Nara Women's University Digital Information Repository Title 健康保持増進への寄与が期待できる精油成分の機能性評価 Author(s) 井上, 裕康; 中田, 理恵子 Citation 井上裕康・中田理恵子:日本食品化学研究振興財団第19回研究成果 報告書, pp.32-36 Issue Date 2013 Description URL http://hdl.handle.net/10935/3755 Textversion publisher This document is downloaded at: 2016-05-09T20:35:14Z http://nwudir.lib.nara-w.ac.jp/dspace 日本食品化学研究振興財団第 1 9回研究成果報告書(2 0 1 3 ) 健康保持増進への寄与が期待できる精油成分の機能性評価 井上裕康・中田理恵子 奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科 F u n c t i o n a le v a l u a t i o nofe s s e n t i a lo i l s d e r i v e dc h e m i c a l s f o rh e a l t hp r o m o t i o n HiroyasuI n o u e ,RiekoNakata D e p a r t m e n tofFoodS c i e n c eandN u t r i t i o n ,NaraWomen'U n i v e r s i t y Abstract ・ 2(COX-2),t h er a t e l i m i t i n ge n 勾 mei np r o s t a g l a n d i nb i o s y n t h e s i s ,p l a y sakeyr o l ei n C y c l o o x y g e n a s e i n f l a m m a t i o nandc i r c u l a t o r yh o m e o s t a s i s .P e r o x i s o m ep r o l i f e r a t o トa c t i v a t e dr e c e p t o r s(PPARs )町el i g a n d d e p e n d e n tt r a n s c r i p t i o nf a c t o r sb e l o n g i n gt ot h en u c l e a rr e c e p t o rs u p e r f a m i l yanda r ei n v o l v e di nt h ec o n t r o l ofCOX-2e x p r e s s i o n ,andv i c ev e r s a .S e v e r a ln a t u r a lc h e m i c a l ss u c h邸 r e s v e r a 位。lh a v eb e e ni d e n t i f i e d a ss u p p r e s s o r sofCOX-2e x p r e s s i o nanda c t i v a t o r sofPPARs.Thesetwop r o p e r t i e st a r g e t e dt oCOX-2 andPPARsw i l lbeu s e f u li ne v a l u a t i n gf u n c t i o n a lf o o dc o m p o n e n t sa g a i n s tl i f e s t y l e r e l a t e dd i s e a s e s .I n a y sf o rCOX-2andPPARs.Wef o u n d t h i ss t u d y ,wee v a l u a t e ds p i c ee s s e n t i a lo i l su s i n go u re s t a b l i s h e d出 s 也前 s p i c ee s s e n t i a lo i l sd e r i v e dfromcinnamonb a r k ,c a r a w a ys e e d ,cinnamonl e a f ,cuminandcardamom f 3 / Bandy ,i nc e l l b a s e dt r a n s f e c t i o nぉ s a y su s i n g s u p p r e s sCOX-2p r o m o t e ra c t i v i t y ,anda c t i v a t ePPARα, ・ c i n n a m a l d e h y d ea s b o v i n ea r t e r i a le n d o t h e l i a lc e l l s .M o r e o v e r ,fromcinnamonb a r ko i l ,wei d e n t i f i e dt r a n s 。,IBandy.PPARy- 問s s i o nandana c t i v a t o rofPP ARα am a j o rcomponentoft h es u p p r e s s o rofCOX-2exp d e p e n d e n ts u p p r e s s i o nofCOX-2p r o m o t e ra c t i v i t ywaso b s e r v e di nr e s p o n s et ot r a n s c i n n a m a l d e h y d e t r e a 伽1 e n t .T h e s er e s u l t smaybei m p o r t a n tf o ru n d e r s t a n d i n gt h ea n t i i n f l a m m a t o r yanda n t i l i f e s t y l e r e l a t e d d i s e a s ep r o p e r t i e sof位四百・c i n n a m a l d e h y d e . 1 . 研究目的 食生活の改善や医学の発展によって、我が国は世界有 数の長寿固となっている。一方で、ライフスタイルの変 化による生活習慣病擢患者の急増がますます懸念されて いる。このような社会的背景から、日常的に摂取する食 品に含まれる食品機能成分の生活習慣病予防効果が注目 PP AR [a . ,f 3 / o ,y ] COX-2 霞窃型シクロ才キシゲナーぜ されており、このような機能成分を積極的に摂取して健 ぺル才キシソーム相猫班活性f t 変容体 −・脂質異常症改善[a J 康の保持増進に努めることは、健康な社会を実現するた めに重要である。食品機能成分の中には、薬剤と同じ標 的たんぱく質に作用して効果を示すと考えられるものが ある。これらの成分は、薬剤より活性は弱いものの、長 期間摂取することによって機能性を発揮すると考えられ 脳保謹効果[α 1 インスリン抵抗性改善 [ y ] 生活習慣病予防 る。私たちはこのような視点から、誘導型シクロオキシ 図I . COX-2発現抑制と PPAR活性化 ゲナーゼ(COX-2)発現抑制と核内受容体 PPAR (ペルオ キシソーム増殖剤活性化受容体)活性化を指標とした食 。 ) 品機能成分の探索を行っている(図 1 触媒する(図 2)。アスピリンをはじめとする非ステロ oxの活性阻害 イド性抗炎症剤(NSAIDs)の作用は、 c による PG産生抑制によることは広く認められている。 coxには、ハウスキーピング型の COX-1と、誘導型 coxはプロスタグランジン(PG)産生の律速酵素であ り、アラキドン酸を基質にして PGH2を生成する反応を 32 日本食品化学研究振興財団第 1 9回研究成果報告書(2 0 1 3 ) の COX-2の 2種類のアイソザイムが存在する。 COX-2 は、リポポリサッカライド( LPS)などの炎症性刺激によ り誘導され、抗炎症性ステロイドであるデキサメタゾン によって抑制されることから、炎症との関与が明らかに )。さらに、 COX-2ノックアウトマウスの なっている( 1 解析や臨床、疫学調査を含む研究から、発癌や生活習慣 病にも関与することが明らかになってきている(2 4 。 ) リン聞賞 アラキドン酸 I cox活性|↓|叩鯛| " " " " " 恥 2 〆グ汀イ =一一 TXA2 P G F 2 . 1 P~ P G l 2P G l > z ''' ' 、 も IPG畏容体何タンパク質共倒} a a ( > l 5 d P G J 2 4 I IPPARP/5)~ 図2 . シクロオキシゲナーゼ経路と PPAR 核内受容体スーパーファミリーに属する PPARは、リ 。 ) α、J 3 1 6、yの 3つのサ ガンド依存性転写因子である(5 プタイプが存在し、脂質代謝、糖代謝、細胞増殖や分化 に関与している。 αは主に肝臓に発現して脂肪燃焼に関 与し、その合成リガンドであるフェノフイプラートは脂 3 1 6は筋肉をは 質異常症改善薬として用いられている。 J じめとした様々な組織に発現し、運動能力の改善への関 与が報告されている。 yは白色脂肪組織やマクロファー ジに発現して、合成リガンドであるチアゾリジン誘導体 はインスリン抵抗性改善薬として用いられている o この ように PPARは生活習慣病の薬剤標的分子として認知さ ,7 。 ) れている(6 私たちは、マクロファージ系細胞で、核内受容体 PPARyによって COX-2発現がフィードパック制御され )。この制御は、 PGDiの代謝産 ることを報告してきた(8 物である lSd-PGJiが PPARyのリガンドとして作用し、 NF-KB等を介して COX-2発現を制御することに起因し ている(図 2)。一方、血管内皮細胞において PPARyの 発現が低いため、マクロファージ系で観察されるフィー ドパック制御が働かないと考えられたが、ヒト発現ベ クターを血管内皮細胞に導入することで発現抑制効果 )。これらの知見から、 が観察されることを見出した(8 COX-2発現抑制と PPAR活性化は相互に作用する関係に あり、両方の効果をもっ食品中の単一分子が、薬剤に比 べると作用は弱いものの低濃度で長期間摂取することに より、生活習慣病予防に有効に作用すると、私たちは考 えて研究を行っている o COX-2発現抑制と PPAR活性化の両効果を持つ成分 として、我々は最初にレスペラトロールを見出した。レ スベラトロールは、適度な赤ワイン摂取と心血管疾患の 発症率が負の相関関係を示す、いわゆる“フレンチパラ ドックス”に関する分子として・注目され、生活習慣病予 ) o 私た 防効果に関する数多くの研究がなされている(9 ちはこれまでに、 COX-2遺伝子の発現調節機構の解析か 0 ,1 1)、レスベラトロールが COX-2の発現を細胞選 ら (1 2 )、この細胞選択的発現調節には 択的に抑制すること( 1 PPARyが関与すること(8 )を見出した。さらに、レスベ 3 ! 6、yを選択的に ラトロールは培養細胞系で PPARα、J 1 3 ,1 4 )レスベラトロールの経口投与が 活性化すること ( 脳虚血モデルマウスに対して脳保護効果を有すること、 PPARα 遺伝子欠損型マウスを用いた解析から、このレ スベラトロールの脳保護効果が PPARα 活性化を介して 3)。また、レスベラトロー 作用することを明らかにした( 1 、 i nv i t r oと i nv i v oの両方 ルの 4量体パチカノール Cが で PPARα および PPARJ3/Sを活性化することを報告した ( 1 4 )。また、レスベラトロールの機能として、常ヒト瞬 帯静脈由来血管内皮細胞( HUVEC)に、生理的条件に近 い低濃度のレスベラトロールを繰り返し処理すると、血 管拡張や血小板凝集抑制に関与する血管内皮型 N O合成 酵素の発現が誘導されること、生体の恒常性維持に関わ るオートファジ一関連遺伝子、活性酸素消去や抗炎症作 用に関与する遺伝子の発現が同時に誘導されることを報 5)。さらに、植物精油の機能性評価から、 告している( 1 レスベラトロールと同じように COX-2発現抑制および PPAR活性化の両効果をもっ成分として、タイム油から 6 )、レモングラス油からシトラール カルパクロール( 1 ( 1 7 )、パラ油からシトロネロールとゲラニオール ( 1 8 ) を 同定した。同様な効果は、ビールホップ成分フムロンや、 パセリ等の成分クリシン等においても報告されており、 COX-2と PPARを指標にして、レスベラトロールと同じ 効果を有する食品機能成分を探索できる可能性が考えら れる。 香辛料やハープなどの各種精油は、食品の噌好性や保 存性を向上させるだけでなく、薬理・生理作用を有する ことが古くから知られており、生薬・民間薬としても用 いられてきた。しかしながら、それらの作用は伝承や経 験によるものや、機能性が定まっていないものが多く、 分子レベルでの有効性の評価は必ずしも十分ではない。 そこで本研究では、 COX-2発現抑制と PPAR活性化とい う新しい指標を用いて香辛料精油の機能性を評価し、健 康の維持増進に寄与する精油成分の分子作用機構を明ら かにすることを目的とした。 3 3 日本食品化学研究振興財団第 1 9図研究成果報告 . ! . F( 2 0日) 2 . 研究方法 認められた。一方、バニラ油、ジンシャ−¥1 1 !、ナツメグ 2・1. 材 料 油 、 ブラックペッパー油では抑制効果が認められなかっ c as ear oma機能性評価に用いた香辛料精油は市販品 ( ) 。最も抑制効果の強かったシナモンパーク泊は、 た(図 3 s h op )を使用した。 2・ 2 . 浩義細胞を用いた 0 . 0 01%までの範囲で濃度依存的に COX2プロモーター 活性を抑制した。 co × ・2プロモーター活性の測定 ウシ血管内皮細胞 ( BEAC)にヒト COX 2プロモーター コントロール シナモンパーク泊 キャラウzイ 鴻 シナモンリーフ油 クミン油 カルダモン鴻 ス9ーアニス油 コリアンダー油 レシフエ ラーゼレポー ターベクター で転写制御される J ARy発現ベクタ ー を共導入したのちに 、炎 と、 ヒ卜 PP IP Sを香辛料精油 またはその成分とともに添 症性刺激斉]L 加した。反応 f 炎 翁l J包を回収し、細胞抽出 I 夜のルシフエラ一 J ! I定した。なお 、1 3−ガラク トシダーゼ発現ベク ゼ活性を i ターを同時に導入し、その酵素活性で遺伝子導入効率を . . . バニラ油 補正した。 ジンジャー油 ナツメグ池 ブラックペッ,t 一泊 2・ 3 . 培養細胞を用いた PPAR活性化の検討 0 BEAC に PP AR応 答 性 エ レ メ ン ト ( PPRE )を も っ レ 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0 1 4 0 COX-2ブロモ-~ー活性伶} PPREl uc ) と 、 ヒト PPAR α,1 3 1 0 ,Yの ポータ ーベクター ( hPP ARα,pCMX ・ いずれかの発現ベクター ( それぞれ GS- 図 3. 香辛料精油の COX-2プロモー ター活性抑制効果 hNUCI ,pCM X・ hPPARy )を共導入し 、2 4時間後に芥辛 LPS刺激のみを行ったものをコントロール( 1 0 0 %)とし 2プロモーター活性 て、LPSによって誘導された COXr t 1による抑制効裂を示す。なお、シナモ の各香辛料精 i i i !は 0 . 0 01 %、それ以外の香辛 ンパーク泊とジンジャ− i ! I J またはその成分を添加した。 24時間反応後に J レ 料 柿i シフエラーゼ活性を測定した。 COX-2プロモーター活性 の場合と同搬に、日・ ガラク トシ ダーゼ発現ベクタ ー を同 料車両i1t1 は 0.01 % になるようにi~加した。 (・: p<0.05,” : 時に導入し、その酵紫活性で遺伝子導入効率を補正した。 p < 0 . 0 01 , ..干 p <0 . 0 0 0 1VS コントロール) 2・ 4 . マウス を用いた PPAR活性化の検討 8∼ 1 0週 |愉! j g性 の PP ARα ノックア ウ トマウスおよび 次に 、PPAR活性化能を検討したところ 、今回用いた 対照野生型 ( 1 2 9 / SV)マウスに 、 体重 lk gあたり 50mg I l種 類 の 香 辛 料 精 r 1 J 1すべてにおいて、 PPARのサプタ のシナモンパーク泊主成分を L % トラガカントガムと混 イ プ い ず れ か の 活 性 化 が 認 め ら れ た ( 図 4。 ) 3種 類 の 合し 、 ゾンデを用いて 3日間投与 した。 コントロール群 PP ARの活性化は精油毎で異なっていた。 COX 2プロモー % トラガカ ント ガムのみを投与した。 3 のマウスには、 1 ター活性の抑制効果が最も強かったシナモンパーク泊で 日後に 血液と肝臓を採取した。血液から血紫を部j 整し 、 ARα 、1 31 δ、yの全てに対して強い活性化能が認め は、PP トリグリセリド濃度を測定した。肝・臓からは RNA を抽 i l t l、クミン油、 られた。同様の傾向は、シナモンリー 7 出して、定包 ・ RT-PCR法により PPAR応答遺伝子群の発 カルダモン油でも示された。 キャラウェイ r 1 1 Jは、COX-2 PARα の合成リガンド、フ ェノフイ 現量の変化 を網べた。P プロモーター活性抑制効果は強かったが、 PPAR活性化 プラートを用いて同じ実験を行い、効果を比較した。 l は相対的に低かった。ナツメグ油、ブラックペッパ−i では、 COX 2プロモーター活性の抑制は認められな いが、 3 . 研究成果および考察 PPARaあるいは 1 3 1 0を活性化した。根−も強い活性化を示 3・ 1 . 香辛料精油による co ×− 2プロモー ター活性の抑 制と PPAR活性化 a、。1 0、yを活性化した。 シナモンパー 度依存的に PPAR したシナモンパー ク油は、 0 . 001 % より低い濃度域で濃 すでに報告したタ イム池等の場合と同じように、各材i ク納については、 LPS作用の阻害やインスリン抵抗性改 2発現抑制および 普効果の報告がなされて い るが、 COX- r 1 uをエタノールで希釈 し 0 . 01 % での効果を検討した。 ジ ンジャー 油 とパラ泊はエタノールでは不i 容のため 、ジメ PPAR活 性化がその分子作用機榊と して関与して いる可 )で希釈した。また、シナモ チルス ルホ オキシ ド ( DMSO 能性が考えられた。 1 1 tとジンジャー泊は 0 . 0 1% で細胞障害性が認め ンパーク r られたので、0. 0 01 % での検討を行った。 l l極 の 香 辛 料 3・ 2 . シナ モンパーグ油主成分によ る PPAR活性化と COX-2発現抑制 精油のうち 、 シナモンパー ク油、キャラウェイ油、シナ 使用したシナモンパーク油には、主成分と して t r a ns - モン リーフ 油 、 クミン油、カルダモ ン油、ス ターアニス油、 シンナムアルデヒドが約 86 % 含まれていた。したがって、 が コリアンダー 油 で、COX-2プロモ ー ター活性の抑制j 34 日本食品化学研 究振興財団 第 1 9図研究成果報告曾(201 3 ) ノフィ プラートでは PP ARα 依存的な血紫 トリグリセリ r a ns −シンナム ド註の減少が見られた。 しかしながら 、t アルデ ヒドではこのような減少は認められなかった。肝 ー 臓 における遺伝子発現変動を調べたところ、フ ェノフイ プラートを投与した群では、 PPAR応答配列を持つ遺伝 子の発現が PPAR α 依存的に誘導 された。一方 、 t r ans 司シ ンナムア J レデ ヒドを投与 した群では、このような PPARα 依存的な発現誘導は認められな か った。以上の ように、 今回用い た実験条件では、培養細胞系で見られた trans シンナムア jレデヒ ドに よる PPARα活性化を、マウスを 用いた生体で認める ことはできなか った。 生体では、 trans・シンナムアルデヒドが代謝 されるた め、PPARα 活性化の活性化が見られないのではないか r a n s −シンナムアルデヒ ドの代謝物の PPARα 活 と考え 、t 性化を培養細胞系で検討した。その結果、代謝物のケイ 6 8 I f22 24 ヒ酸、カフ ェ酸はいずれも 、 PPAR α活性化能を示さなかっ 26 た。 したがって、 trans−シンナムアルデヒドの代謝 を抑 PPAR活性化 rans−シンナ 制する 方法を併用すると、生体においても t 図4 . 香辛料精油の PPAR活性化 ムアルデヒドは PPARα 活性化を示すのではないかと考 PPAR活性化は、コントロール ( 各香辛料精 i l l !0 %)の ルシフエラーゼ活性を 1 . 0とした相対値で示す。(困 : a, 口 :P i o , 口 :y ) なお、シナモンパーク i i l lとジンジャ−7 1 1 1 は0 . 0 0 1%、それ以外の香辛料料' i i l l Jは 0. 0 1% になる よう く0 . 05 ,件 : p <0. 001 , 叫* ・ p <0 . 0 0 0 1VS コ に添加した。( : *p ントロール) えら れ、現在検討を進めている 。 4 .まとめ COX-2発現抑制と PPAR活性化 を指標と して、健康 f l l 成分の機能性評価 を 保持噌進への寄与が期待できる精i I Hか ら両効果をもっ 行った。我々は これま でに 、 植物精i 成分と して、カルパクロ ール、 シ トラー ル、シ トロ ネロー % には、およそ 70~1 M の tran s シナモンパーク油 0.001 ル、ゲラニオ ールを同定 している 。今回は香辛料精油の シンナムアルデヒ ドが含まれている 。そこで、この地度 評川を行い、培養細胞を用いた系において、両効果もつ A R活性 と同程度の trans−シンナムア Jレデヒドによる PP r ans −シンナムア J レデ 成分としてシナモンパーク油から t 化を検討 したところ、 50~1 M で約 2 1 倍の PP ARα 活性化 ヒドを新たに同定した。 yにおいて も同械の活性 が認められた。 PPARl3/δおよび、 化が認められた。 したがって、シナモンパー ク泊に よる 5 .研究発表 PPAR活性化は 、主成分の t r ans −シンナムア ルデヒドに 5・ 1.学会発表 岩佐千絢、 勝川路子、滝浮祥恵、中田理恵子、井上 起因していると考えられた。 裕康:シナモンパー ク泊による PPARa活性化の検討 2プロモー 次に、 trans−シンナムア Jレデヒドの COX- ター活性を測定した。 PPA Ry発現ベクタ一 存在 下で測 2012年 1 2月、福岡) 第 85回日本生化学会大会 ( ・シンナムアルデヒド 定したと ころ、25μ M以上で trans 事祥恵、高井綾子、中田理 井上裕康、岩佐千絢、滝j は、COX-2プロモーター活性を有意に抑制した。一方、 2発現抑制と PPAR活性化を介したシナ 恵子 :COX- PPARy発現ベクタ ー非存在下で は、有意な抑 n 1 1 J 効果は モンパーク油の機能性評価, 日本ビタミン学会第 6 5 1 1 認められなかった。以上の結果から 、シナモ ンパーク 1 回大会(2013年 5月、東京) によ る COX2プロモー ター活性の抑制効果は、t r a ns ・シ 5・ 2 . 誌上発表 ARy ンナムアルデヒドによる効果であり、その抑制は PP 依存的であるこ とが明らかとな った。 Nak a t aR,TakizawaY,TakaiA,I noueH:Eval ua ti on offood-derivedfunct i o n a li n g r ed ien t saccor di n gt o 3 3 . 生体におけるシナモンパーグ 油主成分による a c t i v a ti onofPPARands up p r e s si onofCOX-2expr e s s i o n. FoodSc i ・T e c h no l .Re s .19,339 ・ 345( 2 0 1 3 ) PPAR活性化 PPARα ノックアウト マ ウスおよび対照野生型マウス ・シンナムアルデヒドまたはフェノフィプラー に 、 trans トを 3日間投与した ところ、 PPARα の合成リガンド、フ エ 35 日本食品化学研究振興財団第 1 9回研究成果報告書(2 0 1 3 ) 6 . 引用文献 1 ) SimmonsDL,B o t t i nRM,HlaT .Cyclooxygenase r e s v e r a t r o lt e t r a m e r ,a c t i v a t e sPPARαandP P A R f 3 / Bi n v i t r oa n di nv i v o .N u t r i .A 必t a b .7 ,46( 2 0 1 0 ) i s o z y m e s :t h eb i o l o g yofp r o s t a g l a n d i ns y n t h e s i sand 1 5 )T a k i z a w aY ,KosugeY ,A w a j iH ,TamuraE ,T : 成副 A ,Y a n a i T ,YamamotoR ,KokameK,Miya 旬t N紘 a 胞R ,l n o u e H . i n h i b i t i o n .P h a r m a c o l .R e v .5 6 ,3 8 7 4 3 7( 2 0 0 4 ) E ,KargmanSL,OshimaH, 2 ) OshimaM,DinchukJ 』 l a t i o no fe n d o t h e l i a ln i t r i co x i d es y n t h a s e( e N O S } , U p r e g t F ,T a k e t o HancockB ,KwongE ,T r z a s k o sJM, E v a n sJ s i l e n tt y p ei n f o r m a t i o nr e g u l a t i o n2homologue( S I R T l ) MM.Suppressionofi n t e s t i n a lp o l y p o s i si nApc716 a r i da u t o p h a g y -r e l a t e dg e n e sbyr e p e a t e d位e a 回 e 凶 w i t h k n o c k o u tm i c ebyi n h i b i t i o nofc y c l o o x y g e n a s e2(COX- r e s v e r ョ t r o li nhumanu m b i l i c a lv e i ne n d o t h e l i a lc e l l sB r .J . 2 ) .C e l /8 7 ,8 0 3・809( 1 9 9 6 ) N u t r .( 2 0 1 3 )i np r e s s . 1 6 )H o t t aM,N紘 a 胞R ,K a t s u k a w aM,H o r iK,T : 北a h a s h iS ,H . 3 )D u b o i sRN,AbramsonSB,Cro 百o r dL ,GuptaRA,S i m i n I n o u eH .C a r v a c r o l ,acomponento f血 卯i eo i l ,a c t i v a t 偲 L S ,VanDeP u t t eLB,LipskyPE.Cycooxygenasei n PPARαandya n ds u p p r e s s e sCOX-2e x p r e s s i o n .J .L i p i d .1 2 ,1 0 6 3・1 0 7 3( 1 9 9 8 ) b i o l o g yandd i s e a s e .FASEBJ 1 ,1 3 2 ・1 3 9( 2 0 1 0 ) R e s .5 4 )G r o s s e rT ,F r i e sS ,F i t z G e r a l dGA.B i o l o g i c a lb a s i sf o r 1 7 )K a t s u k a w aM,N北 a 旬 R ,T a k i z a w aY ,H o r iK,1 1 紘油回h i s , t h ec a r d i o v a s c u l a rc o n s e q u e n c e sofCOX-2i n h i b i t i o n : 溜 I n o u eH .C i t r a l ,acomponentofl e m o n g r t h e r a p e u t i cc h a l l e n g e sando p p o r t u n i t i e s .J .C l i n .I n v e s t . So i l ,a c t i v a t e s PPARαandya n ds u p p r e s s e sCOX-2e x p r e s s i o n .B i o c h i m . 1 1 6 , 4 1 5( 2 0 0 6 ) 8 0 1 ,1 2 1 4 1 2 2 0( 2 0 1 0 ) B i o p h y s .A c t a ,1 u c l e a r 5 )M a n g e l s d o r fD J ,ThummelC ,B e a t oM,e ta l .百四 n 吋iS ,H o r iK,T a k a h a s h iS , 1 8 ) KatsukawaM,N a k a t aR ,Ko r e c e p t o rs u p e r f a m i l y :t h es e c o n dd e c a d e .C e l l8 3 ,8 3 5・ I n o u eH .C i t r o n e l l o landg e r a n i o l ,componentsofr o s e 839( 1 9 9 5 ) o i l ,a c t i v a t ep e r o x i s o m ep r o l i f e r a t o r a c t i v a t e dr e c e p t o r α 6 )M i c h a l i kL ,AuwerxJ ,BergerJ P ,e ta l .I n t e r n a t i o n a l UnionofP h a r m a c o l o g y .L X I .P e r o x i s o m ep r o l i f e r a t o r - andya n ds u p p r e s sc y c l o o x y g e n a s e ・ 2e x p r e s s i o n .B i o s c i . a c t i v a t e dr e c e p t o r s .P h a r m a c o / .R e v .5 8 ,726 ・7 4 1( 2 0 0 6 ) 5 ,1 0 1 0 ・1 0 1 2 ,( 2 0 1 1 ) B i o t e c h .B i o c h e m .7 7 ) SonodaJ ,P e iL ,EvansRM.N u c l e a rr e c e p t o r s :d e c o d i n g m e t a b o l i cd i s e a s e .FEBSL e t t .5 8 2 ,2 9( 2 0 0 8 ) 8 )I n o u eH,TanabeT ,UmesonoK.Feedbackc o n t r o lof c y c l o o x y g e n a s e ・ 2e x p r e s s i o nt h r o u g hPPARgamma.J . B i o l .Chem.2 7 5 ,28028 ・2 8032( 2 0 0 0 ) 9 ) NakataR ,T a k a h a s h iS ,I n o u eH .RecentAdvancesi n t h es t u d yonr e s v e r a t r o l .B i o l .Pharm.B u l l .3 5 ,2 7 3 2 7 0 ( 2 0 1 2 ) 1 0 ) InoueH,YokoyamaC,HaraS ,ToneY ,TanabeT . T r a n s c r i p t i o n a lr e g u l a t i o nofhumanp r o s t a g l a n d i n e n d o p e r o x i d es 戸1 出a s e ・2g e n ebyl i p o p o l y s a c c h a r i d eand p h o r b o le s t e ri nv a s c u l a re n d o t h e l i a lc e l l s .J .B i o l .Chem. 270,24965 ・ 2 4 9 7 1( 1 9 9 5 ) 1 1 )I n o u eH,TanabeT .T r a n s c r i p t i o n a lr o l eoft h en u c l e a r f a c t o rKBs i t ei nt h ei n d u c t i o nbyl i p o p o l y s a c c h a r i d ea n d s u p p r e s s i o nbydexamethasoneofc y c l o o x y g e n a s e ・ 2i n i o c h e m .B i o p h y s .R e s .Commun.2 4 4 ,1 4 3 ・ U937c e l l s .B 1 4 8( 1 9 9 8 ) 1 2 ) SubbaramaiahK,ChungWJ,MichaluartPeta l . R e s v e r a t r o lI n h i b i t sCOX-2T r a n s c r i p t i o na n dA c t i v i t yi n P h o r b o lE s t e r T r e a t e dHumanMammaryE p i t h e l i a lC e l l l s . J .B i o l .Chem.2 7 3 ,2 1 8 7 5 2 1 8 8 2( 1 9 9 8 ) 1 3 )I n o u eH ,J i a n gXF,KatayamaT ,OsadaS ,UmesonoK , NamuraS .B r a i np r o t e c t i o nbyr e s v e r a t r o la n df e n o f i b r a t e a g a i n s ts t r o k er e q u i r e sp e r o x i s o m ep r o l i f e r a t o r a c t i v a t e d r e c e p t o r α i nm i c e .N e u r o s c i .L e t t .3 5 2 ,2 0 3・206( 2 0 0 3 ) 1 4 )TsukamotoT ,N a k a t aR ,TamuraEe ta l .V a t i c a n o lC ,a 36
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