製造指示と情報フロー 田宮治雄 製造指示 生 産 計 画 調 達 製 造 指 示 製 造 製 品 管 理 加工 組立 検査 製造指示の仕事(1) • 2種類の製造指示を出す • 払出指示 – 製造工程に材料や部品を払出す指示 • 作業指示 – 各工程の作業内容を指示 • 購買サイクルの発注に該当 • 生産計画が妥当であれば、生産可能 製造指示の仕事(2) • ロットサイズを考慮した製造指示 • 製造に最も都合のよい数を基礎とする • EOQ(経済発注量)を考慮する • 製造中の仕損じなどを考慮しておく • 価格面では、標準原価を指示する 製造指示の仕事(3) • 外注先の活用 – 外注先に「製造指示」する • 材料を支給して加工賃を支払う方法 • 無償支給 – 材料を外注先に預け、完成高に応じ加工賃を支払う • 有償支給 – 材料を外注先に売り渡し、完成時に材料価額に加工 賃を上乗せして支払う 製造指示に対応する情報システム(1) • 払出指示(出荷指示と同様の機能) • ピッキングリストの自動発行 – 向け先、工程と払出数量はシステムが管理 • ハンディーターミナルの活用が有効 • 外注する場合には材料送付明細をつける 製造指示に対応する情報システム(2) • 払出指示 • 作業指示書の発行 • 作業指示(ロット)番号をつけて管理する • 製造指示数はロットサイズの整数倍 • 現場に応じた最適なメディアの選択 – モニター – ハンディーターミナル 製造 生 産 計 画 調 達 製 造 指 示 製 造 製 品 管 理 加工 組立 検査 製造の仕事(1) • 工程への材料の払出から仕掛品となる – 工程 : 製造上の区分 – 仕掛品 : 製造途上の棚卸資産 • 加工 ・ 組立 ・ 検査 – 作業の種類は千差万別であるが、一般的に は大きく3つに分けられる 製造の仕事(2) • 工程設計 – 手順に従って工程が分化される – いかに効率よく作業できるように仕事を流す かがポイント – 工員は工程ごとに作業報告を行なう • 工員の多能工化 – 多品種少量生産に対応 製造の仕事(3) • 工程管理 – 工程ごとの納期管理(進捗状況の管理) – 作業の遅れに速やかに対応し、製造指示を遵守す る • 仕掛在庫の最少化 – 製造指示が適切でない工場では、製造現場が仕掛 在庫であふれてしまう – 製造効率が低下する原因となる 製造の仕事(4) • 仕損と減耗 – 仕損 : 加工途中での失敗 – 減耗 : 加工途中での原材料の目減り • 論理的には仕損や減耗はゼロが望ましい – 限りなくゼロに近づけようとすると、かえって非効率 になったり、人件費や設備投資がかさむことになる – 製造指示には許容できる仕損や減耗の発生を見込 み、実際の発生をその範囲に押さえる管理が行なわ れる 製造の仕事(5) • 効率的な生産を妨げる要因 • 特急手配 – 得意先の急な注文にやむを得ず応えるための手続 – 社内の手続の遅れが特急手配の原因であることも • 急な設計変更 – 設計変更は計画的に行ない、製造手配の変更は極 力避ける – 欠陥の発見などの場合は即時変更する • 特別仕様への対応 – 付加価値を高めるためには必要 原価計算 • 材料費 – 労務費 – 経費 原価計算 製品原価 • 原価計算の基本 – 価値変換の過程を忠実に跡付ける – 直接費は製品毎に計算し、間接費は配賦す る • 標準原価の活用 – 製品原価の把握と工程の能率の管理との両 立を目指した仕組み 原価計算 その他製造の ための価値の消費 工場従業員の労働 直接労務費 直接経費 賦課 直 原材料 接 の投入 材 料 費 賦 課 配賦 製品製造原価 の計算 (製品1単位あたり の原価の計算) (間接材料費が発生することもある) 間接労務費 間接経費 (製造間接費) 製品製造原価 製造に対応する情報システム(1) • 工程の進捗状況の管理 – 作業遅延報告(工程ごと) – 作業指示に対する遅れの認識と回復のため の対策立案の引き金 • 作業完了後遅滞なく完了入力ができるか がポイント – FA(Factory Automation)の進展が追い風 製造に対応する情報システム(2) • 迅速な作業指示の変更 – 異常な仕損の増加への対応 – 工員の病欠や非効率への対応 – 特急手配や急な設計変更への対応 • 原価計算の自動化 – 材料の払出実績入力 – 工員の作業時間報告 – 工程完了報告 迅速かつ正確 さが要求される 製品管理 生 産 計 画 調 達 製 造 指 示 製 造 加工 組立 製 品 管 理 検査 製品管理の仕事 • 製品流通の合理化 – ロジスティックスにかかる戦略のなかで、製品倉庫の 立地条件が決定される • 製品の劣化防止 – 長期滞留させない工夫 – 劣化防止のための設備導入 • 正確な数量管理 – 確実な入出庫と保管場所の整備 – 有効在庫の計算に必要 製品管理に対応する情報システム • 正確な入出庫データの確保 – バーコードなどの利用 – 効率的な棚卸のための工夫 • 製造サイクルと販売サイクルの接点 – 製品完成予定情報を営業部門に提供 – 製品在庫の詳細とロケーション情報を提供
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