第 1 章 : 直流回路 1.5 重ねの理 1.6 直流電力 キーワード : 重ねの理,直流電力,固有電力 学習目標 : 重ねの理を理解する.直流電力を理解し, その最大電力を表す固有電力の性質を 学習する. 1 1.5 重ねの理 重ねの理 二つ以上の電源を含む回路網において,ある枝路に流れる 電流は,それぞれの電源が単独にあるときの電流を求めて、 それらの代数和(重ね合わせる)に等しい. * 線形な電気回路に適用できる. 電圧や電流の一次式で表現される 2 図 1.16(a) 重ねの理 電圧源 図 1.16(b) 重ねの理 を取り去り,B-B’ 間を短絡させる 3 図 1.16(a) 重ねの理 電圧源 図 1.16(c) 重ねの理 を取り去り,A-A’ 間を短絡させる 4 それぞれの電流を重ね合わせる 図 1.16(a) 重ねの理 原因 に対する結果が および であり, 原因 に対する結果が および である とき,原因 に対する結果はそれぞれの 電流の代数和で与えられる. 図 1.16(b) 重ねの理 図 1.16(c) 重ねの理 5 [ 例 ] 線形 線形 線形でない 6 [例題 1.7] 重ねの理 図1.15 において,各枝路の電流を重ねの理を 用いて求めよ. [解] 図1.17 (a) に示すように,電源 電源 を取り去り短絡 から見た回路の合成抵抗 図 1.15 回路方程式の立て方 枝路電流 (a) のみの場合 図 1.17 重ねの理の用い方 7 枝路電流 より に を代入 (a) のみの場合 図 1.17 重ねの理の用い方 より 8 図1.17 (b) に示すように,電源 電源 を取り去り短絡 から見た回路の合成抵抗 枝路電流 (b) のみの場合 図 1.17 重ねの理の用い方 9 枝路電流 より に を代入 (b) のみの場合 図 1.17 重ねの理の用い方 より 10 電流の矢印の向きの注意して代数和(重ねの理) を用いる. 図 1.15 回路方程式の立て方 (a) のみの場合 (b) のみの場合 図 1.17 重ねの理の用い方 11 第 3 回レポート 出題日:5月10日(火) 提出日:5月24日(火) 14:40 まで 提出場所:河合教員室(電気・環境都市工学科棟 3F )または教室 [1] 教科書 1 章演習問題 [1.10] [ 予習 ] [例題1.8]をまとめよ 12 1.6 直流電力 開放電圧 ,内部抵抗 の直流電圧源 に負荷抵抗 を接続した回路 内部抵抗は固定,負荷抵抗は可変 直流電力 :電流と電圧の積 負荷抵抗 で消費される直流電力は どんな条件のとき最大となるか 図 1.18 最大電力の供給 回路に流れる電流 負荷に加わる電圧 負荷抵抗 で消費される直流電力 13 電力が最大となる条件 を最大にするためには,分母を最小にすればよい 14 最大電力 ただし 開放電圧 かつ内部抵抗 の電源から外部の負荷抵抗 に取り出せる最大の電力である. * 最大電力は,電源の固有電力あるいは有能電力と呼ぶ. * 最大電力の条件を満たす負荷抵抗 を整合負荷と呼ぶ. 15 すなわち のとき電力 は最大であり 負荷抵抗 が より小さいときも大きいときも急速に 減少している. 図 1.19 負荷抵抗対電力 16 [例題 1.8] 内部抵抗で消費される電力 (1) 内部抵抗 で消費される電力 を求めよ. [解] 内部抵抗 に流れる電流は負荷抵抗 に流れる電流 に等しいから 図 1.18 最大電力の供給 17 [例題 1.8] 内部抵抗で消費される電力 (2) のとき,電力 かつ説明せよ. を求め [解] 図 1.18 最大電力の供給 の条件を代入 ただし 電源の内部抵抗 で消費される電力 は負荷抵抗 消費される固有電力に等しい 50-50の法則 で 18 [例題 1.8] 内部抵抗で消費される電力 (3) 規格化した電力 を の関数としてグラフを図示せよ. [解] より 図 1.18 最大電力の供給 とおくと の増加に伴って急速に減少する関数 図 1.19 負荷抵抗対電力 19 第 1 章 : 直流回路 1.5 重ねの理 1.6 直流電力 キーワード : 重ねの理,直流電力,固有電力 学習目標 : 重ねの理を理解する.直流電力を理解し, その最大電力を表す固有電力の性質を 学習する. 20 次週 1 章演習問題 1.9 1 章演習問題 1.16 1 章演習問題 1.17 1 章演習問題 1.18 1 章演習問題 1.19 1 章演習問題 1.20 21
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