82-3 電気泳動検査が発見の端緒となった自 己免疫性勝炎 の診断基準 0 菅野光俊 1L 石 嶺南生 " 、字住葺陽子 1 人 川崎健治 " 、上原 剛 2L 高 野英明 3人 本田孝行 " 1)信州大学医学部附属病院臨床検査部、 2) 信州大学医学部病態解析診断学、 3) 信州大学医学部附属病院医療情報部 I はじめに I 血清蛋自分画検 査は、血清蛋白の質的異 ようになった 。 その桂 2 00 2 年に世界で初めて A1P の診断 常を示す M 蛋自の検出や、各分画の 量的変化を捉える 基準が日本勝臓学会から尭表され、疾患概;主として確 立 ことにより病態変化を知る事が出来るため臨床上有用 した 図 4 年後に A1P 診断基 準 2 006 が措表され、血清学的 な検査である。我々はこの検査がきっかけとなり新し 所見として高 Ig白 血症が追加された。 診断基準 2011 で い疾患概志が提唱された事例を経験したので報告する 。 も変わらず診断項 目 とされている 。 勝癌との鑑別におけ I 血清蛋白異常分画報告書 l 当 検 査部では、血清蛋自 る IgG4 の感度、特異度、正確度は、 86% 、 96% 、 91 % と 分画検査 において、特異な βγ ブリッジングを示す複 非常に良好で、疾患活動性の指標としても有用である。 数の患者が存在し、その原因が IgG4 高値である事を血 )IgG4 関連疾患 I A1P には硬化性唾液腺炎、硬化性胆管 清蛋白異常分画報告書として臨床に返却していた 。 臨 舟、前立腺舟など多彩な枠外病変を認める九これらは当 床医が自己免疫性騨史 (Autoimmune pancr四 titis : AIP ) 初他疾患との合併と理解されていたが、 A1P と同様の病変 患者でこの異常報告書 が高頗度に返却されている事に がそれぞれの臓器に有子主していると考えられるようにな 気づき、 A1P 患者血清中の I gG4 測 定 を行い、 2曲 1 年に り、 I gG4 関連全身性疾患と認識されるようになった。 AIP では血清 IgG4 の上昇を高率に認めるとの報告が信 大病院からされた九 I 自己免疫性際費 I A1P は 19回 年土畦らにより「びま ん性醇管狭細型枠長 J として報告された 。 その桂本病 態は高 γ グロプリン血症、各種自己抗体が陽性、リン パ球 形質細胞の梓病変局所への浸潤、ステロイド治 療に反応することから、 四9 5 年以佳 A1P と呼称される I 文献 1 1 )HamanoH , KawaS, H o r i u c h iA e ta l 回 gh s enl 1 l lIgG4 C O l l c e n t r a l i o nsi l lp a t i e n tswi t hs cl e r os i n gp a n c r e a t i t is .N E l l g l JMed34 4 :7 327 38 .2001 2 ) 山 hara T, Ha manoH .Kawakami M , e ta l .Autoimmune pancreat1tl s-a問。 ated p r os t a t i t is :d is t i l l c t clinico伊thological 目1tity. P a t h o l I n t5 8 :11 8-125, 2008
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