多変量一般化リッジ回帰モデル におけるリッジパラメータの選択法 広島大学大学院 理学研究科 博士課程前期 (2年) 数学専攻 永井 勇 目的・動機 • 多変量線形回帰モデルにおいて 説明変数間の相関が高い ⇒最小二乗推定量 (LSE)の分散が大 ⇒単変量の場合には他の推定法が提案 ⇒その手法を多変量に拡張 – 特に情報量規準によるパラメータの推定法の拡張 2 目次 • 一般化リッジ回帰モデル – モデルの拡張 – リッジパラメータ推定法の拡張 • 情報量規準による推定 • その他の推定法による推定 – 検定統計量との関係 • シミュレーション • 参考文献 3 多変量線形回帰モデル • 目的変数行列 説明変数行列 ただし 誤差行列 ただし は互いに独立に 平均 で共分散行列 の分布に従っている 未知回帰係数行列 4 最小二乗推定量 (LSE) の問題点 • のLSE ; 説明変数間の相関が高い → の固有値が小さい →推定量の分散が大 別の推定方法が必要 5 多変量リッジ回帰モデル • 単変量リッジ回帰モデル (Hoerl & Kennard, 1970) のモデルへ リッジ推定量 (Ridge Estimator : RE) 6 平均二乗誤差 (MSE) • 多変量 単変量のとき 7 パラメータの推定法と問題点 • 推定法 Mallowsの 規準などを最小にする手法など • 最適なパラメータは? ←繰り返し計算が必要 一般化リッジ推定 8 多変量一般化リッジ回帰モデル • ; なる直交行列 の固有値 が在る • 一般化リッジ推定量 (Generalized RE : GRE) 9 モデルの書き換え • LSE; RE; GRE; 10 リッジパラメータの推定法 • MSEを小さくするパラメータ ⇒ で最小 の各行が従っている分布の共分散行列 の 行目のベクトル 未知パラメータを含んだ形で陽に求まる 未知パラメータに直接推定量を代入(Plug in Estimator) MSEの推定量を最小に 別の推定法 11 (情報量規準の最小化に対応) 多変量一般化リッジ回帰での • ⇒最小にする 規準 の推定量を構築 を求める Lemma 1. Corollary 1.任意の 行列 , 行列 12 Lemma 2.任意の 行列 , 行列 13 • 基準化した残差平方和 • Lemma 2より 14 • のモデル • のモデルへ 15 最小にすべき関数は? • MSEの推定量 ( 規準)を構築 ⇒ に依存している部分・・・ ⇒ を各 に関して最小 REの場合 16 多変量の場合のパラメータの選択法 • を最小にする は • 誤差に正規性を仮定すると,MSEの不偏推定量となる を用いる推定法 17 未知パラメータに直接代入する方法 1. MSEを最小にする に直接代入 (PI) (Hoerl & Kennard, 1970) 2. (LSEの 行目) という反復 を用いる (IT-2) (IT-1=PI) (Hoerl & Kennard, 1970) 18 他の推定法 3. 2の収束先 (Hemmerle,1975 の拡張) (IT-∞) 収束する⇒ の解 4. PC (Lott, 1973) 19 検定統計量との関係 • V.S. 検定統計量 を棄却 実現値 cの値 p LSEを縮小 or 0 LSEを縮小 or 0 IT-∞ 4p LSEを縮小 or 0 PC 2p LSEのまま or 0 20 シミュレーション • 比較方法 それぞれの推定法での推定値; の平均により比較 (反復 回) 21 22 23 まとめ • REやGREの多変量モデルへの拡張 • 多変量一般化リッジ回帰モデルでの情報量 規準 の提案 – 最適なパラメータが陽に求まる – 他の陽に求まる手法の拡張 (PI,IT-2,IT-∞,PC) • 手法の比較 – サンプル数が少ない場合 ; – ある程度大きい場合 ; IT-∞ 24 参考文献 1. Hoerl, A. E. & Kennard,R.W.(1970).Ridge regression : biased estimation for nonorthogonal problems. Technometrics , 12 ,55-68 2. Lawless, J.F. (1981). Mean squared error properties of generalized ridge estimators. J. Am . Stat . Assoc ., 76 ,462 – 466 3. Mallows, C. L. (1973).Some comments on . Technometrics , 15 , 661-675 4. Walker, S.G. & Page, C. J.(2001).Generalized ridge regression and a generalization of the statistic. J. Appl. Statist.,28,911-922 5. Yanagihara, H. & Satoh, K.(2008).An unbiased criterion for multivariate ridge regression. TR No. 0804, Statistical Research Group, Hiroshima University. 25 ご清聴ありがとうございました 発表終了 26
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