スライド 1 - 【JMIF】日本計量機器工業連合会

1
違反事例と輸出管理体制
平成16年5月1日
経済産業省貿易管理部
2
目次
1.輸出管理社内規程の基本的考え方と違反原因
の分析
2.違反事例及び改善すべき点
3.違法輸出を未然防止するためには
3
1.輸出管理社内規程の基本的考え方と違反原因の分析
輸出管理社内規程とは
輸出管理社内規程は、コンプライアンス・プログラム(CP)とも言い、輸出管理に関
する外為法等の法令を遵守し、違反を未然に防ぐための社内規程をいいます。
輸出等管理に係る輸出管理組織等9項目が規定されています。
輸出管理社内規程9項目
A 体制
①輸出管理組織
②責任の明確化
輸出手続き上のリスク
貨物・役務
の見落とし
B 手続
③輸出等審査手続き
④出荷管理
①貨物等の審査
(該非判定)
参照すべき規制
リストの誤り
C 維持管理
⑤教育(研修)
⑥文書保存
⑦子会社等の指導
⑧監査
⑨法令違反の報告・罰則
法令の解
釈の誤り
ⅰ)責任体制・輸出
手続きの明確化
実際の輸出手続き
②顧客・用途の
審査
顧客・用途の審査に
関する不適切な判断
出荷管理
の誤り
輸
③出荷管理
出
許可条件の未遵守
ⅱ)手続きを社内
に周知・徹底
ⅲ)違反防止及び
早期発見
輸出管理社内規程は、社内の輸出手続きを3方向からサポートし、輸出手続きにおいて発生が
想定される様々なリスクを回避するために有効なツールです。
4
2.違反事例及び改善すべき点(その1)
望まれる改善点
(体制の強化)
違反の原因
(1)
該非判定(貨物
の技術的性能か
ら許可申請の要
否を判定)にお
ける見落とし
貨
物
・
役
務
の
見
落
と
し
他
人
任
せ
法
令
の
見
落
と
し
違反事例
注意事項
①貨物の判定は実施し、メーカー
より 該当との判定を受けたが、
貨物に搭載されたプログラム(ソフト
ウェア)の該非判定を行わなかっ
た。
①貨物とは別に内蔵プログラムについては、技術の観点から該非
判定が必要となります。工作機械、測定装置、監視装置及び試
験装置等コンピューター制御により作動する機械の輸出にあ
たっては、プログラムを搭載していないか確認するとともに、搭載
している場合には、該非判定が必要です。
貨物が非該当であるからといって、内蔵プログラムも非該当とは
限りません。
②輸出する装置が非該当貨物で
あっ たため、装置にリスト規制
該当部品が内蔵されているに
もかかわらず、その認識がない
まま輸出した。
②装置本体が規制対象貨物でなくとも、付属品が規制対象である
場合があるので注意が必要です。
③貨物の製造メーカー及び通関
業務を依頼した通関業者からリ
スト規制対象貨物である旨の連
絡がなかったため該非判定を
行わなかった。
③輸出手続きにかかる全責任は、輸出者が有します。他人任せは
大きな問題です。
仮に輸出者が輸出貨物の該非判定を忘れていると疑われる場合
に は、通関業者からも輸出者に対し、注意喚起することが望ま
れます。
④関連する法令の改正を見落とし,
メーカーに対し該非判定を依頼
しなかった。
④規制緩和に係る改訂が行われる一方で、生物・化学兵器関連貨
物等では、規制強化に向けた改正も実施されています。 法令改
正の見落としがないよう十分な注意が必要です。
法令改正の際には、経済産業省の担当官による説明会が開催さ
れるほか、安全保障貿易管理ホームページにも掲載されますの
で活用して下さい。
造営 部出
理輸
部業 門荷 監研 部出
査修 門管
門・
製
・
◎
○
◎
○
◎
○
○
◎
5
2.違反事例及び改善すべき点(その2)
望まれる改善点
(体制の強化)
違反の区分
(1)
該非判定におけ
る見落とし
参
照
す
べ
き
規
制
リ
ス
ト
の
項
目
の
誤
り
解
釈
等
の
誤
り
違反事例
注意事項
⑤輸出貨物に関し、核兵器関連の
規制のみに注意を払い、ミサイ
ル 関連の規制の対象となってい
ることを見落とし、ミサイル関連
該当貨物には一般包括許可を
適用できない地域を仕向地とし
た取引に対し、一般包括許可証
を使用し輸出した。
⑤リスト規制は、核兵器関連(輸出令別表第1の2の項)、生物・化
学兵器関連(3の2の 項、3の項)、ミサイル関連(4の項)、通常
兵器関連(5~15の項)の4つのリストから構成されており、1つ
の貨物が複数の項目で規制されていることもあり、注意が必要で
す。
・工作機械:核関連、通常兵器関連
・ポンプ:核関連、化学関連
⑥衛星放送用の装置に関し、装置
が暗号機能を有するにも拘わら
ず、必要な該非判定を行わず、
貨物を輸出した。
⑥情報通信分野の急速な進化に伴い、情報セキュリティーの機能を有
する装置が増加しています。暗号機能を有する貨物については、
輸出令別表第1の8の項若しくは9の項関連の該非判定が必要
です。
理輸
監 研部 出
査 修門 管
・
◎
○
◎
○
◎
○
◎
○
・マルエージング鋼:核関連、ミサイル関連
⑦海外から購入した製品が故障し、 ⑦貨物の一時的貸出し又は積み戻しであっても、「貨物を外国に向
リスト規制対象貨物であることに
けて送り出す場合」は輸出にあたりますので、リスト規制対象貨
気付かないまま、輸出許可を取
物の場合には、輸出許可が必要となります。
得せず、修理のために購入先に
輸出した。
⑧「特定の目的に使用することが
できる貨物」がリスト規制の対象
となっているが、これを 「特定の
目的に使用する貨物」と 狭義に
解釈し、輸出しようとする貨物は、
当該目的に使用する予定がない
ため、非該当と判断し輸出した。
造営 部出
部業 門荷
門・
製
⑧規定の用語の解釈は慎重に実施する必要があります。「特定の
目的に使用することができる貨物」の解釈は、「特定の目的に使
用するための専用品」のほか、「貨物の機能上、当該目的に使用
可能な汎用品」を含みますので、注意が必要です。
6
2.違反事例及び改善すべき点(その3)
望まれる改善点
(体制の強化)
違反の原因
(1)
該非判定におけ
る見落とし
解
釈
等
の
誤
り
(2)
出荷確認の誤り
違反事例
注意事項
⑨リスト規制対象技術の提供にあ
たり、国際規格にて一般に公表
されている技術と思いこみ、役
務提供許可を取得せずに実施
したところ一部公表されていな
い技術があった。
⑨「不特定多数の者に対し何ら制限なく公開されている技術を提
供する取引(公知の技術)」(貿易関係貿易外取引等に関する省
令第9条第1項第五号)は、提供する技術が例えリスト規制対象
技術であっても、役務取引許可が不要となりますが、当該特例の
適用にあたっては、規定を良く理解するとともに、適用の可能性
を十分確認する必要があります。
⑩リスト規制対象貨物の輸出にあ
たり、非該当貨物の仕様が類似
していたため、非該当と判定した。
⑩リスト規制の関連規定及び製品の技術的仕様を正確に把握す
る必要があります。正確を期すためにはパラメータシートの活用
が有効です。
①営業部門が非該当貨物の輸出
を指示したにも拘わらず、誤って
該当貨物を出荷してしまった。
①貨物の出荷の際には、規制対象貨物であるか否かを正確に確
認し、該当の場合には許可書が取得されているかを確認する必
要があります。
②リスト規制対象技術を有するシ
ステムを役務取引許可を取得す
ることなく、電気通信システムを
通じ、海外の顧客に使用させてし
まった。
②リスト規制対象技術を有するシステムの操作方法を非居住者に
教える場合には、役務取引許可が必要です。
また電気通信システムを通じたサービスの提供であっても、貨物
と同様に輸出取引審査が必要です。
造営 部出
理輸
部業 門荷 監研 部出
査修 門管
門・
製
・
◎
○
◎
○
○
○ ◎
○
7
2.違反事例及び改善すべき点(その4)
望まれる改善点
(体制の強化)
違反の原因
(3)
許可条件等の未
遵守
一
般
包
括
許
可
の
許
可
範
囲
の
未
遵
守
個
別
許
可
取
得
条
件
等
の
未
遵
守
違反事例
注意事項
①核兵器関連、生物・化学兵器関
連貨物を台湾、中国等に一般包
括許可を使用し、輸出してしまっ
た。
①核兵器等大量破壊兵器関連貨物(輸出令別表第1の2~4の
項)に 関する一般包括許可は、国際輸出管理レジーム参加国向
けに貨物を輸出する場合のみ有効です。韓国を除くアジア諸国
は、こ うした国際取極の参加国ではありません。
②取得した輸出許可書に「1年後
貨物積み戻し」の条件が付いて
いたが、1年後の積み戻しを履
行しなかった。
②許可書を取得した際には、「許可条件」が付されていないか良く
確認し、「許可条件」が付されている場合には、義務を怠らないよ
う、管理する必要があります。
なお、積み戻し条件が付された個別許可については、提出期限
までに日本に積み戻し、必要な書類を添付の上、経済産業省担
当課まで提出する必要があります。
③リスト規制対象貨物の輸出にあ
たり、需要者が確定していな
かったため、「需要者が確定次
第、許可書発給者の同意を得
る」ことを条件に許可書を取得し
たが、条件を履行しなかった。
③ストック販売(在庫品の再販)方式の輸出取引に関し、個別許可
書を取得する場合、「需要者が確定した場合には、需要者の概
要説明等を経済産業省に提出し、事前同意を得る」旨の誓約書
の提出を求められます。
従って、当該取引を行う場合には、貨物輸出後も貨物の販売先
に係る顧客からの情報収集が必要となります。
造営 部出
理輸
部業 門荷 監研 部出
査修 門管
門・
製
・
◎
○
◎
○
◎
○
8
3.違法輸出を未然防止するためには
輸出管理担当部門が
①輸出管理関連の最
新情報を入手し、
社内に周知・徹底さ
せる
1)安全保障貿易管理説明会へ の参加
2)パンフレット・HPによる情報の入手
3)相談窓口の活用
をお勧めします。
②輸出管理社内規程
を策定し、経済産業
省に届出る。
本資料10P~23Pにて輸出
管理社内規程の概要を解説し
ます。
③輸出管理社内規程
が適切に実施され
ていることを定期的
に確認する。
本資料24P~25Pにて企業に
おいて輸出管理の観点から実施
されている研修、監査の例を解説
します。
9
望ましい輸出管理体制の例
引合い
営業部門
製造部門
(判定書)
用途・需要者の確認
該非判定書の作成
輸出管理部門
取引審査
・該非判定
・顧客審査
該非判定最終確認
(取引審査稟議書)
契約締結
取引審査決裁
(教育・監査)
制度等関連
情報の入手
輸出許可申請の
必要性確認
(教育・監査)
輸出許可書の取得
(必要に応じ)
(許可書)
経
済
産
業
省
出荷部門
(出荷依頼書)
製品の出荷依頼
(教育・監査) (製品)
出荷管理
・取引審査の終了を確認
・出荷管理票と貨物の同一
性を確認
貨物の輸出
○輸出関連法規に専門知識を有する職員により、営業部門から独立した輸出管理部門を設立し、同組織を中心
とした輸出管理(審査)体制を構築する。
○輸出管理部門が中心となり、最新の制度等関連情報を入手し、社内へ周知・徹底させる。
○用途・需要者の確認、該非判定等については、複数の者によるダブルチェックを実施する。
○出荷部門において貨物の出荷にあたり、社内の取引審査が終了しているか確認する。
10
(1)輸出管理社内規程の策定の意義について
外為法遵守のための3つのポイント
求められる対応策
①法令遵守を基本方針とする姿勢の明確化
・社内代表者による基本方針の公表
企業上層部(代表取締役等)
②輸出管理体制の確立
・最高責任者及び管理部門の設置
内部監査の
結果報告等
・社内教育及び監査の実施
権限の委任
③輸出管理手法の明示
・管理すべき対象と手続きの明確化
輸出管理上の要求
1.関係者
輸
出
管
理
組
織
・教育、監査
・ 該非判定、顧客審査、
取引審査、出荷管理
→ 輸出業務に携わる大半の者が関係
適切な実施
適切な運用
2.審査手続
→ 迅速かつ適切な判断・処理
3.情報管理
→ 行政庁等から入手した関連情報の管理・社内への
周知徹底
社員全員が責任をもって行動
11
(2)輸出管理の流れと輸出管理社内規程の基本9項目
輸出管理社内
規程策定
実 施
維持管理
見直し
①輸出管理組織
②管理責任の明確化
輸出管理社内規程の届出
(策定、変更時)
経
③輸出等審査の手続き
・該非判定
・顧客審査
・取引審査
④出荷管理
⑤監査
⑥教育(研修)
⑦文書保存
⑧子会社等の指導
⑨法令違反の報告
企業概要・自己管理チェックリスト
の提出(年1回)
済
産
実地調査(必要に応じ)
業
HP公表(希望に応じ)
法制度改正
社内組織の変更等
輸出管理社内規程については、①から⑨の項目に対応していることに加え、
●キャッチ・オール規制に対応できている(下部規程対応も可)
●企業毎の業種・業態・規模にあっている
●実際に運用しやすい
ことも重要です。
省
12
(3)輸出管理社内規程に関する経済産業省の要請
輸出管理社内規程の作成の要請
「不拡散型輸出管理に対応した輸出関連
法規の遵守に関する内部規程の策定又
は見直しについて」
(平成6年6月 通商産業大臣名で輸出関
連団体あてに要請)
「安全保障貿易管理ガイダン
ス」
平成14年2月、経済産業省として輸
出管理に関し留意すべき重点事項
や審査等の手順に関する参考例等
をまとめた
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/jishu
kanri/guidance/index.html
※ココム対応型の通達については、昭和62
年9月に要請済み
(参考) 米・英の例
・米国 EMS(Export Management System)(輸出管理システム)
・英国 Code of Good Practice(適正実施基準)
大量破壊兵器
キャッチ・オールの導入を
踏まえ、解説
CISTEC「モデルCP」
平成14年10月、CISTEC会員企業
が自社の経験に基づき、業種や業
態に応じた条文型式の輸出管理社
内規程のモデルを作成。HP上で閲
覧可能。無料。
http://www.cistec.or.jp/open/ihanzirei/ih
anzireiindex.html
本資料13P~16Pにて「輸出管理
社内規程のモデル」
(メーカーが輸出管理部門を設置
するケース)」を紹介
輸出管理社内規程の担当部署 : 安全保障貿易検査官室 03-3501-2841
13
(4)CISTECによる輸出管理社内規程のモデルの公表(その1)
(1)パターン<1A>
第2章
Ⅰ . ( 本 文 )
***株式会社
規定第**号(平成*年*月*日制定)
安全保障輸出管理規程
第1章
一
二
規制貨物等の輸出等については、外為法等に反する行為は行わない。
外為法等の遵守及び適切な輸出管理を実施するため、安全保障輸出管理の責任者を
定め、輸出管理体制の整備、充実を行う。
総則
(目的)
第1条 国際的な平和及び安全の維持を目的とする安全保障輸出管理を適切に実施するた
めに、本規程を定める。
(適用範囲)
第2条 本規程は、[会社名を記入]株式会社(以下「当社」という。)が行う貨物の輸
出及び非居住者への技術の提供に関する業務に適用する。必要な場合は、別に細則等を
定めるものとする。
(定義)
第3条 「外為法等」とは、国際的な平和及び安全の維持の観点から貨物の輸出及び技術
の提供を規制する外国為替及び外国貿易法とこれに基づく政令、省令、通達等をいう。
2
「輸出等」とは、貨物の輸出(輸出を前提とする国内取引を含む。)及び非居住者へ
の技術の提供をいう。
3
「貨物等」とは、貨物及び技術をいう。
4 「規制貨物等」とは、国際的な平和及び安全の維持の観点から外為法等により規制さ
れている貨物及び技術をいう。 このうち、輸出貿易管理令(以下「輸出令」という。)
別表第1の1の項から15の項に該当する貨物及び外国為替令(以下「外為令」という。)
別表の1の項から15の項に該当する技術を「リスト規制貨物等」といい、輸出令別表
第1の16の項に該当する貨物及び外為令別表の16の項に該当する技術を「キャッチ
オール規制貨物等」という。
5 「核兵器等」とは、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布
のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。
6
基本方針
(基本方針)
第4条 以下を当社における安全保障輸出管理の基本方針とする。
「開発等」とは、開発、製造、使用又は貯蔵をいう。
第3章
組織
(最高責任者)
第5条 基本方針に基づき、安全保障輸出管理関連業務を適正かつ円滑に実施するため、
代表取締役若しくはそれに準ずる者を安全保障輸出管理の最高責任者とする。
(輸出管理統括部門)
第6条 最高責任者又は最高責任者が定める者を長とする最高責任者直轄の輸出管理統括
部門を設置する。
2
一
二
三
四
五
六
七
八
輸出管理統括部門は、以下の業務を行う。
安全保障輸出管理規程の制定、改廃
運用手続(細則)の制定、改廃
取引の審査、承認
全社管理業務の統括及び全社徹底事項の指示、連絡、要請等
監査
教育
子会社及び関連会社等の指導
関係部門等の長に対する報告等の要求、調査の実施、又は改善措置等の命令
(事業部門管理体制)
第7条
本規程の遵守及び輸出管理業務を適切に実施するため、輸出管理統括部門が定め
る事業部門に輸出管理責任者を置く。
2 事業部門輸出管理責任者は、輸出管理統括部門の指示の下に、当該事業部門内の輸出
管理に関する以下の業務を行う。
一
二
三
四
五
事業部門運用手続(細則)の制定、改廃
輸出管理統括部門の指示、連絡、要請等の周知徹底
輸出管理手続業務の推進
教育
所管する子会社及び関連会社等の指導
14
(4)CISTECによる輸出管理社内規程のモデルの公表(その2)
第4章
手続
二
(該非判定)
第8条 輸出等を行う場合には、
リスト規制貨物等に該当するか否かについて判定を行う。
2
3
輸出管理統括部門は、該非判定を行う部門及び判定内容を審査し最終決定を行う部門
を定める。
核兵器等の開発等を行う又は行ったことが入手した資料等に記載されている又はそ
の情報がある。
(取引審査)
第11条 輸出等の引合の内容が以下に該当する場合、営業部門等は、「審査票」を起票し
て、輸出管理統括部門に取引の審査を申請する。当該取引を行うか否かの最終判断は、
[取引決定権限者の名称を記入]が行う。
該非判定は、以下のとおり行う。
一
一 当社で設計・開発した貨物等の輸出等を行う場合、[該非判定部門の名称を記入]
は、必要な技術資料を整備し、最新の外為法等に基づいてリスト規制貨物等に該当す
るか否かを判定する。
第8条の該非判定の結果、当該貨物等が輸出令別表第1の1の項から15の項、又
は外為令別表の1の項から15の項に該当する場合。
二
第9条(用途確認)の一又は二のいずれかに該当する場合。
二 社外から調達した貨物等の輸出等を行う場合、[該非判定部門の名称を記入]は、
調達先からの該非判定書等の入手等により、本項の一と同様、適切に該非判定を行う。
三
第10条(需要者等確認)の一又は二のいずれかに該当する場合。
ただし、調達先から該非判定書等を入手しなくても判定できる場合には、当社の責任
四
経済産業大臣から許可申請をすべき旨通知を受けた場合。
五
本項の一から三に該当するか否か不明の場合又は疑義がある場合。
で判定してもよい。
三
本項の一、二のいずれの場合においても、[該非判定審査部門の名称を記入]は、
判定内容について審査し最終決定を行う。
(用途確認)
第9条 営業部門等は、輸出等の引合を受けた場合には、その行おうとする輸出等の用途
2
審査票には、仕向地、貨物等の名称、該非判定結果、需要者、用途、取引経路等を記
載し、審査に必要な書類を添付するものとする。
3
審査票を起票するに当たっては、取引の内容を事実に即して正確に記入しなければな
らない。
について以下の項目に該当するか否かを確認する。
4
一 リスト規制貨物等については、核兵器等の開発等に用いられる若しくは核兵器等の
開発等以外の軍事用途に用いられる、又はこれらの疑いがある。
5
国内取引であっても、輸出等されることが明らかな場合には、第1項と同様の手続を
行う。
営業部門等は、[取引決定権限者の名称を記入]の承認を得ることなく、当該取引を
進めてはならない。
二 キャッチオール規制貨物等については、核兵器等の開発等に用いられるおそれがあ
る。
(外為法等に基づく許可の申請等)
第12条 第11条(取引審査)における承認を得た後、外為法等に基づく経済産業大臣
の許可を受けなければならない輸出等については、[輸出許可の申請部門の名称を記入]
(需要者等確認)
第10条 営業部門等は、輸出等の引合を受けた場合には、その行おうとする輸出等の契
約相手先、需要者等について以下の項目に該当するか否かを確認する。
は、所定の申請書及び添付書類を作成し、経済産業大臣に対して許可申請を行う。
2
一
経済産業省作成の「外国ユーザーリスト」に記載されている。
[営業部門若しくは技術を提供する部門の名称を記入]は、外為法等に基づく許可が
必要な輸出等については、経済産業大臣の許可を取得しない限り当該輸出等を行っては
ならない。
15
(4)CISTECによる輸出管理社内規程のモデルの公表(その3)
第5章
出荷管理
(貨物の出荷管理)
第8章
文書管理
(文書管理又は記録媒体の保存)
第13条 [出荷を担当する部門の名称を記入]は、第8条(該非判定)及び第11条(取
引審査)の手続が行われたこと並びに出荷される貨物が出荷書類の記載内容と同一のも
第17条 規制貨物等の輸出等に係る文書又は記録媒体を、貨物が輸出された日又は技術
が提供された日から起算して、少なくとも5年間は保管する。
のであることを確認する。また、[出荷を担当する部門の名称を記入]は、外為法等の
許可が必要な貨物の輸出の場合には、経済産業大臣の許可が取得されていることを確認
第9章
する。
2
[出荷を担当する部門の名称を記入]は、出荷時に上記第1項の確認ができない場合
は、直ちに出荷を取り止めて営業部門等へ適切な措置を要求するとともに、輸出管理統
子会社及び関連会社等の指導
(子会社及び関連会社等の指導)
第18条 輸出管理統括部門及び事業部門輸出管理責任者は、規制貨物等の輸出等を行う
子会社及び関連会社等に対し、実情に即した指導を行う。
括部門へ報告する。
第10章
3
[出荷を担当する部門の名称を記入]は、通関時に事故が発生した場合は、直ちに輸
出手続を取り止めて輸出管理統括部門へ報告する。輸出管理統括部門は、営業部門等と
(報告)
第19条
協議して適切な措置を講じる。
報告
役員又は従業員は、外為法等又は本規程に対する違反の事実を知った場合又は
違反のおそれがある場合には、その旨を輸出管理統括部門に速やかに報告しなければな
らない。
(技術提供管理)
第14条 [技術を提供する部門の名称を記入]は、技術の提供に際して、第8条(該非
判定)及び第11条(取引審査)の手続が行われたこと、並びに外為法等に基づく許可
を受けなければならない技術の提供の場合には、経済産業大臣の許可が取得されている
ことを確認する。
2
[技術を提供する部門の名称を記入]は、第1項の確認ができない場合は当該技術の
提供を行ってはならない。また、輸出管理統括部門へ報告する。
第6章
監査
(監査)
第15条 輸出管理統括部門は、社内の安全保障輸出管理が本規程に基づき適正に実施さ
れていることを確認するため、監査を定期的に行う。
第7章
教育
(教育)
第16条 輸出管理統括部門及び事業部門輸出管理責任者は、外為法等及び本規程の遵守
の重要性を理解させ、確実な実施を図るため、役員及び従業員に対し、計画的に教育を
行う。
2
輸出管理統括部門は、上記第1項の報告の内容を調査し、外為法等に違反している事
実が判明した場合には、安全保障輸出管理の最高責任者に報告する。最高責任者は、社
内の関係部門に対応措置を指示するとともに、遅滞なく行政庁に報告する。
第11章
罰則
(罰則)
第20条 故意又は重大な過失により本規程に違反した者及び関係者は、就業規則及び役
員会の決議等による処罰の対象とする。
(附
則): 本規定は平成15年*月*日より施行する。
以上
16
(4)CISTECによる輸出管理社内規程のモデルの公表(その4)
Ⅱ.本文の注釈
全体:
<注1>[***の名称を記入]:企業の実態に応じた部門の名称等を記入する箇所を示
す。
第3条(定義):
<注1>「輸出等」:3国間貿易、仲介貿易等に関する規定を必要とする企業は、規程に
追加することが考えられる。
<注2>「核兵器等」「開発等」の定義については、輸出令第4条第1項第三号イに基づ
く。
第5条(最高責任者):
<注1>「それに準ずる者」:取締役、執行役員又は新商法における執行役等をいう。
第6条(輸出管理統括部門):
<注1>「輸出管理統括部門」:企業の実情に応じて、安全保障輸出管理本部(部)、安
全保障輸出管理室等の名称が考えられる。
<注2>輸出管理統括部門は、営業部門等とは独立した組織であることが望ましい。
第7条(事業部門管理体制):
<注1>本条は、第6条とセットで管理体制を整備する企業向けの「基本形」として用意
した。これほどの管理体制を必要としない企業においては、第6条と第7条とを
統合した組織及び管理体制が考えられる。
<注2>「輸出管理統括部門が定める事業部門」:営業部門等輸出管理に関する業務を行
<注1>「需要者等」:企業の管理上、「仲介者を含む」とすることも考えられる。
<注2>「二」:キャッチオール規制貨物等については、輸出等の仕向地がホワイト国の
場合、需要者等確認を除くことができる。
第11条(取引審査):
<注1>「審査票」:参考例として添付資料を参照。ただし、各企業の実情に応じて、体
裁・項目等は適宜見直した上で利用されたい。 なお、「明らかガイドラインシ
ート」については、添付資料を参照。
<注2>第1項の五:その時点で貨物等の仕様が定まっていない場合、確認項目に該当す
る疑いがある場合及び判断が困難な場合等を想定。
<注3> 企業の管理上、「輸出管理統括部門は、取引審査の過程で、不正輸出、不正転
売及び不正転用の防止を図る観点から必要であると判断した場合には、確認書や
誓約書等の取得を当該営業部門等に指示するなど適切な措置を講じる」等の規程
を設けることも考えられる。
<注4>第2項:該非判定結果に関する資料「該非判定書」については、参考例として添
付資料を参照。ただし、各企業の実情に応じて、体裁・項目等は適宜見直した上
で利用されたい。
<注5> キャッチオール規制貨物等をホワイト国以外の仕向地に輸出等する際には、客
観要件に該当せず許可を要しない取引であっても、大量破壊兵器等の開発等若し
くはおそれ省の別表に掲げる行為に使用されることを知った場合には、経済産業
省に報告することが要請されている。 したがって、本規程若しくは細則等にそ
の旨を規定する必要がある。
なお、審査の上取引を中止した場合、又は自社ではなく他社の取引に関する情報
の場合などは、報告しなければならないということでは必ずしもない。
う事業部門を想定。
第8条(該非判定):
<注1>第3項の[該非判定部門の名称を記入]及び[該非判定審査部門の名称を記入]:
各企業の実情に応じて判定・審査・最終決定の部門が異なる場合があるため、実
際に業務を担当する部門の名称を記入する。
<注2>第3項の二の「ただし、・・・」:社外から調達した貨物等の該非判定に関して、
調達先から該非判定書等を入手又は問い合わせしなくても、規制対象外であるこ
とが明らかである等輸出者自身で該非判定ができる場合には、輸出者の責任で判
断することがある。
第9条(用途確認):
<注1>「二」の「核兵器等の開発等に用いられるおそれがある」:「核兵器等の開発等
に用いられる」場合又は「輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそ
れがある場合を定める省令の別表に掲げる行為のために用いられる」場合を意味
する。
<注2>「二」:キャッチオール規制貨物等については、輸出等の仕向地がホワイト国の
場合、用途確認を除くことができる。
第10条(需要者等確認):
第12条(外為法等に基づく許可の申請等):
<注1>[輸出許可の申請部門の名称を記入]:実際に許可申請を行う部門の名称を記入
する。
<注2>[営業部門若しくは技術を提供する部門の名称を記入]:営業部門又は技術を提
供する部門の名称を記入する。
第14条(技術提供管理):
<注1>[技術を提供する部門の名称を記入]:実際に技術を 提供する 部門の名称を記入
する。
第15条(監査):
<注1>企業の実情に応じて、監査部門が監査を行う場合があり、「監査部門は、社内の
安全保障輸出管理が本規程に基づき適正に実施されていることを確認するため、
監査を定期的に行う。 なお、監査に際しては、輸出管理統括部門等関係部門の
協力を得ることができる。」等、監査を行う側の協力関係を本規程に規定するこ
とが考えられる。
第18条(子会社及び関連会社等の指導):
<注1>「子会社及び関連会社等」:国内外を含む。
以上
17
(5)自主管理が求められる対象(貨物の輸出)
貨物
リスト規制対象貨物
仕向地
ホワイト国(輸出管理
制度が整備されてい
る米、EU等26ヶ国)
企業
キャッチ・オール
規制対象貨物
上記以外の国
CA対象とな
る貨物輸出
総額25兆円
(全輸出額の48%)
※H14年度実績
注意
1.国内販売であっても、最終的に規制対象地域に貨物輸出又は技術提供されることが明らか
な場合は、適切な輸出管理を行うことが重要です。
2.問題が発生した場合には、当該企業のみならず親会社にも社会的責任が求められる可能
性があるため、子会社等に対する教育・指導を確実に実施することも重要です。また、海外にお
ける子会社及び支店等に対しても、所在国の実状に即した指導を行うことが望まれます。
18
(6)我が国における輸出管理社内規程の整備状況
※平成15年5月現在
輸出管理社内規程の届出企業(資本金200億円以上)
電気機器
39/42=92.9%
機械
13/19=68.4%
船舶・重機
輸送用機器
精密機器
6/ 6= 100%
12/15=
7/ 8=87.5%
15/28=53.6%
石油製品、ガラス・土石、ゴム
10/19=52.6%
繊維
7/15=46.7%
化学
21/36=58.3%
3/12=
9/ 9= 100%
・卸売り
7/11=63.6%
80%
鉄・金属製品・非鉄
医薬品
・商社
25%
19
(7)実地調査について
1.
目的
: 輸出管理社内規程に基づく各企業の輸出管理
状況を調査することを通じて、各企業の輸出管
理の維持・向上を図る。
2. 調査方法 : ①自己管理チェックリストによる実施状況を事前に
提出要請をし、
②各企業の協力を得て企業訪問をし、ヒアリング
又は記録文書により管理状況を調査。
3. 調査実績 : 542社:延べ808回
(昭和63年10月~平成15年12月末現在)
20
(8)自己管理チェックリストによる実施状況の提出要請
当省に輸出管理社内規程を届け出ている企業(約900社)に対し、当省作成の「自己
管理チェックリスト」基づく輸出管理社内規程の実施状況の確認・提出の要請(平成1
5年7月)
21
(9)経済産業省への輸出管理社内規程の届出に関連して
・当室にて輸出管理社内規程を正式受理する前に、業種業態に応じて、きめ細かな助言を
させて頂きます。
(輸出管理社内規程が案文の状態でも、ご遠慮なく御相談下さい。)
・輸出管理社内規程の届出時に併せてメールアドレスを登録することにより、違反事例等
の最新情報が提供されます。
・輸出管理社内規程を届出後、自主的に経済産業省による実地調査を受け、輸出管理状況
が適切であると判断された場合には、特定包括・クレーム包括の申請資格を得られます。
・自己審査により輸出管理社内規程を適切に実施していると判断しており、公表を希望する
企業は、安全保障貿易管理のHP上にて企業名の公表が可能です。
・無許可輸出を自主通報した場合であって、輸出管理社内規程を整備している場合は事後審
査事項、処分を決定する際に考慮されることがあります。
参考1
輸出管理社内規程の新規提出
輸出管理社内規程の内容変更
年 月 日
経 済 産 業 大 臣
○ ○ ○ ○ 殿
所 在 地(本社)
会 社 名
代 表 者 名 印
年 月 日
経 済 産 業 大 臣
○ ○ ○ ○ 殿
所 在 地(本社)
会 社 名
代 表 者 名 印
コンプライアンス・プログラムの内容変更に係る届け
輸出関連法規の遵守に関する内部規程の提出について
当社においては、輸出関連法規の遵守に関する内部規程を作成しましたので、提出します。
年 月 日付け受理番号 のコンプライアンス・プログラムの
内容を変更しましたのでお届けいたします。
今後は、これに基づき輸出管理体制の強化を図るとともに、今後とも輸出関連法規の遵守に
努めます。
なお、本規程の内容及びその受理票の記載事項等に変更が生じた際には、速やかに届出い
主な変更内容
たします。
記
1. 内部規程作成者
名称(会社名)
所在地(本社)
代表者名
作 成 日
2. 内部規程関係連絡者名
連絡者名
部署及び役職
連絡先住所(本社所在地と異なる場合)
電話番号
ファックス番号
(添付書類) ①内部規程(コンプライアンス・プログラム)
②企業概要(指定様式)
③会社案内
連絡担当:担 当 者 名
部署名 及び 役職名
電 話 番 号
ファックス 番 号
e-mail
22
参考2
社名・住所変更
輸出管理社内規程の取り下げ
年 月 日
経 済 産 業 大 臣
○ ○ ○ ○ 殿
所 在 地(本社)
会 社 名
代 表 者 名 印
年 月 日
経 済 産 業 大 臣
○ ○ ○ ○ 殿
所 在 地(本社)
会 社 名
代 表 者 名 印
コンプライアンス・プログラム受理票の記載事項変更に係る届け
コンプライアンス・プログラムの取り下げ願い
年 月 日付け受理番号 号のコンプライアンス・プログラム
受理票に記載された事項が変更となりましたのでお届けいたします。
年 月 日付け受理番号 号のコンプライアンス・プログラムを
下記理由により取り下げたくお願いします。
(取り下げ理由)
記
変 更 事 項
・旧住所(旧社名) :〒
・新住所(新社名) :〒
連絡担当:担 当 者 名
部署名 及び 役職名
電 話 番 号
ファックス 番 号
e-mail
連絡担当:担 当 者 名
部署名 及び 役職名
電 話 番 号
ファックス 番 号
e-mail
(添付書類)①取り下げ理由がわかる書類(客先案内状、登記簿謄本、定款等の写しで
なるべく簡易な書類)
②CP 受理票
(変更理由)
23
24
(1)輸出管理の観点から実施されている研修の事例
企業内
研 修
輸出管理部門
研 修
研 修
(イントラネットの活用)
①eラーニングの実施
②輸出管理に関する情報
の周知・徹底
管理責任者
研修
該非判定
実務研修
一般社員研修
or 新人研修
①企業の危機管理
②輸出管理総論
③取引審査のポイント
①該非判定の責任体制
②関係法令の体系
③関係法令の解釈
④パラメータシートの記載方法
①輸出管理制度
②輸出管理体制
研修報告の提出
研修資料を未だ作成していない企業は、安全保障貿易管理HP(TOPページ→安全
保障貿易管理説明会)に経済産業省が作成した資料が掲載されていますので、活用
願います。
25
(2)輸出管理の観点から実施されている監査の事例
輸出管理
最高責任者
①監査対象事項
②実施時期・場所
③監査担当者
監査の実施者
①監査の実施計画策定
⑥
監
査
結
果
の
報
告
(
必
要
に
応
じ
)
監査の対象者
②監査実施通知
の送付
①営業部門
監査室担当者
③監査の実施
(通常年1回)
②製造部門
+
輸出管理部
担当者
④責任者に対し
結果報告
(改善要望)
⑤改善要望に対する回答
①改善策
②改善計画
③出荷部門
監査項目
①輸出管理体制
②輸出審査手続
③該非判定
④研修の実施状況
⑤関係書類の保管
状況