(2008.9.24 金沢大学説明会) 大学・公的研究機関の輸出管理について ~法令等への対応と産総研の取組み~ (独)産業技術総合研究所 安全保障輸出管理グループ長 樋 口 禎 志 1 目 次 1 大学・公的研究機関に輸出管理 の対象となるものがあるのか? 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5 大学等の活動と輸出管理 管理の対象となる貨物及び技術 貨物の輸出の具体例 技術の提供の具体例 判断を誤りやすい例 2 輸出管理関係法令の概要 2-1 輸出管理関係法令体系の概要 2-2 輸出規制の仕組み 2-3 リスト規制とキャッチオール規制への対応 3-5 3-6 3-7 3-8 一般的な輸出管理フロー 産総研における作成書類と確認・審査の流れ 出荷管理と文書の保存・管理 産総研の教育・周知活動 4 該非判定と産総研の例 4-1 4-2 4-3 4-4 4-5 4-6 該非判定の方法 判定項番選定の難しさ 項目別対比表の記入方法 該非判定書(貨物) 技術(プログラムを含む)の規制の特徴 該非判定書(技術) 5 産総研の取引審査 3 産総研の取り組み 3-1 3-2 3-3 3-4 産総研の輸出管理取組経過 安全保障輸出管理規程・要領 輸出管理の目的・方針・原則 輸出管理体制と役割 5-1 5-2 5-3 5-4 取引審査の必須ポイント 取引審査票(取引審査申請) 輸出管理チェックリスト(相手先・用途の確認) 統括部署による取引審査 2 1 大学・公的研究機関に輸出管理の 対象となるものがあるのか? 3 1-1 大学等の活動と輸出管理 提供内容 試料・試作品等 技術資料・設計図等 装置等 材料・部品 ソフトウェア 提供手段 ・輸送・郵送 ・ハンドキャリー ・文書 ・通信回線 ・研究者受入れ ・研修 ・発表 等 輸出管理の対象になるもの 確認・審査 どこの国の誰に(相手先) 何のために(目的・用途) 何を (具体的提供内容⇒該非判定) 4 1-2 管理の対象となる貨物及び技術 貨物:日本から海外へ出す全ての貨物 ●貨物には、設備・装置・材料・部品等から試作品・実験用試料・細菌類まで全て含まれる ●輸送・郵送するものだけでなくハンドキャリーするものも対象である ●外国での実験等に使用し持ち帰る装置等を国外に出すことも対象となる ●外国から送られた装置等を返却するために輸出する場合も対象になる 海外出張等で本人が使用するために携帯する市販のパソコンは管理の対象から除外 技術:非居住者(主に外国人)に提供する全ての技術(プログラムを含む) ●日本国内での提供を含む ●E-メール等提供手段にかかわらず規制される *外国人であっても、「雇用関係にある者」、「日本における企業・機関等に勤務する者」、「日本に入国後 6月以上経過するに至った者」等は居住者となる *海外に持出す技術で、他者に提供しないものは管理の対象にならない 下記の技術を提供する取引は管理の対象から除外 1 不特定多数の者に制限なく無償で公開する電気通信ネットワーク上のファイルへの記録等 2 学会発表用の原稿、雑誌投稿用の原稿、展示会等での配布資料等 3 工業所有権の出願又は登録 4 既に不特定多数の者に対して公開されている技術 (新聞、書籍、雑誌、カタログ、学会誌、公開特許情報、講演会、展示会、電気通信ネットワーク上のファイル等) 5 ソースコードが公開されているプログラム 5 1-3 貨物の輸出の具体例 ・海外の大学へ定量分析に使用するための廃水有機物質分析システムを輸出する ・国際比較に参加するため絶対重力計及びデジタルオシロスコープを輸出する ・標準物質開発のため、海外の研究機関に高純度トルエン、高純度ベンゼン等を送付する ・海外の企業に研磨を依頼するために炭化珪素基板を送る ・海外の研究機関で実験的検証を行うため燃料電池用電極試料を送付する ・海外の火山観測を行うため、非冷却赤外線熱画像装置等の機器を持ち出す ・調査のために携帯型GPS及び携帯型岩石帯磁計を持参し持ち帰る ・海外のメーカーに故障したヒートパイプを返送する ・海外の共同研究先に、構造を詳細に検討するためモデル生体膜試料を提供する ・研究用サンプルとしてプラスミドを送る ・環境測定のための大気を採取するため自動大気試料採取ユニットを輸出する ・海外の展示会に出品するため浄化試験装置を送る ・ブタペスト条約に基づく分譲として、微生物を送る 6 1-4 技術の提供の具体例 ・海外の研究者にSiCエピタキシャル成長技術を提供する ・海外の研究機関に薄膜を作成する装置のメンテナンスに係るノウハウを教える ・共同研究者にプログラミング技術を提供する ・海外の企業に特許使用許可とともに製造ノウハウを開示する ・受入研究者に熱量分析に基づく定量評価技術を教える ・受入研究者に、電子ビーム描画装置・真空蒸着装置・電子顕微鏡等を使用して半導体基板 を加工・評価する技術を提供する ・海外研修生に圧力校正技術の提供に伴い天秤の使用技術及びソフトウェアの使用技術を 提供する ・研修員にレーザー発振器の使用技術、半導体ナノ結晶の製造技術、分光光度計の使用 技術を提供する 7 1-5 判断を誤りやすい例 勝手な判断 知らなかった ●輸出手続の除外と判断 *装置をハンドキャリーで持出して持ち帰ることは、管理除外 と判断した ●輸出ではないと判断 *非常に小さなものであるので貨物とは考えなかった *サンプルの提供だったので輸出ではないと判断した *貨物はすぐに戻ってくる予定なので輸出手続が必要とは考え なかった ●自分が輸出者であると 考えなかった *貨物の輸出手続を業者に依頼したので必要ないと判断した *他社に依頼したので手続きが必要と思わなかった ●規制されない貨物の 手続きは不要と判断 *誰でも買えるものであり、リスト規制品目であるとは思いもし なかったので、手続きが必要とは考えなかった *該非判定で非該当の確認を得たので、問題ないと思い取引 審査票を提出しなかった ●共同研究先なので 手続きは不要と判断 *契約を締結し共同で研究を進めている相手先なので、輸出 手続きは要らないと思っていた ●輸出管理をしなければならないことを知らなかった 8 2 輸出管理関係法令の概要 9 2-1 輸出管理関係法令体系の概要 *他にも多くの関連する省令や通達等が存在しますが、ここでは省略しています。 貨 物 輸出貿易管理令 48条 外為法 輸出貿易管理規則 輸出貿易管理令 の運用について (運用通達) 等 輸出貿易管理令別表第1及 び外国為替令別表の規定に 基づき貨物又は技術を定め る省令(貨物等省令) 25条 技 術 外国為替令 貿易関係貿易外取引等 に関する省令 外国為替及び外国貿易法 第25条第1項第一号の 規定に基づき許可を要する 技術を提供する取引について (役務通達) 等 参考資料 法令を調べるには → 経済産業省安全保障貿易管理HP http://www.meti.go.jp/policy/anpo/index.html 「安全保障貿易管理関連貨物・技術リスト及び関係法令集」(日本機械輸出組合) 具体的問題で法令のどこに記載されているかを調べるには → 「輸出管理関係法令の道しるべ」(日本機械輸出組合) リスト規制品目になっているかを確認する参考に → 「輸出令別表第1・外為令別表用語索引集」(日本機械輸出組合) 10 2-2 輸出規制の仕組み ← 経 済 産 業 大 臣 の 低高 許 可 が 技 必 術 要 レ ( ベ 用 ル 途 → ・ 需 要 者 に よ ら な い ) リスト規制(全地域対象) 原則として輸出禁止 (武器輸出三原則) 1項 武器(兵器) 兵器の開発等に用いられる可能性の高 い汎用品、関連技術・資機材を規制 2~4項 5~15項 大量破壊 兵器関連 通常兵器関連 16項 キャッチオール規制 <用途>及び<需要者>によ り、許可申請の要否が決まる 非 規 制 品 ( 食 料 、 木 材 等 ) <用途>及び<需要者>により、経済産業大臣の許可が必要 (技術、貨物が大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある場合) 11 2-3 リスト規制とキャッチオール規制への対応 ●リスト規制 リスト規制は、兵器の開発等に用いられる可能性の高い汎用品(民生用にも軍用にも使えるもの)、関連技術・ 資機材を規制するものである。リスト規制に該当する場合は、どの国への輸出であっても経済産業大臣の許可 を取得しなければならない。(輸出禁止という意味ではない。) 輸出管理を適切に実施するには、リスト規制に該当するか否かの、いわゆる該非判定が必須となる。同時に、 用途・相手先に問題がないことを明確にすることが求められる。 ●キャッチオール規制 リスト規制に非該当又はリスト規制の対象になってない貨物・技術であっても、大量破壊兵器等の開発等に用 いられるおそれがある場合は、経済産業大臣の許可が必要となる。 リスト規制に該当しない貨物の輸出又は技術の提供であっても、用途及び需要者(相手先)を確認し、大量破 壊兵器等の開発等に用いられるおそれがあるか否かを判断することが必須となる。 ●輸出規制への総合的対応 ・該非判定 ・提供する技術・貨物が規制リストに該当するか 否かの判定 ・用途の確認 ・提供する技術・貨物の相手先の使用目的・用途 の確認 ・需要者(相手先)の確認 ・「外国ユーザーリスト」のチェック等 ・相手先の概要、事業内容、研究内容の確認 12 3 産総研の取り組み 13 3-1 産総研の輸出管理取組経過 2001年 7月 2002年 2月 4月 12月 ・準備開始 ・輸出管理に関する本格的準備始動 ・「外国ユーザーリスト」掲載機関との取引に関する対処方針を周知 ・「技術の提供又は貨物の輸出に関する法令遵守の対応について」を 産総研内に周知し、相手先・用途の確認と相談業務を開始 ・「安全保障輸出管理ホームページ」を新設 2003年 5月 6月 ・「安全保障輸出管理グループ」発足 ・安全保障輸出管理規程及び要領の策定開始 2004年 1月 ・産総研幹部会にて「安全保障輸出管理規程」の審議・承認 ・「独立行政法人産業技術総合研究所安全保障輸出管理規程」及び 「安全保障輸出管理要領」の制定 ・「ユニット長会議」にて輸出管理規程制定の説明 ・部門等輸出管理責任者・部門等輸出管理者の選定と任命 ・「第1回部門等輸出管理者会議」開催 ・「安全保障輸出管理規程」「安全保障輸出管理要領」施行 2月 3月 4月 2006年 4月 ・産総研内輸出管理手続の電子システム化 14 3-2 安全保障輸出管理規程・要領 <安全保障輸出管理規程> 第1章 総則 第2章 基本方針 第3章 輸出管理の組織・体制及び業務 第5条 第6条 第7条 輸出管理最高責任者 輸出管理統括部署・輸出管理統括責任者 部門等輸出管理責任者・部門等輸出管理者 第4章 手続 第8条 第9条 第10条 第11条 第12条 第13条 相手先の確認 用途確認 該非判定 取引審査 許可等の申請 契約書等への明示 第5章 技術の提供及び貨物の出荷の管理 第6章 監査 第7章 教育 第8章 文書管理 第9章 報告 第10章 罰則 「手続き様式・方法等管理手続きの詳細」 及び「保存すべき書類」を「安全保障輸出 管理要領」で具体化する <安全保障輸出管理要領> 第1章 総則 第3条 基本原則 第2章 手続 第4条 第5条 第6条 第7条 第8条 第9条 第10条 第11条 適用除外 相手先の確認 用途確認 該非判定 取引審査 取引審査の承認区分 取引審査の審査及び承認 米国の再輸出規制 (チェックリスト) (チェックリスト) (該非判定書) (取引審査票) 第3章 文書管理 第12条 関連書類の管理 15 3-3 輸出管理の目的・方針・原則 目的(規程第1条) 産業技術総合研究所の安全保障輸出管理の基本方針を定め、適切な管理体制を構築整備 することにより、輸出管理の確実な実施を図り、もって国際的な平和及び安全の維持の観点 から我が国の研究機関として国際的責任を果たすことを目的とする。 基本方針(規程第4条) ①国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれがあると判断される技術の提供及び貨物 の輸出は、行わない。 ②技術の提供又は貨物の輸出について関係法令を遵守し、経済産業大臣の許可を受けな ければならない場合は、責任を持って当該許可を取得する。 ③輸出管理を確実に実施するため、輸出管理体制を適切に整備し、充実を図る。 基本原則(要領第3条) ①規程、要領、通達等に定める手続を確実に実施することにより、輸出管理の観点から適正 な取引であることを確認 すること。 ②関係法令を十分に理解し、遵守すること。 ③すべての申請書類及び報告書類に、事実を正確に記すこと。 ④自らに不都合な情報を隠ぺいすることなく、不明点又は疑義があれば、安易な自己判断を せず、直ちに部門等輸出管理責任者又は輸出管理統括部署に相談すること。 16 3-4 輸出管理体制と役割 輸出管理最高責任者 (副理事長) 輸出管理統括部署 輸出管理統括責任者 輸出管理責任者会議 /輸出管理者会議 部門等輸出管理責任者 部門等輸出管理者 すべての部門等 (輸出管理最高責任者) ・基本方針・施策の決定・周知 ・規程の改廃 ・取引審査・承認 ・重要事項に関する決定 (輸出管理統括部署) (研究セキュリティ管理部安全保障輸出管理グループ) ・研究所内の輸出管理業務の統括 ・基本方針・基本施策の企画立案 ・規程の改廃の立案・要領等の制定及び改廃 ・該非判定の審査・最終確認 ・取引審査・承認 ・重要事項に関する輸出管理最高責任者への伺い ・輸出管理監査 ・輸出管理教育の計画策定及び実施 ・法令改正等の連絡事項の周知徹底 (部門等輸出管理責任者・輸出管理者) ・部門等内の輸出管理の統括 ・部門等内の輸出管理手続等の作成 ・該非判定の確認 ・取引審査・承認 ・部門等内の輸出管理教育 ・統括部署からの指示・連絡事項の部門等内への周知徹底 17 輸出管理業務の基本的な手続は次のような流れになります。 3-5 一般的な輸出管理フロー 該非判定 取引不可 取引審査 仕向国確認 取引中止 取引可 相手先確認 許可申請要 許可申請の要否確認 経済産業省 取引内容・条件確認 用途確認 許可不要 許可取得 出荷管理 貨物の輸出・技術の提供の実行 18 3-6 産総研における作成書類と確認・審査の流れ 貨物の輸出・技術の 提供が具体化したら *安全保障輸出管理Gに事前 相談(該非判定の方法、輸出 可否の見通し等)も可能 該非判定 研究者 統括部署 安全保障輸出管理G 支援・指導 該非判定書 *項目別対比表、技術資料 等判定根拠を添付 (添付) 取引審査 部門等 責任者・管理者 取引審査票 *輸出管理チェックリスト *該非判定書 添付 (添付) 輸出管理チェックリスト 確認 *技術的に適切な判定が なされていること *最新の法令に基づいて いること 等 審査 承認 (統括部署の承認を 必要としないもの) 最終確認 (決定) 審査 承認 特定のもの 最高責任者承認 最高責任者決裁の要否、個別許可要否、 包括許可証使用可否、許可例外可否、 米国再輸出規制対応要否等の判断は 統括部署である安全保障輸出管理Gが行う 19 3-7 出荷管理と文書の保存・管理 ●貨物の出荷管理及び技術の提供管理 ●文書の保存・管理 下記の書類を5年以上保存する ・輸出管理手続(該非判定・取引審査等)が 終了し、内容に変更がないこと ・必要な許可が取得されていること ・出荷する物と出荷書類の内容が一致して いること *貨物の輸出通関に当たって、税関事故が発生 した場合は、速やかに担当責任部署に報告す る体制とする ・契約書、依頼書又はこれに代わる文書 ・取引審査票 ・該非判定書 ・提供又は輸出に関連して相手先から取得した用 途確認又は誓約書等の文書 ・輸出管理チェックリスト ・役務取引許可証又は輸出許可証及びこれらの取 得のために経済産業省へ提出した文書等 ・特定貨物・役務取引等事前相談等の事前相談書 ・輸出申告書 ・輸出申告に用いた船積書類一式 20 3-8 産総研の教育・周知活動 [全体教育・研修] ・幹部会 ・ユニット長研修 ・準幹部級研修 ・事務マネージャー研修 ・新規採用職員研修 ・契約職員研修 [ 個別研修会 ] ・各部門・ユニット毎の個別研修会 [ 周知活動 ] ・輸出管理者会議の開催 ・安全保障輸出管理ホームページ ・Export Control Newsletterの発行 21 4 該非判定と産総研の例 22 4-1 該非判定の方法 ●輸出する貨物及び提供する技術を具体的に明らかにする。 ●該非判定しなければならない貨物又は技術に関するスペック等が明らかになる技術資料等を 準備する。 ●規制品目を規定している輸出令別表第1(貨物)又は外為令別表(技術)に基づいて、判定 すべき項番を選定する。 ●規制するスペック等を規定している貨物等省令及び解釈に基づき該非判定を行う. 具体的には、「項目別対比表」により実施する。 ●その結果に基づき、「該非判定書」を作成する。 ●該非判定書には項目別対比表及び判定の根拠となる資料等を添付する。 *いかに優秀な研究者であっても、初めて行う場合は的確な該非判定の実施は難しい *判定すべき項番がないときは規制対象外となる(見落としに注意!) *システム、装置等に組み込まれている部分品も判定対象である 購入した装置、機器等の該非判定 *原則として購入先から該非判定書を入手する 入手した該非判定書の確認事項 *判定すべき項番の適否 *簡単に判定できるものは輸出者で判定しても良い *改造等の仕様変更を行った場合は変更者が判定する <該非判定書を購入先から入手する必要があるか否かを 十分判断する> *判定日の適否 (最新の法令で判定しているか否か) *判定部門の適否 (技術部門、輸出管理部門の判定が望ましい) *根拠となる判定資料の良否 23 4-2 判定項番選定の難しさ (1)判定すべき項番が複数の項番に分散していることがある。 (2)政省令の表現は通常用いられる用語とは限らない。 (3)政令だけでは具体的な貨物名が分からないものもある。 輸出令別表第1 項番 項 目 貨物等省令 項番 項目 4項 アビオニクス装置又はそ 第3条 アビオニクス装置であって、次のいずれかに該当するもの (18) の部分品 十九 イ レーダー(五百キログラム以上のペイロードを・・・ ロ パッシブセンサーであって、特定の電磁波源の・・・ ハ 衛星航法システムからの電波を受信する装置であって、次 の(一)若しくは(二)に該当するもの又はそのために特に設 解 用語 輸出令別表第1 釈 用語の意味 レーダー レーザー レーダー を含む。 項番 3の2 の項 (1) 項 目 軍用の細菌製剤の原料とし て用いられる生物、毒素若 しくはそのサブユニット又は 遺伝子であって、経済産業 省令で定めるもの 貨物等省令 項番 輸出令別表第1の3の2の項(1)の経済 産業省令で定めるものは、次のいずれ かに該当するものとする。 一 ウイルス(ワクチンを除く。)であって、ア フリカ馬疫 ウイルス、アフリカ豚コレラ ウイルス、エボラウイルス、(以下略) 細菌(ワクチンを除く。)であって、ウシ流 産菌、オウム病クラミジア、ガス壊疽菌、 Q熱リケッチア、 (以下略) 毒素(免疫毒素を除く。)であって、アフ ラトキシン、(以下略) 前号又は前条第1項第二号イ若しくはロ に該当するもののサブユニット 細菌又は菌類であって、クラビバクター・ ミシガネンシス亜種セペドニカス、コクリ オボールス・ミヤベアヌス、(以下略) 第一号、第二号若しくは前号に該当する ものの核酸の塩基配列のうち病原性を 発現させるもの又は第三号若しくは前条 第1項第二号イ若しくはロ若しくは第四 号に該当するものを産生させる核酸の 塩基配列を有する遺伝子(染色体、ゲノ ム、プラスミド、トランスポゾン及びベク ターを含む。) 二 (二)航行又は飛しょうする移動体に使用するように設計したも のであって、次のいずれかに該当するもの 1 毎秒 600 メートルを超える速度のもとで、・・・・・ 三 四 2 軍隊又は政府機関による使用を目的として設計・・・・・ 3 意図的な妨害を受ける環境のもとで機能する・・・・・ 五 11 項 ジャイロ天測航法装置、 第 10 条 (4) 天体若しくは人工衛星の 四 ジャイロ天測航法装置又は・・・ 自動追跡により位置若し 五 衛星航法システムからの電波を受信する装置であって、次のい くは針路を測定すること ずれかに該当するもの又はその部分品 ができる装置、衛星航法 イ 暗号の復号機能を有するもの システムからの電波受信 ロ ナルステアラブルアンテナを有するもの 装置若しくはその部分品 六 航空機用の高度計であって、・・・・・ 又は航空機用の高度計 七 削除 目 第2 条 計した部分品 (一)500 キログラム以上の・・・・・ 項 六 (以下略) 24 4-3 項目別対比表の記入方法 最終判定欄。この項目別対比表の場合、以下の項目に一つでも○があればこの欄に○、 以下の項目が全て×であれば×を記入する。 7 弁又はその部分品 [ ] 8 多重管 [ ] 9 ポンプ又はその部分品 [ ] 10 焼却装置 [ ] 11 空気中の物質を検知する装置 又は検出器 [ ] ※1から11までの判定欄が[○]である場合は、 それぞれの項目別対比表も作成すること [省令]第2条 2 輸出令別表第1の3の項(2)の 注 釈 判定欄 非該当 × 次のいずれかに該当するものとする。 対象外 - イ ニッケル又はニッケルの含有量が 【×】 数値( 0.12立方メートル ) 1200 ℓ = 0.12m3 [×] 全重量の40パーセントを超える合金 ロ ニッケルの含有量が全重量の25パーセントを超え、 数値( 12パーセント ) [×] かつ、クロムの含有量が全重量の20パーセントを ステンレス(SUS316)製ボンベ [-] 判定結果 左欄に記述された内容に該当する場合に○、該当しない場合に×を記入する。 数値( Ni:12パーセント ) 数値( Cr:18パーセント ) 超える合金 チ ニオブ又はニオブ合金 記 入 欄 該 当 ○ 経済産業省令で定める仕様のものは、 二 貯蔵容器であって、 容量が0.1立方メートルを超えるもののうち、 内容物と接触するすべての部分が 次のいずれかに該当する材料で構成され、裏打ちされ、 又は被覆されたもの 判定理由記入欄 判定理由を必ず記入する。 □該当 ■非該当 最終判定欄が○であれば「該当」、×であれば「非該 当」の□を■にする。 25 4-4 該非判定書(貨物) 判定する貨物の名称を具体的に記入する。 品番、型名等があれば必ず記入する。 外部からの調達貨物の場合は、メーカー名(外国製 の場合は、国名を含む。)を併記する。 K00000 ○○○部門○○○グループ 9-12-34567 輸送容器 (米国S社製 123L-HDF4-120 0T) 研究資料を輸送するための耐食性ステンレス容 器 判定する貨物の機能、特性について記入する。 容量:1200ℓ ・ 3 2 2 2 2 2 ロ 26 4-5 技術(プログラムを含む)の規制の特徴 ●原則として規制貨物に係る技術を規制している ●技術を「設計に係る技術」「製造に係る技術」又は 「使用に係る技術」に分類する必要がある。 ●輸出令別表第1で規制される貨物の「設計」又は 「製造」に係る技術は原則として規制される技術と なる。(下表(1)) ●輸出令別表第1で規制される貨物の「使用」に係る 技術が規制されるのは特定の貨物に限定される。 (下表(2)) ●貨物の該非にかかわらず規制される技術がある。 (下表(3)~(6)) 設計とは、設計研究、設計解析、設計概念、プロトタイプの製作 及び試験、パイロット生産計画、設計データ、設計 データを製品に変化させる過程、外観設計、総合設計、 レイアウト等の一連の製造過程の前段階のすべての 段階をいう。 製造とは、建設、生産エンジニアリング、製品化、統合、組立て (アセンブリ)、検査、試験、品質保証等のすべての 製造工程をいう。 使用とは、操作、据付(現地据付を含む。)、保守(点検)、修理、 オーバーホール、分解修理等の設計、製造以外の 段階をいう。 外国為替令 別表 6 項 材 料 加 工 (1) 輸出貿易管理令別表第1の6の項中欄に掲げる貨物の設計又は製造に係る技術であって、経済産業省令で 定めるもの (2) 輸出貿易管理令別表第1の6の項の中欄に掲げる貨物の使用に係る技術であって、経済産業省令で定めるも の(2の項の中欄に掲げるものを除く。) (3) 数値制御装置又はコーティング装置の使用に係る技術であって、経済産業省令で定めるもの(2の項の中欄に 掲げるものを除く。) (4) 金属の加工用の装置又は工具(型を含む。)の設計又は使用に係る技術であって、経済産業省令で定めるも の((1)から(3)までに掲げるものを除く。) (5) 液圧式引張成形機(その型を含む。)の設計又は製造に係る技術であって、経済産業省令で定めるもの((4) に掲げるものを除く。) (6) 数値制御装置の附属装置の設計に係る技術であって、経済産業省令で定めるもの 27 4-6 該非判定書(技術) 判定する技術の名称を具体的に記入する。 判定する技術の分類 をクリックする。 判定する技術の具体的な内容を記入する。 また、装置等を使用させる場合は、その装置 等についても該非判定を行う。 判定する技術に関連す る貨物の名称、メーカー 名(外国製の場合は、国 名を含む。)、型名・品番 を記入する。 28 5 産総研の取引審査 29 5-1 取引審査の必須ポイント ① 輸出する貨物・提供する技術が規制リスト規制に該当するものであるか否か <該非判定書(判定根拠添付)> ②相手先に問題がないか *懸念国(イラン、イラク、北朝鮮) *外国ユーザーリスト掲載機関・組織 (イスラエル、イラン、インド、北朝鮮、シリア、台湾、中国、 パキスタン、アフガニスタンの9カ国223企業・組織) *軍・国防省及びその関連機関又は軍事専門企業・組織 ③用途に問題がないか *兵器の開発の用途又はその懸念がある用途 *核融合・原子力関連用途 *軍・国防省又はその委託による大量破壊兵器等の開発等に つながる用途 *軍事用途 ④相手先・用途に関してその他の懸念がないか *素性不明・用途を明らかにしない等 <取引審査票・輸出管理チェックリスト> ⑤ 米国再輸出規制対応が必要か <取引審査票に含む> 30 5-2 取引審査票(取引審査申請) 取引する理由・目的を簡潔に記入する。 相手先の用途を記入する。 31 5-3 輸出管理チェックリスト(相手先・用途の確認) 32 5-4 統括部署による取引審査 33
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