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日本語を考える
Introduction to Japanese
Linguistics
日本語史 (2)
古代日本語と現代日本語の音声・音韻
的な違い
1.
2.
3.
4.
5.
6.
母音体系
エ段音 (ケ, セ, 等) の子音
チ・ツ・ヂ・ヅ・ジ・ズ の子音
ハ行・パ行 の子音
ワ行音
ヤ行音
7.
8.
9.
10.
11.
拗音
撥音
促音
長音
母音連続 (頭韻法則)
1. 母音体系



上代特殊仮名遣 (じょうだいとくしゅかなづかい)
万葉仮名: 漢字の表音文字としての使用
一つの音節に対して複数の漢字
例: 夜麻 (やま), 也万 (やま)

奈良時代における万葉仮名の使い分け
甲類 vs. 乙類
こ (子), こひ (恋): 古, 故, 高, 胡, 姑, …
こ (此), こゑ (声): 許, 去, 居, 虚, 巨, …
こ甲 vs. こ乙


カ・ガ・ハ・バ・マ行のイ段・エ段
カ・ガ・サ・ザ・タ・ダ・ナ・マ・ヤ・ラ行のオ段

8 母音仮説:
[a], [i], [ï], [u], [e], [ë], [o], [ö]
甲類: [i], [e], [o]
乙類: [ï], [ë], [ö] (中舌化した母音)

問題点


不自然な母音体系 (他に例がない)
なぜ音節単位の制限 (子音による制限) があるのかはっきりし
ない (特にイ段とオ段)

6 母音仮説:
[a], [i], [u], [e], [o], [ö] ([ə])


乙類オ段音は、[開口度: 中, 舌位置: 中] の母音
イ段音・エ段音の甲・乙の区別は、子音の口蓋化に関するもの
キ甲 [kji] vs. キ乙 [ki]
ケ甲 [kje] vs. ケ乙 [ke]
{[kji], [ki]} → kji
{[kje], [ke]} → kje → ke
(cf. キ vs. クィ)
(cf. キェ vs. ケ)
イ・エ段における甲・乙の区別は、カ・ガ・ハ・バ・
マ 行だけ



ア行
ヤ・ワ行 (接近音)
サ・ザ・タ・ダ・ナ・ラ行 (歯茎音)
上代 (仮説):

口蓋化していない歯茎音は、 [i] および [e] に先行することができない。



カ行: [ka], [ki], [kji], [ku], [ke], [kje], [ko], [kö]
サ行: [sa], [si], [ʃi], [su], [se], [ʃe], [so], [sö]
ナ行: [na], [ni], [nji], [nu], [ne], [nje], [no], [nö]
中古以降 (仮説):

[i] および [e] に先行する子音は、接近音、歯茎口蓋音または口蓋化子音に限る。
(口蓋音は無かった)



カ行: [ka], [kji], [ku], [kje], [ko]
サ行: [sa], [ʃi], [su], [ʃe], [so]
ナ行: [na], [nji], [nu], [nje], [no]
現代 (事実) :

[i] に先行する子音は、接近音、歯茎口蓋音、口蓋音、または口蓋化子音に限る。



カ行: [ka], [kji], [ku], [ke], [ko]
サ行: [sa], [ʃi], [su], [se], [so]
ナ行: [na], [nji], [nu], [ne], [no]
2. エ段音の変化
(奈良時代)
 [sa] [ʃi] [su] [ʃe] [so] [sö]
(平安中期以降)
 [sa] [ʃi] [su] [ʃe] [so]; [ʃa] [ʃu] [ʃo]
…
(現代)
 [sa] [ʃi] [su] [se] [so]; [ʃa] [ʃu] [ʃe] [ʃo]
サ・ザ行のエ段子音の変化
 東日本では 16 世紀以前
 西日本では 19 世紀中頃
その他のエ段子音の変化 ([kje] > [ke] など)
 16 世紀以前?
3. チ・ツ・ヂ・ヅ・ジ・ズ の変化
タ チ ツ テ ト; チャ チュ チョ
(奈良時代)
 [ta] [tji] [tu] [tje] [to] [tö]
(平安中期ごろ)
 [ta] [tji] [tu] [tje] [to]; [tja] [tju] [tjo]
(16世紀初頭) (破擦音化)
 [ta] [ʧi] [ʦu] [t(j)e] [to]; [ʧa] [ʧu] [ʧo]
ダ ヂ ヅ デ ド; ヂャ ヂュ ヂョ
(奈良時代)
 [da] [dji] [du] [dje] [do]
(平安中期ごろ)
 [da] [dji] [du] [dje] [do]; [dja] [dju] [djo]
(16世紀初頭) (破擦音化)
 [da] [ʤi] [ʣu] [d(j)e] [do]; [ʤa] [ʤu] [ʤo]
(17世紀後半)
 [ʤi] [ʣu]; [ʤa] [ʤu] [ʤo] の子音が摩擦音 ([ʒ] [z]) と
交替可能になる
ザ ジ ズ ゼ ゾ; ジャ ジュ ジョ (東日本)
(奈良時代)
 [za] [ʒi] [zu] [ʒe] [zo]
(平安中期頃)
 [za] [ʒi] [zu] [ʒe] [zo]; [ʒa] [ʒu] [ʒo]
(16世紀以前) (エ段音の歯茎音化)
 [za] [ʒi] [zu] [ze] [zo]; [ʒa] [ʒu] [ʒo]
(17世紀後半) (破擦音への交替が可能に)
 [ʣa] [ʤi] [ʣu] [ʣe] [ʣo]; [ʤa] [ʤu] [ʤo]
ザ ジ ズ ゼ ゾ; ジャ ジュ ジョ (西日本)
(奈良時代)
 [za] [ʒi] [zu] [ʒe] [zo]
(平安中期頃)
 [za] [ʒi] [zu] [ʒe] [zo]; [ʒa] [ʒu] [ʒo]
(17世紀後半) (破擦音への交替が可能に)
 [ʣa] [ʤi] [ʣu] [ʤe] [ʣo]; [ʤa] [ʤu] [ʤo]
(19世紀中頃) (エ段音の歯茎音化)
 [ʣa] [ʤi] [ʣu] [ʣe] [ʣo]; [ʤa] [ʤu] [ʤo]


16 世紀前半、ヂ・ヅが破擦音化 ([ʤi] [ʣu]) し、
ジ・ズ ([ʒi] [zu]) との弁別が難しくなる。
17 世紀後半には、ジとヂ、ズとヅの区別が失わ
れる。(「四つ仮名」 の問題)
ジ/ヂ: [ʤi] (~ [ʒi])
 ズ/ヅ: [ʣi] (~ [zu])
(ジャ/ヂャ なども同様)


つくづく、こぢんまり、ひづめ (蹄)
(「ず」、「づ」 ともに許容)
 うなずく (頷く)、ミミズク、力ずく
 底力、稲妻、お小遣い、絆、道連れ、杯
4. ハ行・パ行の変化

[p] > [ɸ] > [h] (唇音退化)
(奈良時代)
 [ɸa] [ɸji] [ɸu] [ɸje] [ɸo]
…
(現代)
 [ha] [çi] [ɸu] [he] [ho]
(乙音、拗音は省略)

[p] は非常にありふれた子音



[p]: 無声両唇破裂音, [b]: 有声両唇破裂音
[t]: 無声歯茎破裂音, [d]: 有声歯茎破裂音
[k]: 無声軟口蓋破裂音, [g]: 有声軟口蓋破裂音

母 (はは)

ひかり vs. ピカリ
(何かがピカリと光った)

はた vs. パタパタ
(旗がパタパタとはためいている)
(10-11c)
 語頭のハ行子音はそのまま ([ɸ])


春 はる, 昼 ひる, 降る ふる, 経る へる, 掘る ほる
語中のハ行子音は [w] に変化または脱落 (ハ行転呼)

川 かは [kawa], 貝 かひ [kawi], 買う かふ [kau], 帰り かへり
[kaweri], 顔 かほ [kawo]
(17c)
 語頭のハ行子音が [h], [ç] に変化 ([u] の前ではそのま
ま)

[ha] [çi] [ɸu] [he] [ho]

[p] はオノマトペ等に生き残る; [ɸ] と自由変異の
関係にあったという説もある

パタパタ, ピカピカ, ピラピラ, …
(江戸中期)
 パン, ペンキ; ピン (一), …
「母には二たび会ひたれども、父には一たびも会
はず」 (中世の謎々)

[papa] > [ɸaɸa] > [ɸawa] > [hawa] > [haha]
5. ワ・ヰ・_・ヱ・ヲ / 6. ヤ・ _ ・ユ・江・ヨ
(奈良時代)
 [wa] [wi] _ [we] [wo]
 [ja] _ [ju] [je] [jo]
(現代)
 [wa] _ _ _ _
 [ja] _ [ju] _ [jo]



ゐのしし (猪)、いのち (命)
ゑ (絵)、 江 (枝)、 え (榎)
をとこ (男)、おと (音)
い [i] / ゐ [wi]
え [e] / 江 [je] / ゑ [we]
(9c ごろ)
 [e] と [je] が [je] に統合
(13c)
 [i] と [wi] が [i] に統合
 [je] と [we] が [je] に統合
(最初は語中・語末で、続いて語頭で)
(18c 中盤)
 [je] > [e]
お [o] / を [wo]
(11c 初頭)
 [wo] と [o] が [wo] に統合
(18c 中盤)
 [wo] > [o]
7. 拗音 (ようおん)

拗音 (開拗音; ヤ行拗音; 口蓋化子音)

漢字の発音を写しとるために用いられるようになる


例: 京 (きゃう)、弓 (きゅう)、興 (きょう)
平安中期以後、和語にも用いられるようになる (主に
省略形)


「行かなければ」>「行かなきゃ」
(「いらしてある?」>)「いらっしゃる」

合拗音 (ワ行拗音; 円唇化子音)






関東 (くゎんとう) [kwanto:], 願 (ぐゎん) [gwaɴ]
火事 (くゎじ) vs. 家事 (かじ)
合拗音はカ行・ガ行以外には存在しない
イ段・エ段・オ段のワ行拗音は 13 世紀頃まで用いられ
ることがあったが、 定着しなかった。
ア段ワ行拗音は、江戸では 18 世紀まで残った。
「歴史的仮名遣い」 には、「くゎ」、「ぐゎ」 のみ残る。
(「くゐ」 などはない)
8. 撥音

撥音の発生も、拗音と同様に、漢字・漢語の導入と関係を持つと言わ
れる。

漢字音
 山 サン [san] > [saɴ]
 三 サン [sam] > [saɴ]

和語における音便
 読みたる > 読むだる (m 撥音便)
 去りぬ > 去んぬ (n 撥音便)

和語の撥音便は 11 世紀、あるいはそれ以前から
m 撥音 / n 撥音 の区別は、中世以後失われる


[ŋ] の音を写す際、平安以前には母音を添加す
ることが多かった



唐 タウ: [tau] (> [to:])
明 メイ: [mei] (> [me:])
中世以降、[ɴ] を足すようになった


散 サン: [saɴ]
明 ミン: [miɴ]
9. 促音

促音の発生も、漢字・漢語の導入と関係を持つと言われ
る。

漢語




(cf. 達人 タツジン)
(cf. 雑学 ザツガク)
(cf. 学士 ガクシ)
和語における音便


達成 タッセイ
雑記 ザッキ
学科 ガッカ
立ちて > 立つて (促音便)
和語における促音便は 11 世紀、あるいはそれ以前か
ら
10. 長音
長音
奈良時代以前から、単音節語の母音は長く発音
されていた。
 蚊 “加安”
連母音の長音化 (歴史的仮名遣イ/現代仮名遣い)
ウ段
(室町中期)
 uu (u’u) > u:
 食フ/食う ([kuɸu] >) [kuu] > [ku:]
比較: 里親 [satooya] ([sato’oya] ) vs. 砂糖屋 [sato:ya]

iu > ju / Ciu > Cju:
 言フ/言う ([iɸu] >) [iu] > [ju:]
 流 (リウ/りゅう) [riu] > [rju]
/iu/ > /ju:/
/riu/ > /rju:/
オ段
(室町中期)

au > ɔ:
 孝行 (カウカウ/こうこう)
 書カフ/書こう

ou > o:
 奉公 (ホウコウ/ほうこう)
 思フ/思う

eu > jo: / Ceu > Cjo:
 要 (エウ/よう)
 今日 (ケフ/けう)
[kaukau] > [kɔ:kɔ:]
([kakaɸu] >) [kakau] > [kakɔ:]
[houkou] > [ho:ko:]
([omoɸu] >) [omou] > [omo:]
[eu] > [jo:]
[keu] > [kjo:]
[ɔ:] は開音、 [o:] は合音と呼ばれる。
開合の別は室町時代末期には失われる。
(/eu/ > /jo/)
(/keu/ > /kjo:/)
エ段
(江戸時代)
 ei > e:


高い
[takai] > [take:]
ae > e:


[gei] > [ge:]
ai > e:


芸
帰る
[kaeru] > [ke:ru]
ae > e:

お前
[omae] > [ome:]
ア段・イ段
(江戸時代)
 Cui > Cji:

暑い
[aʦui] > [aʧi:]
「本来の」 長音
 お母さん [oka:saɴ]
 お兄さん [onji:saɴ]
 お姉さん [one:saɴ]
 お父さん [oto:saɴ]

ガアガア、キーキー、…
11. 母音連続 (頭韻法則)

古代日本語では、母音の連続は避けられた




母音脱落
母音脱落
母音融合
漢字音を写し取るために母音連続が必要になる



トコ + イワ = トキワ (常盤)
カハ + ウチ = カハチ (河内)
ナガ + イキ = ナゲキ (嘆き)
唐: [tau] (> [to:])
高: [kau] (> [ko:])
([ŋ] 音)
(二重母音)
和語にも母音連続が認められるようになる


書キテ > 書イテ
白キ > 白イ
仮名遣 (かなづかい) と発音

「(規範) 仮名遣」は、日本語表記のための仮名使用の規範 (正書法)
を指す。

現在広く通用する「現代仮名遣」は:
 戦後に規範として採用される (1946年に内閣告示)
 原則的に表音的 (一字が一音に対応)
戦前には「歴史的仮名遣」が用いられる
 平安中期の発音に基づく
 語源等を考慮して表記が決定される

比較:
- to, too, two; night, knight
- light, lite; through, thru

歴史的假名遣は簡単か: 簡単です。普通に日本
語のできる人であれば二週間もあれば歴史的仮
名遣ですらすら書くことは可能なのです。これは
いろいろな人がいってゐることですし、実際自分
も二週間どころかもっと早く使へるやうになりまし
た。
(http://nippongo.hp.infoseek.co.jp/seikana/ma
tome.html より引用; 旧字は新字にあらためた)
仮名遣いの歴史
 仮名が生まれた時代にはほとんど混乱はなかった (当
時の発音を写す目的で、仮名が考案されたため)
 平安後期以後、さまざまな発音の変化があったために、
文字と発音の一対一対応が失なわれた

顔: [kaɸo] > [kawo] > [kao]


居る: [wiru] > [iru] (比較: 射る [iru])


かほ, かを, かお
ゐる, いる
机: つくえ、つくゑ、つくへ (誤った類推; 元来は「つくえ」)

定家仮名遣: 最古の規範仮名遣

藤原定家 『下官集』 (鎌倉時代初期)



行阿 『仮名文字遣』 (14c)




いくつかの語について、「い・ひ・ゐ」「お・を」「え・へ・ゑ」の使い分
けを定める
仮名で文学作品を書写する際の覚書き (マニュアル) の一部
『下官集』 の用例を増補; 「ほ・わ・は・う・ふ・む」 の項目を追加
内容が「定家仮名遣」として流布
仮名遣の不統一の原因が、発音の変化によるものだという意
識は無かった
「お・を」の書き分けは、アクセントに基づいていた (お - 低、を 高)

契沖仮名遣: 歴史的仮名遣の前身

契沖 『和字正濫抄』 (1693)



以降、後続の古学者によって増補・修正





『万葉集』 など、上代から平安時代初期の文献を研究する過程で、
当時の仮名遣の法則性に気づく
用例・語源の推定などに基づき、定家仮名遣を大幅に改める
楫取魚彦: 『古言梯』 (1764)
清水浜臣: 『古言梯再考増補標註』 (1820)
山田常典: 『増補古言梯標註』 (1847)
和歌や和文 (擬古文) のための規範
古学者のためのものであり、日常の言語生活における使用を
想定したものではない; 「古代人との交信の道具」 (白石良夫)

歴史的仮名遣 (旧仮名遣)


明治期に、国家的な正書法として採用し、公教育に導入
国語仮名遣と字音仮名遣から成る


国語仮名遣: 和語に関するもので、契沖仮名遣を引き継ぐ
字音仮名遣: 漢語に関するもので、本居宣長の 『字音仮字用格』
『漢字三音考』 (18c 後半) 等に基づく; 「漢字原音を平安時代の発
音・仮名表記に基づいて日本語に写したもの」(理論的類推による
構築)




家 カ; 花 クワ
印 イン; 院 ヰン
勝 シヨウ; 商 シヤウ; 小 セウ; 渉 セフ
「語源主義」 では決め難いものもあった

「どぢゃう」、 「あぢさゐ」 など
歴史的仮名遣の長所と短所

長所

同時代の発音が変化しても、仮名遣を改める必要がない


表記によって、語の意味を区別できる場合がある




「顔」の発音が今後どう変化しても、「カホ」のままでよい
アワ (泡) vs. アハ (粟)
ヰル (居る) vs. イル (射る)
語源意識が身につく
短所


習得が難しい。辞書類が無いと正しい表記が分からない場合
が多い。(特に字音仮名遣)
語源研究の進展により、規範が変わる可能性がある
現代仮名遣における非表音性

助詞




「は」「へ」 (一字に二音、一音に二字)
「を」 (一音に二字)
「言う」
四つ仮名

「じ」 「ず」 が基本だが、「同音の連呼」「二語の連合」によって
生じた 「ぢ」 「づ」 は 「ぢ」 「づ」 のまま


縮む (ちぢむ)、続く (つづく)、底力 (そこぢから) 、手綱 (たづな)、
鼻血 (はなぢ) 、手作り (てづくり)、など
二語の連合という意識の薄いものは、「じ」 「ず」 で良い

世界中 (せかいじゅう)、みみずく、稲妻 (いなずま)、絆 (きずな)、
躓く (つまずく)、融通 (ゆうずう)、など
現代仮名遣における非表音性

オ段長音
 「う」 を添えるのが基本


ただし、歴史的仮名遣いで 「ほ」 「を」 だったものは、「お」 を添える


大きい (おおきい)、氷 (こおり)、通る (とおる)
エ段長音
 「え」 を添えるのが基本


お姉さん (おねえさん)
次のような語は、長音で発音されるか否かに関わらず、「い」を添える


王様 (おうさま)、お父さん (おとうさん)、今日 (きょう)
かれい、かせいで、例 (れい)、映画 (えいが)、時計 (とけい)、丁寧 (てい
ねい)
(ア段・イ段・ウ段長音は、それぞれ「あ」・「い」・「う」を添えるのみ)

1.
2.
3.
歴史的仮名遣と現代仮名遣の比較
ヰ > イ; ヱ > エ; ヲ > オ
(助詞の 「を」 の場合を除く)
ヂ、ヅ は一部の例外を除いて使わない
語中では ハ, ヒ, フ, ヘ, ホ > ワ, イ, ウ, エ, オ
(例: オホカミ > オオカミ, カフ > カウ)
(例外: 「こんにちは」 など)
4.
5.
6.
クワ, グワ > カ, ガ
(例: 関東 クワントウ > カントウ, 願 グワン > ガ
ン)
ャ・ュ・ョ: 興味 キヨウミ > キョウミ
ッ: 接する セツスル > セッスル, 学校 ガクカウ
> ガッコウ
7.
8.
9.
(a+u) > o:
広告 [ko:koku] クワウコク > コウコク
扇 [o:gji] アフギ > オウギ
(i+u) > ju:
友人 [ju:ʤiɴ] イウジン > ユウジン
学級 [gakkj:u:] ガクキフ > ガッキュウ
(e+u) > jo:
幼児 [joʤi] エウジ > ヨウジ
今日 [kjo:] ケフ > キョウ