総合評価落札方式における 技術資料の作成

◎総合評価落札方式とは
公共工事の品質確保を目的として、価格と品質が総合的に優れた
調達を行う。
※ここでいう品質確保とは、入札時における品質の担保のこと。
○ライフサイクル・コストの縮減や、工事目的物の品質確保
コンクリートの品質確保に関する技術提案など
○工事の施工段階における品質確保
安全管理や、環境対策に関する技術提案
○企業の能力を適正に審査
技術提案や、施工実績、工事成績表定点、優良工事表彰履歴
など
1.競争参加資格照明資料の作成留意点
(1)様式の確認と不足の防止
http://www.pref.oita.jp/soshiki/17050/kensetsu-yousiki-4-1-1.html
大分県庁/土木建築部/公共工事入札管理室/建設工事等の入札・契約様式
○会社独自に作成したために、必要な項目が抜けていた。
○資格・免許の取得年月日等が年月のみとなっていた。
○技術資料様式6-2防災協定にかかる「証明書」が抜けていた。
(2)記載内容の再確認
◇誤字・脱字・記入漏れ
○文字の変換間違いがある。
○配置予定技術者の資格等登録番号に誤記がある。
◇添付資料との照合
○防災協定の協定期間に開札日が含まれていなかった。
○CORINSデータの1ページ目のみの添付であった。
2.施工計画に関する技術的所見の作成留意点
(1)課題番号及び課題名の未記入・誤りの防止
(2)文字数等の制限の厳守
(3)簡易なタイトルの設定
(4)複数提案の防止
(5)具体的な内容・説明等を簡潔に記載
(6)補足説明資料の有効活用
技術資料様式2
(用紙A4)
施工計画に関する技術的所見
工事名:
○○第○号○○工事
会社名:
課題番号
課題名
△
「□□対策」
※施工上の課題に対応した具体的な施工計画(対策)について、別表1の2に留意のうえ、記載(提案)すること。評価については、本様式(技術資料様式2)に記載された内容によるものとする。
なお、工事名・会社名・課題番号・課題名を記入の上、提案の記載については次の取扱いに注意すること。
(1)施工上の課題1つに対して、本様式(A4用紙)1枚の範囲内(5項目まで)で提案すること。
※施工上の課題に対応した具体的な施工計画(対策)について、別表1
の2に留意のうえ、記載(提案)すること。評価については、本様式
(技術資料様式2)に記載された内容によるものとする。
(2)提案項目それぞれに簡易なタイトルを記載のうえ、具体的な内容・説明等を簡潔に記載すること。
(3)本様式に加え、補足説明資料をA4用紙にて5枚まで添付することができる。なお、6枚以上添付されていた場合、6枚目以降は補足説明資料として取り扱わない。
(4)1つの提案項目欄にまとめて複数の提案を記載しないこと。(記載していた場合は、最初に記載した提案のみを評価対象とする。)
(5)「具体的な内容・説明等」欄に記入する文字サイズは、10ポイント程度とする。(400字以内)
提
案
項
目
( タ イ ト ル )
(具体的な内容・説明等)
なお、工事名・会社名・課題番号・課題名を記入の上、提案の記載に
ついては次の取扱いに注意すること。
(1)施工上の課題1つに対して、本様式(A4用紙)1枚の範囲内(5
項目まで)で提案すること。
(2)提案項目それぞれに簡易なタイトルを記載のうえ、具体的な内
容・説明等を簡潔に記載すること。
(1)
(
タ
イ
ト
ル
)
( 具 体 的 な 内 容 ・ 説 明 等 )
(3)本様式に加え、補足説明資料をA4用紙にて5枚まで添付すること
ができる。なお、6枚以上添付されていた場合、6枚目以降は補足説
明資料として取り扱わない。
提
案
項
目
(2)
(
タ
イ
ト
ル
)
( 具 体 的 な 内 容 ・ 説 明 等 )
(4)1つの提案項目欄にまとめて複数の提案を記載しないこと。(記
載していた場合は、最初に記載した提案のみを評価対象とする。)
提
案
項
目
(3)
(
タ
イ
ト
ル
)
( 具 体 的 な 内 容 ・ 説 明 等 )
提
案
項
目
(4)
(
タ
イ
ト
ル
)
( 具 体 的 な 内 容 ・ 説 明 等 )
提
案
項
目
(5)
(5)「具体的な内容・説明等」欄に記入する文字サイズは、10ポイ
ント程度とする。(400字以内)
(2)文字数等の制限の厳守
提
案
項
目
(1)
( タ イ ト ル )
(具体的な内容・説明
等
)
<1>着眼点 →
□資料あり
<2>内容説明→
□資料あり
<3>効果説明→
□資料あり
文字数は最大で全角400字となっており、この時点で38字使用してい
るため、具体的な説明は362字に制限されます。
提
案
項
目
(1)
( タ イ ト ル )
(具体的な内容・説明
等
)
問題点:
提
案:
効
果:
履行確認:
15字使用、残り385字まで可能。
(3)簡易なタイトルの設定
課題番号
1
課題名
「コンクリートの品質確保対策」
提 ( タ イ ト ル ) コンクリート被膜養生剤の塗布
案 (具体的な内容・説明
項 等
)
目
(1)
提 ( タ イ ト ル ) コンクリート被膜養生剤を塗布し乾燥収縮ひび割れを抑止
案 (具体的な内容・説明
項 等
)
目
(1)
(4)複数提案の防止
課題番号
1
課題名
「コンクリートの品質確保対策」
( タ イ ト ル ) 保温養生によるコンクリートの品質・耐久性向上
提 (具体的な内容・説明
案 等
)
項
コンクリート打設後の保温養生として、型枠組立て時に全ての鋼製型枠に断熱材
目 「○○○○○○」を取り付けて、材齢3日まで保温養生を行います。脱枠後は脱枠した箇所に保湿養
(1)
生材「△△△△」(NETIS:・・・・・)を取付け、材齢12日まで保湿養生し、コンクリートの品
質・耐久性の向上を図ります。
前半の断熱材のみ評価し、保湿材は評価しない。
(5)具体的な内容・説明等を簡潔に記載
評価しなかった事例1「具体性なし」
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
「コンクリートの品質確保対策」
打設後コンクリートの表面に湿潤養生マット(○○○○)を敷設する
(具体的な内容・説明
提
等
)
案
・打設後のコンクリートが直射日光や潮風による急激な乾燥を抑制する。
項
・打設後の外気温が起因となるコンクリート表面温度の上昇を抑制する。
目
(1) ・安定した湿潤状態が確保出来る為、コンクリートの水和反応が助長され表層部の強度が向
上する。
何故やるのか?
いつ・何を・どこで(に)・どんなふうにやるのか?
その結果どんな効果があるのか?
※詳細が判断しにくい場合等は、説明資料に施工位置や方法のイメージ図・
施工例の写真・カタログ・ 効果を照明する資料等を貼り付け提出する。
評価しなかった事例2「具体性なし」
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
「コンクリートの品質確保対策」
スランプ測定をポンプ圧送前と打設箇所の2回行う
(具体的な内容・説明
等
)
提
ポンプ打設によるコンクリートは、圧送前後でスランプや空気量に変化が見られ、著しい変
案
化によってコンクリートの品質低下が懸念される。
項
スランプ測定を、ポンプ圧送前と圧送管から吐き出されるものについて2回測定し、吐き出
目
(1) し口で規格外の生コンは、打込みを中止する。
頻度は打設日毎に最初の○台及び○○m3毎に1台の割合で測定する。
打込み場所でのスランプを確保することによる品質向上が図られる。
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
(具体的な内容・説明
等
)
「工事用車両通行時における地域住民に対する安全対策」
大型工事用車両通行時の先導車での誘導
提
大型工事用車両通行時には、先導車によって他の工事車両や一般車両が通行していないかを
案
項 確認し、その後大型工事車両を誘導する。
目
これにより、大型工事用車両通行時の離合の発生を防ぎ、スムーズな通行および地域住民の
(1) 安全を確保することができる。
評価しなかった事例3「効果不明」
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
「コンクリートの品質確保対策」
高性能伸縮低減剤塗布によるコンクリートの乾燥収縮ひび割れ抑制
(具体的な内容・説明
等
)
提
ケーソンは鉛直面の表面積が大きいことから、脱枠後は急激に水分が蒸発し、コンクリート
案
項 内外で収縮差が生じ、乾燥収縮ひび割れの発生が懸念されます。ケーソンは壁厚が薄いため乾
目 燥収縮量が大きく進行度は早くなることから、表面を改質し、表層部の収縮量を材齢28日で
(1) 約19%低減させ、乾燥収縮ひび割れの発生を抑制するため、脱枠後の鉛直面(0000m2)に
高性能収縮低減剤「○○○○○○」(NETIS:・・・・・)を000/m2塗布します。
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
「コンクリート舗装の供用初期の粉塵抑制対策」
寒冷時対策としてジェットヒーターで給熱し・・・・・・・・・坑内環
境変化を防ぐ
(具体的な内容・説明
等
)
提
案
気温の低下により硬化中のコンクリートの熱量損失及び凍結を受け硬化不良を受けた場合、レ
項 イタンスとなって粉塵するため、ジェットヒーターにてトンネル内温度を保ちます。(トンネル内温
目
度○°以下で対策実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・圧縮強度○○、曲げ強度○○
(1)
になるまで凍結しないよう保護。)
評価しなかった事例4「一般的」
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
「コンクリートの品質確保対策」
鋼製型枠にコンクリート打設口を設置
(具体的な内容・説明
等
)
提
ケーソンは壁厚が000mmと薄く、配筋も密であることから、コンクリート用ホースの筒
案
先が型枠内に挿入できず、打設高が1.5mを超えるため、材料分離・締固め不足・配筋の移
項
目 動・かぶり不足等が予想される。
(1) このため、リフト高0.0mの鋼製型枠に対して、コンクリート投入高さ1.5mの位置に
コンクリート打設口(0cm*0cm、00箇所/1リフト*0回打設)を設置し、落下時の材料
分離及び横移動を防ぎ、品質の向上を図る。
課題番号
1
課題名
( タ イ ト ル )
(具体的な内容・説明
等
)
「周辺海域への水質汚濁防止対策」
工事箇所周囲にオイルフェンスを設置する
提
既設構造物取壊しの際、構造物に付着した油分が海に流れ込み拡散することが考えられる。
案
項 また、工事中も機械類からの油分の流出も想定されるため、工事中はオイルフェンス(品名○○○、
目 規格○○○、メーカー○○○、施工延長000m)を設置し油分を吸着、周辺への拡散を防止する。
(1)
評価しなかった事例5「その他」
製品の使用目的が違っていたもの。
河川内の工事で湧水対策が課題なのに、表流水の対策を提案。
対策区域を逸脱した提案。
資材搬入路の安全対策で道路付属物の設置を提案。
各種測定機器を使用し効果等を測定、その結果に対しての対応なし。
◎まとめ
「競争参加資格証明資料」や「施工計画に関す
る技術的所見」は、すぐれた品質確保・安全性の
確保・周辺環境の保持等を、入札時に担保するも
のであり、正確・適正に作成する必要があります。
「施工計画に関する技術的所見」は、その内容
のみならず、企業の体質が垣間見えることから、
審査にあったって、厳正に審査します。