虹の原理 07232045 山本 愁 1.虹とは • 順序よくならんだ色のスペクトルであらわれる光の円弧。空 気中を落下する水滴によってできる。ふつう、雨上りのときな どに太陽の反対側にあらわれる。滝のしぶきによってもでき る。一般的には昼間に観測されるが、夜間に月の光で発生 することもあり、こちらは月虹(げっこう)としてしられている。 太陽光線が水滴に入ると、屈折され、反射されて、色のスペ クトルとしてあらわれる。その色がみえるのは、太陽、水滴、 観測者をむすぶ反射角が40~42°のときだけである。太陽 が低い位置にあるとき虹は比較的高い位置にみることがで き、また太陽が高い位置にあるときには虹は空の低い位置 にあらわれる。このような場合でも、40~42°という角度は かわらない。 太陽の光による虹 月虹(げっこう) スペクトル • 白色光のような合成された光を成分の色に分解した ときにみられる、紫、青、緑、黄、だいだい、赤と波 長の順にならんだ虹(にじ)のような色の列をスペクト ルという(→ 色:光)。紫と青の間に藍(あい)色をいれ て7色とすることが多い。虹は気象現象によって自 然につくられるスペクトルである。虹と同じようなこと は、太陽光をガラスのプリズムにとおすことによって みられる。プリズムをつかってスペクトルを観察し記 載したのは、1666年、ニュートンが最初とされる。 2.屈折とは • 空 気のような透明の媒体から、ガラスや水の ような別の透明な媒体にはいるとき、光線は まげられる。ふたたび空気中にでてくるときに は、光線はまたそこでまげ られる。まげられ る現象は屈折とよばれる。屈折する量は光の 波長によってきまる。たとえば紫の光は、空 気からガラス、あるいはガラスから空気へと 通過する ときに、赤の光よりも大きくまがる。 したがって赤と紫の光が混合した光は、プリ ズムを通過すると分解して2つの色になる。 • 色 のことなる光も、振動数と波長がちがって いるだけで、秒速約30万kmの速さですすむ 電磁放射からなっているという点では同じで ある。振動数は光の速さを 波長で割ったもの に等しい。同じ波長をもつ2つの光線は、同じ 振動数、同じ色をもっている。光の波長はひ じょうに短いので、ナノメートル(10億分の1 メートル)であらわすのが便利である。紫の光 は400~450ナノメートル、赤の光は620~ 760ナノメートルの波長をもつ。 分光について • スペクトルをつくり、視覚的にみる装置は分光器である。写 真でスペクトルを観察し記録する装置を分光写真器といい、 スペクトルの各部分の明るさを測定する装置を分光計(スペ クトロメーター)という。分光器、分光写真器、分光計をつかっ てスペクトルを研究する分野を分光学という。きわめて精密 な分光学的な測定のためには、ほかに干渉計がつかわれる。 19世紀に、スペクトルの紫の端の外に、人間の目にはみえ ないが光化学作用をもつ放射のあることが検出された。この 放射は紫外線と名づけられた。同様にスペクトルの赤の端 の外側に、目にはみえないがエネルギーをつたえて温度計 の温度をかえる作用のある赤外線が検出された。そこでスペ クトルとは、これらの目にみえない放射もふくむものとあらた められ、それ以来、赤外線よりもさらに外側の放射や、紫外 線よりも外側のX線やガンマ線にまでひろげられてきた。 スペクトル分解 • スペクトルという言葉は、一般には、複雑な現象を分解したと きにあらわれる、秩序だってならぶ成分をさしてつかわれる。 たとえば雑音のような複雑な音は、さまざまな高低をもった 純粋な音の音響スペクトルに分解することができる。原子量 のことなる元素や同位元素の混合物は、質量スペクトルとよ ばれ、原子量の順に分離することができる。 • 分光学は化学の分析に重要で精密な方法を提供したのみな らず、天文学と原子理論というはなれている分野においても 重要な発見をもたらしてきた。原子の外殻電 子の運動が変 化すると、可視光、赤外光、紫外光の領域での光のスペクト ルがつくりだされる。重い原子の内殻電子の運動の変化はX 線スペクトルをつくりだ す。分子配列の変化は、可視光から 赤外光にわたるスペクトルをつくりだす。
© Copyright 2024 ExpyDoc