スライド 1

Table 1. Variety of experimental conditions
超音波を用いた環境技術開発と評価
Evaluation and development of environmental
technique using an ultrasonic wave
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参加登録学生指名:半田 美沙子 (Misako Handa),田原 裕太 (Yuta Tahara)
指導担当教員名:関口 和彦 (Kazuhiko Sekiguchi)
[Summary of the project]
超音波はその周波数を適切に選択することにより、物理的作用及び化学的作用が An ultrasonic wave have a physical action and a chemical action by selecting
生じ、撹拌、反応、霧化などの機能を発現させることができる。本プロジェクトでは、こ the frequency appropriately. As a result, it causes some functions, such as
stirring, radical reaction and atomization. In this project, we considered that a
の超音波を環境技術へ応用することを考え、反応活性霧による大気汚染ガスや排
reactive ultrasonic mist generated by the ultrasonic wave applied to an
水の浄化、また、セルロース系バイオマスを原料に用いた新規なバイオエタノール
environmental technique for the treatment of atmospheric pollution and waste
(バイオマスエネルギー)の高効率合成手法への応用などを検討する。
water. And also, it applied to a new highly efficient process for bioethanol
(biomass energy) synthesis from cellulosic biomass.
[プロジェクト概要]
US(超音波)を用いた糖化プロセスの開発
光触媒を併用した水中有機汚染物質のUS
(超音波)分解
セルロース系バイオマスの糖化
超音波分解実験(以降US)
水溶液 : ベンズアルデヒド水溶液, ホルムアルデヒド水溶液 各8.2×10-4
mol/L ,180 mL
超音波 : カイジョー製TA4021, 周波数 : 200 kHz, 出力 : 200 W
水温: 25 ℃一定(水浴)
分析 : HPLC- UV (2,4-ジニトロフェニルヒドラジン溶液を加えて、12時間
以上 暗中保存することで誘導体化後)
光触媒を併用した超音波分解実験(以降US+UV+TiO2)
上記の条件に以下の条件を追加
TiO2粉末光触媒 : 日本アエロジル製, P25 : 0.3 ~ 2 g/L
紫外線ランプ : 三共電気製, 主波長 : 365 nm, 出力 : 6.3 W
攪拌 : マグネチックスターラー (超音波照射無し(以降UV+TiO2)の条件時)
超音波 : 周波数 : 50, 200, 600 kHz
分析 : HPLC- UV (USと同様に誘導体化させ、遠心分離機で触媒を分離後)
セルロース系バイオマスの糖化は、
グルコースを生成し発酵することでガ
catalyst
ソリンの代替物質であるバイオエタ
ノールの生産に繋がるため、現在注
glucose
cellulose
目を集めている。
そこで本プロジェクトでは、超音波 Fig. 4. Saccharification reaction of a cellulosic
を照射しながら固体酸などを用いた
biomass .
セルロース系バイオマスの糖化反応
バイオマスの酸糖化を行う。
セルロースの硫酸糖化
サンプリング時間は45、90、135、180分である。各サンプルを採取した後に直ち
に分析を行っている。分析方法は、全糖濃度を測定するフェノール硫酸法、グル
コース濃度を測定するムタロターゼGOD法、ラムノース、フコース、フルクトース、グ
ルコース、スクロース、マルトース、ラクトース濃度が測定可能なHPLC分析の3つ
である。
Table 1. Variety of experimental conditions
O2 purge
entry 1
entry 2
Sampling port
UV lamp
Aqueous solution
:
(Main wavelength
ultrasonic transducer
365 nm)
TiO 2 powder
実験条件
cellulose (g) sulfuric acid (ml) acid concentration (%) temperature (℃) sonication
1.7
170
80
80
without US
1.7
170
30
80
without US
reactor
stirring machine
reactor
reactor
Ultrasonic transducer
heater
heater
Fig. 1. Schematic of sonophotocatalytic reactor .
超音波光触媒反応器の概略図
×103
15
×10-4
8.0
7.0
6.0
5.0
Benzaldehyde
Formaldehyde
Unknown (1.7)
10
0.8
0.6
0.4
0.2
・中間生成物として生成したホルムアル
0.0
0
デヒドは、親水性のため、生成しても分
0
10
20
30
40
50
Fig. 2. Time dependence of aldehyde Conc.
解され難く、長時間溶液中に残存
and HPLC-UV Height of Unknown (1.7)
at condition of US (US : 200 kHz).
アルデヒド濃度の経時変化
ベンズアルデヒドのUS+UV+TiO2実験結果
・Unknown(1.7)の生成が抑制
・低濃度域における、ベンズアルデヒドの
分解低下が抑制
7.0
・ 疎水性・ 親水性の両物質が効率的に
分解
・ベンズアルデヒドの中間体の低分子化
×103
15
5.0
10
0.8
0.6
・ホルムアルデヒドのUS+UV+TiO2実
験を行い、触媒量による影響及び周
波数による影響を調査する。
Fig. 2. Conceptual diagrams of saccharification reaction.
Fig. 5. Conceptual diagrams of saccharification reaction.
糖化反応の概念図
・80 %硫酸を用いた場合、最終的
な全糖濃度は約4 g / Lとなり、
30 %硫酸の場合は約1 g / Lで
あった。反応系における初期気質
濃度が10 g / Lであるため、収率
はそれぞれ約40、10%である。
従って、全糖濃度は硫酸濃度に依
存することが分かる。
5
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
30% H2SO4
80% H2SO4
・グルコース濃度を算出できるムタ
ロターゼGOD法は、呈色反応が進
行しないため、分析が不可能で
0
45
90
135
180
あった。考えられる要因は、呈色反
Reaction time (min)
応に用いられる酵素が、サンプル
内に残存する硫酸によって死滅し
てしまった事が挙げられる。よって、 Fig. 5. Time courses of total sugar concentration.
全糖濃度の経時変化
硫酸イオンの除去が必要である。
5
0.4
0.2
0.0
今後の展望
Height
Benzaldehyde
Formaldehyde
Unknown (1.7)
6.0
Conc.(mol/L)
・ホルムアルデヒドはUSより高濃度で
生成し、短時間で分解
ultrasonic transducer water bath
magnetic stirrer
magnetic stirrer
(a) direct insonification
(c) without insonification
(b) indirect insonification
5
×10-4
8.0
core
Total sugar concentration (g / L)
* Unknown (1.7) : HPLC-UV にて
Retention time 1.7に 検出される
物質
→ 今後GC-MSで定性
core
Height
・ベンズアルデヒドの分 解に伴い、ホ
ルムアルデヒ ドとUnknown (1.7)*
が中間生成物 として生成
Conc.(mol/L)
ベンズアルデヒドのUS実験結果
heater
0
0
10
20
30 40 50 60
Time (h)
Fig. 3. Time dependence of aldehyde Conc. and
HPLC-UV Height of Unknown (1.7) at
condition of US+UV+TiO2(US : 200 kHz,
TiO2 : 1 g/L).
アルデヒド濃度の経時変化
・多成分の糖の一斉分析が可能なHPLC分析では、ゴーストピークやウォーターディッ
プが検出されるため、HPLC内のラインの洗浄及びインジェクションの洗浄を行った後
に、検量線の作成を行う。
今後の展望
・サンプルの保存及び硫酸イオンを除去するために、クエンチ方法を確立する。
・セルロースをモデル物質として使用し、超音波照射を併用した硫酸による酸糖化
を行う。超音波の周波数は直接照射の20kHz、間接照射の50、200、600 kHzを
使用する。