PowerPoint プレゼンテーション

観測による惑星軌道進化モデルの検証
成田 憲保
国立天文台・太陽系外惑星探査プロジェクト室
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
用語の解説
• 公転軌道傾斜角
主星(太陽など)の自転軸に対する惑星の公転軸の傾き
惑星と衛星の関係に対しても用いられる
• 軌道離心率
惑星の軌道の楕円の度合いを表わす量
0だと完全な円で、1に近いほど細長い楕円になる
• 順行
主星の自転の向きと惑星の公転の向きが同じこと
公転軌道傾斜角が90度以内の状態
• 逆行
順行の逆で、公転軌道傾斜角が90度以上の状態
太陽系の形成理論
原始惑星系円盤
微惑星の形成・合体
地球型惑星
木星型惑星
©Newton Press
すばる望遠鏡で観測された
原始惑星系円盤の例
太陽系の惑星は太陽と共に回転する原始惑星系円盤の中でできた
太陽系の惑星の軌道
太陽系惑星の軌道の特徴
• 太陽系の惑星は全て順行して公転している
– 太陽系の惑星の公転軸は、太陽の自転軸とほぼ7度以内でそ
ろっている
• 太陽系の惑星は全て軌道の離心率が小さい
– 離心率が最大の水星でも0.2くらい
• 原始惑星系円盤の中でできたという考え方とよく合う
木星の衛星の軌道
軌道が大きく傾いた天体
• 小惑星の中には公転軌道傾斜角が大きく傾いていたり、逆行
しているものが存在する
– 逆行している小惑星は1999年に初めて発見され、
これまで20個以上発見されている
– 最初に発見された逆行している小惑星(asteroid)はつづりを逆さ
にしてDioretsa と名付けられている
• 木星、土星、天王星、海王星の衛星にも、惑星の自転に対し
て大きく傾いたり、逆行しているものが存在する
– 有名な逆行衛星は土星のフェーベ、海王星のトリトンなど
軌道が傾いた天体の起源
• 最初からそのような軌道で誕生したとは考えにくい
• 他の惑星などの重力によって散乱されて、現在の傾いた
軌道に落ち着いたと考えられる
太陽系天体の軌道のまとめ
惑星の場合
• 8つの惑星は全て順行している
• 惑星の公転する軸は太陽の自転する軸とほぼ揃っている
小惑星の場合
• 多くは公転軸が太陽の自転軸とよく揃って順行している
• 大きく傾いているものも多数ある
• 逆行して公転するものも既に20個以上発見されている
衛星の場合
• 木星、土星、天王星、海王星の全てに逆行衛星がある
系外惑星の軌道を観測する意義
太陽系天体の軌道は
太陽系の形成過程の歴史を反映している
太陽系外惑星の軌道は
惑星系の形成過程の歴史を反映している
系外惑星の軌道を観測することで、
惑星系がどうやってできるのか観測的に知ることができる
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
系外惑星の軌道長半径分布
Snow line
Jupiter
木星型惑星がスノーラインより内側にある!
標準的な惑星移動理論
Type I and II migration
 原始惑星系円盤と原始惑星の相互作用を考えるモデル
• Type I: およそ10地球質量以下(円盤にギャップなし)
• Type II: それ以上(円盤にギャップがあく)
 惑星の軌道長半径の分布をよく説明できる
 e.g., Ida & Lin papers
 小さな離心率と公転軌道傾斜角の惑星ができる
系外惑星の軌道離心率分布
Eccentric
Planets
Jupiter
Type I & II migration では説明がつかない!
大きな離心率を説明する惑星移動理論
 巨大惑星同士の重力散乱+主星の潮汐力
 Rasio & Ford (1996), Chatterjee et al. (2008)など
 惑星に対する伴星の古在機構+主星の潮汐力
 Wu & Murray (2003), Fabrycky & Tremaine (2007)など
 重力散乱+飛ばされた惑星による古在機構+主星の潮汐力
 Nagasawa et al. (2008)
captured planets
ejected planet
古在機構
外側を公転する天体の摂動で、
内側の天体の軌道離心率と軌道傾斜角が振動する
orbit 1: low eccentricity and high inclination
orbit 2: high eccentricity and low inclination
star
binary orbital plane
companion
もともとは太陽系の巨大惑星と衛星の関係で提唱された
(Kozai 1962)
大きな離心率を予言する理論の帰結
 大きな離心率だけでなく、大きな公転軌道傾斜角も予言する
 軌道傾斜角の分布はモデルに依存する
Morton & Johnson (2010)
観測的研究の動機
系外惑星の公転軌道傾斜角を測定することで
惑星移動理論の観測的検証を行うことができる
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
トランジット惑星のロシター効果
主星
惑星
惑星
近づく側を隠す
→ 遠ざかって見える
遠ざかる側を隠す
→ 近づいて見える
惑星が主星の自転を隠すと
トランジット中の見かけの視線速度にずれが生じる
惑星の公転方向とロシター効果の関係
恒
星
の
見
か
け
の
速
度
星ナビ2005年2月号
解説記事より作成
恒
星
の
見
か
け
の
速
度
遠ざかる
近づく
遠ざかる
近づく
ロシター効果の観測でわかること
主星の自転軸
惑星の公転軸
惑星
惑星の公転面
恒星
天球面上で見た公転軌道傾斜角の射影角λを測定できる
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
すばる望遠鏡での観測
HDS
Subaru
Iodine cell
これまでの観測提案とターゲット
 S05A-032: TrES-1 → cancelled
 S06A-029: TrES-1
 S07A-007: TrES-4
 S07B-091: TrES-3, WASP-1, WASP-2, HAT-P-1
 S08A-021: XO-2, HAT-P-7
 S08B-086: XO-3 → cloudy
 S08B-087: HD17156
 S09B-089: XO-3, XO-4
 S10A-139 (Hirano et al.): HAT-P-13
2009/7/28
 S10A-143 (Hirano et al.): HAT-P-11
26
TrES-1の観測結果
すばる/HDS での最初の観測例
NN et al. (2007)
暗い天体だったが大口径のおかげでロシター効果の検出に成功
惑星が順行して公転していることを確認(世界で3例目)
2009/7/28
27
初の逆行惑星の発見
Narita et al. (2009) のHAT-P-7の観測結果、観測日:2008年5月30日
逆行惑星の発見・確認までの道のり
• 2008年9月にHAT-P-7の結果をJosh Winn氏に見せる
• それをもとに2008年10月に当時ハワイ大のJohn Johnson氏
がハワイ大学の持つ観測時間ですばるに応募
• 2009年7月にアメリカグループがすばるでHAT-P-7を観測し、
我々と同じ結論を得る(連絡があったのは7月31日)
アメリカグループによる独立な観測結果
Winn et al. (2009) より作成 観測日:2009年7月1日
最初の逆行惑星発表まで
• 2009年8月5日に、日本とアメリカグループが論文を投稿
• しかしアメリカグループがNatureに投稿したため、相談の上arXivには
両方の論文が受理されるまで投稿しないことに
• 8月11日、Natureからアメリカグループにrejectの連絡があり、同じ日
にヨーロッパグループが別の逆行惑星WASP-17bをarXivとApJに投稿
• 8月12日、アメリカグループはApJLに再投稿し、スカイプで相談の上、
同時にarXivに投稿
• しかし当時AOGSでシンガポールにいたため、アップロードに時間が
かかり、日本グループの方が番号が後になってしまう(そのため英語
の科学雑誌では日本グループは3番目の発見と書かれてしまった)
最初の逆行惑星発表の裏側
日本
Narita et al.
アメリカ
Winn et al.
ヨーロッパ
Anderson et al.
望遠鏡
すばる望遠鏡
すばる望遠鏡
オイラー・スイス望遠
鏡
惑星名
トランジット観測日
HAT-P-7b
2008/05/30
HAT-P-7b
2009/07/01
WASP-17b
2009/04/19
論文投稿日
2009/08/05
2009/08/12
2009/08/11
arXiv
投稿日
2009/08/12
2009/08/12
2009/08/11
論文受理日
2009/08/27
2009/08/21
2009/11/30
論文掲載日
2009/10/25
2009/10/01
2010/01/20
記者発表日
2009/11/04
2009/11/04
2009/08/12
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
すばる望遠鏡の観測結果
順行
順行
逆行
TrES-1b: Narita et al. (2007)
順行
HD17156b: Narita et al. (2009a)
HAT-P-7b: Narita et al. (2009b)
傾いている
極行
XO-4b: Narita et al. (2010c)
TrES-4b: Narita et al. (2010a)
HAT-P-11b: Hirano et al. (2010b)
初めてのSuper-Neptuneでの測定:HAT-P-11b
Hirano et al. (2010b)
すばるの結果のまとめ
 13個のトランジット惑星のロシター効果を測定
 10 papers published, 2 papers are in prep.
 13個中5個(HAT-P-7b, HAT-P-11b, XO-3b, XO-4b, WASP-1b)
は大きく傾いているという結果
 結論:軌道が傾いた惑星は意外と多い
これまでのロシター効果の観測結果
Stellar Spin
Planetary
Orbit
主星の自転軸と惑星の公転軸のなす角度
(spin-orbit alignment angle) は必ずしもゼロではない
惑星系の一部で惑星散乱/古在移動が実際に起きている
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
惑星軌道が傾いた系の特徴は何か?
• ロシター効果の測定は既に40個以上の惑星系で行われ、
統計的な議論が可能になってきている
– 離心率が大きい惑星は傾いていることが多い
– 公転周期が長い惑星は傾いていることが多い
– 主星が高温な惑星は傾いていることが多い
• これらの特徴を統一的に説明するかもしれないモデル
– 最初はほとんどの惑星が傾いた軌道を持ち、その後惑星から
主星への潮汐力で、主星の自転軸が惑星の公転軸に揃う
主星の温度と惑星の傾きの相関
8.1 days
111 days
21 d
Winn et al. (2010)
Hot Stars with Hot Jupiters Have High Obliquities
主星の温度と惑星の傾きの相関
8.1 days
111 days
Winn et al. (2010)
Stellar Convective Layer
主星の温度と惑星の傾きの相関
 Winn+ 2010 の要点と仮説
 温度が低い星は対流層が発達して、ホットジュピターの潮汐力で
主星のみかけの自転軸が惑星の公転軸にそろう(re-alignment)
 温度が低い星で傾いた惑星は周期が長く潮汐力が弱い
 HAT-P-11は温度が低い星だが惑星が小さいため潮汐力が弱い
 温度が高い星のまわりのホットジュピターはほとんど傾いている
 惑星はもともと傾いている(惑星散乱/古在移動した)のが普通?
 太陽系の惑星の軌道は説明できないが、主星近傍にある惑星に
対してはつじつまがあう
主星の温度と惑星の傾きの相関
 Winn+ 2010 の要点と仮説
 温度が低い主星のまわりで傾いたホットジュピターを発見すると、
この仮説に反証できる
 この仮説が正しいと、周期がある程度長い惑星や質量が小さい
惑星はrealignmentできないので傾いている
 この仮説が正しいと、温度が高い星の惑星だけで軌道傾斜角を
測れば惑星移動モデルの予言と直接比較できる
惑星移動モデルの統計的判別
• ロシター効果の測定を全部で100個ほど行えば、惑星散乱と
古在移動のどちらが主要な惑星移動メカニズムなのかを判
別することができる(Morton & Johnson 2011)
• ロシター効果による惑星移動モデルの判別はまだ道半ば
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
残された課題とその解決策
 軌道離心率や公転軌道傾斜角だけでは、個々の惑星系に
対して惑星散乱と古在移動は判別することができない
 個々の惑星系で惑星移動のメカニズムを特定するためには、
外側にあるはずの別の天体を特定しないといけない
 長周期の視線速度測定 (< 10AU)
 直接撮像 (> 10-100 AU)
 伴星の有無や、伴星があった場合の位置・質量などがわか
れば、伴星由来の古在移動モデルを制限できる
すばる望遠鏡のSEEDSプロジェクト
 SEEDS: Strategic Exploration of Exoplanets and Disks with Subaru
 初めての「戦略枠プロジェクト」 PI: 田村元秀氏
 すばる望遠鏡の新装置: HiCIAO & AO188
 5年にわたる120夜の観測で惑星と円盤の直接撮像を行う
 この中のRVカテゴリ(既知の惑星系)の一部の時間を使い、離心
率が大きかったり、大きく傾いた惑星系の惑星移動メカニズムを
特定する観測を開始
HAT-P-7の場合
N
NN et al. (2010b)
E
伴星候補を発見
伴星候補の距離と質量を制限
projected separation: ~1000 AU
これらの伴星候補は古在機構を起こせるか?
 古在機構が起こるには、それによる摂動が系の中で一番
強くないといけない(Innanen et al. 1997)
 もし他の天体の摂動の方が大きければ
 古在移動は否定される
 もしそのような他の天体が見つからなければ
 惑星散乱と古在移動のどちらの可能性もありうる
‘HAT-P-7c’ の存在
Winn et al. (2009c)
2007 and 2009 Keck data
2008 and 2010 Subaru data
(unpublished)
HJD - 2454000
長周期の視線速度変化 20 m/s/yr が2007年以降続いている
計算の結果、こちらの方が伴星候補より摂動が大きいことがわかった
HAT-P-7の惑星移動メカニズム
 2つの伴星候補を発見したものの、これらの伴星では古在
移動が起こせないことがわかった
 結果として、この惑星系は惑星散乱によって形成されたと
考えるのがもっともらしいことがわかった
 同様の観測を10個以上の惑星系で実施中
目次
• 太陽系天体の軌道
• 系外惑星の軌道と惑星移動理論
• トランジット惑星系のロシター効果
• ロシター効果の観測エピソードと観測結果
• 他のグループを含めた観測結果のまとめと示唆
• 今後の展望1:統計的議論
• 今後の展望2:直接撮像による惑星移動理論の特定
• 今後の展望3:より小さな惑星への拡張
• まとめ
TMT時代に向けて
• これまでの観測はほとんど木星型惑星のみだった
• 木星型惑星に限らず、海王星型惑星や地球型惑星まで含
めた惑星の軌道進化を明らかにしたい
• 大口径望遠鏡の(可視/赤外)高分散分光器による観測が
手がかりを与えてくれる
ロシター効果の観測可能性の検討
• ロシター効果の観測可能性はロシター効果の振幅と惑
星のingress/egressのタイムスケールによる
• ロシター効果の振幅は ~恒星の自転速度×隠す割合
• ingress/egressのタイムスケールは10分~1時間
• 高時間分解能と高精度な視線速度測定が必要
ロシター効果の振幅
惑星のingress/egress
タイムスケール
ロシター効果の振幅のオーダー評価
恒星の射影自転速度
隠す割合
ロシター効果の振幅
F, G, K
木星型
1km/s~10km/s
~1%
10~100m/s
F, G, K
海王星型
1km/s~10km/s
~0.1%
1~10m/s
F, G, K
地球型
1km/s~10km/s
~0.01%
10cm/s~1m/s
M
木星型
100m/s ~ 1km/s
10%~
~100m/s
M
海王星型
100m/s ~ 1km/s
~10%
10~100m/s
M
地球型
100m/s ~ 1km/s
~1%
1~10m/s
考慮すべき事柄
 M型星は可視で非常に暗く、赤外になると非常に有利
 将来の観測装置として
• すばる/IRD、TMT/可視、TMT/赤外 がそれぞれ~
1m/s の視線速度の精度を達成できると仮定
• E-ELT/CODEXでは ~10cm/s 以下の精度を仮定
 TMTでも同程度が達成できると仮定
ロシター効果の観測可能性
すばる
HDS
すばる
IRD
TMT/可視 TMT/赤外
(1m/s)
(1m/s)
TMT/可視
(10cm/s)
F, G, K
木星型
○
○
○
○
○
F, G, K
海王星型
△
△
○
○
○
F, G, K
地球型
×
×
×
×
○
M
木星型
△
○
○
○
○
M
海王星型
×
○
○
○
○
M
地球型
×
△
△
○
△
○:多くのターゲットで可、△:一部のターゲットで可、×:ほぼ不可能
結論
• 将来の大口径望遠鏡+高分散分光器による視線速度観測で、
より小さな惑星の軌道進化を観測で調べることができる
• すばるやTMTの新しい視線速度測定装置で、ターゲットの拡大
が可能
• 可視で~10cm/s, 赤外で~1m/s程度の視線速度の精度があ
れば、地球型惑星まで網羅した惑星の軌道進化の研究が可能
となる
まとめ
• ロシター効果の観測、長周期惑星の探索、伴星の探索など
によって惑星移動理論を観測的に検証することができる
• 軌道が傾いた惑星は意外と多いことがわかってきた
• どのモデルがどれくらいの割合で実現しているのかをこれか
ら明らかにしていく
• 将来的にはより小さな地球型惑星の軌道進化の仕方まで研
究することができる