温暖化と地球環境問題Distribution

地球温暖化・地球環境問題
気候変動、エネルギー、資源、水循環、食料
国際連合大学
安井 至
United Nations University
http://www.yasuienv.net/
1
温暖化への異論は未だに無い訳ではない

例えば




温暖化は太陽活動の変動が原因
二酸化炭素の濃度増加は結果
1800年代から地球の気温は上昇しつづけて
いるのは事実
特に、都市の気温の上昇はヒートアイランド現
象で大きいが、このデータが温暖化の根拠に
なっている
2
過
去
の
温
度
変
化
3
モデル計算との一致
計算の難しさ
4
Scenario by IPCC. B1 is the Target?
Emission
B1
5
温
度
上
昇
予
測
6
海
面
上
昇
予
測
7
二酸化炭素国別排出量
2000年
8
Total CO2 Emission(Global)
Now
JAPAN
1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080
9
1990以降の排出のトレンド
10
ロシアの調印の背景
11
京都議定書削減義務量
12
13
各セクター別の増加量



2003年排出量速報値
13億3600万トン 前年比+0.4%
1990年比で+8.0%





産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
+1.7%(1990年比
+0.1%(1990年比
+0.1%(1990年比
-0.8%(1990年比
-0.02%)
+36.8%)
+28.9%)
+19.5%)
2004年の排出は、非常に多いだろう。
14
各セクターからのCO2排出量
15
それぞれの増加要因

業務部門


家庭部門




エアコンの増加、パソコンの増加、残業の増加
エアコンの増加、オール電化、大型テレビ、夜
型の生活習慣、お湯使用量の増加、
自家用車の台数増加:+60%(1990比)
減少要因:冷蔵庫、エアコンの効率増大
運輸部門

物流量の増大(通販の増加)
16
環境省案
増
加
量
産業経済省案
森林吸収
3.1%
環境税4%
14.1%
自主的取組4%
増
加
量
省エネ法強化5%
11.0%
その他 2%
京都議定書の目標値 90年比 -6%
代替フロン2%
京都メカニズム1.6%
17
首相官邸案
森林吸収
3.1%
増
加
量
12.0%
省エネ強化7%
代替フロン他0.3%
京都議定書の目標値 90年比 -6%
京都メカニズム1.6%
18
省エネへの寄与
2002年基準 2010年
産業部門 2.0%
業務部門 1.9%
家庭部門 1.7%
運輸部門 0.65%
エネルギー転換部門 0.77%
19
二酸化炭素排出 2010年期待値
百万トン
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
エネルギー転換
1990年
2002年
2010年
20
京都メカニズムとは

排出権取引
ロシアなどから排出権を買う
 金額は全く不明ながら、
¥1000~¥2000/トンか


クリーン開発メカニズム CDM


途上国の二酸化炭素排出を支援し、排出権
を得る方法。ODAなどとの関連
共同実施 JI(Joint Implementation)

ロシアなどの先進国(Annex1諸国)との協調
作業で減少させる。
21
ヨーロッパの対応

英国式: 自主的目標と達成義務




排出権取引価格は、
¥600~1000/t-CO2ぐらい
2002年に目標を383万トン上回る削減
EU全体方式に移行
EU全体式: 対象施設排出上限を合意
キャップ(CAP)制と呼ばれる



違反すれば、¥14000/t-CO2
達成すれば、税制的な優遇
現在の先物の排出権取引価格は、¥1200/t-CO2
程度で推移中
22
EUから各国への割り当て量





各国から国内排出量割当計画の提出を求め、そ
れに対して、欧州委員会が審査を行う。
審査済み:14カ国(オーストリア、デンマーク、ド
イツ、アイルランド、オランダ、スウェーデン、英国、
スロベニア、ルクセンブルグ、ポルトガル、ベル
ギー、スロベキア、エストニア、ラトビア)
提出済み:6カ国(フィンランド、スペイン、イタリア、
フランス、ポーランド、リトアニア)
計画公表:2カ国(チェコ、ハンガリー)
計画未公表:3カ国(ギリシャ、マルタ、キプロス)
23
意見広告 11月12日2004年
24
日本はどのように対応すべきか?

個人的案
2012年までの削減不足を借金として背負う
世界最高の省エネルギー・省資源技術を開
発し、2013年以降に借金返済
同時に、世界へCDMで貢献

排出量取引に期待すべきでない。無駄金。



25
Thermohaline Circulation
海洋大循環モデル
26
Temperature Variations in the Past
Little Ice
Age
Younger Dryas
ヤンガードリアス期
10,000 years from Now
27
WHOデータに基づく日常的なリスクによる損失余命
28
水資源の特徴 Water Resource
循環型、持続型の資源 しかし、一部に化石水と
いう枯渇型
=Renewable with some Fossil Water
 他の資源に比べ重く、体積あたりの価格が安い
=Heavy and Cheap
 必要な場所で必要なときに必要な質の水という
条件が重要
=Geographical Distribution, Quality for Use

29
日本の水資源 in Japan






生活用水:130m3/年・人 Daily Life
工業用水:110m3/年・人 Industry
農業用水:460m3/年・人 Agriculture
間接水の輸入量:600m3/年・人
=Indirect Import of Water, Virtual Water
牛肉、トウモロコシ、大豆、小麦が4大間接水
輸入である。=Beef, Maize, Soy, Wheat
合計すると、水使用量は多目
=More than Average
30
世界の水資源総量 Total Amount


40、000km3が最大限=Max Available
現在の使用量




農業用水に2500km3 Agriculture
工業用水に750km3 Industry
生活用水に350km3 Daily
合計で、約3800km3:すでに10%
Already in Use
31
水ストレス Water Stress
すでに、利用可能量の40%を利用してい
る地域を、「水ストレス」の高い地域。
= Availability Ratio : Region with more
than over 40% of available water in use.
 アメリカ中西部、中近東、インドパキスタン
国境、インダス川流域、中国北部など
=See the Map

32
水ストレス比の高い地域
33
将来、食料を自給すると。。。





日本でも水が不足する可能性
温暖化などによって、降水の分布が変化し
て、穀物生産に影響を与える可能性
米国中西部のように、化石水を用いた灌
漑は、そのうち不可能になる
結論
水資源問題は、食料問題である。
34
食糧供給問題を考える要素

需要側



人口の増加をどこまで見込む
食肉の摂取をどこまで見込む
供給側




耕作面積の増減
単位面積あたり収量の増加
農地の劣化傾向
農業用水資源の限界
35
食糧供給事情 2005年

穀物の生産量は20億トン


一人あたりにすると



1950年は7億トンだった
1950年 7億トン/25億人=0.77kg/日
2005年 20億トン/64億人=0.85kg/日
カロリーにすると


1950年 3068kcal
2005年 3419kcal
36
食糧供給の未来像





やはり人口を減らすことだろう
食生活を変えること、「牛肉から養殖魚へ」
はかなり重要な要素
食糧生産に伴うバイオマスの有効活用
水は、マイクロ灌漑技術など
地下水の過剰使用が最悪だろう
37
国連の人口予測
12000000
10000000
8000000
中位予測
上位予測
下位予測
6000000
4000000
2000000
2050
2040
2030
2020
2010
2000
1990
1980
1970
1960
1950
0
38
Oil Production and Resources Found
1980
Found
Production
産出量
発見量
39
エネルギー使用量の長期推移
40
日本の取りうるシナリオ
41
3種類のシナリオ?

自然エネルギー依存型シナリオ






原子力依存型シナリオ



風力:日本は風が弱い
太陽光:高価だが、日本の選択?
太陽熱:今後、再度の見直し
バイオマス:日本は無理みたい
遠い将来は、宇宙発電か?
しばらくは高速増殖炉
その後、核融合炉(実現可能なら)
超省エネルギー型シナリオ

経済との両立が可能ならこれが正解
42
実例として取り上げるべき問題(1)






(1)水俣型公害問題
(2)交通公害型問題
(3)PCB(カネミ油症)型問題
(4)日の出町型最終処分地問題
(5)豊島型不法投棄問題
(6)ダイオキシン問題・環境ホルモン問題
43
実例として取り上げるべき問題(2)








(7)リサイクル問題
(8)温暖化問題
(9)持続可能先進国型問題
(10)持続可能途上国型問題
(11)RoHS型問題
(12)CSR・EPR問題
(13)BSE型問題
(14)自然保護などの問題
44
ダイオキシンとPOPS
日本における環境問題の
推移。ただし、ごみの最終
処分問題を除く。
大気汚染
環境ホルモン
オゾン層破壊
水質&海洋汚染
土壌&底質汚染
資源・エネルギーの消費
地球温暖化
1970
2000
2050
45
環境省発表
水質基準未達成地点の割合
真実:データの示すところによれ
ば、昭和46年当時に比較して、
格段に改善されていて、水道水
の品質についても同様。
46
Millennium Development Goals



ミレニアムサミット(2000年9月)において、
世界的な合意を得た開発達成目標。
貧困の撲滅、生活の改善。
2015年を達成時点として、1990年比で
各種目標数値が設定されている。
47
8種のゴール in MDG








1.貧困と飢餓の克服
2.初等教育の世界的実現
3.性の平等、女性の活力増大
4.幼児乳児死亡率の改善
5.妊婦の健康
6.HIV/エイズ、マラリアの克服
7.環境面での持続可能性の確保
8.開発のためのパートナーシップ
48
GDP vs. 平均寿命 1995年
49
GDP vs. 平均寿命 2001年
50
ボツワナ(アフリカ)
平均寿命
51
持続可能型社会



1984~87年のブルントラント委員会の最
終報告書で、「持続可能な開発
(Sustainable Development)」という言葉
が使用された。
「われわれが必要なものを考えると同時に、
将来世代が必要なものを考えて行動する
=未来世代に地球を残す!」
1992年の地球サミットでは、標語になり、
アジェンダ21のなどの規範となった。
52
(9)持続可能先進国型問題


ヨハネスブルグサミットWSSDでの指摘
持続可能でない生産・消費形態の変更




先進国が主導し、すべての国が持続可能な生
産・消費形態を促進しなければならない。
そのための10 年事業計画の策定を促進する。
途上国の持続可能な生産・消費を阻み、環境
に有害で貿易をゆがめる補助金の改革を促
進する。
環境コストの内部化や経済的手法を促進する。
53
続き




環境管理システム等を通じた企業の社会的・環境
パフォーマンスの向上促進。公共調達のグリーン
化促進。
環境上健全で社会的に受け入れられやすい自動
車技術の開発。
予防的アプローチに留意しつつ2020 年までに化
学物質の使用・製造による健康や環境への重大な
悪影響を最小限に抑える。
再生可能なエネルギーを各国の自主性を確保しつ
つ、全世界に占める割合を十分に増大させる。
54
GDP 一人あたり vs. SOx 濃度
環境クズネッツ曲線
after Prof. SIMON KUZNETS
55
CO2排出量とGDPの関係
56
57
Costa Rica
58
発展段階とデカップリング
問題領域 1
量
的
因
子
空間
バイオ資源
資源/エネルギー
水資源
安定な社会
生態系
インセンティブ/努力
人力
適正技術
破壊的生態系
利用:その1
1
教育
情報伝達
能力開発
発展段階
59
発展段階とデカップリング
問題領域 2
量
的
因
子
資源
エネルギー
水資源
技術
法制度
ストック整備
2
教育
情報伝達
技術移転
能力開発
自然災害による被害
環境汚染による被害
発展段階
60
発展段階とデカップリング
問題領域 3
科学的知見
法制度
価値の変質
量
的
因
子
3
教育
情報伝達
廃棄物や
破壊的生態利用
エネルギー
開発段階
61
発展段階とデカップリング
問題領域 4
?
4
ライフスタイル
未来予見
知的社会
税制/経済システム
ハイテク
工芸的価値
伝統的価値
発展段階
物質/エネルギー
二酸化炭素排出
教育
情報伝達
62
発展段階とデカップリング
物質/エネルギー
4
問題領域
二酸化炭素排出
量
的
因
子
3
破壊的生態系
利用:その1
2
廃棄物や
破壊型生態系利用
その2
自然災害による被害
環境汚染による被害
1
発展段階
63
非持続可能型問題の解決




2つの大きな疑問
(1)企業は自発的に解決に向かうことがあ
るか。自発的持続型生産はあるのか。
(2)一般市民社会が、自律的に解決に向か
うことが有り得るか。自律的持続型消費はあ
るのか。
以上について、国・自治体はどのような貢
献?
64
持続可能性
トリプルボトムライン
Economic
Aspects
Social
Aspects
Environmental Aspects
65
社会の構造が変わることが必要
Economic
Aspects
Social
Aspects
Economic
Aspects
Social
Aspects
Environmental Aspects
Environmental Aspects
66
「CSR入門」岡本氏著の主張


企業の究極のCSRは、地球の生物多様
性を守ることを企業の目的にできるかどう
かである。
安井私案:その前の目標として、再生可能
エネルギーの利用を企業経営の目標にで
きるかどうかという段階が必要。さらに、販
売量を減らすことを企業が目標とできるか。
67
企業のサステイナビリティ
国際社会
ヒ
ト
軸
生態系
資源
地域社会
関連企業
社員
株主
商品 資源・エネルギー
原料
モノ軸
68
非持続可能型問題の解決


(2)一般市民社会が、自律的に解決に向か
うことが有り得るか。自律的持続型消費はあ
るのか。
どうやら、必要条件があるようだ。



(a)自らの命・健康が良く守られている認識。
(b)現在の消費速度が異常である認識。
(c)日本の生活パターンの認識。
69
現代日本の健康リスク





相対的にみて、世界最良の状況にあること
は確実
WHOの健康報告
乳児の死亡率の推移
化学物質のリスクランキング
食中毒の統計
70
WHO日常的なリスクによる損失余命比較 単位・年
低体重
鉄欠乏
VA欠乏
亜鉛欠乏
高血圧
コレステロール
体重オーバー
野菜果物不足
運動不足
危険な性交渉
避妊の欠落
たばこ
酒
ドラッグ
不衛生な水
大気汚染
煙の室内汚染
鉛暴露
気候変動
怪我(職業上)
発がん物質
SPM
ストレス
騒音
注射
幼児虐待
世界
20.73
4.22
4.25
4.35
9.07
5.71
3.78
3.83
2.59
12.57
0.69
7.45
5.34
0.79
8.04
1.05
5.74
0.46
0.81
1.16
0.22
0.24
0.00
0.00
1.50
0.28
日本+
0.01
0.05
0.00
0.00
5.94
3.01
1.92
1.87
1.78
0.23
0.00
6.15
1.61
0.49
0.03
0.54
0.00
0.05
0.00
0.23
0.23
0.06
0.00
0.00
0.00
0.16
北米
0.01
0.18
0.00
0.00
7.03
6.44
6.58
3.65
3.03
0.98
0.00
13.81
2.80
1.27
0.02
0.48
0.01
0.12
0.01
0.20
0.28
0.21
0.00
0.00
0.00
0.12
EU
0.00
0.09
0.00
0.00
8.86
6.97
5.71
2.53
2.95
0.46
0.00
11.43
3.01
0.97
0.02
0.28
0.00
0.13
0.00
0.23
0.35
0.17
0.00
0.00
0.00
0.07
71
単位:日
72
乳児死亡率、死産率推移
73
日本人の平均余命推移
74
クウェート
8人家族
リビング、寝室4、居間、バスルーム4、食堂、キッチン、
使用人部屋、地下室(事務所)、バー、室内プール
床面積 437㎡
主な所有品
ラジオ
4台
テレビ
2台
電話
5台
車
4台
PC
1台
ビデオ
2台
1週間の労働時間
父
50時間
長女 60時間
次女 45時間
一人当たりの年間所得
17535 USドル
(約175万円)
75
ブータン
13人家族
3階建て
床面積 65㎡
主な所有品
ラジオ 1台
1週間の労働時間
大人 49時間
(7時間×7日)
一人当たりの年間所得
186 USドル
(約2万円)
(C)Material World / ユニフォトプレス
76
タイ
5人家族
寝室2,リビング,キッチン
床面積 65㎡
主な所有品
ラジオ(1) テレビ(1)
スクーター(1)
ゲーム機(1)
ミシン(1) 冷蔵庫(1)
自転車(1) 扇風機(2)
ガスストーブ アイロン
ドライヤー
ホットプレート
カセットプレーヤー
バナナの木(2) 水田
水牛(2) 犬 ニワトリ
1週間の労働時間
父 50-60時間
母 64時間
(うち家内24時間)
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
380 USドル
(約4万円)
77
アイスランド
6人家族
リビング、寝室3、書斎、バスルーム、キッチン
床面積 180㎡
主な所有品
ラジオ(2) テレビ(3)
電話(2) 自転車(4)
車(2)
PC(1)
ビデオ(1) ステレオ(1)
カセット(1) 洗濯機(1)
乾燥機(1) 冷蔵庫(1)
ミキサー(1)ストーブ(1)
トースター(1)
フードプロセッサー(1)
皿洗い機(1)
労働時間
父(パイロット)
1月あたり 22日(冬)
18日(夏)
母(帽子製作)
不定期
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
21482 USドル
(約215万円)
78
アメリカ
4人家族
床面積 144㎡
主な所有品
ラジオ(3) テレビ(2)
電話(5) 自転車(1)
バイク(3) 車(3)
PC(1)
ステレオ(3)
冷蔵庫(1) ミシン(1)
洗濯機(1) レンジ(1)
ドライヤー(1)
フードプロセッサー(1)
コーヒーメーカー(1)
ポット(1) アイロン(1)
電子レンジ(1)
1週間の労働時間
父
40時間
母
20時間
(家事含まず)
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
29240 USドル
(約292万円)
79
日本
4人家族
リビング、食堂、キッチン、バス
床面積 128㎡
主な所有品
ラジオ(3) テレビ(1)
電話(1) 車(1)
自転車(1) PC(1)
ビデオ・ゲーム機(1)
電子ピアノ(1)
冷蔵庫(1)
電子レンジ(1)
トースター(1)
洗濯乾燥機(1)
炊飯器(1)
こたつ(1)
1週間の労働時間
父
40時間
母
60時間
(C)Material World / ユニフォトプレス
一人当たりの年間所得
32350 USドル
(約324万円)
80
日本の環境のトレンド
日本モデル
環
境
負
荷
現在
価値
エネルギー消費、 CO2 排出量
1970
価
値
軸
目標
1991
最終処分量
環境汚染, 一般的な負荷
GDPのような経済的な指標
81
2050年頃に実現する持続可能社会システム
の具体的ビジョン
日本
・総人口
・GDP
1.3→1.0億人
世界
63.4→90億人
33,000→60,000$/人年 5,100→17,000$/人年
・CO2排出量
9.4→3.4 tCO2/人年
3.6→3.4 tCO2/人年
・エネルギー消費量
3.7→1.8 TOE/人年
1.6→1.8 TOE/人年
・エネルギー生産性
8,900$→33,000$/TOE
3,200$→9,400$/TOE
(3.7倍)
(3倍)
82
結局のところは、50年間で
<エネルギー生産性の向上>
エネルギー生産性4倍=技術的効率(2倍)×需要変化(2倍)
<資源生産性の向上>
資源生産性 8倍= 2倍
×
2倍 ×
2倍
機能長寿命化 需要変化
循環利用
83
各種のプレミアム

ブランドプレミアム


超小型プレミアム


信頼できる製品作り・安心できる製品作り
地域プレミアム


寿命が長く、修理が利くために価値が高い
信頼プレミアム・安全プレミアム


使い心地に気を配った手作り製品で価値が高い
長寿命プレミアム


超小型にすることで価値が高い
使いここちプレミアム・手作りプレミアム


同じような製品でもメーカーが違うため価値が高い
地域特性を活かした製品作り
エコプレミアム(3Rプレミアムを含む)

製品の環境負荷が低いために価値が高い
84
エコ(3R)プレミアムとは




資源・エネルギー生産性の高い商品
環境汚染は良好にマネージメント
複数プレミアムの組み合わせが必要か
例えば、



手工業的プレミアム
長寿命プレミアム=寿命の長さで高い価値を
エコプレミアム=環境負荷の低さで価値を
85
New PriusのLCA

TOYOTA製のハイブリッド車
Engine
Power Splitter
Generator
Ni-H Battery
Inverter
Motor
Transmission for Hybrid
86
二酸化炭素放出量の比較
New Prius
Materials
Assemble
Gasoline
Maintenance
Waste
Gasoline
0
5
10
15
20
25
30
35
40
tons
Assumptions: 100,000km Driven in Tokyo
Fuel Consumption: 18km/L for Prius, 8km/L for Others
87
プリウスと燃料電池車の効率
88
非常に困難
電解質の改良
多少困難
被毒
に強い
触媒
低コスト水素
対応セル
セルの
効率化
目標:
300万円/台
高効率化
低コストセル
触媒の
非白金化
燃料の効率化
セルの大量生産
現在:
2億円/台
水素製造法
水素貯蔵法
水素供給法
触媒が白金である限り
大量生産は逆効果
水素燃料電池車普及へのバリアー 89
風力発電
太陽光発電
太陽熱
水分解
不安定な
グリーン電力
高効率水電気分解
適切なコスト
グリーン水素
バイオマス
分解装置
原子力
水分解
現在
改良プロセス
コスト低下・効率向上
合成燃料
送電線建設
電力貯蔵付
直接使用
高効率水電気分解
パイプライン
建設あるいは
タンクローリ
化石燃料
起源水素
水素供給に関わるバリアー
水素スタンド
改良プロセス
コスト低下・効率向上
化石燃料
供給
90
水素は、一次エネルギーでない



水素分子は、地球上にほとんど存在しない。
水素は、エネルギーの貯蔵・輸送・使用の
ため手段にすぎない
再生可能エネルギーの生産が非常に大き
い島国(アイスランドや南極)からのエネル
ギー輸出用でしかない
91
重要なポイント



地球の能力の限界を良く知ること。
人間活動の大きさを良く知ること。
二酸化炭素排出の場合





現在の人間活動による放出は地球の処理能
力の2倍
日本は、世界平均の2倍の排出量。
日本は、1/4に削減しないと。
日本人は、10トン/年の二酸化炭素排出
日本人は、1.3トン/年相当の個人生活
92
1kgCO2排出でできること
電気器具を使う
大型プラズマテレビ
普通のブラウン管テレビ
パソコン
ノートパソコン
冷房・暖房
オイルヒーター
乾燥型生ごみ処理
照明蛍光灯40W
照明白熱電球100W
照明100W相当蛍光灯
携帯電話
5~6時間
15時間ぐらい
25時間ぐらい
50~200時間
2~3時間のフル運転
2時間
1回
60時間
25時間
150時間
10000時間
93
1kgCO2排出でできること
自動車を走らせる
1.8L級
ベンツSクラス
プリウス
軽自動車
都内3km、郊外5km
都内1km、郊外2.5km
都内6km、郊外9km
都内4km、郊外6km
新幹線
電車
国内航空
50km
65km
9km
公共交通
94
1kgCO2排出でできること
消費
雑誌300g
ダンボール550g
水道水
容器:アルミ缶
容器:ペットボトル
容器:ビール瓶
レジ袋
1冊
1箱
10杯風呂桶
6缶
7本(500mL)
12本(大瓶)
60枚
トマト(路地)
トマト(温室)
40個
2個
調理強火
調理トロ火
お風呂を沸かす
お湯を使う
1.3時間
17時間
1~2回
200L
野菜
ガスを使う
95
購買活動による排出
プリウス購入
普通の車購入
冷蔵庫購入
デジカメ購入
FAX購入
ノートパソコン購入
コンクリートの家
木の家
5500
4000
200
5.8
38.9
96
20000
4464
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
1Wm=1kgCO2
96
個人活動による排出量
プリウス
飛行機
紙
お湯(風呂など)
照明
冷房・暖房
太陽電池
6000
60000
200
150
438
2250
-3300
km
km
kg
回
kWh
時間
kWh
830
6660
524
100
178
375
-1343
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
Wm
1Wm=1kgCO2
97
取りあえず向こう10年程度

3Rを基調とする社会システム



エネルギー利用効率の大幅改善





ヒートポンプ技術と地中熱
電気自動車の復活とハイブリッド車
水素燃料電池車は無し?
分散型エネルギーの検討
再生エネルギー源の再確認




環境負荷低減型3Rの実現
消費と経済の関係の再考
太陽熱の再検討
地熱の熱源としての利用
エネルギー貯蔵技術の再開発
資源利用効率向上と資源枯渇対策
98
10年、30年、100年、300年。。。

10年後



30年後





エネルギー効率・資源効率・枯渇回避
3Rを基調とした「消費と経済」の見直し
エネルギー絶対量、物質絶対量の見直し
食糧の確保
地球全体の政策が実施できる状況
地球保全ポリシー検討 核融合型か、地球共生型か
100年後


国家、民族といった概念の再検討
人口調整を見込んだ長期地球政策開始
99
地球共生型シナリオ
人
間
活
動
の
総
量
・
地
球
へ
の
イ
ン
パ
ク
ト
化
石
化石燃料依存から核融合依存へ
燃
料
果たして連続性は保てるのか ・
原
子
力
地球の持続能力
300年必要
100年間で人口の半減は厳しい
1800
2000
2300
100
中世小氷期
人類はエネルギー転換と産業革命を行った。
過
去
の
温
度
変
化
ヤンガードリアス寒冷期
人類は農耕文明による革命を行い生存した。
101
経済行為と右肩下がり(デカップリング)
幸福度
21世紀型
環境経営
量
的
因
子
利益
売り上げ
売り上げ
ライフサイクル資源・エネルギー
20世紀型
環境経営
投入資源・エネルギー
製品重量
環境排出・無駄な費用
発展段階
102
京都議定書を、良いチャンスだと見
ることができるか?



YESと答える経営者:2050年以降に生存
が可能な企業である。しかし、それ以前に潰
れる可能性もある。
NOと本気で答える経営者:2013年以降、
その企業の生存が危ない。
NOと言いつつ対策をしっかり取る経営者:
現時点では、もっともバランスが良さそう。
103