スライド 1

交通事故
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1.交通事故の発生状況
2.自動車損害賠償責任保障法
3.中間責任主義
4.運行供用者
5.運行支配と運行利益
6.賠償額の定額化=低額化
7.今後考えるべき問題点
Traffic deaths per 100,000 population
in individual representations 1970 - 2002
交通事故件数と死亡者数の変遷
交通事故件数と死亡者数
死亡者数
件数
1,000,000
18,000
900,000
16,000
800,000
14,000
700,000
12,000
600,000
10,000
500,000
8,000
400,000
6,000
300,000
200,000
4,000
100,000
2,000
20
01
19
99
19
97
19
90
19
80
19
70
19
60
19
50
0
19
40
19
30
0
年
事故件数
死亡者数
過去10年間(平成4年~平成14年)の死者数の推移
http://www.npa.go.jp/toukei/koutuu1/home.htm
自動車損害賠償責任保障法
(昭和30年7月29日)
• 特殊の不法行為における特別法による不法
行為類型
• 中間責任主義
• 運行供用者責任という概念
中間責任主義
• 運行供用者の3つの免責事由
– 1.自己および運転者に運行上の不注意がな
かったこと
– 2.被害者または運転者以外の第三者の故意・
過失があったこと
– 3.自動車の構造上の欠陥または機能に障害が
なかったこと
• 強制的な賠償責任保険制度
– 直接請求権(16条)
運行供用者
• 運行供用者とは
– 自己のために自動車を運行の用に供する者
• 責任を負う者
• 事故運転者
• 運行供用者(事故車の使用権を有する者、事
故車を現実に支配管理する者)
• 使用者および代理監督者
• 親権者(未成年者の場合)
運行支配と運行利益
• 運行支配(危険責任)と運行利益(報償責任)による
二元論的説明
運行支配
運行利益
• 抗弁説による一元的説明
– 運行支配・運行利益を内包する法的地位の原因の立証
にたいする抗弁で免責可能となる。
事例
• 限界的な肯定例
– 無断運転---被用者の勤務時間外の私用運転についての使用者
– 経済的に生活を自己に全面的に依存する未成年者に自動車を買い与えた
父(所有者・名義人とも未成年者本人)
– 使用貸借、賃貸借の貸主---レンタカー業者(否定判例は後に実質的に変更)
– 陸送業者、修理で預かった自動車修理業者(被用者の起こした事故)
• 限界的な否定例
– 担保者---所有権留保売主
– 泥棒運転---盗難車の所有者(管理が行き届いていたと考えられる事例)
• 運転者
– 運行供用者以外の者は原則として損害賠償請求権者たる「他人」に当たる。
– 肯定例 最判昭和47年5月30日民集26巻4号898頁(「妻は他人」判決)
– 否定例 泥棒運転の同乗者、無謀運転をさせた同乗者
賠償額の定額化=低額化
• 人損(人身被害)に限る。物損のみが生じた場合は
民法による。
• 損害の定額化・定型化
– 実務処理での効率化
– 公平性
• 低額化
– 安い命の値段
• 自動車損害賠償保障法施行令 第2条
• イ 死亡による損害につき3,000万円
– 人身賠償におけるモデルとなってしまった。
今後考えるべき問題点
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なぜ交通事故は減らないのか?
現行法制度は不十分なのか?
被害者の救済は充分か?
法による解決はそもそも無理なのか?
法律学としては何をすれば良いのか?