建築認証事業本部 建築基準法改正(平成26年6月4日)に伴う告示改正~木造の耐火構造 仕様規定 平成26年6月4日に改正された建築基準法に関連して、平成26年8月22日に耐火構造の仕様規定について、告 示の改正がありましたので、お知らせします。 告示 平成12年建設省告示1399号(改正) 技術的助言 平成26年8月22日 国住指第1785号 1.耐火構造の告示 平成12年告示第1399号(耐火構造の構造方法を定める件)に木造の間仕切壁・外壁の構造方法が追加されま した。これにより木造耐火が仕様規定に加わることになり、間仕切壁または外壁については、大臣認定を受けた ものでなくてもこの仕様に適合していれば、木造でありながら耐火構造として認められることになります。 なお、間仕切壁・外壁以外の主要構造部については、現段階では木造の耐火構造は示されていません。 2.告示内容 平成12年5月30日建設省告示第1399号「耐火構造の構造方法を定める件」において定める耐火構造の間仕切 壁・外壁の構造方法に、以下の仕様が追加されました。 i) 間仕切壁(耐力壁・非耐力壁、1時間耐火構造) 間柱及び下地を木材又は鉄材で造り、かつ、その両側にそれぞれ次の(1)又は(2)のいずれかに該当する防火 被覆が設けられたもの (1) 強化せっこうボードを2枚以上張ったもので、その厚さの合計が42mm以上のもの (2) 強化せっこうボードを2枚以上張ったもので、その厚さの合計が36mm以上のものの上に厚さが8mm以上の けい酸カルシウム板を張ったもの ※せっこうの含有率などが規定されているのでご注意下さい。 強化せっこうボード 21mm×2 枚 木材 ii) 外壁(耐力壁・非耐力壁、1時間耐火構造) 間柱及び下地を木材又は鉄材で造り、かつ、その両側にそれぞれ上記i) (1)又は(2)のいずれかに該当する防火 被覆が設けられた構造(屋外側にあっては、当該防火被覆の上に金属板、軽量気泡コンクリートパネルを張った もの若しくは窒素系サイディングを張ったもの又はモルタル若しくはしっくいを塗ったものに限る。) 3.技術的助言について 主な内容として、せっこう、ガラス繊維及びひる石の含有率が一定以上のものに限っており、認定材料として以 下のものが該当します。 (1) NM-8615「強化せっこうボード」のうち、GB-F(V)(ひる石入り) (2) NM-1498「両面薬剤処理ボード原紙張/せっこう板」のうち、せっこう、ガラス繊維及びひる石の含有率が適合 するもの また、防火被覆の留付や目地の処理が適切に行なわれていることが前提であること、防火被覆の目地の処理 は、継目処理工法又は突き付け工法としています。 建築認証事業本部 大野敏資 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン㈱ 建築認証事業本部 最寄りの事務所まで お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:確認検査業務 建築認証事業本部 建築基準法改正(平成26年6月4日)に伴う告示施行~防火上主要な間仕切壁の合理化に関する告示 平成26年6月4日に改正された建築基準法に関連して、平成26年8月22日に防火上主要な間仕切壁の合理化 に関する告示が施行されましたので、お知らせします。 告示 平成26年国土交通省告示第860号(新設) 技術的助言 平成26年8月22日 国住指第1784号 1.防火上主要な間仕切壁の告示 施行令112条2項及び令114条2項の防火上主要な間仕切壁の緩和については、7月1日に施行されましたが、 施行令中にある「防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分」はこの時点でまだ定められていま せんでした。 今回施行されたのは、この防火上主要な間仕切壁に関する告示です。 この告示が施行されたことにより、従来に較べて防火上主要な間仕切壁としなければならない部分を少なくする ことが可能となります。 2.告示内容 小規模(居室の床面積の合計が100㎡以下の階又は居室の床面積の合計100㎡以内毎に準耐火構造の壁等 で区画した部分)で、各居室に煙感知式の住宅用防災報知設備又は自動火災報知設備が設けられ、①又は② のいずれかに適合する場合 ① 屋外への出口(道又は道に通ずる幅員50cm以上の通路等に面するもの) 避難上有効なバルコニー(道又は道に通ずる幅員50cm以上の通路等に面するもの) 準耐火構造の壁又は両面20分の防火設備で区画された他の部分 これらを「屋外への 出口等」と定義 この「屋外への出口等」へ各居室から直接避難することができる場合 ② 各居室の出口(各居室から「屋外への出口等」に通ずる廊下その他の通路(以下、通路等という)に通ずる出 口に限る)から「屋外への出口等」へ 1. 歩行距離8m以下 2. 歩行距離16m以下(各居室及び通路等を難燃材料で仕上げた場合) とし、各居室と通路等とが ・間仕切壁 ・戸(常時閉鎖戸か煙感知式閉鎖戸とし、ふすまや障子等を除く) で区画されている場合となります。 3.技術的助言について 今回の改正に伴い、国土交通省から発せられた技術的助言の内容において、確認審査上の留意事項として以 下の内容が掲げられています。 (1) 避難上有効なバルコニーの構造 在館者が開口部を通じて支障なく出られること 避難通路へ安全に避難するための設備(タラップ等)が設けられている 十分に外気に開放されている (2) 道又は道に通ずる通路(避難通路) 50cm以上の幅員は、有効幅員であること (3) 各居室から屋外への出口等に通ずる主たる廊下等を区画する戸の構造 常時閉鎖(ドアクローザー設置)または火災により煙が発生したときに自動的に閉鎖するもの(煙感知器連動閉鎖 戸)であること。 出典:国土交通省ウェブサイト「寄宿舎等における間仕切壁の防火対策の規制の合理化」 建築認証事業本部 大野敏資 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン㈱ 建築認証事業本部 最寄りの事務所まで お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:確認検査業務 システム認証事業本部 Case Study: 株式会社竹田鉄工所 海外取引に不可欠な JISQ9100 認証 中小企業にこそ、認証取得は大きな武器になる 株式会社竹田鉄工所(岡山県備前市) http://takeda-tekko.co.jp/ ガスタービンからジェットエンジン部品へ 岡山県の東端に当たる備前市にある竹田鉄工所は、船の焼玉 エンジンの設計製作から始まったものづくり企業だ。数年前まで は船の部品も多くつくっていたが、近年ではエネルギー関連(主 に大型発電機用)の大型部品づくりをよく手掛けている。 中でも得意な製品の 1 つにガスタービンがある。1 メートル以上 の直径をもつ円形のこの大きな部品を、1 回の発注で 15~16 枚つくる。このことからも分かるように、多品種少量生産ができ る体制と大型の製作機械が必要となる業種だ。 JISQ9100 認証の取得は、ガスタービンと形状がよく似ているこ 片上工場概観 とから、ジェットエンジン部品の製作ができないかという大手メーカーの引き合い があったことがきっかけとなった。その引き合いの大元であった海外の航空機メ ーカーが、部品メーカーに JISQ9100 認証の取得を要求してきたのだ。 ちょうどその頃、別の国内取引先からも、ISO9001 認証の取得を求められてい た。そこで同社では、2 つの認証の同時取得に挑戦することを決めた。 「3~4 カ月間、同時取得を目指して走ったのですが、初めての認証取得で 2 つ を同時取得するのはやはり無理がありました」と、品質管理者で認証担当の坂 井善範さんは苦笑する。「それでどちらか 1 つに絞ることになったのですが、これ からのうちの方向性を考えて、航空宇宙産業で国際的に認められた品質マネジ メントシステム規格である JISQ9100 の認証を取得しようという結論になりまし 本社工場内には多数の大型機械 を収蔵 た」(坂井さん)。 現場を説得した 4 つのポイント しかし、ISO 認証の取得経験が無いまま、いきなり JISQ9100 認証の取得に挑戦するのはやはりかなり高いハ ードルだった。しかも同社にはとびっきりの職人気質の従業員が多い。アシスタントとの 2 人体制で取得への準 備を任された坂井さんは、慣れない必要書類の整備と、書類嫌いの従業員の説得に懸命の日々を送った。「正 直なところ、一番大変だったのは現場スタッフの説得だった」と坂井さんは言う。中には「こんなに書類が増えた ら作業効率が落ちて利益に響く」と明快な反対理由を述べてくるスタッフもいた。 そうした現場の声を和らげたものが 4 つあった。 1 つは、認証取得が、強いリーダーシップを発揮する竹田喬二社長によるトップ ダウンの指示だったこと。 2 つ目は、坂井さんが現場で叩き上げた職人の出自だったことだ。「僕が元職 人で、現場の気持ちや仕事の大変さを重々分かっていることを知っているから、 最終的には納得し、協力してくれたのだと思います」。 3 つ目は、半年に 1 度あるクライアントの現場監査が非常に厳しかったこと。そ の厳しさに毎回戦々恐々としていた現場は、坂井さんの「日頃から JISQ9100 に基づいて仕事を進めていれば、クライアントの現場監査にも不安なく平常心 で対応できるようになるはず」という言葉に反応した。 JISQ9100 認証取得のリーダーと なった坂井善範さん そして最後に、「認証を取得することで、今まで縁が無かった仕事を受注できる 可能性が高くなる。よりハイレベルな仕事をしたくないか?」という呼びかけだっ た。自分の腕に自信と誇りを持ち、向上心が旺盛な同社の従業員に、この呼びかけは効を奏した。 次第に協力的な従業員も増え、セミナーなどに参加しながら JISQ9100 に関する理解を深めていた坂井さんの 努力の成果もあり、2012 年 5 月、同社は ISO 認証取得経験無しに JISQ9100 認証を取得するという離れ技に 無事成功したのだった。 JISQ9100 認証取得から始まる成長 認証取得後、社内はどのように変わったのだろうか。 まず、工場内がきれいになった。次に出荷する製品がきれいになった。解説すると、 同社は以前、粗加工品を手掛けることが多く、仕上げは納品先の工場で行われる ため、多少汚れていても傷ついていても大丈夫という風潮があったのだが、仕上げ 加工品が取り扱いのメインとなった今では、傷や異物残留などがあると不適合チェ ックを受けて差し戻されるケースもあるため、きれいに仕上げ、検査を経た上で、出 荷されるようになったのだ。 また技術の継承がしやすくなったことも挙げられる。前述のように、同社は職人集 団のため、「技術は身体で覚えろ。盗んで覚えろ」という傾向があり、聞いても開示 されないことが多かった。しかし、マニュアルを作成するための取材を通してこの部 このような加工工具も 無ければ自分達で作る。 分がかなり明文化された。これが次代の職人育成のガイダンスになることは間違いない。また、技術や情報が職 人の手中にだけあった時代には、取引先から「トラブル時の仕様書は無いのか?!」と叱られることがあったが、 手順やルールがマニュアルにまとめられた現在ではそういうことは無くなっている。 認証取得から 3 年が経ち、当初は「何が何だか分からず、教えてもらった通りにするのが精一杯だった」坂井さ んも、今では「必要書類の見直しやシェイプアップを通じて、現場の負担を軽減しつつ効果をさらに高めることを 考えている」というレベルにまでに経験を積み、認証取得セミナーのゲストスピーカーを担当することもある。 そんな坂井さんに、認証をまだ取得していない企業、もしくは取得を迷っている 企業へのメッセージを聞いてみた。 「認証は、知名度が既にある大企業よりも、自分たちをアピールしていく必要が ある中小企業にこそ有効なツールだと思います。認証を持っていることで大き な仕事が取れる可能性が出てきて、大きな仕事を取れば、今度はそれをアピ ールしてさらに大きな仕事を取ることができます。こうした成長のスタートのとこ ろにあるのが認証です。ですから技術に自信のある中小企業は、ぜひ認証取 得に取り組まれることをお勧めします」。 リアリティと含蓄の両方を感じるメッセージだ。 2 つの工場で計 50 人ほどの技術 者が大型部品づくりに従事 ビューローベリタスのサービス 航空宇宙産業品質マネジメントシステム認証(AS/EN/JISQ9100) 品質マネジメントシステム認証(ISO9001) (2014 年 9 月 11 日取材) システム認証事業本部 製品規制のグローバル潮流(事例編) ~オゾン層破壊物質、エコラベル、容器包装廃棄物規制の成り立ちと最近の動向 2012年よりビューローベリタスとパートナーシップを結ぶEnhesa(エンヘサ)社が執筆する、「海外における 法規制」に関する記事を連載しています。 現在、世界中で上市、販売されている製品には、各国において様々な環境規制が課されていますが、全くのゼ ロベースから起草、導入された法令というのは、実はあまり多くはありません。多くの場合、特定の課題について ある国で規制の枠組みや法案が起草され、独自の試みとして他国に先駆けて導入されます。むろん、規制とし ての効果が出なければ、その試みは自然と忘れ去られていきます。反対に、規制の効果が示されれば、国際的 な注目を浴び、他国での規制制度設計にも大きな影響を与えるのです。ある意味、規制が国境を越えて「コピ ー」されていく状況において、実際、その規制は多国間で同一あるいは似たようなものになるものでしょうか? 前号の導入編に引き続き、本稿より3号に分けて、以下11の代表的な分野における環境規制の成り立ちを整理 し、また最近の動向を紹介します。 1. オゾン層破壊物質 7. 電気電子機器のエコデザイン 2. エコラベル/エネルギースター/環境性能表示 8. REACH – 化学物質登録/審査 3. 容器包装廃棄物 9. 地球温暖化ガス 4. バッテリ 10.紛争鉱物(コンフリクト・ミネラル) 5. 廃電気電子機器 11.ナノテクノロジー 6. 有害物質含有制限 1.オゾン層破壊物質 世界的に最も成功した規制の一つと言えるのが、オゾン層破壊物質 (ODSs: Ozone Depleting Substances) の禁止・制限でしょう。特定の物質が地球を有害紫外線から保護するオゾン層を破壊する可能性については、 科学者が1970年代から懸念を示していました。その後、オゾン層の保護を目的とする国際協力の基本的枠組を 設定する「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が1985年3月22日に、同条約の下、オゾン層を破壊するおそ れのある物質を特定し、その生産、消費及び貿易を規制して人の健康と環境を保護するための「オゾン層を破 壊する物質に関するモントリオール議定書」が1987年9月16日に採択されました。そして、これらを契機に、一気 に世界各国での規制が進みました。その他の環境規制と同様に、始めはごく限定的な物質を対象としていまし たが、時間を追って対象物質の範囲が拡大し、また制限内容も厳しくなってきています。 【規制目的】地球のオゾン層保護 【規制内容】化学物質制限、上市制限、表示、排出制限、報告 【影響を受ける製品】電気電子機器の生産に使用される溶剤、冷却装置の冷媒、スプレーのエアロゾル、断熱材 の発泡剤 【規制の広がり】グローバル。2009年9月16日、全ての国連加盟国197カ国がウィーン条約とモントリオール議定 書を批准し、国際連合で全ての加盟国が批准した初めての環境条約となった。 【スケジュール】対象物質のフェーズアウト活動が進行中。HCFCについては、2040年までにフェーズアウトを完 了する義務がある。 【最近の動向】 米国では、製造と使用の両方が厳しく制限されているにも係らず、未だに大量のオゾン層破壊物質が回収製品 中に使用され市場に出回っています。これらの物質が環境中に不適切に排出されないように、冷却装置等の該 当機器を適切にメンテナンスしたり、発泡剤などに使われないようにサプライチェーン全体を監視したりするのは、 容易いことではありません。最近では、eAir, LLCという米国企業が、HCFC-22 (ハイドロフルオロカーボン-22) を含む冷凍機器を違法に販売・流通させたとして摘発されました。2014年6月にはこの案件の審判が下され、 eAirには、5年間の執行猶予付き判決に加え、20万米ドルの罰金及び7万5千米ドル分のコミュニティ・サービス の提供、さらに、米国税関国境保護局が違法物品の保管に要した費用の返還が義務付けられました。 全米第2位の小売チェーンであるSafewayのケースでは、オゾン層破壊物質を冷媒として使用する機器の適切 なメンテナンスの難しさが示されています。2013年9月、Safewayは、全米に展開する659の店舗で使用する冷 凍冷蔵庫からのオゾン層破壊物質の漏出に対して、60万米ドルの罰金を支払い、漏出の大幅削減を目的とした 全社計画を策定し導入することに同意しました。この措置に要する費用は推定410万米ドルにのぼるとみられて います。 国際的には、2014年7月の議定国会議で、大気中での濃度を増している新たな 4つのオゾン層破壊物質 (CFC-112, CFC-112a, CFC-113a, HCFC-133a) に関する議論がもたれました。影響を受ける排出源としては、 電子部品の洗浄剤として使用されている溶剤などがあります。 また、インドでは、2014年5月に、HCFC類の2040年1月1日までのフェーズアウトを規定するオゾン層破壊物質 規則2000が採択され、モントリオール議定書に対するインドのコミットメントが引き上げられました。この規則によ り、指定物質を輸入、使用または製造する企業は、直ちにそのような活動を停止しなければなりません。企業は また、HCFC類以外のオゾン層破壊物質の製造と使用もフェーズアウトさせる義務があります。 2.エコラベル/エネルギースター/環境性能表示 最古のエコラベル制度は、おそらくドイツのブルーエンジェルでしょう。1978年に設立され、今では80の製品群を カバーし、1万件以上の製品に適用されています。続いて1989年にノルウェーでエコラベルが導入され、現在63 の製品群に適用されています。1992年にはEUエコラベルが立ち上げられ、1万7千件を超える製品に適用され ています。図1は、拡大傾向にあるEUエコラベルの認証件数を示しています。欧州で最もエコラベル認証されて いる電気製品はテレビです。米国環境庁 (EPA) が1992年に立ち上げたエネルギースターは、現在では65の 製品群をカバーしています。エネルギースターはその他のスキームと異なり、消費者製品だけではなく建築物も カバーしています。エネルギースター制度はEUやアジア各国でも正式に認定されており、最もグローバルなスキ ームの1つと言えます。 図1:EUエコラベル認証件数 【規制目的】廃棄物、エネルギー、騒音、大気、気候変動、水、化学物質 【規制内容】表示、化学物質含有制限、設計要件、排出制限、報告 【影響を受ける製品】製品全般 (国、制度による) 【規制の広がり】グローバル (500を超える制度) 【スケジュール】進行・拡大中 【最近の動向】 EUでは2014年5月6日から、コンピューターサーバーや無停電電源装置ディスプレイ、画像装置についても、エ ネルギースタープログラムに関するEU及びUS合意 (決定2013/107/EC) 付属書C改訂版で定義された新基準 を満たせば、製品にエネルギースターラベルを貼付することができるようになりました。 インドネシアでは2014年2月から、製品のライフサイクルにおける環境側面で一定の基準を満たした企業は、当 該製品にエコラベルを貼付することがきるようになりました。 フランスでは、環境省から国会への提言に基づき、2011年7月から2012年7月の1年間、消費者製品の環境的 特徴を表示する全国規模の試行が実施されました。同表示制度を正式に導入するか、導入する場合、企業の自 主表示にすべきか義務表示にすべきか、といったことを判断するための試行でしたが、ステークホルダーらは概 ね成功したとみなしており、環境省では現在、消費者製品の環境的特徴表示制度の枠組み設計を進めています。 しかし、この枠組みは、義務化された場合は2020年まで、自主的取組みに留めた場合でも少なくとも2016年後 半までは、実現しないとみられています。 カタールでは2014年3月9日より、企業は2013年付環境省決定 No. 191 で規定される要件を満たした製品に ついて、カタール品質マークを貼付することができるようになりました。 EUでは2014年7月18日まで、EU市場に製品を上市する企業や全ての関係者 (現在EUエコラベル認証を得て いるかどうかに関らず) を対象とした、EUエコラベル規則案に関する意見募集がなされていました。目的はEU エコラベルスキームの実施状況に関するステークホルダーの意見を集め、その効果を分析し、将来の新たな制 度設計への参考とすることでした。 中国では、工業用ボイラー、モーター、アダプター、コンプレッサー、冷蔵機器などの機械及び電子機器の製造 者は、2014年7月より、省エネルギーに関する基準を満たした場合、当該機器の省エネ対応機械・電子機器認 証を申請することができます。 3.容器包装廃棄物 資源の再利用と容器包装廃棄物の低減のため、特定の種類の飲用ボトルの再利用を初めて定めたのは、オラ ンダの1978年6月8日付指令297でした。1991年、ドイツがそのコンセプトを拡大し、全ての種類の容器包装材に ついて製造者拡大責任の原則を導入しました。製造者及び輸入者は、自社製品から発生する容器包装ごみの 回収、リサイクル、廃棄について責任を負います。この他、数カ国が同様のイニシアチブに取り組み始めたこと から、ECレベルで容器包装及び容器包装廃棄物に関する指令94/62/ECが採択されました。加盟国内での導入 時に様々な点で差異が施されてはいるものの、全てのEU加盟国が、製品のエンド・オブ・ライフ時に生じる容器 包装廃棄物の責任を製造者と輸入者に課しています。しかし、対象となる事業者には、実際にどれだけの量の 容器包装材が市場に出回ったのかを正確に算出、報告するための事務作業が発生し、非常に大きな負荷がか かっているのも事実です。アジアのいくつかの国も同じようなアプローチを採り始め、また他の大陸でも積極的に 取り組む国が出てきています。また、多くの国が、ごみの量を減らすためにプラスチック袋を禁止する方向にあり ます。 【規制の目的】ローカル、廃棄物 【規制内容】化学物質含有制限、その他設計要件、上市制限、表示、金銭的手法、報告 【影響を受ける製品】全ての種類の容器包装材 【規制の広がり】ヨーロッパ全土、アジアに徐々に浸透、南北米アメリカ大陸やアフリカで初めての試みが進行中 【最近の動向】 オランダでは2014年6月13日まで、容器包装管理に関する決定2014(案)に対するパブリック・コメントが受け付 けられていました。当該案は容器包装廃棄物のリサイクル目標値を変更し、回収された廃棄物に関する報告義 務を廃棄物収集業者及び処理業者に対して新たに課し、また製造業者と輸入業者の報告義務の内容を修正す るものです。 アルゼンチンでは、現在、ブエノスアイレスにおいて製品を包装・上市する製造者、生産者、輸入者、及び運営者 に、容器包装に関する管理計画または、容器包装の保管、回収、引取の仕組みの策定義務を課す法案が、ブエ ノスアイレス県上院で議論されています。採択された場合、当該製造者等は、策定した管理計画や仕組みの実 行状況とその進捗を県当局に報告する義務が課されます。 次号では、バッテリ、廃電気電子機器、有害物質含有制限、そして電気電子機器のエコデザインについて紹介し ます。 Enhesa社 宮田祐子 当記事は Going Green – CARE Innovation 2014, Vienna に提出され採用されたComparative assessment of present legislation and policies (Thierry Dumortier, Cecile Baudon and Yuko Dvorak-Miyata著) を、共著者の責任で要約し翻訳したものです。 【お問い合わせ】 Enhesa (日本語対応窓口) TEL:050-5534-9789 [email protected] もご利用下さい http://www.enhesa.com/ Enhesaは、ベルギーのブリュッセル及びアメリカのワシントンDCに本社を置くグローバルコンサルティング会社であり、企業のEHS (環境、 労働安全衛生) 及び製品の遵法を支援しています。日本にもサテライトオフィスを開設しており、日本時間に日本語での対応が可能です。 Enhesaは世界200カ国・地域における現地EHS法令の改正動向月次配信、EHS遵法監査ツールの提供と第三者監査、製品規制調査等を 提供し、日本企業の国内及びグローバル市場における事業展開・事業運営、輸出に関する法令遵守を支援しています。 ビューローベリタスジャパン㈱ システム認証事業本部 営業部 TEL:045-651-4785 お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:HSE(環境・労働安全衛生)/GHG・省エネ・CSR システム認証事業本部 学習サービス産業受難の時代にサービス品質で差別化を 1.学習サービス産業向け国際規格の誕生 学習サービス産業のためのISO規格が発行されたと聞いて、当初は違和感を感じました。従来、我々のような審 査・認証機関の顧客に無い産業だったからです。しかしながら、考えてみると世の中には塾や予備校をはじめ、 英会話教室、職業訓練から稽古事まで様々な学習サービス(学校教育を除く教育産業)はあふれているにもかか わらず、そのサービス品質について語られることはあまり無かったようです。これらの事業者の評価は口コミで広 がるものの、第三者的な評価がオープンにされたことが極めて少なかったことも考えられます。日本国内では少 子化問題を抱えながらも、各専門領域における学習サービスへの需要と期待は高まる一方です。 日本標準産業分類からみた事業区分 大分類 O 教育、学習支援業 小分類 中分類 № 業種 811 幼稚園 812 小学校 813 中学校 学校教育 814 高等学校 [81] 815 特別支援学校 816 高等教育機関 817 専修学校、各種学校 818 学校教育支援機関 821 社会教育 その他の教育、 822 職業・教育支援施設 学習支援業 823 学習塾 [82] 824 教養・技能教授業 829 他に分類されない教育、学習支援業 事業区分 第五種事業 第五種事業 出典:総務省ウェブサイト「日本標準産業分類(平成 25 年 10 月改定)(平成 26 年 4 月 1 日施行)-分類項目名」(抜粋) 学習サービス産業の市場規模 学習サービス業 市場規模(単位:億円) 学習塾・予備校 9,000 資格取得学校 2,200 英会話・語学学校 2,850 資格検定試験 400 学生向け通信教育 1,650 社会人向け通信教育 900 企業向け研修サービス 4,500 e ラーニング 1,000 合計 22,500 株式会社矢野経済研究所調べ 2.学習サービス産業の課題 学習サービス産業における一番大きな課題は少子化による子供の数の減少でしょう。これにより量的に市場規 模は縮小するばかりといえます。一方で、中高一貫教育の普及や通塾率の増加が市場の縮小を補っていること もうかがえます。そんな中、カリスマ講師を有する予備校が市場を席巻する状況も生まれています。また、事業 の運営面においては契約内容(入学時の取り決め)の透明化、個人情報の保護や子供の安全の確保なども重要 な事業者選定要素となっています。したがって、市場競争で勝ち抜くための要素として、講師の力量や管理面の 充実、経営者の方針など、事業者のマネジメントに対する総合的な評価指標が望まれるところです。 3.行政の施策 失業率や有効求人倍率については、最悪期を脱したようですが、依然として職業能力と実業 との不整合などによって一部の失業者にとって就職が困難な状況に変わりはありません。 国内の学習サービス監督官庁である厚生労働省は雇用保険を受給できない求職者に 対し、訓練を受講する機会を確保するとともに、一定の場合には、訓練期間中に給付金 を支給し、ハローワークが中心となってきめ細かな就職支援を行うことにより、早期就職 を支援する制度を運営しています。一定条件を満たした対象者に対し、認定された民間 教育訓練機関が実施する就職に資する訓練機関で訓練を受けることにより、職業訓練 受講給付金を支給しています。また、民間教育訓練機関に対しては職業訓練サービス ガイドラインを発行して、マネジメントシステムの導入を促しています。内容を見てみると 先に発行された国際規格ISO29990の考え方を踏襲していることが容易にわかります。 厚生労働省ウェブサイト 「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドラインを、ご活用ください!」 4.ISO29990 学習サービスマネジメントシステム規格 そうしたニーズと期待にこたえるべく、登場したのが「ISO29990-非公式学習サービスマネジメントシステムの 手引き」です。その目的を、「非公式教育・訓練のための学習サービス分野における質の高い専門的な業務及び パフォーマンスのための包括的なモデル、学習サービス事業者と顧客に非公式教育・訓練の企画・開発、提供 に関する共通認識を提供すること」としています。 規格の構造をみると「戦略及び経営管理」や「財務管理及びリスクマネジメント」など経営の仕組みであることが 容易に理解できます。事業者として方針を明確にして資源を投入し、プロセスを決めて、その結果を評価、改善 していくという、至って単純なマネジメントモデルを適用しています。ISO29990は技術論ではなく経営者がビジネ スを成功へ導くためのツールとして活用することを目的に構成されているのです。ビジネス上の優位性向上、サ ービス品質の向上にご活用下さい。詳しい内容に関するお問い合わせは以下の【お問い合わせ】までどうぞ。ビ ューローベリタスがエスコートします。 システム認証事業本部 水城学 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン㈱ システム認証事業本部 営業部 TEL:045-651-4785 お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:学習サービスマネジメントシステム認証(ISO29990) 産業事業本部 Indian Boiler Regulation(IBR)~蒸気配管検査について Indian Boiler Regulation(IBR)の対象には、材料、機械、圧力容器などが挙げられますが、本稿では蒸気タービ ン周りの蒸気配管検査を紹介します。 蒸気タービン周りの蒸気配管が、次の(i)または(ii)に当てはまる場合は、IBRの対象となります。IBR Notified Bodyより認定を受けた検査員(IBR認定検査員)による立会検査を受け、IBRの証明書(IBR Form)にIBR認定検 査員より、検査合格を承認するサインを取得する必要があります。 Reg. 2 Definitions, Indian Boiler Regulations - 1950 k) ”Steam-pipe” means any pipe through which steam passes from a boiler to a prime-mover or other user or both if :(i) the pressure at which steam passes through such pipe exceeds 3.5 Kilograms per square centimetre above atmospheric pressure; or 圧力が3.5 kgf/cm2を超える蒸気が通る配管、または (ii) such pipe exceeds 254 millimetres in internal diameter; and includes in either case any connected fitting of a steam-pipe. 内径が254mmを超える配管で、蒸気配管に接続されている場合 設計図及びIBR Formには、以下例のように配管名称を具体的に明示する必要があります。 Gland Seal Steam Line Seal Steam Drain Line Blow Down Line 以下の点にご注意下さい。 溶接(例:配管とエルボ)部及び溶接作業は、必ずIBR認定検査員が行うこと。 耐圧試験終了後、フランジなどに必ず認定検査会社の刻印が打たれていること。 対象となる配管・fitting類(エルボ、バルブなど)に必ずIBR Formが付与されていること。 及びその対象部材に認定検査会社の刻印(ビューローベリタスの場合は「BV」)が有ること。 産業事業本部 深野善勝 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン㈱ 産業事業本部 TEL:045-641-4219 FAX:045-641-7992 お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:Indian Boiler Regulation 1950 (IBR) 政府指定検査・国際貿易部門 アルジェリア向け適合性検査サービス (アルジェリア向け適合性検査制度に基づく船積前検査サービス) ビューローベリタスは、アルジェリア当局(Bank of Algeria, Ministry of Commerce 及び IANOR)の認可を受け、ア ルジェリア向け適合性検査制度(以下アルジェリア VOC)に基づく船積前検査サービスを提供しています。 船積前検査の目的としては、競争の公平性の維持、国内産業の保護、さらに規格外製品・安全性欠陥品の国内 市場への流入阻止を通じたアルジェリア国民の健康・安全、環境の保護が挙げられます。 船積前検査を受検せず証明書を未取得のまま出荷した場合、アルジェリアでの通関時に問題となりますのでご注 意下さい。 1.主な対象製品 1 輸入規制品※ 以外の全製品 ※1:2014 年 11 月 26 日現在の輸入規制品は以下の通りです。 Prohibited goods All used / refurbished goods (such as used tyres, used machinery, used vehicles, used material, …); Counterfeit goods, especially car parts (check specific procedure for car parts); Asbestos or products containing asbestos (ex: construction products, textiles …); Pyrotechnic products (fireworks); Toys in a form of gun or pistol. 2.申請に必要な書類 ・弊社所定の申請書(Request for Certificate ※2 ) ・Profoma Invoice ・Packing List ・製品カタログ ・Sensitive Products(一部)については、国際安全技術規格(IEC, ISO, EC など ※3 )に基づく認証書/テストレ ポート ・ISO9001 または ISO/TS16949 認証書のコピー ※2 Request for Certificate の取得詳細については、ビューローベリタスにお問い合わせ下さい。 ※3 製品により要求される書類が異なるため、ご提供頂いた製品情報に基づき、ビューローベリタスが都度確認致します。 検査終了後、認証書発行のため、Bill of Lading, Final Invoice, Packing List のご提出をお願いします。 一連の手続きについてご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。 ビューローベリタスは各国当局より認可を受けた船積前検査機関として、長年にわたり実績を積み重ねてきまし た。その経験をベースに質の高い検査サービスを提供し、現地での円滑な通関手続きをサポートします。 ビューローベリタスの検査サービスをぜひご活用下さい。 政府指定検査・国際貿易検査部門 細谷知孝 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン㈱ 政府指定検査・国際貿易検査部門 国際貿易検査担当 TEL:06-6205-5540/045-641-4202 お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:政府指定検査・国際貿易検査 消費財検査部門(旧:日本認証サービス株式会社 分析事業部) 数値で見る食肉のおいしさの評価~食感・ジューシーさの分析 日本認証サービス株式会社は、ビューローベリタスジャパン株式会社のグループ企業として、ご愛顧を頂戴して きましたが、2014 年 10 月 1 日をもちまして、ビューローベリタスジャパン株式会社の一部門となりました。 より利便性の高いサービスをお届けできるよう一層の努力を重ねて参りますので、今後とも何卒ご愛顧賜りま すようお願い申し上げます。 ビューローベリタス 消費財検査部門は、食肉のおいしさを 6 つの項目(遊離アミノ酸、ペプチド、脂質・脂肪酸組 成、脂肪融点、食感、ジューシーさ)を通して分析する「食味構成要素パッケージ分析」をお届けしています。 遊離アミノ酸だと旨みのグルタミン酸、脂肪酸だと飽和脂肪酸などが連想されやすい中で、食感とジューシーさ については、どのような分析なのか具体的なイメージをもたれにくいと思います。そこで本稿では食感とジューシ ーさに的を絞って紹介します。 1.食感 加熱した肉を用いて物性測定装置で以下の値を求め、それらを総称して食感と呼んでいます。 tenderness 「肉を破断したときの圧縮応力」 (やわらかさ) 加熱後の肉を前歯で噛んだ時にどれだけの力 で筋繊維を断ち切れるかを示しています。つまり 値が高いほど硬い肉といえます。 pliability 「噛んだ時に反発して返ってくる力」 (しなやかさ・柔軟性) 値が高いほどしなやかといえます。 toughness 「肉を噛む時の仕事量」 (噛み切り硬さ・破断応力) 値が高いほど噛みごたえがあるといえます。 brittleness 「破断するまでにプランジャー(圧縮測定部)が侵 (もろさ) 入した距離」 値が高いほど脆いといえます。 物性測定装置「テンシプレッサー」 テンシプレッサーで試料肉を咀嚼させた際にプランジャーにかかる応力の軌跡の模式図 2.ジューシーさ 水分、加圧保水力・伸展率、加熱損失、圧搾肉汁率を測定し、それらを総称してジューシーさと呼んでいます。 水分 生肉の水分量を常圧加熱乾燥にて測定します。 加圧保水力・伸展率 生肉に一定の圧力をかけ圧縮し、ろ紙に吸わせた水分量の面積値、及び圧縮され展 開した面積値から算出します。 加熱損失 生肉を加熱し、加熱の前後で減少した重量から算出します。 圧搾肉汁率 加熱した肉に一定の圧力をかけ圧縮し、滲出した肉汁の割合を算出します。 以上のような測定を通して、総合的に食肉のおいしさの検査を実施しています。 検査及びご依頼に関する詳細は弊社ウェブサイト「食味構成要素分析(おいしさ分析)の内容と評価」をご覧下さい。 消費財検査部門 関口道絵 【お問い合わせ】 ビューローベリタスジャパン株式会社 消費財検査部門 食品検査事業部 TEL:045-949-4664 お問い合わせフォームもご利用下さい ビューローベリタスのサービス:食味構成要素分析(おいしさ分析)の内容と評価
© Copyright 2024 ExpyDoc