流域単位の環境改善 河川水中のT-N濃度(mg/L) 背景 4 2 0 50 100 150 流域1km2当たりの乳牛飼養頭数(頭/km2) 北海道の酪農地帯における河川水質の実態 (道立根釧農試・天北農試・畜試 2004) ,根釧地方 ; ,天北地方 面源汚染の可能性 点源汚染の可能性 3 所有面積当たり 出現割合 % 河川水中の硝酸態窒素濃度 (mg/L)* 背景 2 1 0 40 20 0 25%未満 25%以上 ふん尿貯留施設整備割合 ふん尿還元可能な 農地面積当たり 0.8 1.6 2.4 3.2 4.0 面積当たりの乳牛飼養頭数(頭/ha) * 草地面積が流域面積の50%以上を占める流域の観測値 (道立根釧農試・天北農試・畜試 2004) 背景 ●酪農経営 → 環境負荷 流域単位で環境 を改善しよう 点源対策 法律の施行 面源対策 表面流去 ガス揮散 地下浸透 牛舎 ふん尿貯留施設 北海道における酪農地帯の面源対策 地域におけるふん尿利用の適正化 ふん尿主体施肥 根釧農試技術体系化チーム 釧路北部地区農業改良普及センター 経営革新技術等移転促進事業 (平成13-16年度) 家畜ふん尿処理・利活用技術の実証による環境保全型酪農経営の確立 ふん尿主体施肥の現地導入対策 ふん尿主体施肥の現地導入対策 ふん尿主体施肥(圃場に施用する養分の主体をふん尿で賄う施肥管理) 不必要な養分を圃場に施用しない 環境負荷低減型施肥管理 この実行が、 た~いへん! 方法 調査対象農家の概要 農 家 名 草地 面積 (ha) a A 127 B 57 C 54 D 47 E 79 F 37 飼養頭数 ふん尿 成牛換算 面積当たり 産出量 (t/年) (頭/ha) (頭) b /a c 2) b 1) 235 79 97 109 117 63 1.9 1.4 1.8 2.3 1.5 1.7 5,500 1,800 2,300 2,600 2,800 1,500 備考 ふん尿 貯留体系 スラリー 堆肥 堆肥 スラリー 近隣酪農家にスラリーを提供 スラリー 遠い飛び地、固液分離-固分搬出(畑作) 1) 育成牛の預託頭数を除く 2) c (t/年) = 64.4(kg/頭/日) ×b(頭) ×365(日) 堆肥 貯留施設整備直後 (三枝ら,2004) 方法 ふん尿主体施肥の流れ 実 行 結 果 の 評 価 と 農 家 へ の 説 明 圃場診断 草地区分 土壌診断 ふん尿の 肥料換算 ふん尿採取 分析・換算 施肥計画 の立案 ふん尿利用 化学肥料購入計画 計画実行 ふん尿・ 肥料施用 (三枝ら,2004) 結果 1.圃場診断過程 圃場区分 D牧場 C牧場 B牧場 農家圃場図 (三枝ら,2004) 台帳原図 記入例 圃場台帳(E牧場) (三枝ら,2004) 草地区分 1 3 2 4 北海道施肥標準(道東 火山性土) マメ科率 区分 マメ科牧草 混生割合 目標 収量 1 2 3 4 30-50% 15-30% 5-15% 5% 未満 4500 ~ 5000 (単位: kg/10a・年) 窒素 リン酸 カリウム マグネシウム (N) ( P2O 5 ) ( K 2O ) ( MgO ) 4 6 10 16 10 10 8 8 18 18 18 18 4 4 4 4 飛び地 8 17 13 11 16 12 2 1 10 9 3 4 5 7 6 草地区分図(A牧場,2001) 14 15 凡例 マメ科牧草混生割合 ②15-30% ③ 5-15% ④ 5%未満 更新予定 (三枝ら,2004) 32 土壌診断 圃場診断過程における問題点 1.草種構成を判定できる人材の育成 2.土壌を区分できる人材の育成 3.分析外注先の確保 ふん尿の肥料換算過程 ふん尿採取 分析 現物 1 t 施用時における 窒素肥料換算値 kg 3 農家名 Ym Hg Tk Td Kd 02 03 04 03 04 03 04 03 04 02 03 04 St Mt Hr 2 1 0 03 04 03 04 03 04 調査年次 スラリーにおける全窒素含量の変動 (三枝ら,2004) :春、夏、秋採取時の最大値から最小値の範囲 ふん尿の肥料換算過程における問題点 1.スラリーの混合・貯留量による変動 2.分析外注先の確保 土壌を分析してくれるところは 多いが、ふん尿分析は少ない 施肥計画の立案過程 改善施肥 / 慣行施肥 (%) 150 100 50 0 A B C D E F 農家名 ふん尿主体施肥の導入による化学肥料節減効果 (三枝ら,2004) ○,窒素量; △ ,リン酸量; ,肥料購入量; □,カリウム量, ,購入肥料費 施肥計画の立案過程における問題点 1.精度を追求すると銘柄が増える → 農家に嫌われる 2.時々、養分量節減≠肥料費節減 ・よく出る銘柄が低価格 ・早取り奨励価格 3.ふん尿散布計画が狂うと設計し直し ・早取りできない 計画実行過程 ふん尿主体施肥の実施状況 農家名 A B 経過 △ △ C ●( ×) D ● E × F × 凡例 ●: 予定どおり実施できた △: 予定どおりではなかったが 実施できた ×: 実施に失敗した 実証試験の実施状況 年次 2002 2003 2003 2003 2003 2003 農家名 A A B C D E 2003 2004 2004 2004 2004 2004 F A B C D E 2004 F 経過 ● × △ × ● × × ● × △ ● × × (三枝ら,2004) 失敗の理由 ・試験草地であることを忘れた。 1.農家の意識 ・都合によりふん尿散布計画を大幅に変更した。 ・複雑な地形に対応できず、散布量を制御できなかった。 2.自然条件 ・春、なかなか圃場に入れず、散布が遅れた。 ・コントラの作業が遅延し、適期に散布できなかった。 3.体制・施設 ・ふん尿貯留施設が機能せず、ふん尿を使えなかった。 (三枝ら,2004) C牧場 E牧場 計画どおり遂行しにくい傾斜草地 A牧場 D牧場 計画を遂行しやすい平坦な草地 実証試験における供試草地の景観 計画実行過程における問題点 1.計画した量を散布できない 2.計画した時期に散布できない <原因> 地形、天候、散布技術、農家の意識(散布=施肥) まとめ1 ふん尿主体施肥導入の課題と対策 (三枝ら,2004) 【作業過程】 【 課題】 【 対策 】 圃場診断 土壌診断 人材養成 分析外注先確保 ●研修体制の強化 ●分析体制の強化 ふん尿の ふん尿採取 肥料換算 分析外注先確保 貯留量・成分の変動 ●分析体制の強化 ○貯留施設の整備・改善 草地区分 実 行 結 果 の 評 価 と 農 家 へ の 説 明 施肥計画 ふん尿利用 銘柄簡素化と精度 化学肥料購入計画 冬に注文したい の立案 ふん尿・ 計画実行 肥料施用 計画遵守の困難 ○農家の自助努力で対応できる可能性があるもの ○農家の意識・作業体系の改善 ●価格体系の改善 ○●施用体系・操作技術の改善 ○農家の意識向上 ●何らかの支援体制が必須なもの 施肥設計およびふん尿利用計画支援作業量 (人日/戸) 作業 内容 来歴 聴取 草地 区分 労力 0.3~0.5 0.5 土壌 ふん尿 計画立案・ 採取 採取 調整 0.5 0.1 2-3年に1度は各圃場の施肥設計を見直すことが望ましい 0.3~0.5 (根釧農試,2007) まとめ3 地域の環境改善のための農家支援体制(概念図) 農家 農家 土壌・ふん尿分析 技術指導 (草地管理・施設整備) 分析センター 分析センター 環境モニタリング 自治体 別海町 JA等 JA (三枝ら,2004) ふん尿散布・施設整備 コントラクタ 作業請負組織
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