Computer Graphics 第4回 投影・ビューイングパイプライン モデリング 芝浦工業大学情報工学科 青木 義満 今日の講義内容 座標変換(教科書2章,2-2,2-3, 2-4) カメラ,光源の位置,方向,モデル形状の記述,変換な どに共通して必要な座標変換について学ぶ 2007/05/14 3次元座標変換 投影 ビューイングパイプライン Computer Graphics 2 教科書との対応 「コンピュータグラフィックス」 , CG -ARTS 協会 2007/05/14 Chapter 2-2 3次元座標変換 pp.26-31 Chapter 2-3 投影 pp.32-40 Chapter 2-4 ビューイングパイプライン pp.41-43 Computer Graphics 3 任意の軸のまわりの回転 直線が原点を通るよう平行移動 直線が軸(例えばx 軸)と重なるよう回転 x軸まわりにθだけ回転 もとにもどす(回転、平行移動) 2007/05/14 Computer Graphics 4 様々な物体の見え方 (投影変換) 3次元空間中にある一つの立方体 いくつかの要因により,様々な見え方 2007/05/14 Computer Graphics 5 物体の見え方は何で決まる? • 視点の位置 • 視線の方向 • 物体と視点との距離 • 照明位置・方向,種類 視点 • 物体表面の材質 2007/05/14 Computer Graphics 6 投影の原理 投影とは? 2007/05/14 3次元図形をディスプレイモニタの画面や紙等の二次元平 面上に表示するために,3次元図形を2次元図形に変換す る処理のこと. 透視投影と平行投影 Computer Graphics 7 2007/05/14 Computer Graphics 8 透視投影 (Perspective projection) Pw (Xw, Yw, Zw) 相似関係より, Pi ( xi, yi ) xi : f = Xw : Zw yi : f = Yw : Zw x X Z f y C (視点) Y Pw (Xw, Yw, Zw) : 視点を原点とした際の点Pの3次元座標 Pi ( xi, yi ) : Pの投影面(画像面)上での座標値 2007/05/14 Computer Graphics xi f Xw Y yi f w Zw Zw 9 xi f yi f Xw Zw Yw Zw Zw, つまり,視点から物体までの距離(奥行き方向)が大きいほど・・・ → xi , yi の値は小さくなる. x 平面2(奥) 平面2(奥) y 平面1(手前) 平面1(手前) 消失点 f, Xw, Yw 一定のもと, 視点から物体までの距離( Zw )が∞になると... 2007/05/14 Computer Graphics 10 透視投影の特徴 遠くのもの(Z値が大きいもの)が近くのもの(z値が小 さいもの)より小さく描かれる.→ 遠近感 人間のものの見え方と同様 写実的な画像表現 映画やゲームなどの表現に多用 平行な線が歪んで描画 2007/05/14 ものの形を正確に把握するには不向き Computer Graphics 11 平行投影 (Parallel projection) xi f Xw Zw Yw yi f Zw xi f f Z w Z とおくと, Xw X Z ( Z w Z ) w (1 )Xw Zw Zw Zw Z Z w ならば (視点から物体までの距離が, 画像面から物体までの距離に比べて非常に大きい) xi X w yi Yw 2007/05/14 Computer Graphics 12 平行投影の特徴 遠くのものと近くのものが同じ大きさで描画 写実的画像作成,映画,ゲームには使われない. 平行な線が投影面上でも平行,歪みのない投影図 2007/05/14 ものの形を正確に把握するのに有効 CADの設計図やグラフの描画等に向く Computer Graphics 13 投影(3次元→3次元) 実際には,3次元→2次元でなく,3次元→3次元の投 影変換 奥行き方向の計算も含まれる クリッピング 隠面消去,隠線消去 に必要! 3D→3Dの計算方法は,p.35-p.38に 2007/05/14 Computer Graphics 14 ビューボリュームと投影 透視投影における画角の効果 2007/05/14 Computer Graphics 15 ビューボリュームとクリッピング キーワード 2007/05/14 ビューボリューム クリッピング 前方クリッピング面 後方クリッピング面 ウインドウ(投影面) Computer Graphics 16 ビューイングパイプライン(p.41) ビューイングパイプライン 図形が定義され,各種の変換を受けて最終的に表示されるまでの一連の過程 複数の座標系の設定,及び幾何学的変換処理が必要 2007/05/14 Computer Graphics 17 モデリング変換→視野変換 モデリング変換 ワールド座標系: モデリング座標系: モデリング座標系→ワールド座標系 視野変換 カメラ座標系: ワールド座標系→カメラ座標系 2007/05/14 Computer Graphics 18 投影変換→ビューポート変換 投影変換 カメラ座標系→投影座標系 透視投影と平行投影 ビューポート変換 デバイス座標系 ビューポート ビューポート変換 2007/05/14 Computer Graphics 19 全体の変換,及び例 全体の変換 モデリング変換と視野変換の例 モデリング座標系→ワールド座標系 ワールド座標系→カメラ座標系 2007/05/14 Computer Graphics 20 モデリング モデリングとは? 描きたい物体の形,位置,大きさなどをコンピュータ内部 で表現する作業のこと 出来上がったデータ → モデル 目的に応じた,適切なモデリングのために・・・ 2007/05/14 多面体の表現方法 曲線,局面の表現法 自然物,複雑な形状のモデリング方法 Computer Graphics 21 様々な形状モデリングの例 2007/05/14 Computer Graphics 22 形状モデル(多面体の形状表現手法 1) ワイヤーフレームモデル 特徴点座標,稜線だけを記録することによって立体を表現 したモデル 特徴 2007/05/14 Computer Graphics 23 ワイヤーフレームモデルのデータ構造 頂点リストと稜線リスト 2007/05/14 Computer Graphics 24 形状モデル(多面体の形状表現手法 2) サーフェスモデル ワイヤーフレーム+面情報 特徴 2007/05/14 Computer Graphics 25 サーフェスモデルのデータ構造 2007/05/14 Computer Graphics 26 サーフェスモデルの実例 2007/05/14 Computer Graphics 27 形状モデル(多面体の形状表現手法 3) ソリッドモデル サーフェスモデル+物体の内外を区別する情報 特徴 2007/05/14 Computer Graphics 28 シェーディングとレイトレーシング 2007/05/14 Computer Graphics 29 形状の表現法の進化 2007/05/14 Computer Graphics 30 ソリッドモデルの形状表現(p.50-) 建築物や乗り物 → 人工的な物体 比較的、単純な形状の組み合わせ 主に人工物を設計するCADの分野で使用さ れている表現 境界表現 CSG表現 スイープ表現 局所変形 2007/05/14 Computer Graphics 31 CSG表現 立体をプリミティブ(基本立体)と,その組み合 わせ表現 基本立体の種類,大きさ,位置情報,結合状 態をツリー構造であらわす 基本立体: 立方体,円柱,多角柱,錐体,球 集合演算: 和集合,積集合,差集合,補集合 2007/05/14 Computer Graphics 32 CSG Tree CSG Tree 引き算 2007/05/14 Computer Graphics 33 CSG表現 の例 2007/05/14 Computer Graphics 34 スイープ表現 平面図形を一定方向に移動したときの軌跡で立体を表現 局所変形との組み合わせで,様々な形状を表現可能 平行移動スイープ,回転移動スイープ 2007/05/14 Computer Graphics 35 他の表現方法 ボリューム表現 八分木表現 フラクタル図形 メタボール パーティクル 2007/05/14 Computer Graphics 36 ボリューム表現 立体を3次元の格子点上の小立方体 の集合で表す 小立体→ボクセル(2次元→ピクセル) 各ボクセルの中央(あるいは角)に属 性値を持つ(例: 色情報) 長所 データ構造が単純,集合演算が容易 人工的な物体より,自然界の不規則な 形状表現に適する 短所 データ量が膨大,操作に手間がかかる ボクセル+透過率 → ボリュームデータ → ボリュームレンダリング 2007/05/14 Computer Graphics 37 ボリュームレンダリングの実例(1) 2007/05/14 Computer Graphics 38 ボリュームレンダリングの実例(2) 透過 2007/05/14 Computer Graphics 39 八分木表現 ボクセルを階層的に,木構造で生成 物体が存在するボクセルのみ細かく分割 空間量(メモリ)も少なくて済み,高速 3次元画像の八分木表現 2007/05/14 Computer Graphics 40 フラクタル図形 全体形状がその形状の各部分にも現れるような形状. 自己相似形状, 再帰構造 例)コッホ曲線,ジュリア集合,マンデブロ集合など 2007/05/14 Computer Graphics 41 中点変位法 中点に起伏量Zを加える操作を繰り返す 起伏量Zは,正規分布に従う乱数によって決定 線分の長さが短くなるほど,標準偏差を小さくしていく Xm=(X1+X2)/2 、Ym=(Y1+Y2)/2 XX = Xm + Z、YY = Ym + Z 2007/05/14 Computer Graphics 42 中点変位法による画像生成 2007/05/14 Computer Graphics 43 メタボール 立体を球の集まりで表現 距離とともに減衰する影響力(関数)を定義し, その重ね合わせ で形状を表現 2007/05/14 → 雲,人体の表現 Computer Graphics 44 2007/05/14 Computer Graphics 45 メタボールによる形状表現の例 2007/05/14 Computer Graphics 46 パーティクル (p.91) 形状が不定で,明確な表面が存在しない物体 樹木,炎,滝,雲 などの自然物 一定の規則に従って生成した多数の粒子で表現 粒子(パーティクル)の生成,移動,消滅,衝突 の物理的規則が必要 パーティクルで表現した 炎と煙 2007/05/14 Computer Graphics 47 モデリング手法の選択 モデリングする物体の特徴 シーン中での物体の重要度 画像作成の目的 要求される精度とデータ量,計算量との関係 静止画像と動画像 レンダリング速度 2007/05/14 LOD (Level Of Detail) Computer Graphics 48 次回講義予定 モデリング(3章) 2007/05/14 曲線・曲面 ポリゴン曲面の表現 Computer Graphics 49
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