第1回輪講 - 慶應義塾大学 理工学部管理工学科

慶應義塾大学 理工学部
管理工学科4年 曹研究室
60803571
遠 藤 健 司
 氏名:遠
藤 健 司
 年齢:21歳
 サークル:矢上祭実行委員会
 出身地:愛知県名古屋市
 趣味:旅行、ドラム、プラモデル
 特技:料理
 来年度から日新製鋼(株)で勤務予定
 鉄鋼製造におけるSCMについて
鉄鋼製造における供給体制(調達~生産~保
管~出荷)の最適化
 原材料の調達、顧客への製品供給etc…のリス
ク分散

 国内鉄鋼産業の底上げを図るには…

国際化の中で日本鉄鋼メーカーの取るべき戦
略の分析(権益確保のための投資、経営統合
etc…)
The operations Research Society of Japan
オペレーションズリサーチ:経営の科学 51(3)巻
2006年3月 より

鉄鋼業におけるサプライチェーンの現状
把握

鉄鋼メーカーとユーザー間が抱えるサプ
ライチェーンの課題を理解する
1.
鉄鋼業におけるサプライチェーン

2.
サプライチェーンにおける顧客の課題と対
応策

3.
商社の役割、鉄鋼メーカーと顧客のサプライ
チェーンにおける関係
機能によってカテゴライズ&モデル化された
顧客の課題と解決策
ORの活用

企業内の生産計画の最適化問題へのORの活用
顧客グループ
サプライヤーグループ
生産計画
最終顧客
注文情報
商社
鉄鋼メーカー
在庫情報
在庫情報
部品
鋼材
物流基地
部品メーカー
鋼材
在庫情報
鋼材
情報の流れ
加工済鋼材
加工メーカー
モノの流れ
 鉄鋼業におけるサプライチェーンの特徴
1.
商社が顧客からの生産計画を鉄鋼メー
カー向けの情報に変換している。
2.
鉄鋼メーカーによる鋼材製造後、最終顧
客までのリードタイムが長い。
顧客の規模や形態が様々。
3.
1.
顧客からの生産計画を鉄鋼メーカーへの
注文情報に変換し、鉄鋼メーカーへ発注
する。
2.
物流基地の在庫管理、物流基地から顧客
へ向けて鋼材出荷
顧客グループ
サプライヤーグループ
最終顧客
鉄鋼メーカー
在庫情報
在庫情報
部品
鋼材
物流基地
部品メーカー
鋼材
在庫情報
鋼材
情報の流れ
加工済鋼材
加工メーカー
モノの流れ
 Hn+1,i
= Max{Ai-(Zni-Di-Sn+1,i),0}
但し、Max(a,b) =
a (if a≦b)
b (if a<b)
・Hn+1,i:n+1期の鉄鋼メーカーへの鋼材発注量
・Ai:安定在庫量(nに依存しない)
・Zni:n期の物流基地の在庫量
・Dni:物流基地の在庫量
・Sn+1,i:顧客のn+1期の生産計画量

 生産計画
≠ 納入量
 商社は顧客に対する在庫管理の過不足等
のリスクヘッジを担っている。
 最終顧客は最終消費者に近いことから、
景気の変動を受けやすく、生産量変動が
大きくなる可能性がある。
 鉄鋼メーカーから最終顧客までのリード
タイムが長いことによる結果
 トータル在庫量を小さくすることがSCMの
目的
顧客グループ
サプライヤーグループ
生産計画
最終顧客
注文情報
商社
鉄鋼メーカー
在庫情報
在庫情報
部品
鋼材
物流基地
部品メーカー
鋼材
在庫情報
鋼材
情報の流れ
加工済鋼材
加工メーカー
モノの流れ
生
産
量
過剰在庫
→景気下昇期
納期遅れ
→景気上昇期
鉄鋼メーカーの生産量
最終顧客の生産量
年月

最終顧客は、生産計画の精度が高く、納期厳
守なので、SCMのメリットが少ない。

部品メーカーは、中小規模が多いため高価な
生産設備の導入は厳しい。また、最終顧客の
納入指示に対して柔軟な対応をするため生産
計画の精度が低い。

加工メーカーは、最終顧客と部品メーカーの
納入指示の変動によって、生産計画と生産実
績の間に乖離が生じる可能性がある。
 顧客タイプ別の課題
1.
最終顧客

2.
部品メーカー

3.
最終顧客に部品を供給するメーカー数が多く、
全体在庫をコントロールできない。
中小規模の企業が多く、紙主体の企業間情報提
供連携のため転記入力が必要。データチェック
に手間がかかる。
加工メーカー

最終メーカーまでのリードタイムが長いため、
納期調整の工程が大きい。

部品メーカーの在庫状況がタイムリーに把握で
きない。

IT技術により、部品メーカーの在庫量を日々集
計でき、トータル在庫量を把握できるようにし
た。

最適納入量を計算し、物流基地並びに加工メー
カーから鋼材を納入できるようにした。

ハンド入力による異材の発生するリスクや、請
求金額と支払金額の不一致等のトラブル。

インターネットによる以下の仕組みの構築
1.
2.
3.
納入指示や出荷実績を安価に伝送できる。
鉄鋼メーカーや物流基地への納入指示をWEB上の在
庫情報によって管理できる。
伝送された出荷実績をPCに自動登録できる。
 加工メーカーから最終顧客までのリード
タイムが長く、納期調整業務の工程が大
きい。在庫量が多い。
 鉄鋼メーカーの生産進捗と在庫情報並び
に物流基地の在庫情報を一貫して管理す
るSCMデータベースを構築し、生産予定量、
在庫量等の集計を自動化。
納入指示・納入
予定・出荷実績
最終顧客
在庫
出荷
納入指示・納入
予定・出荷実績
IT技術
部品メーカー
(数十社)
検収
生産計画
転記不要
在庫
支払
製造
加工メーカー
在庫・出荷
納入指示予
定
インター
ネット
納入指示・
出荷実績
SCM
データ
ベース
在庫・出荷
鉄鋼メーカー
『業務分析→モデル化→改善・改革の案出』
定式化
解法アルゴリズムの適応
 例えば…企業内の生産計画の最適化問題
 ORを実践の場にも応用可能!
 鉄鋼業にはSCMが幅広く取り上げられてい
るが、在庫管理や納期の面で課題が多い。
 その対策として、インターネット技術や
WEBの本格的な活用が有効である。
 問題は、鉄鋼業における顧客をモデル化
し、共通の課題を整理かつ抽出して、
ニーズに合わせたデータベース(解決
策)を構築することが重要である。
 鉄鋼業全体のSCMではなく、次は鉄鋼メー
カーに焦点を当て、製鉄所におけるSCMに
関しての論文を検証し、製鉄所でのサプ
ラーチェーンの現状把握と課題の理解に
努める。