2006年度「資源と環境」第3回 5月12日 先週のコメント・ペーパーから 経済発展・人口成長と資源・環境制約 世界の人口動態:人口に関する言葉の定 義 世界の人口動態:世界人口の歴史的推移 先週のコメント・ペーパーから(1) パワーポイントについて ダウンロードを希望する:26名 コピーの配布を希望する:9名 スライドの切り替えスピードを遅くする、ま た表示はスライドショー形式で:8名 コピーあるいはダウンロード:7名 無回答:26名 結論:コピーして配布します。 先週のコメント・ペーパーから(2) 経済学的視点・考え方 経済学的な考え方や社会・資源・環境の扱 い方が新鮮 経済にからめた視点に現実味 経済的な部分については難しいという印象 専門用語が多く、経済のことが良くわかっ ていないので難しかった →私たちの生活はつねに様々なモノの「価 格」に左右されている 先週のコメント・ペーパーから(3) 環境問題の原因は人間の行動 インセンティブ構造と環境問題の関係がいまいちつかめ ない感じがしました。 豊かになるにつれ人口が増加し、公害も生まれる―さけ ては通れないことなのかもしれませんが、何か抜け道は ないのかと思いました。 経済が成長すればそれに伴って環境破壊がすすんでし まうと思いますが、経済を成長させつつ環境を維持する 方法は何かあるのでしょうか? 今後環境問題を解決するには行動を見直すほかにない のでしょうか? 環境問題と経済学的視点(2) 修正版 当該社会の有するインセンティブ構造 ①ノース流の制度(社会におけるゲームの ルール)→1)フォーマルなルール、2)イン フォーマルなルール、3)執行 ②所得水準 ③相対価格構造 先週のコメント・ペーパーから(4) 「法の不在」と「執行の欠如」その1 2年次に「環境社会学」で「法の不在」や 「執行の欠如」は学習した。 →「法の不在」、「執行の欠如」といった概念 を最初に用いたのは藤崎の次の論文 「地球環境問題と発展途上国」(森田・天野 編『地球環境問題とグローバル・コミュニ ティー』岩波講座環境経済・政策学、岩波 書店、2002年 先週のコメント・ペーパーから(5) 「法の不在」と「執行の欠如」その2 先進国での「法の不在(ルールの欠如)」と は具体的にどういうことかよくわからなかっ た。公害対策に関する法律のことなので しょうか?/未然に防ぐことはできなかった のだろうか? 先進国の方が法はあるのではないです か?途上国は法はあるけど執行できない ということなのですか? 先週のコメント・ペーパーから(6) 「法の不在」と「執行の欠如」その3 今日も先進国で環境の悪化などは起きて いるわけであり、それは「ルールの欠如」と は別の問題ではないかと感じた。 法の不在によって起こった公害被害として、 近年、日本で起きた例はあるのですか? 現在の私たちが執行の面でチェック機能を 果たしているかには疑問が残った。 先週のコメント・ペーパーから(7) 「法の不在」と「執行の欠如」その4 日本でも農業や水産業に携わる人たちは伝統と いう不文の行為コード、つまり暗黙のルールで資 源を守ろうとしてきた。このようなことは今の途上 国にはあてはまらないのか? マレーシアで法を厳しく執行するというが、・・・国 民にそれだけの罰を与えられる経済的余裕があ るということか? 発展途上国にとって、環境問題は二の次、三の 次なのではないでしょうか? 先週のコメント・ペーパーから(8) 「法の不在」と「執行の欠如」その5 先進国で大企業の経営に携わっている人 の多くが、ルールを破っても執行がなけれ ばそれで良いと考えている人が多いように 感じます。 →果たしてそう言い切れるか?受講生の一 人は「企業ではCSRやISOの取得などの流 れが出てきている」と言ってる。別の人は 「消費者の意識が大切」と主張している。 先週のコメント・ペーパーから(9) 近代経済成長その1 所得の持続的な上昇と人口の増加というのは、 現在も進行しているのでしょうか? 発展途上国でも人口は増加している?/人類は どこまで増えるのか? 人口成長というが、日本ですでに減少に転じてい るように、近いうちにストップするのでは?経済 成長はそれでも止まらないと思うので、同時に起 こった出来事をまとめて近代経済成長と呼ぶの は早計ではないだろうか。 先週のコメント・ペーパーから(10) 近代経済成長その2 少子化により人口が減ってきている今、従来のよ うな高い経済成長は見込めない? 近代経済成長は一部の地域だけで見られるも の?/特異な例とのことだが一般的にはどうなる もの?/従来と何が違う?/人口の都市化とは 何? すでに近代経済成長を終えた日本では、これか ら経済成長というのはどのような形で起きるのだ ろうか? 先週のコメント・ペーパーから(11) 近代経済成長その3 人口と一人当たり生産の関係がよくわからない なぜ一人当たりの生産が増えると人口も増加す るのですか。また、一人当たりの生産が増えたか ら人口が増加するのか、それとも人口が増えた から一人当たりの生産が増えたのかも疑問です。 一人当たりの所得が持続的に増加するからくり は?魔法のシステムに感じられるが? 先週のコメント・ペーパーから(12) その他のコメント・質問 中国やインドが近年高度成長を遂げてい る理由は?/両国の環境問題の程度は?/ 経済、環境両面での世界へのインパクト は? GMはなぜ大型車を出し続けた? エタノールや天然ガスが石油代替エネル ギーとして普及するための条件は何? 排出権取引市場は授業で取り上げる? 経済発展・人口成長と資源環境制約 (1)近代経済成長 19世紀初頭(西暦1800年頃)の世界人口は1 0億だったといわれている。産業革命が始まった のは18世紀後半の英国であるが、産業化の波 が押し寄せた地域、欧米、日本では一人当たり 所得の持続的な上昇が観察された。しかも、これ ら地域では同時に顕著な人口の増加も見られた。 このような事態は世界の歴史において特異であ り、これを近代経済成長と呼ぶ人もいる。 経済発展・人口成長と資源環境制約 (2)近代経済成長の特質 (1)人口と一人当たり生産が共に急成長するこ と (2)産業構造が急速に変化し、人口の都市化が 生じること (3)以上の変化が一時的ではなく、長期間にわ たって持続すること(自己維持的な成長) 今日では近代成長の波はアジアを巻き込む大き なうねりとなっている。 経済発展・人口成長と資源・環境制約 (3)近代経済成長の環境へのインパクト 環境負荷の要因分解 I=P×K/P×R/K×E/R×I/E ここで 環境へのインパクト=I 人口=P 資本ストック=K 原料必要量=R エネルギー必要量=E とする。 経済発展・人口成長と資源・環境制約 (4)経済成長における資本の役割-1 一般に、一人当たりの平均所得の増加は 広い意味での資本が一人当たりで増加す ることによってもたらされる。 生産関数 Y=F(K,L) ・・・・(1) ここで、Y=産出 K=資本ストック L=労働 経済発展・人口成長と資源・環境制約 (5)経済成長における資本の役割-2 (1)はある仮定の下で次のように書き換え得る。 y=f(k) ・・・・・・(2) ここで、y=Y/L k=K/L 短期を想定し、技術進歩を無視すれば、一人当 たりの平均所得の増加は広い意味での資本が 一人当たりで増加することによってもたらされる。 世界の人口動態(1) 人口に関する言葉の定義(その1) 死亡率と出生率 死亡率=その人口において1年間に発生し た死亡数/年央の人口 出生率=その人口において1年間に発生し た出生数/年央の人口 世界の人口動態(2) 人口に関する言葉の定義(その2) 人口増加数=(出生数-死亡数)+(流入 数-流出数) 人口増加率=(出生率-死亡率)+(流入 率-流出率) 世界の人口動態(3) 世界人口の歴史的推移(その1) 世界の人口は1999年10月に60億人に(国 連人口部推計)→1960年に30億人、つま りほぼ40年で倍増(年平均人口増加率1. 75%) 1900年の世界人口は16億5000万人だっ たから、100年で3.6倍→20世紀は「人口 爆発」の生じた史上稀有の時代だった 世界の人口動態(4) 世界人口の歴史的推移(その2) 人口の増加は1750年頃まで非常に少なかった 1750年 7億9100万人 1800年 9億7800万人 1850年 12億6200万人 1900年 16億5000万人 1950年 25億2100万人 2000年 60億5500万人 19世紀には1.68倍、20世紀には3.6倍 世界の人口動態(5) 世界人口の歴史的推移(その3) 30万年前 100万人 1万年前 500万人 6000年前(農業の開始) 8700万人 1650年 約5億人 産業革命(1750年~)以降人口の増加率 は、それまでの0.1%から0.3~0.4%に 20世紀の前半0.8%、後半1.8%
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