いわてを走る移動図書館 プロジェクト

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
鎌倉幸子
シャンティ国際ボランティア会(SVA)
1981年、タイに逃れたカンボジ
ア難民の救援活動のため設立。
現在は、タイ、カンボジア、ラオ
ス、ミャンマー(ビルマ)難民
キャンプ、アフガニスタンにて教
育・文化支援の活動を行ってい
る。メインの事業は、図書館活
動。図書館建設、学校図書室
の設置、絵本や紙芝居出版、
図書館員養成を行っている。
シャンティ国際ボランティア会(SVA)
阪神・淡路大震災以降、
国内外20を超える災
害救援を行う。
東日本大震災では現
在、宮城県気仙沼市と
岩手県遠野市に現地
事務所を開設して、長
期的な支援活動を
行っています。
東日本大震災への取り組み
すべてが破壊された(宮城県南三陸町)
緊急救援における10カ条 p23
1 鍵を握るのはボランティア・コーディネートである
2 救援物資を第2の災害にしてはならない
3 被災者とボランティアには心の溝がある
4 地域性を理解して行動する
5 ボランティア(救援者側)にも心のケアは必要である
6 地元の人々や団体と連携する
7 活動を始める際には、撤退の時期を念頭に置く
8 行政だけに頼らず、市民相互の協力の輪を
9 想像力を働かせて行動する
10 救援活動は自らの実情に即した方法で
活動拠点
仙台周辺はある程度支援
が入ることが予想された。
↓
気仙沼市を中心に活動を
開始。余力があれば、そこ
から南北に活動地を広げ
ていく。
津波と火事の被害を受けた(宮城県)
最初に行った活動
• 生活物資配布
• 炊き出し:各団体の受け入れをして、避難
所へつなぐ
• 家のまわりかたづけ
• 入浴サポート
• 学用品の配布
物資配布の現場から
物資配布(気仙沼市浜多目的集会
場)
被災地の小学校児童に対して新学期スターターキット支援
4月3日から、岩手と宮城へ
子どもたちがたくさんいる
避難所もあるはず。
そこにこの本を届けておくれ。
怖くて手を出せない
こんな時だからこそ、
今出会う本が、
子どもたちの一生の
支えになると
信じてます。
p35
2011年5月2日
岩手県での調査
岩手県では、公共図書館が津波で大きな被害をうけました
p47~60
陸前高田市立図書館
そこで聞いた図書館員
役場の図書館担当者
出会った方の声
移動図書館の活動は、住民や
学校のニーズをくみ取るという
重要な役割を果たしているのです
子どもたちの横にいつも本がある
ので、『本』が気になって。
この震災は何もかもが変わりすぎ
た。変わらないことの方が少な過ぎ
て、本の変わらなさが与える安心感
は計り知れないと思います。
移動図書館は
約束なんです。
覚悟はありますか?
図書館の役割として、
地元の書店の保護があります。
子どもを非日常から、
日常に戻したい
選べることが嬉しい
2011年7月17日から運行開始
移動図書館活動
■東北3県で約40カ所で運行
■各仮設団地に約1時間滞在
■1人5冊まで、2週間借りられます
文庫活動
いわての置き本
図書館車を待たずに
好きなときに本が借りられる
■大槌町の24仮設団地に本棚を設置。
■1か月に1、2回の頻度で、
仮設団地の集会所を訪問し、本を入れ替え。
■リクエストにも応える。
文通になることも
コミュニティー図書室の運営
陸前高田市
小友地区
陸前高田コミュニティー図書室
4月7日開館
どんな本が借りられたか
育児書、ありますか
ボランティアさんが、
どこから来たのか知りたいから
慣れてはいけない
昔から歴史物は好きだった。
今、改めて読みたくなった。
先人が歴史をどう切り開いて
いったかを知るために
何が起こったのか
知りたい・・・。
どこに住むか。どんな家に住むか。
仕事をどうするか。
子どもの教育をどうするか。
私たちが大切にしているもの
• 地元のスタッフを中心に、地域の行政・住民
の方と協力しながら活動していきます。
図書や雑誌は、まずは地元の書店から購入
するよう努めます。
• 図書サービスは人を介して提供されるべきも
の。
利用者が必要な情報を得るために、そして利
用者同士が触れ合うために、スタッフがお手
伝いをいたします。
私たちが大切にしているもの
• 利用者が、地元地域について再発見・再評価
をし、これから先の未来を創造するきっかけと
なる、情報の提供や場づくりのお手伝いをい
たします。
思いと思いをつなぐ
それがNPOの役割
物心付いた頃から図書館は遊び場であり
教室であり夢を探す場所でした。
大人でも子供でも、そうした空間を1つでも
持てる事は生きてゆく時間の中で何よりの
励ましになると思います。
素敵な時間を共有できる図書館となりま
すように。
数年前、長期入院生活で、社会復帰への自信
を失いかけた時がありました。
その時、病院内にあったボランティアによる文
庫をしり、開館日には足を運び、どれ だけ本に
励まされたか思い出されます。
たかが本ですが、人生と向き合う時に、そばに
いるだけで、すごい励みになることを感じていま
す。
一緒に、頑張りま しょう。3.11は終わりました
が、まさに、これからですね。
カート・ヴォネガット・ジュニア
「スローターハウス5」
(早川書房)
陸前高田市職員です。私自身も被災
し、現在一関市に居住しています。
蔵書をお願いした本はドレスデンの
無差別爆撃の体験を主題とした小説
です。ドレスデンの無差別爆撃の体験
と同じように、陸前高田市の人々は
津波という言葉に出来ないような惨事
を体験しました。
この小説のなかに
「神よ願わくばわたしに
変えることのできない物事を受けいれ
る落ち着きと
変えることのできる物事を変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とをさず
けたまえ」という文章があります。
私はまだ被災した現状を
受け入れることが出来ません。
私と同じように被災した現状を
受け入れること出来ない人々に、
引用した文章の叶う日が
訪れること願います。
平成23年(2011年)
東北地方太平洋沖地震の被害状況と警察措置
県
岩手
宮城
福島
死者
行方不明者
4,673
1,142
9,537
1,283
1,607
207
平成26年2月10日
警察庁緊急災害警備本部
http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/higaijokyo.pdf
岩手県の災害公営住宅の整備状況
完成予定
予定地数
2012年
5
2013年
37
2014年
63
2014~15年
2
2014~16年
1
2015年
45
2016年
12
岩手県
災害復興公営住宅の整備状況について
http://www.pref.iwate.jp/kenchiku/saigai/kouei/009718.html
図書館の存在とは
古代エジプトのテバイ図書館
「魂の治療所」
2012年9月
宮城県山元町
2012年10月
福島県南相馬市
2011年7月~2013年3月まで
• 移動図書館、図書室、文庫など合わせての
べ18,000人以上の方にご利用いただきまし
た。
• お借りいただいた本の数は38,000冊以上で
す。
雨の日も雪の日も、岩手のために走ります。
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