定性調査 定性調査とは 定性調査:言語情報を取得し、分析することを目的とした調査。 定性調査の特徴 1. 対象者が限られている。 2. 調査結果を母集団に拡大したり、定量化したりすることはない。 3. 調査結果はインタビュアや司会者の質問のリードの仕方に依存して る。 4. 質問事項や質問順序、質問ワーディングなどを厳格に規定しない。 定性調査の目的 ① 特定テーマの問題の構造を明らかにし、定式化を試みる。 ② 未知の分野について基礎知識を得る。 ③ 構成的質問では収集しづらいデリケートな問題に対処する。 ④ 生の消費者の言葉を発見する。 ⑤ 購買動機を深く探る。 ⑥ 新製品のアイデアやコンセプトを創出する。 1. フォーカス・グループ・インタ ビュ フォーカス・グループ・インタビュ フォーカス・グループ・インタビュ:数人で構成されるグループ から、マーケティング問題に関する考えや解決点を得るため に行われるインタビュ。 一般的特徴 ① 集団内に発言の交互作用が発生し、これらが参加者一人ひとり に新しい考えを生み出す。 ② 集団内でいろいろな刺激を受けると、参加者は競争して物事をよ く考えるようになる。 ③ 参加者の発言の様子が観察できる。 ④ 短期間に、比較的安い経費で、かなりの情報が得られる。 ⑤ 参加資格がきびしい人の場合は、彼らを同時間、同じ場所に、必 要な人数分集めることは難しい。 ⑥ 集団を構成する参加者一人当たりの発言時間は、あまり多くない。 ⑦ デリケートなテーマの場合、他の参加者を意識して、自分の本心 を話すことを控える。 ディスカッションガイドの作成 割当時間(分) テーマ 質問 狙い 10 導入 ①自己紹介 ②オーラルケア で心がけている こと ■ラポールづくり 30 MWの使用実態 ①MWとブラッシ ングとの関係 ②… ■MWの使い方 を知る ■… 50 製品コンセプトP の単独評価 ①第一印象と記 憶残存内容 ②… ■コンセプトP、Q の受容度とネガ ティブチェック 30 P,Qの比較 ①いずれのコン セプトの製品の 選好 ■P対Qの受容 度比較 司会者 望ましい司会者の能力 1.参加者との間で早くラポールを築く能力 2.弾力的な運営ができる能力 3.新鮮なトピックスを持ち出し参加者を誘導する能力 4.発言し過ぎる人や目立ち過ぎる人をコントロールする能力 フォーカスグループの種類 探索型 1.問題の定義づけ 2.仮説の発見 3.コンセプトの開発 分析型 潜在意識にある人の真の動機や感情を把握する。 体験型 製品の試用をともなうグループインタビュ 2. デプスインタビュ デプスインタビュ デプスインタビュ:インタビュアと対象者が一対一で面談し、所定 のテーマについて深く聴いていくやり方である。 一般的特徴 ① 詳しい情報が十分に収集できる。 ② デリケートなテーマであっても発言してくれる可能性がある。 ③ 対象者個人の都合に合わせていつでもインタビュが実施できる。 ④ 対象者は、誰にも邪魔されずに自分の考えを述べることができる。 ⑤ 個人面接だから、参加者が競って考え方をまとめることはない。 ⑥ 対象者が多いと、インタビュアの疲労は大きい。 ⑦ 実施に時間と経費がかかる。 3. プロジェクティブ・テクニック プロジェクティブ・テクニック(投影法) 投影法:対象者に、非構成的な人や物、状況などを呈示して、 それについて解釈してもらったり、説明してもらったり する手法である。 投影法の背景 1.人は自分自身の感情や意見に気づかないことがある。 2.人は自分のイメージを悪くすることは認めたがらない。 3.人は自分を合理化したり、社会的に受け入れられようと 反応する。 投影法の主な手法 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 語句連想法 文章完成法 漫画完成法 第三者技法 絵画解釈法 物語り法 コラージュ法 1. 語句連想法 語句連想法:ある語句を対象者に提示して、彼の心に最初に連 想する言葉をいってもらう手法である。 語句連想法の目的 1.新製品のブランド名の探索 2.現行ブランド名のイメージプロファイルの確認 3.広告スローガンに対する反応 4.ある任意の語句が伝達する意味の広がりの発見 2. 文章完成法 文章完成法:対象者に対して完全になっていない短い文章 を見せて、最初に頭に浮かぶ言葉を挿入して 文章を完成するよう求める手法である。 例: 「欧米の大学を出た人は、…」 「家族に冷凍食品を頻繁に食べさせる主婦は、…」 3. 漫画完成法 漫画完成法:漫画風のひとコマの略画を対象者に見せて、 会話の内容を書く空白の風船部分に、自分の 想像したことを記入してもらう手法である。 4. 第三者技法 第三者技法:ある特定の状況に対して、ごく普通の一般の人 は、どう考え、どう反応するかを対象者に尋ね る手法である。 5. 絵画解釈法 絵画解釈法:対象者に絵やイラスト、写真などを見せて、そ こから想像される物語りを創作してもらう手法 である。 6. 物語り法 物語り法:ある物語りに対象者を誘い、反応を取り出す手法 である。 例: 「一郎おじいさんは、ウィスキーを買いに酒屋に行きました。と ころが、いつも買っているブランドのウィスキーはありません。 おじいさんは、どうするでしょう。ブランドは違うが同じメーカー のものにするのかな。それとも、…」 7. コラージュ法 コラージュ法:対象者が特定のブランドやその使用者、ある いは特定の製品カテゴリの購入者に対して 持っているイメージを、各種の雑誌の写真など を切り抜きボードに張り付けて、表現する手法 である。 4. エスノグラフィック法 エスノグラフィック法 エスノグラフィック法:専門の調査員がターゲットとする消費者 の生の生活シーンや消費シーンに入り込 んで、それらの実態を詳細に調べる手法 エスノグラフィック法の目的 1.新製品の開発のためのヒントを探る。 2.ブランドに対する理解を把握する。 3.銘柄のポジショーニングを把握する。
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