マーケティング戦略の立案: ポジショニング戦略

マーケティング戦略の立案:
ポジショニング戦略
ポジショニングとは
「ターゲット顧客の心の中に独自の、かつ価値
づけされた場所を占有するように企業のオ
ファーをデザインする活動」
ポジショニングの例
企業と製品
標的顧客
ベネフィット
価格
価値提案
鶏肉の品質 やわらかさ
にこだわる顧
客
10%割高
他社よりもや
わらかい最高
の鶏肉
ボルボ(ス
安全にこだわ 耐久性と安
全性
テーション・ワ る「高所得
ゴン)
の」家族
20%割高
家族が乗れ
る最も安全で
耐久性のあ
るワゴン車
便利さにこだ 配達のスピー 15%割高
わるピザ好き ドと品質の良
な人
さ
30分以内の
配達時間、美
味しい妬きた
てピザ
パーデュー
(鶏肉)
ドミノ
ポジショニングと知覚マップ
ポジショニング戦略
• 自社の競争優位性の明確化
• ポジショニングコンセプトの明確化
• ポジショニングコンセプトの選定と開発
• ポジショニングコンセプトの伝達
ポジショニングの基準
• 属性に基づくポジショニング
• ベネフィットに基づくポジショニング
• 用途に基づくポジショニング
• ユーザーに基づくポジショニング
• 競合他社に基づくポジショニング
• 品質あるいは価格
差別化
差別化の方法
製品の差別化
– 機能特性
– 成果
– 耐久性
– 信頼性
– スタイル
– デザイン
差別化の方法
サービスの差別化
– デリバリ
– 設置
– 顧客訓練
– コンサルティング・サービス
– 修理
差別化の方法
職員の差別化
– コンピタンス
– 礼儀正しさ
– 安心感
– 信頼性
– 迅速な対応
– コミュニケーション
差別化の方法
イメージの差別化
– シンボル
– メディア
– 雰囲気
– イベント
ポジショニングコンセプトの選定と開発
• 重要性 十分な数の買い手に高く評価されるベネフィットを与
える。
• 独自性 独特な方法で与えられる。
• 優越性 同じベネフィットを生み出す上で、他の方法よりも優
れている。
• 先駆性 競合他社には容易に模倣できない。
• 許容性 買い手がその差異に対して無理せずに支払える。
• 収益性 企業はその差異の導入が収益性を増すと考える。
いくつの差異をプロモーションすべきか
• シングル・ベネフィット・ポジショニング
• ダブル・ベネフィット・ポジショニング
 ボルボの「最高の安全性」と「最高の耐久性」
• トリプル・ベネフィット・ポジショニング
 アクアフレッシュの「虫歯予防」、「口臭を消す」、
と「歯を白くする」
ポジショニングの伝達
ポジショニング戦略はマーケティングミックスの全体
で行なわれる
• 製品
製品の包装、デザイン、操作性。
• プロモーション
広告で起用するタレント、表現。
• 価格
ある有名な冷凍食品ブランドは、あまりにも頻繁に安売りさ
れたため高級イメージを損なわれた。
• 流通
高く評価されたテレビは、量販店で取り扱われるようになっ
て品質のイメージを損なわれた。
ポジショニングを行なう際の誤り
• アンダーポジショニング
買い手が当該ブランドについて漠然としたイメージしか持っていない。
例 PEPSIの透明な「クリスタルペプシ」
• オーバーポジショニング
買い手は当該ブランドについて狭いイメージしか持っていない。
例 ティファニーのダイヤモンド指輪
• 混乱したポジショニング
買い手は当該ブランドについて混乱したイメージをもってしまう。
例 NeXTのデスクトップ型コンピュータ
• 疑わしいポジショニング
買い手は製品特徴や価格やメーカーに関する当該ブランドの主張を信
じていない。
例 GMのCimarron
因子分析による知覚マップの作成
• 目的:海外ブランド品特性に基づいた知覚
マップの作成。
• データ概要:海外ブランド品の使用経験者45
0人を対象とする調査データ。
因子分析
因子負荷量
因子得点
X 1  a11 f1  a12 f 2  1
X 2  a21 f1  a22 f 2   2
X 3  a31 f1  a32 f 2   3
X 4  a41 f1  a42 f 2   4
Cov( fi , f j )  0 for i  j
Cov( k ,  h )  0 for k  h,
E ( k )  0,
Var ( k )  1, i  1,
Cov( fi ,  k )  0
,4
因子負荷量と因子得点の推定
X   X1 ,
, X 4  と置けば、因子負荷量は X の分散共分散行列から推定できる。
  12  12  13

 22  23

Var ( X )  
2

3



因子負荷量の推定値
 14   a112  a122  1 a11a21  a12 a22 a11a31  a12 a32 a11a41  a12a42 
 
 24  

 34  
 42  
aˆij

2
2
a21
 a22
 1 a21a31  a22 a32 a21a41  a22 a42 

2
2
a31
 a32
 1 a31a41  a32 a42 
2
2
a41
 a42
 1 
を最初の式に代入する。
X i  aˆi1 f1  aˆi 2 f2   i
i  1,
,4
ˆ ˆ
最小二乗法を用いて回帰分析を行えば因子得点の推定値 f1, f2 を求めることができる。
海外ブランド品に対するイメージのデータ
ブランド名
人気度
認知度 所有率 高級感
誇らし
さ
品質
センス 親しみ
広告
シャネル
159
377
209
318
136
150
123
36
86
エルメス
145
327
136
245
104
154
127
27
41
ティファニー
145
327
136
182
86
136
136
77
59
ルイ・ヴィトン
136
359
186
177
77
186
82
109
18
グッチ
123
350
154
163
73
141
114
68
32
ラルフローレン
114
295
200
54
27
114
91
154
36
カルティエ
109
291
109
232
95
150
95
14
23
フェラガモ
109
286
68
159
64
109
77
32
18
プラダ
104
245
45
104
50
77
82
59
18
100
263
123
32
23
64
118
132
54
86
327
241
18
5
54
59
227
95
K・クライン
ベネトン
因子負荷量
因 子 行列
因子
1
人気度
. 812
認知度
.466
所有率
-.170
高級感
. 990
誇らしさ
. 994
品質
. 774
セン スの良さ
. 556
親しみ
-. 86 6
広告
-.133
因子抽出法: 最尤法
2
.360
. 801
. 955
.102
.095
.242
.062
.488
. 691
知覚マップ
2.0
1.5 ベネトン
シャネル
ルイ・ヴィトン
1.0
.5
普
及
率
ラルフローレン
ティファニー
グッチ
エルメス
0.0
-.5
K・クライン
カルティエ
-1.0
フェラガモ
プラダ
-1.5
-2.0
-2.0
-1.5
-1.0
-.5
0.0
ブランド力
.5
1.0
1.5
2.0