大同工業大学 電子社会設計論 第1回 Electronic social design

電子社会設計論 第6回
Electronic social design theory
中 貴俊
内容
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インターネット社会
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インターネットの誕生
WWWの登場
WWWブラウザ
インターネットのマルチメディア化
インターネットのマルチメディア環境
新しいインターネット社会を構成するサービス等
課題
インターネットの誕生
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大まかな経緯は前回までの講義のとおり
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本日の講義用に簡単にまとめると
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小規模なネットワーク同士がつながるようになった
→ 大規模なネットワーク (インターネット)
PCによる文字ベースの通信が可能に
サーバを利用したサービス
WWWの登場
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1992年 CERN(欧州素粒子物理学研究所)WWWを発表
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1993年 M.アンドリーセン(イリノイ大)“Mosaic”を開発,フ
リーソフトウェアとして公開
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90年代半ばまでWebブラウザの代名詞として
大学が管理?
1994年 “Navigator”
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各端末のOSの違いを超えてインターネット上にマルチメディアデータ
を提示
Mosaicの民生版(無料)
この頃から「ネットサーフィン」≒「インターネットを利用する」
WWWブラウザ
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Internet Explorer
Netscape Communicator
Mozilla (Firefox)
Opera
Lynx
影鷹
Amaya
Lite
JBrowser
サファリ
インターネットのマルチメディア化
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WWWブラウザの登場
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容易に情報を可視化できる
可視化が目的であることから視覚的にも改善
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画像の表示
グラフィックの強化
通信技術の向上
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大量のデータを高速で受信可能
結果,さまざまなデータをブラウザにより
表現可能にする方向で開発が進む
WWWのマルチメディア環境
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2000年前半頃まで様々なソフトウェアが開発・淘汰
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静止画像は問題なし
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GIF(Compuserve)→PNG
JPG
動画像が完全に利用できるようになって来たのはおよそ
2002年頃から
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通信速度の向上-ADSL8M
ストリーミング技術の展開
端末性能はもっと以前に整備されていた.
WWWのマルチメディア環境
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音楽再生環境
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音楽データ(MIDI)
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もともとインターネットを考慮した
ものではなかったがデータ量が
少ないなど親和性高い
いち早く再生用プラグインが開発
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実際の音声をサンプリングしなく
て良い
再生音源が規格で再現
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GS,GM
携帯電話が良い例
WWWのマルチメディア環境
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他の技術との融合
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2001年~
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マルチメディアソフトウェアにさらに高度な機能が追加
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Macromedia Flash
 データベースにアクセス
既存ソフトウェアのプラグインとしてWeb公開用ソフトウェアが
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3DCGソフトで作成した作品のWeb公開用ソフトウェア
 アニメーション再生ツール
 インターネット対応のファイル形式
WWWのマルチメディア環境
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インターネット対応?
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ネットワークの速度を考慮して設計されている
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ストリーミング技術
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データを受信しながら同時に再生
3次元CG形式
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モデルの概要のみを送信し受信側で再現
インターネットの利用用途
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情報の公開
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一部の技術を持ったもの
高額な金額で専門家に依頼する
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企業
開発者
一般のユーザは高額な契約をし,さらに知識の習得が必要
情報の閲覧
情報の検索
インターネットによる情報発信
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様々なデータがインターネットにより公開可能
様々な資源(PC,Webサーバのスペース等)
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個人でも容易に利用可能
全世界とのネットワーク
情報発信の需要
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掲示板やチャットシステム
さらに容易な情報発信の登場
CMS:Content Management System
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ブログ
ウィキ
SNS(Social Network Service)
ブログ
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ブログが抱える問題点
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悪意のあるものでも容易に開設可能
タブーに関する発言
検索エンジンへの影響
伝言ゲーム式に広がる転載
ブログと犯罪
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佐世保小6女児同級生殺害事件
タリウム事件
SNS
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SNSの普及
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YouTube
Flickr
MySpace
運営のリスク
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「祭り」の発生
内容面での2ちゃんねる化
情報拡散の利用による情報操作
インターネット社会の変化
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個人で作り上げるコンテンツから複数の手によって
つくりあげられるコンテンツに
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すべてがWEB上で管理可能
特別な知識は必要としない
複数で作り上げるコンテンツに誰もが参加可能
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従来における時間,距離の概念を取っ払った関係の構築
実際には関与しない相手とのコミュニケーション
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実際につながる可能性は否定しない(現状でも事例も複数ある)
時間の概念がない(異なる)新しいコミュニケーション
課題
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以下の問いについてレポート提出.
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Wiki(WikipediaはWikiの機能を利用したコンテンツ),
ブログ,mixi(SNS)などは,現在の日本で代表されるイン
ターネット社会を構成する要素のひとつである.
これらのサービスについてどれかひとつ(CMSに限定し
て)を取り上げ,各自インターネットを利用して詳細をレ
ポートにまとめよ
経緯(歴史),利用状況等わかる範囲でかまわない
考察として自分の意見も含めて現状の利用の問題点や
今後のあり方等を論ぜよ
提出は [email protected]
提出期限は12月2日 厳守
インターネットの登場
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背景1
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スプートニク・ショック(Sputnik crisis)
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1940年 代末から,米ソ二大国の冷戦体制
1959年 ソ連の人工衛星スプートニクの打ち上げ
アメリカ国防総省 : ARPA(高等研究計画局)結成
1969年 コンピュータの分散管理ネットワーク構築
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対ソ連の戦略研究の一プロジェクト
(直接の源泉はUSENET)1979年民間のUnixベースの
ネットワーク
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wwwの10年以上前
フォーラム
インターネットの登場
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背景2
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ヒッピー思想
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ヴィントン・サーフ,スティーブ・クロッカー(当時20歳,院生)
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1970年にUCLAなど西海岸を中心とする4大学にARPAネットが接
続したときに中心で活躍
Power to the people
(アラン・ケイも同じ精神からダイナブックを・・)
現在のインターネットも民主的な知の共有とそのためのボランティ
ア精神に特徴
ネットワークの展開と電子メール
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ARPAネット
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「パソコン」「マルチメディア」以前
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大型コンピュータ間のテキストデータの通信に限定
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負荷共有
メッセージサービス
情報の共有
プログラム共有
遠隔ログイン
1980年初頭にTCP/IP
電子メールが大流行 > サイバースペース
「ヴァーチャル・リアリティ」
米国における公的資金による展開
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NFSネット
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1986年,大学間ネットワーク
以前はCSネット(1979年~,1983年にARPAと接続)
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ゴア(上議員時代)←ヒッピー世代
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全米科学財団によりARPAの支援を受けられなかった大学間相互ネット
ワーク
専用ケーブルを有する本格的なネットワーク
学術/教育目的のコンピュータ・ネットワークの敷設に貢献
92年からのクリントン政権での「情報スーパーハイウェイ計画」
日本では唐突に受け止められた
通信速度
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56kbps
1988年には1.5Mbps
1991年には45Mbps
日本のコンピュータネットワークへの対応
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1980年代はまったく公的資金の導入なし
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権威的な学者や官僚からの反発のせいともいわれる
村井純
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1984年 東大・東工大・慶応の3大学を接続したのが始まり
1986年 JUNET(日本版USENET)
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パソコン通信
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ニューメディア時代の影響を受けて
国内的かつメンバー内に限定
そのうちインターネットに接続も
インターネットのマルチメディア化
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1989年頃 NSFネットの商用利用解禁(米国)
1993年 商用プロバイダーの設立
同時期 村井らによる国内ネットワークとインター
ネットの接続
マルチメディア > CD-ROM,シアター型MM
インターネット > 文字,数字ベースの通信
課題
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以下の問いについてレポート提出.
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インターネットとマルチメディアが融合するきっかけとなっ
たWWW,特にWebブラウザについて最低5種類挙げてく
ださい.
そのうち1つのブラウザについて調べ,製造会社やバー
ジョンの推移,機能の変遷を調べまとめてください.
[email protected]