都市のメンテナンス 2004.6.14 メンテナンス • 工学の三本柱 • ①設計、②製造、③メンテナンス • 1.診断、検査 • 2.保全、修理 • 3.更新、取替え 新発明とメンテナンス • 新発明(知的財産法、産業創生、TLO) • これに対して、作られたものを使い続ける という問題関心は低い メンテナンス問題 • 複雑性(診断の難しさ、保全、予測の難し さ、改良も副作用がありうる) • 長期間存続する人工物は、個性化してしま う(橋守、特定の飛行機専属のメンテナン ス要員) • 長期間のために、知識の伝承をどうするか • 将来を見据えたメンテナンス、改良 都市 • 大阪市の下水道管の48%が1965年以前に 埋没、管の寿命は50年 • 東京都:道路、橋、上下水道、都営地下鉄、 都営住宅の老朽化に伴う維持更新費は、 2030年度までに44兆円 • 2022年から2026年の間では、都の投資経 費の70%以上を当てる必要がある 橋梁とトンネル • 橋梁の40%、トンネルの25%が、高度経済 成長期に建設 • 国が管理する橋梁は19,000橋、この更新 はピーク時に800橋、年間5600億円必要、 これは現予算の2.6倍 • 戦時中に保守改良されない全鋼橋の15% が耐久性に問題があった コンクリート • 小樽の百年のコンクリート、横浜の築港コ ンクリート(100年を経ても健全) • 施工欠陥(新幹線トンネル剥落) • 過酷環境 • 劣化メカニズム:塩害、中性化、乾燥収縮、 溶出、化学的劣化・・ 原子力発電 • 1970年から72年にかけて運転を開始 • 国内で4基が30年を越えて運転、今後5 年間で13基になる • 原発の機器数は30,000以上、大部分が補 修、取替え可能 情報システム • ハードウェアの運用とメンテナンスは、本 体の価格と同じ位の費用がかかる • 企業の年間のIT予算の6~7割程度が、既 存システムの保守・運用費になっている 医療 • 感染症(コレラ、チフス・・) • 細菌、ウィルスなどの敵を倒せばいい • 慢性病、生活習慣病が重要になってきた • 直接的に敵がいない、でも養生することが 必要 産業事故 • 2003年9月: – 新日鉄名古屋のコークス炉でガスホルダー爆発 – ブリジストン栃木でゴム練り工程から出火 – 出光北海道製油所の原油タンクから出火 • 問題点 – 経営トップの取り組みがうまくない – 安全確保体制がうまくつくられていない(保安業務が アウトソーシング) – 危険性の洗い出しをしていない – 安全確保の技術伝承がうまくいっていない – 危険に対する感受性低下、ブラックボックス化
© Copyright 2024 ExpyDoc