ける
・銀河系について触れる
☆定点観測
☆観測記録や資料の分析・解釈
☆図やモデルの活用
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3 内容について
2
Ⅲ 具体的な改善事項
○ 2分野
2分野 3年
(7)自然と人間
ア 「生物と環境」
・生態系の考えの基礎を培う
・自然環境の保全
地球温暖化,外来種に触れる
イ 「自然の恵みと災害」
・地域の災害について触れる
・地球規模でのプレートの動き
ウ 「自然環境の保全と科学技術の利用」
☆1,2分野を融合した環境教育
☆義務教育段階の集大成
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☆探究的な学習と発表
Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
指導計画作成上の配慮事項
(1)指導計画の作成
・年間を通して各分野に同程度の授業数
・1,2分野を関連させる
(例)再結晶と霧や雲の発生
・ 1,2分野の(7)は,義務教育の総まとめとして,それまでの
学習を組み合わせて総合的な指導を行う。
(2)探究する時間の設定
・観察・実験に十分な時間をかける
・問題を見いだしたり,観察・実験を計画する学習活動
・観察・実験の結果を分析し解釈する学習活動
(3)ものづくり
(4)継続的な観察の充実
・定点観測
・継続的な観察,飼育
(5)博物館や科学センターとの連携
(6)道徳との連携
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Ⅳ 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画作成上の配慮事項
各分野の内容の指導
(1)科学的に探究する能力の基礎や態度の育成
(2)生命の尊重と自然環境の保全
(3)日常生活や社会との関連
・様々な原理や法則が科学技術を支えている
・科学に関係する職業
事故防止,薬品の管理,廃棄物
コンピュータなどの活用
・観察・実験の代替ではない
・自然を調べる活動の有用な道具
・データの処理,レポートの作成
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Ⅴ 移行期間中の取扱い
移行期間中の取扱い
学習内容について
○新学習指導要領pp134~138「中学校理科の移行措置に
ついて」の「現行課程」のゴシック体(太字)の内容に「新課
程」のゴシック体 (太字)の内容を追加して指導する
○平成元年告示の学習指導要領の内容に類似したものが
あるが,扱う内容の範囲と程度が異なるとともに,言語活動
の充実や内容の系統性という新たな視点が背景としてある
ため,指導の工夫と改善が必要となる
○第3学年のみ,平成21・22年度と平成23年度以降の学習
内容が違うので注意する
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Ⅴ 移行期間中の取扱い
移行期間中の留意事項
移行期間中の取扱い
補助教材について
○国が,すべての生徒・担当の先生方等に対し,補助教材を
作成し,配布するとしている
○補助教材は,各学校で使用されている教科書のスタイルに
準拠したものとなるように,教科書会社が作成する
○移行期間中に追加して指導すべき内容は年度ごとに異な
るため,それぞれの年度ごとに補助教材を作成,配布され
る予定である
○平成21年度に使用する補助教材については,平成21年3
月末までに各学校に配布される
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Ⅴ 移行期間中の取扱い
移行期間中の留意事項
移行期間中の取扱い
指導計画について
○観察,実験の結果を整理し,予想や仮説と関係付
けながら,分析して解釈し,表現することを一層重
視する指導計画を作成する
○平成21年2月末までに,各市町村教育委員会に,
補助教材のCD版が配布されるので,それをもとに,
指導計画を作成する
授業時数について
平成20年度(現行)
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度(完全実施)
第1学年
105
第2学年
105
第3学年
80
105
105
105
105
140
140
105
105
140
105
140
140
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Ⅴ 移行期間中の取扱い
移行期間中の留意事項
移行期間中の取扱い
新内容の実験器具について
○ 「解説」の「第2章各学年の目標及び内容」において,必
要な器具,材料等が具体的に示されているので参考にす
ること
○日本理振協会に加盟している各教材会社が,新学習指
導要領にそった実験道具や教材を準備しているので参考
になる
○移行期間の学習内容を含めて新指導要領が実施される
までに計画的に整備すること
○理振の活用を希望するなど積極的な働きかけが必要。
○学習指導要領教材整備補助金(理科少額設備など)
は,地方交付税として各市町村に分配されるので,教
育委員会を通して,要望すること
○長期間使用していなかった器具の安全性の確認
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新学習指導要領の手引(理科)
説明終了
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