ARCSモデルに基づく

ARCSモデルに基づく
授業・教材改善方略ガイド
ブックシステムの構築と評価
山本雅之*
西渕あきこ**
鈴木克明*
*岩手県立大学ソフトウェア情報学部
**岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科
本研究は、平成12-13年度文部科学省科学研究費補助金
基盤研究(C)(2)(課題番号12680217)の援助を受けました
はじめに

授業・教材を改善するとき
 学習意欲を中心に考えた改善を行いたい!

ARCSモデル
 J.M.Kellerが提唱した
 様々な動機づけ理論を統合したモデル
A:Attention
注意
R:Relevance
関連性
C:Confidence
自信
S:Satisfaction
満足感
改善方略ガイドブックシステムについて

ARCS評価シート
 向後・鈴木(2000)が開発した
 ARCSモデルにおいて、どの側面が十分・不十分である
かの評価ができる
しかし
集計に手間がかかる
すぐに改善に使えない

改善方略ガイドブックシステム
 ARCS評価シートと連動し、
 教師や教材作成者に学習意欲を高めるためにはどうす
ればいいかという改善方略を提案し、
 改善策を考えることを支援するシステム
システムの全体図
回答の
集計・分析
○○という弱点を
改善方略
△△することで改
善しよう
の提案
回答
授業・教材で教える
改善方略ガイドブックシステムについて
改善方略データベースについて

改善方略データベース
 115個の方略が登録されている
管理機能

方略管理機能
 CSV形式の方略データを編集することができる

ユーザ管理機能
 管理者がユーザの追加・削除・編集を行う
開発

言語
 PerlによるCGIにて開発
学習者
改善アイデア
回答
ARCS評価
シートでの
データ回収
回答データの
結果表示
回答データ
改善方略の
提案・登録
改善方略
データベース
教師・
教材作成者
マイリスト
評価実験

評価実験として、以下の3つを行った
1.
2.
3.

ユーザビリティ評価
教材改善提案の有効性評価
授業改善提案の有効性評価
結論

ARCSモデルに関する事前知識の持たない利用者でも、
比較的短時間で、授業・教材の弱点を中心とした改善
アイデアを考えることができるようになった
ユーザビリティ評価実験

内容と結果
 大学教員2名にシステムの使いやすさの評価を行った
 ソフトウェア情報学部専門科目「メディア論」での42人分
の回答データを用いた

大学教員2名はこの授業の内容を知っている
 作業シートの指示に従い、本システムを使って改善アイ
デアを考えてもらった
 その結果、ボタンの配置、評価結果の平均点による並び
替えなどの改善を行った
教材改善提案の有効性評価(1)

手続き
 教材改善の有効性を評価するため、小集団評価
を行った
 大学生8名を対象
その内の6名が作成した印刷教材6種類を試用
 教材作成者は本システムを使って、改善アイデアを考
えた

教材改善提案の有効性評価(2)

結果
 マイリスト:平均11.7個の方略が登録
 改善アイデア:平均3.7個

生み出された
マイリストに登録した方略が改善アイデアにつながっ
た確率
ワースト3
 ワースト3以外

88%
47%
 評価データと連動することで、弱点に焦点を当て
た改善アイデアを考えることの支援ができた
授業改善提案の有効性評価(1)

手続き
 授業改善での有効性を評価するため、ARCSモデルにつ
いての知識のない大学教員を対象としたケーススタディを
行った
 ソフトウェア情報学部専門科目「戦略情報システム学」の
受講生87名に電子メールでWeb上のARCS評価シート
への回答を依頼した
 47名から有効な回答を得ることができた
 授業担当教員に本システムを使って、来年度の講義につ
いての改善アイデアを考えてもらった
授業改善提案の有効性評価(2)

結果
 約1時間の作業
 マイリスト:29個の方略が登録された
 改善アイデア:7個
生み出された
 ARCSモデルに関する知識を持たない教員でも、
本システムを用いることにより、短時間で改善ア
イデアを考えることの支援ができた
今後の課題
 方略に合わせた例を提示する

さまざまな場面に適用できるようにする
 方略目安箱の作成

改善方略を投稿してもらい、方略データベースの充実
化を計る
 属性の分類法の改良

常に適切な数の方略が提案されるようにする
システム公開中:http://www.et.soft.iwate-pu.ac.jp/guidebook/