化学概論

化学概論
クラス2
第1回
自己紹介
• 名前:安井正憲
• 所属:先進理工学科
• 専門:物理化学、X線結晶構造解析を用いた
各種有機物質の構造研究
• 居室:東6号館936室
• メール:[email protected]
講義の進め方
• 主にプロジェクター、板書も併用
• プロジェクター:図、グラフなどの提示、ミニクイ
ズの実施(出席確認を兼ねるのでレスポンス
カード必携)。
• ほぼ1回おきに宿題(レポート)を出題
• 毎回の出席は必須
• 宿題の提出は必須(提出日の講義開始までに
教卓に出す)
ResponseCardの使い方
数字キーで答えを選択。
ランプが緑に光れば、
投票が無事受信。
注意:
押さないで下さ
い。(投票する時
は
使用しません。)
集計中何度でも
押しなおせます。
質問テキストを入力してください...
1.
2.
3.
4.
5.
6.
キーパッドのGOボタンを押します。
緑と赤色に点滅する間、2桁のチャンネル番号を素早く入力。
ライトが黄色に変わります。
色が変われば、素早くGOを押します。
変更が完了すれば緑色に2,3秒光ります。
設定に失敗するとライトがわずかに点滅するのみ
注意: GO→2桁のチャンネル番号→GO
キーパッドが正しく動作していない場合、ま
ず設定されたチャンネル番号に問題がないか
確認してください。
チャネル番号41を使います
GO→41→GO
1を押してください
0 / 80
アンケート
• 高校での理科の学習と入試での受験につい
て伺います
高等学校で化学を学びましたか
92%
1. 化学 I を履修した
2. 化学 I,II を履修した
3. 化学は履修していない
7%
修
し
て
い
な
い
履
化
学
は
I,
学
化
化
学
II
を
Iを
履
履
修
修
し
た
し
た
2%
大学入試で化学を受験しましたか
1. センター試験のみ
2. センター試験と本
学の個別入試の両
方
3. どちらでも受験して
いない
50%
38%
験
受
で
も
ら
ど
ち
セ
ン
セ
ン
タ
ー
試
験
タ
ー
試
と
本
...
験
の
み
し
て
い
な
い
12%
高等学校で物理学を学びましたか
97%
1. 物理学 I を履修した
2. 物理学 I,II を履修した
3. 物理学は履修していな
い
3%
し
て
い
な
い
修
を
履
II
学
は
I,
物
理
学
物
理
物
理
学
Iを
履
履
修
修
し
た
し
た
0%
大学入試で物理学を受験しましたか
1. センター試験のみ
2. センター試験と本
学の個別入試の両
方
3. どちらでも受験して
いない
70%
15%
験
受
で
も
ら
ど
ち
セ
ン
セ
ン
タ
ー
試
験
タ
ー
試
と
本
...
験
の
み
し
て
い
な
い
15%
腕試しクイズ
• 今の知識範囲を教えてください
• この科目の成績評価には加味しません
物質が原子・分子からなることを知っ
ている(聞いたことがある)
1. はい
2. いいえ
92%
い
い
え
は
い
8%
原子の構成要素は次のうちどれか
陽子と電子
中性子と電子
原子核と電子
しらない
82%
8%
な
い
し
ら
子
原
子
核
と
電
子
性
中
7%
3%
子
と
電
子
と
電
子
陽
1.
2.
3.
4.
原子の構造を模式的に描くと次のうち
どれが真実に近いか
①
②
③
しらない
1
電子
-
-
正に帯電
した球体
2
3
78%
4 わからない
19%
し
ら
な
い
2%
③
②
2%
①
1.
2.
3.
4.
周期表での元素の並び順は
原子の重さ(原子量)の順
原子中の中性子の個数の順
原子中の陽子の個数の順
わからない
12%
78%
8%
4
3
2
2%
1
1.
2.
3.
4.
理想気体とは?
70%
28%
4
0%
4
2
2%
1
1. PV=nRTで状態を表せ
る気体
2. 分子の体積が無視でき
ない気体
3. 分子間の相互作用が
ある気体
4. 上記はいずれも間違い
気体の内部エネルギーについて
78%
17%
り減
発
熱
に
よ
2%
3%
少
熱
す
に
る
よ
断
り増
熱
圧
加
縮
す
に
る
状
よ
態
り増
変
化
加
に
す
知
よ
る
ら
り
な
保
い
存
(聞
され
い
る
た
こ
とが
な
い
)
0%
吸
1. 吸熱により減少する
2. 発熱により増加する
3. 断熱圧縮により増
加する
4. 状態変化により保
存される
5. 知らない(聞いたこ
とがない)
次のうち可逆変化は?
1. 高温物体から低温物体へ
の熱の移動
2. 真空中への気体の拡散
3. おもりの落下で羽根を回
して、水の温度を上げる
4. 上記はどれも不可逆変化
71%
13%
4
3
5%
2
1
11%
序論
自然科学の中の化学
• 化学は物質に関する学問ー物質を対象とす
るあらゆる分野に関係
化学
反応
物理学
構造
生物学
自然科学の領域
地学
共通領域(学際領域)
性質
(物性)
化学(物質)の三要素
化学での研究方法
化学的方法:ビーカーや試験管の中から連想
(古くは錬金術の時代から)
物理学的方法を取り入れた(物理化学)
化学の分野
無機化学
有機化学 対象や研究方法
の増加・発展
物理化学、分析化学、
電気化学、地球化学、
高分子化学、生化学、
etcに細分化
自然界の階層と化学
マ
ク
ロ
(
巨
視
的
物
質
)
ミ
ク
ロ
(
微
視
的
粒
子
)
自然界の階層構造
宇宙
銀河系
太陽系
地球
生物
身の回りの物質
分子
原子
電子・原子核(陽子・中性子)
素粒子
化学はこの階層構造に
ついて、物質の構造、性
質、反応を原子・分子の
立場から思考する
この科目で学ぶこと
• 物質を構成する原子の構造,分子を構成す
る化学結合の原理を理解する。
– 量子論の基礎,原子の構造,元素の性質の周期
性、化学結合の原理と分子の構造
• 熱・仕事・エネルギーの関係である化学熱力
学の基礎を理解する。
– 熱・仕事・エネルギーの関係,化学反応とエンタ
ルピー,熱の移動と仕事の関係,エントロピーの
概念など化学熱力学の基礎
→主として物理化学に含まれる分野
原子の構造
• 原子の構成要素
– 電子
• 陰極線として発見(1897年トムソン)
• 負に帯電した粒子
• 電荷 -1.602×10-19C、質量 9.109×10-31kg
陰極線管(クルックス管)
内部を高真空にする
陰極線
(電子の流れ)
数千V
原子の構造
• 原子の構成要素
– 電子
• 陰極線として発見(1897年トムソン)
• 負に帯電した粒子
• 電荷 -1.602×10-19C、質量 9.109×10-31kg
– 電気的に中性であるためには、正の電荷をもつ要
素が必要(1900年代初頭では未発見)
原子の構造
原子模型
電子
-
-
-
正に帯電
した球体
Thomson模型(1904)
ブドウパンモデル
長岡半太郎(1904)
土星型モデル
ラザフォード散乱
微小な正電荷の
固まり(原子核)
ごく少数の粒子(数万
個に1個)は90°以上
進路が変わる
α線
ラジウム
(正電荷を持
つα線を放出)
殆どは真っ直
ぐ通り抜ける
金箔
まれにわずかに
進路が変わる
→ α粒子を曲げる原因は非常に小さな(10-14m)原子核(正電荷)
→ 原子は小さく重い原子核と、密度の小さな領域(電子の領域)
とから構成
⇒原子核の発見
原子の構造
• 原子の構成要素
– 電子
• 陰極線として発見(1897年J.J.Thomson)
• 負に帯電した粒子
• 電荷 -1.602×10-19C、質量 9.109×10-31kg
– 原子核(1909年ラザフォード)
– 陽子(1918年ラザフォード)
• 正に帯電した粒子 電子よりはるかに重い(約1840倍)
– 中性子(1930年頃に発見)
• 電気的に中性の粒子 陽子とほぼ同じ質量
原子の構造
原子模型
電子
-
-
-
正に帯電
した球体
Thomson模型(1904)
ブドウパンモデル
長岡半太郎(1904)
土星型モデル
しかし、原子の安定性、原子に特有のスペクトル(水素原子スペク
トル等)などの原子や電子の性質は20世紀初頭までの物理学
(古典物理学)では全く説明できない
→新しい概念の物理学が必要
→量子論(量子力学、量子化学)
量子論の起こり
1)光の二重性:黒体放射、光電効果を説明するのに光の量子化
(光を粒子としても取扱う)の概念が生まれた
光:電磁波、波の性質をもつ→光の回折(虹、屈折etc)
光電効果
金属表面に光が当たると電子が放出される
①光の振動数に限界値が存在
②放出される電子の運動エネルギーは光の
振動数に比例するが、光の強度(波の振幅)
には無関係
電子の運動エネルギーEpは、電子が金属から出るためのエネ
ルギー(仕事関数)Wを用いて
Ep  h  W  h  h 0
光はエネルギー(運動量)をもつ粒子として
の性質を持つ(光子、photon)
光子1個のエネルギー
E=hν
h:プランク定数 h=6.626×10-34Js
ν:光の振動数 s-1
光の回折・干渉
光の波動性
光の量子化
光の粒子性
光の二重性
(光子は質量0だが、p=hν/c=h/λの運動量をもつ→太陽帆 イカロス)
2)電子の二重性(物質の二重性)
・電子は粒子(物質)として発見(電荷e、質量me)
・電子が波としての性質もある(1927年)
特定の方向のみ
に強く散乱(回折)
Niなどの金属
金属結晶中の原子の規則的な配列が回折格子として働いた
回折
波の干渉
電子線(高速の電子)は波の
性質を持つ
ドブロイ波(物質波)
• 光の粒子性の逆で、粒子である電子などが
波の性質(物質波)を持つ(1924年ドブロイ)
• 電子線(のちに水素分子、陽子、中性子)で
回折現象が発見
ドブロイの関係式
運動量 p (=mv) で運動する粒子は
l = h/mv =h/p
の波長をもつ
参考
• この講義のシラバスは見ましたか。シラバスに毎回
の講義予定があります。次回の講義内容に相当す
るテキストを簡単に予習してください。
• この講義で使ったスライドは
http://struct.pc.uec.ac.jp/yasui/kagaku2012/
にあります。(シラバスからリンクあり)
• ただし、スライドを印刷しただけでは勉強したことに
はならないので注意すること。
• スライド、ノート、テキストを基に復習すること。
• 宿題は必ず自分で解いて提出すること。