書評 日本進化論 二〇二〇年に向けて 出井伸之 幻冬舎新書 06A2140C 馬場文也 この本を選んだ理由 現在多方面で国内情勢が不安であると考え、 日本という国について論じた著書を読もうと 思った。 著者がソニーの元社長、会長、最高顧問とい うことで、革新的な意見を聞くことができると 思った。 プロローグ 農業社会、産業社会を経て、現代はネット ワーク情報社会へと移り変わっている。 そういった社会変化の中で、人々が抱く不安 は増加している。 →「格差社会」、「経済の衰え」など 世界から見た現在の日本 日本はもはやこれ以上、アメリカ型の拡大主 義を続けるのは限界 →日本型の経済成長モデルが必要 ※同じ島国であるイギリスとの比較 ↓ 「アジアの中の日本」より、「世界の中の日 本」というポジションをとるべき 金融資本主義 「金融資本主義」の誕生・・・・「お金の流れ」を 扱う、お金を動かすことが富を生み出す →適応していけず、日本経済は失速(1990年 代半ば) この構造変化の流れとして、ソニーで採用し た「コーポレート・ガバナンス」の紹介 →日本経済には、明確な統治役(CEO)が存在 しない。 ネットワーク社会への変化 ネットワーク社会への変化=「秩序型社会」 から「複雑型社会」への転換 価値のありかが、モノ(R)から、情報・ネット ワーク(V)へ →ICチップの高性能化、ネットワークの価値の 変化などが要因 高性能な半導体を大量生産する時代には限 界がある。 →大量生産から付加価値への転換が必要 二〇二〇年の日本社会 二〇二〇年には・・・・ 半導体がさらに活躍の場を広げていく? 次世代型のIT企業が、ネットワークインフラ の核として、現在の電話会社に取って代わ る。 →新たな側面からネットワークを考えていく必 要がある。 日本再生への提言 国家全体に「コーポレート・ガバナンス」の考 えを導入する。 →首相は、強い決裁権をもつ存在となる。 人口減少があっても成長できる新たな経済モ デルをつくる。 一極集中を防ぎ、地方の多様性を重視。 →地方で、付加価値のあるブランド商品を作る。 ↑ 根源的かつ大胆な意見の提示 感想・私見 日本が進化していくための要素が明確に書 かれており、考えを汲み取りやすかった。ま た、自らも考えるための良い機会になった。 また、二〇二〇年という未来に希望を抱くこと のできる著書であると思う。 著者が社長、会長などとして、ソニーを長く支 えてきた人物というだけあって、革新的で、 リーダーシップ溢れる意見が多い。
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