2/10の実験結果 + 第1週(全5週) 2/17,18の実験 《新しい装置系の立ち上げ》 2006/2/22(GEM-meeting) 真木祥千子 1 シールドテスト(2/10) • セットアップ chamber 50mm 等電位 shield UPPER-DRIFT領域 3mm mesh 3mm DRIFT領域 shield メッシュ電流Ic GEM3 2mmTRANSFER領域GEM2 2mmTRANSFER領域GEM1 2mmINDUCTION領域pad パッド電流Ia 2 シールドテストの結果 • シールドなし(Non-shield)とアルミマイラーシールド(Al-shield)で結果 比較。ガスはArCH4。 – パッド電流Iaの値とメッシュ電流Icの値を、シールドなし、ありの場合でそれ ぞれ比較。 • 但し、マイラーシールドはアルミ-マイラー-アルミ(両面)と思っていたが そうでなく、アルミ-マイラー(片面)であった。 – アルミ面がフランジのほうを向いていたから、シールド-フランジ間のイオン の吸収はできていたはず。でも、メッシュ-シールド間の電子がマイラー面に たまってコンデンサのようになっていた可能性がある。 – →もう一度アルミマイラー(アルミシールド)でのテストをする予定。→第3 週? • セットアップ(Single-GEM) – シールド無の場合:メッシュ(-100V)-GEM(≒0V) – シールド有の場合:シールド(≒0V)-メッシュ(-100V)-GEM(≒0V) – 2台のピコアンメータがそれぞれ耐電圧500Vと1000Vなので、このセットアップなら用 いることができて、2つの電流を精度よく測定できた。 • 測定方法 – X線連続照射で、0W→3W→10W→0W→…のように強度を変化させ(グラ フ1-a,1-b)、1つの強度で20秒ごとに9~12点Ia,Icを読み取った。 3 強度別電流値 強度(W):0→3→0→10→0→3 ◆ メッシュ電流Ic 45.00 無 40.00 35.00 30.00 25.00 Ic(nA) -Ia 20.00 15.00 5nA 10.00 5.00 0 0.00 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 -5.00 グラフ1-a(電流-時間) 200sec 強度(W):0→3→10→20→30→・・・ 4.00 有 3.00 2.00 Ic -Ia 1.00 0 ■ パッド電流Ia • シールドを導入すること で、メッシュ電流Icの値が 殆ど0になった。 – GEMによる電子増幅は起こって いない。 – グラフ1-aのメッシュ電流は、シー ルドより上の領域(シールド-フラ ンジ間)で光電効果により生じた イオン・電子対のうち、イオンの寄 与と考えられる。 0.00 0 500 1000 1500 2000 2500 1nA -1.00 -2.00 グラフ1-b(電流-時間) 4 500sec シールドの有無によるIa,Ic値の違い 45.00 10W 40.00 ◆ シールド無し 35.00 3W メッシュ電流Ic(nA) 30.00 25.00 Non shield Al shield 20.00 0W 15.00 10.00 -15nA 5.00 0 ■ シールド有り - 40nA 5nA 0.00 0 2 4 6 8 10 12 -5.00 X線強度(W) グラフ2-a.メッシュ電流Ic 2 10W 1.8 1.6 64%増 パッド電流Ia(nA) 1.4 1.2 3W 1 Non shield Al shield 72%増 0.8 +0.2nA 0.6 +0.6nA 0W 0.4 0.2nA 0.2 0 0 0 2 4 6 X線強度(W) グラフ2-b.パッド電流Ia 8 10 12 • シールド入れることで、 メッシュ電流(グラフ2-a.) は減少(ほぼ0)。 • パッド電流(グラフ2-b.) は増加。 – 理由はよく分からない。 – パッド電流はInduction領 域での光電効果の寄与だ から、シールドの有無に影 響されないはず。 – シールド有・無のそれぞれ の測定時の環境(温度、 圧力、水分率など)の違い5 のせいか? 2/17(金)の測定(予定・目標) 1. シールド無し、ArCH4、Triple-GEMでの測定 – パッド電流Iaの変化率のX線強度依存性を確かめ る。 強度3,10Wで、VGEMの変化に対するIaの変化の様子をみ て、強度によらないことを確かめる。 2. メッシュ電流測定用ピコアンメータの組み入れ – GEMに電圧がかけられることを確認する。 → パッド電流Iaを測定しようとしたが、 GEMとメッシュに電圧をかけていく 段階でやたらとtripしたので、先の 測定に進めなかった。 6 やたらとtripした。 • 前日からのVGEM印加(通常は半日HV2=-1800V、 Vd=100V)はしていない。 • ArCH4ガス流量200ml/分。 • はじめX線照射(20kV3W)してHV2 =-1860Vでtrip。 – X-ONのままHV2=-1800Vで3分後trip。 – X-ONのままHV2=-1740Vで1分半後trip。 • X-OFFしてHV2=-1900Vで30分後trip。 • X-OFF、HV2=-1860Vで90分経過。 – HV2=-1900Vで15分経過。 – HV2=-1980Vで10分後、ダイヤルに触れたらtrip(HV1)。 – HV2=-1940Vで何分持つかな?? 7 なぜHV1(メッシュ)ばかりがtripするのか? • X線OFFでも、HV1/HV2=1900/1800くらいで数分放置する とtripする。 • メッシュに直径1mmくらいの穴が開いていた?(→確認した ら、切れてはいなくて、ずれていただけだった。) →そこで放電が起きていて、tripする? • メッシュが最上段GEMとtripする? • メッシュがチェンバーフランジとtripする? – あるいはGEMやフランジ以外(端子のでっぱりなど)と導通している? • やまぐちチェンバーで使っていたメッシュは、端子の接触金 属部が半田の熱で焼け焦げていて、接触が悪かったので、 犬塚チェンバー内のメッシュを使ってみた。 • やまぐちチェンバーでのメッシュは、現在CNSに導電性接着 剤があるので、それを使って改善できそう。→来週使う。 – メッシュやシールドの、G10 フレームへの端子取り付け部分のでっぱ りには、十分注意を払う必要がある。 8 かけられる電圧の範囲内で測定した。 (最大HV2=-1860V)結果→p.10 • HV2=-1860VはVGEM=-310V。 • VGEM=-310Vに対応するgain(増幅率)は 数100。 – (NIM A 525(2004)529犬塚さんの論文より)。 • HV2 – 660,1020,1380,1500,1740,1800,1830,1860の 計8点(Vd=100V)で、強度3Wと10WでIaを測定 した。 9 HV1がtripしながらも無理やり取った データ。(Ia-VGEMグラフ) • 3Wのみ2回。 • 最大VGEM=305,310V (対応する増幅率:数100) 1000 y = 7E-06e 0.0591x パッド電流Ia(nA) 100 この辺でフィット y = 7E-06e 0.0587x 10 – 増幅が起こってない領域 の、VGEMの小さい点を 入れずにフィットするとxの 係数は大体、 3W(1回目) 3W(1)-offset 1 0 50 100 150 200 250 300 350 400 3W(2回目) 3W(2)-offset 指数 (3W(1)-offset) 指数 (3W(2)-offset) 0.1 VGEM(V) グラフ3.パッド電流Iaの変化率 0.068 《1/28の測定と比較》 (コンディション同じ) – 0.0677(VGEM小→大) – 0.0685(VGEM大→小) 《犬塚さんNIM_A結果と 比較》ちょっとコンディショ (1/28の測定) (コンディション同じ) 30W: 0.0578 3W: 0.069 ンが違う。 3W+0.5mmAl: 0.0692 3W+3mmAl: 0.0737 (0.0638[2/11]) – ~0.045 10 2/17日終了 新たな電流計はまだ組み込んでみていない…。 • • 絶縁や、放電のとき微少電流計への負担がどうかかるか良く分かってないなど、緊急時の 適切な対応ができるか不安な点が多い。 – 来週末までに解消できる範囲でする。 まずは計器系のなかで、HV1の高電圧をかけたとき放電しないかなど、1つずつ確かめて いく(→18日(土)にすること)。 11 2週目までにしたいこと。 • 新しい計器系の放電対策、感電対策。 – 装置系の絶縁を強化する。ポリイミドテープを張る、放電 条件をテストする、など。 – 実験時の装備の検討。ゴム手袋の用意など。 • メッシュの購入・G10フレーム貼り。 • あたらしいGEMのG10フレーム貼り(予備としても必 須)。→CNS-74,75,76 • アルミマイラー/ アルミホイルでのシールドテスト。 →2週目のテストになりそう。 12 2/18(土)に測定したこと。 • X線発生装置は使わなかった。 – 前日のセットアップのままで、前日HV1がtripしてまともな測定がで きない状態だったから(メッシュが原因だと思っていたから)。 • 新しい計器系(メッシュ電流測定用ピコアンメータ)を 組み入れて電圧をかけた。 – ピコアンメータとアクリル筐体間で放電がおきないで、電流値を測れ るかを確かめた。 – チェンバーに繋ぐはずのSHV端子を開放して、HV1から計器系に 2200V以上の電圧をかけて、メッシュ電流値の変化のようすをみた。 » HV1内蔵の電流計と、ピコアンメータとそれぞれの場合でメッ シュ電流値の変化を観察した。 セットアップ→p.14 結果→p.15 13 セットアップ(電流計を繋いだ場合) 電流計筐体がinputと 同じ電位(-2200V ) • ピコアンメータをHV1の かける電圧上に浮かせ て、電流計の筐体の耐 電圧500V→トランスの 耐電圧5000Vにした。 ピコアンメータ output トランス input 今回は開放 GND 開放だから GNDを繋ぐ DC-2200V HV1 INPUT HI AC100V トランス 開放 ユニバーサル 基盤 chamber 耐電圧5000V AC100V LO GUARD TRIAXIAL HV1 DC -2200V 電流計 14 図1.セットアップ概略図 結果 (メッシュ電流値の時間変化) HV1電流値(uA) 0.71 • 減衰曲線まがい のものを得た。 0.69 HV1電流値(uA) 0.67 0.65 0.63 0.61 0.59 0.57 HV1電流値(uA) 0.55 0 20 40 60 80 100 120 時間(分) グラフ4-a.メッシュ電流Ic(HV1内蔵の電流計) – 590nAくらいで 安定。HV内蔵 の電流計の特 性と思われる。 タイトル 0 0 10 20 30 40 50 60 70 -0.05 Ic(nA) -0.1 HV1電流値(uA) 線形 (HV1電流値(uA)) -0.15 y = -0.0004x - 0.1771 -0.2 -0.25 時間(分) グラフ4-b.メッシュ電流Ic( ピコアンメータ) • ほぼ一定の電流 値。 – 絶対値で200pA くらいで安定。 15 新たな計器系で 放電しないことの確認。 • 図1のセットアップでHVから高電圧(-2200V)をかけ たまま放置し、電荷がたまりきったところでセットアッ プの中で(アクリルやプラスチックと電圧のかかって いる線の間などで)放電しないことを確かめた。 – 1回目(HV1のカレントリミット:0.5μA)1時間放置後、近くで観 測者が動いたら、tripした。 – 2回目(HV1のカレントリミット:2mA)1時間20分放置して、さ らに電圧を高くしてみたがtripしなかった。 16 その他必要な確認事項と対策。 • HV1のtrip頻発の原因究明と対策。 – カソードがメッシュである必要性はどこにあるのか? » アルミホイルで代用?・・・できそうだけどたわみが気になる。 →GEMのときのようにぴんと張った状態で作り直す。 » 今あるメッシュの端子部分を補強して使うしかなさそう。 » 新たなメッシュの発注も、これから必要と思う。 • シールド端子の問題解決方法。 – シールドをアルミホイル(厚さ12μm)で作製した(2/19)。 » 端子は導電性接着剤で接着する。 » 接着後の端子はむき出しだと放電の原因になる可能性があるの で、ポリイミドテープなど絶縁性の高いテープで覆う。 • シールドとGEM3の端子を繋ぐに必要なはんだ。 – チェンバーがステンレス製なので、接続には普通のはんだではなく、 ステンレス用はんだを購入して使用するほうがよい。 →セット時にはんだを使わずに済むような端子を作製した (2/21)。 17 GEM基盤(フレーム貼ってないもの) が11枚?届いています。 • サイエナジーNo.073のGEMにフレームを貼った (2/19)。 • サイエナジーNo.077のGEMにフレームを貼った (2/20)。 • サイエナジーNo.079のGEMにフレームを貼った (2/21)。 • 保存方法の検討 – 今届いているGEM基盤は、プラスチックの板に挟まれた 状態で、乾燥剤と一緒に袋に入っているが、袋の密封性 がよくないので、よりよい密封性の容器に乾燥剤と一緒 にまとめて入れて保管するが良い。 – デシケータの購入も検討するが現実的? 18 2/22(水)の測定(目標) • HV電源(TKY-0020)の電圧表示《前面パネル の表示と背面LEMO出力の表示》の較正。 • アルミ箔(市販のアルミホイル)にG10フレーム を貼る。 – GEMのフレーム貼りの要領で貼ってみる。 → たわみが目立たなかったら、2週目の2日目の測定でシールド として使ってみる。 » 端子のピンを、導電性接着剤で加温接着する。 図2.導電性接着剤 2液混合する。2分以上混ぜて5分以内に塗らねばならない。25℃以上で4時間 で固まるらしい。60℃以上で加温すると時間短縮。 • 新しく貼った3枚のGEM(CNS-74,75,76)は第3週の測定まで に、CNSで犬塚チェンバーを使ってコンディショニングする。 19 予定 • 第2週(2/24,25)(今週) • 新しい測定系の立ち上げ:チェンバーと繋いで電圧を かけて、メッシュ電流とパッド電流を測定する。 – ArCH4、Triple-GEM、CNS-57,58,59 • アルミホイルシールドを導入してメッシュ電流とパッド電 流を測定する。(両面アルミナイズドマイラーは今週中に発 注しておく。) • 第3週(3/3,4) 第3週ま でにシー ルド・メッ シュ・ GEMを完 璧に整え る。 • シールド導入しての電流測定(VGEM、Vd を変化させて 最低ライン: 測定) Triple-GEM, – ArCH4、Triple-GEM、CNS-57,58,59 、シールド有 • 第4週(3/10,11)第3週の予備 • Tripleの測定が終わったら、Singleの測定をする。 ArCH4でのイ オンフィード バック測定を 完遂する。 • 第5週(3/17,18) • Single測定の後、Triple測定の再現性確認。 • 余裕があれば、Double測定。 予備 20
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