Implementation of Distributed Spacecraft Bus based

自己組織化能力を持ったCPU群に
よる群衛星システムのタスクマネジ
メントに関する研究
航空宇宙工学専攻
中須賀研究室 博士課程
永島 隆
中央集権型宇宙システムの問題点



システムへの要求が大きいほど大規模・複雑化
構成要素を中央集権的に管理するため情報処
理の負荷が大きい
構成要素が多いためにシステム全体の信頼性
確保が困難



構成要素単体への要求信頼度が高くなる
高コスト化・開発期間の長期化
一点故障により全システムがダウンするリスク
直列構造と分散構造
従来システム
基本的に直列なシステム。
信頼度を確保できない箇所を冗長化
(並列化)。
一点故障に弱い(All or nothing)
分散システム
基本的に並列なシステム。
依存関係は変更可能(動的構造)。
故障で徐々に性能ダウン
(Graceful Degradation)
宇宙における分散システムの例(1)

Formation Flight

TechSat-21(USAF)など
衛星間の相対位置を保持し
てレーダー観測などを行う。


惑星ローバー群(JPLなど)

惑星探査や基地建設

一般にヘテロな機能をもつエージェント群。
Master/Slave型中央集権システムの研究が主流。


検討計画では衛星数が少ない。
ハードウェアリソース的に親子関係の制約がある。
宇宙における分散システムの例(2)

Virtual Spacecraft Bus



大型衛星のサブシステム
が一構成要素である小型
衛星群。
サブシステム間の不要な
干渉やコンフリクトをなくす
物理的なカプセル化。
故障衛星の除去、新規衛
星の追加による再構成が
容易。
センサ衛星①
センサ衛星②
電力供給
電源衛星①
データ処理衛星①
データ処理衛星②
ストレージ衛星①
通信衛星①
通信衛星②
一つの衛星システム
として機能
オペレータ
宇宙における分散システムの例(3)

PETSAT (Panel Extension
Satellite)

何通りかに標準化した機能ブ
ロックの必要枚数のつなぎ合
わせで衛星を構成し、様々な
ミッション要求に対応
 ブロックの大量生産による低
コスト化・信頼性向上
 パネルのプラグイン性による
開発・試験期間短縮
 インターフェースの公開による
「パネル単位の企業参入」が
可能に
 パネルの展開により、小さな
衛星を「大きく使う」
Attitude Control
Panel B
Image Sensor
Panel
CPU Panel B
Attitude Control
Panel C
Battery Panel
Attitude Control
Panel A
打上げ時
(ロケットフェアリング内)
CPU Panel A
Lens Panel
Communication
Panel
展開
研究の目的


宇宙という環境(リソースが制限され、要求され
るシステム信頼度も高い)に適した最適性とロバ
スト性を両立する完全分散型の情報アーキテク
チャの構築
分散システムの設計における課題

Agent群の協調動作のメカニズム



リソースのコンフリクト、デッドロックの回避
システムの最適動作をどのように実現するか?
故障の診断、分離をどのように行うか?

故障の判断を下したエージェントが故障している可能性
パネル展開衛星PETSATのシミュレー
ションモデル


モジュラー構成システムの衛星PETSATに適した情報
アーキテクチャの構築
リモートセンシング衛星の情報処理システムを模擬


センサパネル→データ処理パネル→メモリパネル→通信パネ
ル の処理フロー
パネル間の通信回線はバスマネージャが管理
センサパネル
データ処理パネル
メモリパネル
通信パネル
地
上
局
バスマネージャ
システムへの機能要求

システムとして「最適」な動作




スループット
タイムラグ
稼働率
高い耐故障性



一要素の故障が他へ波及しない。
自律的にFDIR (Fault Detection, Isolation,
Reconfiguration)を行う。
徐々に性能劣化(Graceful Degradation)
Contract Net Protocolに基づくエージェン
トの基本動作
処理実行
エージェント
Deliberate
Request
実行可能か
能力、リソース
をチェック
Request
タスク完了後
次の処理を依頼
Award
bid
Execute
Award
与えられた
タスクを実行
Done/Fail
Bidの中から
一つ選択
Request
bid
Award
Evaluate
Doneならリソース
解放。Failなら
再Request。
Done/Fail
システムの状態に対応した信頼度学習


システムの状態に応じた組
織構造を獲得するために、
システムの状態に対応した
信頼度を学習
システムのビジー度は、バ
スの混雑度、タスクrequest
数、エージェントのリソース
の逼迫度などからなる多次
元空間。
システム
の状態空間
エージェント1
エージェント2
エージェント3
学習のゴール

システムの状況に応じて最適な組織構造を獲得
S1
DH1
S2
S3
DH2
DH3
S1
DH1
S2
S3
DH2
DH3
M1
M2
M1
M2
C1
C2
C1
C2
通常時
ビジー時