川越女子高長い目でみる環境問題

「地球のメガトレンドと日本の環境問題」
長~い目で見る環境問題
川越女子高校
国際連合大学
安井 至
http://www.yasuienv.net
訪問者380万人の環境サイト
この資料は、Webサイトにアップします
1
国連大学の紹介


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
国連機関で、アジアに唯一本部を持つ。
1975年に設立。
学生、教授は居ない。
世界に研究・研修センター/プログラムを16ヶ所
途上国を対象に、最適な能力開発プログラムを実施
国連機関内でのシンクタンク機能
国連機関で、唯一、大学院教育も取り扱う
国連活動のための新しいアイディア


真に重要な問題の発掘、対処法など
個人的責任は、「環境と持続可能な開発プログラム」
のマネジメント
2
環境問題の変質
概要:環境問題は、人類の意図しないところに
急に出現するように見えるが、非常に大きな流れ
の中で見れば、必然的に現れ、そして解決される。
持続可能性も同様な視点で解決が可能なのか?
3
実例として取り上げるべき問題(1)






(1)水俣型公害問題
(2)交通公害型問題
(3)POPs型問題
(4)日の出町型最終処分地問題
(5)豊島型不法投棄問題
(6)ダイオキシン問題・環境ホルモン問題
4
実例として取り上げるべき問題(2)








(7)リサイクル問題
(8)温暖化問題
(9)持続可能先進国型問題
(10)持続可能途上国型問題
(11)RoHS型問題
(12)CSR・EPR問題
(13)BSE型問題
(14)自然保護などの問題
5
ダイオキシンとPOPS
日本における環境問題の
推移。ただし、ごみの最終
処分問題を除く。
大気汚染
環境ホルモン
オゾン層破壊
水質&海洋汚染
土壌&底質汚染
資源・エネルギーの消費
地球温暖化
1970
2000
2050
6
環境省発表
水質基準未達成地点の割合
真実:データの示すところによれ
ば、昭和46年当時に比較して、
格段に改善されていて、水道水
の品質についても同様。
7
持続可能
という言葉の定義には、
数10種類あるらしい。
世界レベルの共通理解
8
Millennium Development Goals



ミレニアムサミット(2000年9月)において、
世界的な合意を得た開発達成目標。
貧困の撲滅、生活の改善。
2015年を達成時点として、1990年比で
各種目標数値が設定されている。
9
8種のゴール in MDG








1.貧困と飢餓の克服
2.初等教育の世界的実現
3.性の平等、女性の活力増大
4.幼児乳児死亡率の改善
5.妊婦の健康
6.HIV/エイズ、マラリアの克服
7.環境面での持続可能性の確保
8.開発のためのパートナーシップ
10
GDP vs. 平均寿命 1995年
11
GDP vs. 平均寿命 2001年
12
ボツワナ(アフリカ)
平均寿命
13
持続可能型社会



1984~87年のブルントラント委員会の最
終報告書で、「持続可能な開発
(Sustainable Development)」という言葉
が使用された。
「われわれが必要なものを考えると同時に、
将来世代が必要なものを考えて行動する
=未来世代に地球を残す!」
1992年の地球サミットでは、標語になり、
アジェンダ21のなどの規範となった。
14
(9)持続可能先進国型問題


ヨハネスブルグサミットWSSDでの指摘
持続可能でない生産・消費形態の変更




先進国が主導し、すべての国が持続可能な生
産・消費形態を促進しなければならない。
そのための10 年事業計画の策定を促進する。
途上国の持続可能な生産・消費を阻み、環境
に有害で貿易をゆがめる補助金の改革を促
進する。
環境コストの内部化や経済的手法を促進する。
15
2005年 京都議定書の発効




日本の状況は極めて悪い
カナダと日本は達成不能だろう
2013年以降の枠組みをどうするのか
排出量取引による売買は、日本経済にな
んら良い結果をもたらさない
16
以下、各種問題について、カーブの傾向を見ながら、
未来への外挿を試みる。
温暖化問題
17
温
度
上
昇
予
測
18
Scenario by IPCC. B1 is the Target?
Emission
二
酸
化
炭
素
放
出
シ
ナ
リ
オ
B1
19
国立環境研によるシナリオ
20
Total CO2 Emission(Global)
Now
JAPAN
1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080
21
日本の京都議定書対応
22
京都議定書削減義務量
23
各セクター別の増加量



2003年排出量速報値
13億3600万トン 前年比+0.4%
1990年比で+8.0%





産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
+1.7%(1990年比
+0.1%(1990年比
+0.1%(1990年比
-0.8%(1990年比
-0.02%)
+36.8%)
+28.9%)
+19.5%)
2004年の排出は、非常に多いだろう。
24
それぞれの増加要因

業務部門


家庭部門




エアコンの増加、パソコンの増加、残業の増加
エアコンの増加、オール電化、大型テレビ、夜
型の生活習慣、お湯使用量の増加、
自家用車の台数増加:+60%(1990比)
減少要因:冷蔵庫、エアコンの効率増大
運輸部門

物流量の増大(通販の増加)
25
首相官邸案
2005.03
森林吸収
3.1%
増
加
量
12.0%
省エネ強化7%
代替フロン他0.3%
京都議定書の目標値 90年比 -6%
京都メカニズム1.6%
26
省エネへの寄与 7%削減の例
2002年基準 2010年
産業部門 2.0%
7%
業務部門 1.9%
一見
公平な分担の
ように見える
家庭部門 1.7%
運輸部門 0.65%
エネルギー転換部門 0.77%
27
二酸化炭素排出 2010年期待値
百万トン
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
エネルギー転換
1990年
2002年
2010年
28
日本はどのように対応すべきか?

個人的案
2012年までの削減不足を借金として背負う
世界最高の省エネルギー・省資源技術を開
発し、2013年以降に借金返済
同時に、世界へCDMで貢献

排出量取引に期待すべきでない。無駄金。



29
国が期待する改善法







(1)トップランナー方式による改善
すでに限界
(2)建物の断熱
(3)給湯装置
新築なら
(4)照明の高効率化
業務用?
(5)HEMS、BEMS
多少可能性あり
Home & Building Energy Management System
システム次第
(6)電気自動車、ハイブリッド車
もっと行ける
(7)交通の円滑化
上との組み合わせ
例えば、ロードプライシング・カーシェアリング
30
国が期待する今後の技術開発

家庭部門だと、以下のような技術




○光触媒利用高機能住宅用部材によるビル、住宅の
省エネ化技術。
○ディスプレイ関連技術
○低消費電力型光ネットワーク用有機部材
業務部門では




○低損失電力素子を用いたエネルギーネットワーク化
技術
○新規媒体の潜熱を利用した空調システム
○積層メモリチップ技術開発プロジェクト
○ディスプレイ関連技術
31
ディスプレイ技術の意味
32
LEDでバックライト
33
大型テレビはリアプロ、その後SED
34
世界全体としての対応
経済発展と二酸化炭素排出量
35
Energy and CO2
36
Bad
Good
Costa Rica
37
Costa Rica
38
Thermohaline Circulation
海洋大循環モデル
39
Temperature Variations in the Past
Little Ice
Age
Younger Dryas
ヤンガードリアス期
10,000 years from Now
40
曲線で考える持続可能性
41
GDP 一人あたり vs. SOx 濃度
環境クズネッツ曲線
after Prof. SIMON KUZNETS
42
発展段階とデカップリング
物質/エネルギー
4
問題領域
二酸化炭素排出
量
的
因
子
3
破壊的生態系
利用:その1
2
廃棄物や
破壊型生態系利用
その2
自然災害による被害
環境汚染による被害
1
発展段階
43
非持続可能問題の解決
仮の目標:最低限二酸化炭素排出削
減、さらにその先の、エネルギー消費
削減を目指す社会の実現
44
京都議定書対応
国民的努力として



冷房温度28度、暖房温度20度の励行
家族が同じ部屋で団欒して、照明・エアコ
ンの節約。
エコドライブの実践
問題意識を共有しないと難しいのではないか。
45
Oil Production and Resources Found
1980
Found
Production
産出量
発見量
46
エネルギー使用量の長期推移
47
非持続可能型問題の解決




2つの大きな疑問
(1)企業は自発的に解決に向かうことがあ
るか。自発的持続型生産はあるのか。
(2)一般市民社会が、自律的に解決に向か
うことが有り得るか。自律的持続型消費はあ
るのか。
以上について、国・自治体はどのような貢
献?
48
非持続可能型問題の解決


(2)一般市民社会が、自律的に解決に向か
うことが有り得るか。自律的持続型消費はあ
るのか。
どうやら、必要条件があるようだ。



(a)自らの命・健康が良く守られている認識。
(b)現在の消費速度が異常である認識。
(c)日本の生活パターンの認識。
49
WHO日常的なリスクによる損失余命比較 単位・年
低体重
鉄欠乏
VA欠乏
亜鉛欠乏
高血圧
コレステロール
体重オーバー
野菜果物不足
運動不足
危険な性交渉
避妊の欠落
たばこ
酒
ドラッグ
不衛生な水
大気汚染
煙の室内汚染
鉛暴露
気候変動
怪我(職業上)
発がん物質
SPM
ストレス
騒音
注射
幼児虐待
世界
20.73
4.22
4.25
4.35
9.07
5.71
3.78
3.83
2.59
12.57
0.69
7.45
5.34
0.79
8.04
1.05
5.74
0.46
0.81
1.16
0.22
0.24
0.00
0.00
1.50
0.28
日本+
0.01
0.05
0.00
0.00
5.94
3.01
1.92
1.87
1.78
0.23
0.00
6.15
1.61
0.49
0.03
0.54
0.00
0.05
0.00
0.23
0.23
0.06
0.00
0.00
0.00
0.16
北米
0.01
0.18
0.00
0.00
7.03
6.44
6.58
3.65
3.03
0.98
0.00
13.81
2.80
1.27
0.02
0.48
0.01
0.12
0.01
0.20
0.28
0.21
0.00
0.00
0.00
0.12
EU
0.00
0.09
0.00
0.00
8.86
6.97
5.71
2.53
2.95
0.46
0.00
11.43
3.01
0.97
0.02
0.28
0.00
0.13
0.00
0.23
0.35
0.17
0.00
0.00
0.00
0.07
50
単位:日
51
乳児死亡率、死産率推移
52
日本人の平均余命推移
53
日本の生活、世界の生活
54
クウェート
8人家族
リビング、寝室4、居間、バスルーム4、食堂、キッチン、
使用人部屋、地下室(事務所)、バー、室内プール
床面積 437㎡
主な所有品
ラジオ
4台
テレビ
2台
電話
5台
車
4台
PC
1台
ビデオ
2台
1週間の労働時間
父
50時間
長女 60時間
次女 45時間
一人当たりの年間所得
17535 USドル
(約175万円)
55
ブータン
13人家族
3階建て
床面積 65㎡
主な所有品
ラジオ 1台
1週間の労働時間
大人 49時間
(7時間×7日)
一人当たりの年間所得
186 USドル
(約2万円)
(C)Material World / ユニフォトプレス
56
アメリカ
4人家族
床面積 144㎡
主な所有品
ラジオ(3) テレビ(2)
電話(5) 自転車(1)
バイク(3) 車(3)
PC(1)
ステレオ(3)
冷蔵庫(1) ミシン(1)
洗濯機(1) レンジ(1)
ドライヤー(1)
フードプロセッサー(1)
コーヒーメーカー(1)
ポット(1) アイロン(1)
電子レンジ(1)
1週間の労働時間
父
40時間
母
20時間
(家事含まず)
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
29240 USドル
(約292万円)
57
日本
4人家族
リビング、食堂、キッチン、バス
床面積 128㎡
主な所有品
ラジオ(3) テレビ(1)
電話(1) 車(1)
自転車(1) PC(1)
ビデオ・ゲーム機(1)
電子ピアノ(1)
冷蔵庫(1)
電子レンジ(1)
トースター(1)
洗濯乾燥機(1)
炊飯器(1)
こたつ(1)
1週間の労働時間
父
40時間
母
60時間
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
32350 USドル
(約324万円)
58
人口問題と持続可能性
59
国連の人口予測
12000000
10000000
8000000
中位予測
上位予測
下位予測
6000000
4000000
2000000
2050
2040
2030
2020
2010
2000
1990
1980
1970
1960
1950
0
60
140000
120000
100000
Korea
Japan
Italy
Ukraine
Uganda
80000
60000
40000
20000
0
1950
1970
1990
2010
2030
2050
61
1600000
1400000
1200000
1000000
USA
India
China
800000
600000
400000
200000
0
1950
1960
1970
1980
1990
2000
2010
2020
2030
2040
2050
62
地球共生型シナリオ
人
間
活
動
の
総
量
・
地
球
へ
の
イ
ン
パ
ク
ト
化
石
燃
料
・
原
化石燃料依存から核融合依存へ
子
力
地球の持続能力
300年必要
100年間で人口の半減は厳しい
1800
2000
2300
63
中世小氷期
人類はエネルギー転換と産業革命を行った。
過
去
の
温
度
変
化
ヤンガードリアス寒冷期
人類は農耕文明による革命を行い生存した。
64
地球のエネルギーバランス
究極の持続可能性
太陽
製品の製造と利用
宇宙
廃熱
様々なレベルの持続可能性
枯渇性
資源、エネルギー
太陽
入力
製品の製造と利用
地球
出力
宇宙
廃熱
環境容量を
超える負荷
シンク
風力・太陽光発電の割合
68
表 風力・太陽光の割合
69
発展段階とデカップリング
幸福度
物質/エネルギー
4
問題領域
二酸化炭素排出
量
的
因
子
3
破壊的生態系
利用:その1
2
廃棄物や
破壊型生態系利用
その2
自然災害による被害
環境汚染による被害
1
発展段階
70
持続型市民の価値観





ヒトには寿命があることを前提とした人生哲学
未来世代を思いやるだけのやさしさ
全世界人々の生活を知る好奇心
地球の限界を知る好学心
より具体的には



人類の公平とは、といった大きな問題への考察力
現状の正しい状況分析を行う能力
「ノスイズム」に陥らないこと
71
すべての環境問題は




地球の限界と人間活動の規模が抵触す
ることによって発生する。
解決するには、人間活動を地球の限界の
範囲内に納める以外に方法は無い。
「持続型社会をデザインする」とは、単に、
それだけのことである。
それができるのだろうか?
72
第三の革命の必須事項






第三の革命に向かうための人類の欲求は、
「社会貢献を行うことによる満足感」
「他人に感謝されることの満足感」
「他人に自慢できることを持つ満足感」
「未知の他人と交流する満足感」
そして、
「次の世代に残す知識・情報を作り出す満足感」
73