離乳の定義 乳汁だけの栄養から次第に固形食に切り替えていく過 程であり,離乳の過程で与える固形食を離乳食と呼ぶ (果汁など液体は違う)。 ※ 昔は母乳をやめることを離乳といっていたこともあるが, 現在ではこれを断乳といい,離乳とは区別している。 離乳の必要性 1.栄養素の補給 2.咀嚼(噛む)能力の獲得 原始反射へ 3.摂食・消化能力の発達 4.精神発達 5.食習慣の形成 次のテーマへ 母乳を飲むための一連の原始反射 反 射 名 動 作 探索反射(探す) 口もとや頬に乳首が触れるとその方向に首を 回してくわえようとする。 捕捉反射(くわえる) 口蓋に加えられた刺激に対して,唇を丸めて 前方につきだしてくわえる。 吸啜反射(吸う) 口の中に入ってきた乳首に唇をリズミカルに 押しつけて強く吸う。 嚥下反射(飲み込む) 口の中にたまった乳汁を飲み込む。 戻 る 離乳の進め方の原則 1.軟らかいものから次第に硬いものへ 2.はじめは1日1回1さじから次第に量と 回数を増やす 3.毎回の離乳食の後はミルクを飲ませる 4.離乳食以外の時間は通常通り授乳する 離乳の開始 離乳の開始は満5ヶ月ごろが適当 ① このころまでは乳汁のみで十分に栄養が 足りている。 ② 生理的に咀嚼の準備状態になっている。 ③ 心理的にも固形食に関心を示すように なっている。 離乳食の調理形態 基本的には軟らかいものから硬いものへと次第 に進める。 この場合,食品の順序や種類に対してとくには こだわらず(ただしたんぱく質性の食品は注意), 調理形態を優先的に考える。 離乳食の量の調節(漸増方式) 離乳食の量は,1日1回1さじから始め,2〜3日 ごとに1さじずつ漸増する。 ただし,初期は量を増すことは二義的とし,離乳 食の受け入れと飲み込みに慣れさせることにポイ ントをおく。 離乳食の栄養バランス 1.初期の摂取量が少ない時期は,たとえば 「お粥」などの単品でもやむを得ない。 2.ある程度の量や回数に達したら1食ごとに 三大栄養素やビタミンなど栄養学的常識に 従って栄養のバランスをとることができる ようにいろいろな食品を利用する。 離乳の基本 「厚生省研究費による離乳食幼児食研究班」 5 月齢 べ 調 食 品 理 7 離乳初期 乳 食 回 離 数 母 乳 ・ ミ ル ク 食 6 方 形 態 8 離乳中期 9 10 離乳後期 1 2 3 4 3 2 飲み込む ドロドロ 顎と舌の上下運動 舌でつぶせ る固さ 咀嚼運動 ・舌の左右運動 歯ぐきでつ ぶせる固さ ・ 穀 類(・) つぶしが ゆ 5~10 つぶしが ゆ~かゆ 30~70 かゆ~軟飯 80~100 ・ 卵 (個) 卵 黄 1/4 卵 黄 ~ 全 卵 1/2~1~1/2 全 卵 2/3~1 鳥獣魚肉 (・) 5~10 10~20 20~30 ・ 野 菜(・) 5~10 10~30 30~40 注 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 進め方や食品の量などは目安であり,個人差を考えて調整する。 離乳食が3回となり,量が多くなるに つれて,離乳食後 の母乳またはミ ルクは飲まなくな る。 離乳食以 外の母乳やミルク の回数は,6~8ヶ月で4回,9~11ヶ月で3回の場合もある。 鳥獣魚肉 の代わりに,豆腐,納豆,チーズそ の他のたんぱ く質源食品 も利用する。 野菜には果実を適宜加える。 海藻類は,適宜用いる。 油脂は,バター,マーガリ ン,食物油等 を適宜用いる。 食塩や砂糖は多すぎない ように気をつける 。 11 離乳食の注意事項 1.うす味で塩分を控える 2.食品は良質で鮮度の高いものを清潔に調理 3.抗原性の高い食品の取り扱いに注意 間食の必要性 1.栄養補給 2.心理的満足感を与える 3.食への関心を高める 間食の与え方の注意事項 1.食事に支障を及ぼさない程度の軽いものを 目安:1日の摂取エネルギーの10〜20% (1〜2歳児=100〜240kcal,3〜5歳児=130〜300kcal) 2.与える時間を規則正しく
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