JICA環境マネジメントシステム 環 境 法 令 研 修

http://www.kmri.co.jp
平成24年度 神奈川県ISO14001研修会
環境関連法令の動向について
平成25年2月26日
株式会社 知識経営研究所
1
本日の講演内容
1. 環境法令の主な改正状況
2. 環境基本法
3. 再生可能エネルギーと関連規制・制度改革状況
4. 都市低炭素化法
5. 小型家電リサイクル法
6. 実務に役立つ 「廃棄物処理法」
7. 【参考】 環境法令の主な改正予定
2
1. 環境法令の主な改正状況
3
(参考) 環境法令体系と主な関連法令
環境基本法
環境
一般
地球
環境
廃棄物・リサイクル
循環型社会基本法
大気・
騒音
水質・
土壌
環
境
配
慮
契
約
法
グ
リ
ー
ン
購
入
法
フ
ロ
ン
回
収
・
破
壊
法
省
エ
ネ
法
廃
棄
物
処
理
法
P
C
B
特
別
措
置
法
資
源
有
効
利
用
促
進
法
自
動
車
リ
サ
イ
ク
ル
法
騒
音
規
制
法
大
気
汚
染
防
止
法
下
水
道
法
水
質
汚
濁
防
止
法
環
境
教
育
推
進
法
環
境
配
慮
促
進
法
オ
ゾ
ン
層
保
護
法
温
暖
化
対
策
推
進
法
家
電
リ
サ
イ
ク
ル
法
食
品
リ
サ
イ
ク
ル
法
容
器
包
装
リ
サ
イ
ク
ル
法
建
設
リ
サ
イ
ク
ル
法
振
動
規
制
法
悪
臭
防
止
法
浄
化
槽
法
土
壌
汚
染
対
策
法
化学
物質
化
学
物
質
審
査
規
制
法
毒
物
及
び
劇
物
取
締
法
管化
理学
促物
進質
法排
出
把
握
安全・
施設
労
働
安
全
衛
生
法
消
防
法
工
場
立
地
法
高
圧
ガ
ス
保
安
法
4
最近の主な環境法令の改正状況
施行日
2012.6.27
法 令 名
概
要
環境基本法
【改正】
環境法体系の下で放射線物質による環境
汚染防止の措置が行えるよう、適用除外規
定(第13条)を削除
2012.7.1
再生可能エネルギー
特措法【新設】
再生可能エネルギーを用いて発電された電
気を、一定の期間、一定の価格で電力会社
が買い取ることを義務付け
2012.12.4
都市低炭素化法
【新設】
市町村による低炭素化まちづくり計画の作
成及びこれに基づく規制緩和措置・交付金
等による財政支援、低炭素建築物の認定
制度の創設等
2012.12.12 PCB特別措置法
【改正】
2013.4.1
小型家電リサイクル
法【新設】
PCB廃棄物の処理期限の延長
(平成28年7月→平成39年3月末)
デジカメやゲーム機等の使用済小型電子
機器等の再資源化促進
5
2. 環境基本法
6
環境基本法の概要
日本の環境政策についての基本理念を定め、環境の
保全に関する施策を総合的・計画的に推進することを
目的にした法律。1992年6月に開かれた地球サミットを
きっかけに1993年11月に成立。
持続的発展が可能な社会の構築や国際的協調によ
る地球環境保全の積極的推進などを掲げ、公害防止と
自然環境保全に対しての国・自治体・事業者・国民の責
務を明らかにするとともに、現在及び将来の国民の健
康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福
祉に貢献することを主な目的としている。
環境基本法改正の概要
従来、放射線物質による環境汚染防止措置は、環境基本法第13条にお
いて原子力基本法等で定めるとされてきた(環境法体系では適用対象外
だった)。しかし、東日本大震災による原子力発電所事故由来の放射線
物質による環境汚染が発生し、それに対処するため、「放射性物質汚染
対処特別措置法※」が制定された。
※東京電力福島第1原子力発電所の事故により放射線物質で汚染された廃棄物処理や
土壌などの除染を国の責任で行う法律
今後、類似の問題に対応することを念頭におき、環境法体系の下で放射
性物質による環境の汚染の防止のための措置を行うことができることを
明確に位置づけるため、第13条が削除された。
一部の個別環境法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法等)においては、
依然として放射線物質による環境汚染防止措置の適用除外規定が置か
れていることから、適用除外規定を削除する方向で検討を進めていく予
定。
3. 再生可能エネルギーと
関連規制・制度改革の状況
9
再生可能エネルギー特措法の概要
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、経済
産業大臣が定める一定の期間、一定の価格で電力会社
が買い取ることを義務付けている。
買い取り対象の再生可能エネルギー源は太陽光、風力、
水力、地熱、バイオマス、これらのエネルギーからの発電
設備は経済産業大臣の認定が必要となる。
なお、電気会社が買い取りに要した費用は、電気料金
の一部として、企業や家庭に対して使用電力量に比例し
た賦課金(サーチャージ)を支払うことによって充てる。
<制度の見直しについて>
・ 少なくとも3年ごとに見直しを行い、また、エネルギー基本計画が
変更された際には変更後の同計画の内容を踏まえた見直しを行
う。
・ 平成32年度(2020年度)までに抜本的な見直しを行う。
10
再生可能エネルギー買取り制度の概要
再生可能エネルギーで
作った電気を、電力会社
の送電線につなぎ、送りま
す。
電力会社は、送電さ
れた発電量に応じ、
決められた価格で、
買取代金を支払いま
す。
賦課金
電気をご利用の皆様
(再生可能エネルギーを買い取るため費用は、賦課金という形でみんなで負担します。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
11
太陽光パネルを設置した家庭の場合
電気の使用量:300kWh
電気料金:7,000円
(注)
太陽光発電の設備利用率12%、売電単価は42円/kWh、余剰比率6割、一月あたりの電気使用量が300kWhで
7,000円とし、太陽光発電導入後もご家庭での電気使用量は300kWhで変わらないという仮定のもと、試算しています。
賦課金は、再生可能エネルギーが相当程度普及が進んだ時点での単価(0.5円/kWh)を引用しています。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
12
再生可能エネルギーの固定買取り価格制度の仕組み
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
13
買取対象となる再生可能エネルギー
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
14
買取価格と買取期間について
■ 平成24年度(2012年7月~2013年3月)の買取価格
買取価格・期間は基本的に
年度ごとに見直しが行われる。
(一度売電がスタートしたものの買取価
格・期間は当初の特定契約の内容で
『固定』される)
買取価格は、以下2点のいず
れか遅い時点での価格を適
用
・接続契約申込みの書面を電気
事業者が受領した時
・設置する設備について経済産業
大臣の認定を受けた時
買取期間は、特定契約に基づ
く電気の供給が開始された時
から起算(試運転期間は除く)
(※1)間伐材や主伐材であって、後述する設備認定において未利用であることが確認できたものに
由来するバイオマスを燃焼させる発電
(※2)未利用木材及びリサイクル木材以外の木材(製材端材や輸入木材)並びにパーム椰子殻、
稲わら・もみ殻に由来するバイオマスを燃焼させる発電
(※3)一般廃棄物、下水汚泥、食品廃棄物、RDF、RPF、黒液等の廃棄物由来のバイオマスを
燃焼させる発電
(※4)建設廃材に由来するバイオマスを燃焼させる発電
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
15
賦課金の回収・分配
出典:経済産業省 資源エネルギー庁
16
再生可能エネルギー発電設備の導入状況について (11月末時点)
(出典:経済産業省
資源エネルギー庁)
17
エネルギー分野における主な規制・制度改革の要望
(出典:経済産業省
資源エネルギー庁)
18
規制・制度改革の進捗状況 (①太陽光発電)
【太陽光発電】
売電用太陽光発電施設の工場立地法上の取扱いの見直し
⇒ ①届出対象施設から除外 (施行令改正 H24.6.1施行)
②環境施設に位置付け
(施行規則改正 H24.6.15施行)
市街化調整区域における太陽光発電設備(建築法上の建築物
でないもの)の付属施設の取扱いの明確化
⇒ 当該付属施設の建築を目的とした開発行為にあたらないと開発許
可権者が判断した際には、都市計画法上の開発許可が不要
( 「太陽光発電設備の付属施設に係る開発制度上の
取扱いについて(技術的助言)」 H24.6.8発出)
建築物の屋上に設置する太陽光発電設備の取扱いの明確化
⇒ 一定の要件を満たせば、建築確認申請不要
【要件】 メンテナンス時以外、人が架台下に立ち入らないものであって、
かつ、架台下の空間を屋内用途に供しないもの
(「既存建築物の屋上に太陽電池発電設備を設置する際の
建築基準法の取扱いについて」 H24.7.4発出)
19
規制・制度改革の進捗状況 (②小水力発電)
【小水力発電】
小水力発電に係る河川法の許可手続きの簡素化
⇒ 水利使用区分の見直しを実施
一級河川の許可を国土交通大臣から都道府県知事等へ委譲
(施行令H25.1.25閣議決定 H25.4.1施行予定)
取水管理の柔軟化による効率的な運用
⇒ ①出力抑制運転の改善のための取水ルール (H24.4月原案作成、検討中)
②従属発電の取水量報告について、実測以外の簡便な方法が可
能であることを周知 (H24.5.28事務連絡発出)
小水力発電に係る従属発電に関する登録制の導入
⇒ 検討中
従属発電における適正な水利使用を担保する措置、費用負担、従属元である農
業用水問の利水者と発電事業者との関係等について、整理、検討中。
20
規制・制度改革の進捗状況 (③風力発電)
【風力発電】
風力発電に係る環境影響評価の手続き迅速化
⇒ 評価項目の絞り込みを実施
(環境影響評価法関連省令改正 H24.10.1施行)
自然公園における風力発電施設の審査に関する技術的ガイド
ラインの見直し
⇒ 風力発電事業者からの意見聴取等を実施し、検討中。
風力発電の導入促進に係る審査の一本化
⇒ 太陽光発電設備と同様に電気事業法上の審査に一本化すること
について、協議中
送電における広域的運用の実施
⇒ 4月に電気事業連合会ホームページにて各一般電気事業者の連
系可能量を公表済み。
21
規制・制度改革の進捗状況 (④地熱発電、⑤バイオマス発電)
【地熱発電】
自然公園内における地熱発電施設の設置に関する規制の見直
し(通知の見直し)
⇒ 国立・国定公園内における地熱発電施設を6箇所に限定するとい
う通知を廃止し、一定要件を満たすものは認める
(「国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて」 H24.3.27 発出)
【バイオマス発電】
バイオマス発電燃料の普及促進のための判断事例の整理・周
⇒ 地方自治体がバイオマス発電燃料につき有価物性を認めた判断
知
事例を全国の自治体から幅広く収集するためのアンケート調査の
準備中(H24.7.1時点)
バイオマス発電燃料に関して廃棄物か否かを判断する際の輸送
費の取扱い等明確化
⇒ 地方自治体へのアンケート調査を準備中(H24.7.1時点)
22
4. 都市低炭素化法 (エコまち法)
23
都市低炭素化法 (概要)
都市の低炭素化の促進に関する法律 (平成24年12月4日施行)
日本のCO2総排出量の約半分を占める市街地での発生を抑制すること
を目的とした法律
【基本方針】
コンパクトシティの推進
⇒低炭素化まちづくり計画の作
成(市町村)
「低炭素建築物」の認定
⇒自治体が認定する制度を創設
2つの基本方針を進めるために、
様々な特例や規制緩和措置を導入
(出典:国土交通省)
24
都市低炭素化法 (低炭素まちづくり計画)
(出典:国土交通省)
「低炭素まちづくり計画」を進めると、様々な財政支援を受けられる
「集約都市開発事業への支援」
⇒ 国が3分の1を負担
「にぎわい交流施設の整備や太陽光パネルの
設置など様々な事業への支援」
⇒ 国が2分の1を支援 等
25
都市低炭素化法 (低炭素化建築物の認定に関する基準のイメー
ジ)
⇒認定住宅は、住宅ローン減税の拡充に加え、設備に関わ
る部分を容積率に算入しないという特例措置を受けられる
(出典:国土交通省)
26
都市低炭素化法 (参考:スカイツリーの例)
(出典:国土交通省)
27
5. 小型家電リサイクル法
28
小型家電リサイクル法 (概要)
使用済み小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律 (平成25年4月1日施行予定)
消費者が排出する携帯電話、ゲーム機などの小型家電リサイクルを促進するた
め、関係者 (消費者、事業者、市町村、小売業者、認定事業者など) が協力して自発的に回
収方法やリサイクルの実施方法を工夫しながら、それぞれの実情を踏まえた形
でリサイクルを実施する促進型の制度。
(出典:環境省)
29
小型家電リサイクル法 (対象品目)
対象品目 (一般消費者が通常生活の用に供するもので、これらの付属品を含む)
1. 電話機、ファクシミリ、その他の有線通信機械器具
16. ヘルスメーターその他の計量用又は測定用の電気機械器具
2. 携帯電話端末及びPHS 端末
17. 電動式吸入器その他の医療用電気機械器具
3. カーナビゲーションその他の無線通信機械器具
18. フィルムカメラ
4. ラジオ受信機及びテレビジョン受信機
(家電リサイクル法のテレビを除く)
19. ジャー炊飯器 、電子レンジその他の台所用電気機械器具
(家電リサイクル法の電気冷蔵庫及び電気冷凍庫を除く)
5. ビデオカメラ、ディー・ブイ・ディー・レコーダー
その他の映像用機械器具
20. 扇風機、電気除湿機その他の空調用電気機械器具
(家電リサイクル法のエアコンを除く。)
6. デジタルカメラ
21. 電気アイロン、電気掃除機その他の衣料用又は衛生用の
電気機械器具(家電リサイクル法の電気洗濯機及び衣類
乾燥機を除く。)
7. デジタルオーディオプレーヤー、ステレオセット
その他の電気音響機械器具
22.電気こたつ、電気ストーブその他の保温用電気機械器具
8. パーソナルコンピュータ
23. ヘアドライヤー、電気かみそりその他の理容用電気機械器具
9. 磁気ディスク装置、光ディスク装置その他の記憶装置
24.電気マッサージ器
10. プリンターその他の印刷装置
25. ランニングマシンその他の運動用電気機械器具
11. ディスプレイその他の表示装置
26. 電気芝刈機その他の園芸用電気機械器具
12. 電子書籍端末
27. 蛍光灯器具その他の電気照明器具
13. 電動ミシン
28. 電子時計及び電気時計
14. 電気グラインダー、電気ドリルその他の電動工具
29. 電子楽器及び電気楽器
15. 電子式卓上計算機その他の事務用電気機械器具
30. ゲーム機その他の電子玩具及び電動式玩具
30
小型家電リサイクル法 (回収方法)
(出典:環境省)
31
小型家電リサイクル法 (ロゴマーク)
消費者が小型家電を排出する際に安心して引き渡すことができる場
所・相手を一目で見分けられるようにするため、また消費者の適正な
回収を促すために以下のマークが作成された。
⇒市町村及び認定事業者が回収ボックスや回収車両、看板等に表示
(出典:環境省)
32
小型家電リサイクル法 (県内市町村の取り組み①:伊勢原
市)
 回収開始時期:平成25年1月~
 回収方法:① 不燃物収集日(月2回)
市の収集運搬車が不燃物収集場所で、不燃ごみの中
から小型家電のピックアップ(抜き取り)を実施
② 専用BOXによる回収 (市役所及び公民館 計8か所設置)
 回収品目: 携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯型ゲーム機、
テジタル等携帯音楽プレーヤー
(出典:神奈川県HP)
33
小型家電リサイクル法 (県内市町村の取り組み②:相模原
市)
 事業期間 :平成25年3月1日から平成28年3月31日まで
※平成28年度以降については事業評価を踏まえ検討
 回収方式 :拠点回収※及びイベント回収
※公共施設を中心に回収ボックスを設置16か所に設置
(緑区、中央区、南区)
 対象品目:16品目(長辺で30cm未満のものに限る。)
携帯電話、デジタルカメラ、据置型ゲーム機、ビデオカメ
ラ、デジタルオーディオプレーヤー(フラッシュメモリ、HD
D)、
公衆用PHS端末、デッキを除くテープレコーダー、携帯
型ゲーム機、電子辞書、CDプレーヤー、MDプレーヤー、
ICレコーダー、ETC車載ユニット、VICSユニット、電話機
(出典:相模原市HP)
34
6. 実務に役立つ「廃棄物処理法」
35
廃棄物処理法の概要
廃棄物とは?
廃棄物処理法第2条第1項
「廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、
汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、
動物の死体その他の汚物又は不要物であって、
固形状又は液状のもの」
衛産第50号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課産業廃
棄物対策室長通知
「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売
却することができないため不要になった物」
但し、性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無
及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断される
36
廃棄物処理法
次のケースは廃棄物になるか?
A) 廃油をリサイクル業者に引取ってもらい、
売却代金 3,000円から運搬費 1,000円を引いた
2,000円を受け取った
B) 廃油をリサイクル業者に引取ってもらい、
売却代金 1,000円から運搬費 1,500円を引いて
500円を支払った
C) 廃油をリサイクル業者に無料で引き取ってもらった
37
廃棄物処理法
産業廃棄物とは?
38
廃棄物処理法
産業廃棄物の種類
【産業廃棄物 (あらゆる事業活動に伴うもの) 12種類】
(1)燃え殻 (2)汚泥 (3)廃油 (4)廃酸 (5)廃アルカリ
(6)廃プラスチック類 (7)ゴムくず (8)金属くず
(9)ガラス・コンクリート・陶磁器くず (10)鉱さい
(11)がれき類 (12)ばいじん
【産業廃棄物 (業種等が限定されるもの) 8種類】
(13)紙くず (14)木くず (15)繊維くず (16)動物系固形不要物
(17)動植物性残さ (18)動物のふん尿 (19)動物の死体
(20)産業廃棄物を処分するために処理したもので(1)~(19)に該当しないもの
特別管理産業廃棄物(特に有害性・危険性の高い産業廃棄物)7種類
(1)廃油( 引火性廃油) (2)廃酸( 廃強酸)
(3)廃アルカリ( 廃強アルカリ) (4)感染性廃棄物
(5)特定有害産業廃棄物 (6)ばいじん (7)ダイオキシン類
39
廃棄物処理法
参考:「あわせ産廃」
【廃棄物処理法第11条】
事業者は、その産業廃棄物を
自ら処理しなければならない。
市町村は、単独に又は共同して、
一般廃棄物とあわせて処理することができる
産業廃棄物、その他市町村が処理することが
必要であると認める産業廃棄物の処理を
その事務として行なうことができる。
40
廃棄物処理法
排出事業者の責務 (1/2)
【“ごみ”になる前】
再生利用等による廃棄物の減量
適正処理しやすい製品、容器等の開発
製品、容器等の適正な処理方法の表示等
廃棄物の減量や適正処理に関して行政機関に協力
【産業廃棄物を保管するとき】
周囲の囲い
掲示板の設置
高さ制限、斜面制限の順守(屋外保管時)
飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止
41
廃棄物処理法
排出事業者の責務 (2/2)
【産業廃棄物の運搬や処分を委託するとき】
許可事業者と書面にて契約
許可範囲(品目や地域)での委託
委託業者の実地確認
マニフェストの発行・管理
【その他の管理上の義務】
マニフェスト交付状況を都道府県等へ報告
特別管理産業廃棄物管理責任者の設置
特別管理産業廃棄物の運搬処分状況を帳簿に記録
(運搬、処分の委託をする場合を除く)
PCBの保管状況を都道府県等に報告
42
廃棄物処理法
43
廃棄物処理法
産業廃棄物処理の契約書
 書面で交わす(口頭契約は認められない)
 「運搬」と「処分」の2つの契約書
 必要事項がすべて含まれていること
 許可証の写しを添付
(常に最新のものを受領)
 契約が終了してからも5年間保管
44
廃棄物処理法
産業廃棄物管理票(マニュフェスト)A票
氏名
交付年月日
中間処理
産業廃棄物
12345678901 1
整理番号
氏名又は名称
事
業
者
住所 〒 電話番号
交付担当者
名称
排
出
事
業
場
所在地 〒 電話番号
)
産
業
廃
棄
物
交付番号
(
事(
排
業出
者
者)
平成 年 月 日
□ 種類(普通の産業廃棄物)
□ 種類(特別管理産業廃棄物)
□0100
燃えがら
□1200
金属くず
□7000
引火性廃油
□7424
燃えがら(有害)
□0200
汚泥
□1300
ガラス・陶磁器くず
□7010
引火性廃油(有害) □7425
汚泥(有害)
□0300
廃油
□1400
鉱さい
□7100
強酸
□7426
廃油(有害)
□0400
廃酸
□1500
がれき類
□7110
強酸(有害)
□7427
廃酸(有害)
□0500
廃アルカリ
□1600
家畜のふん尿
□7200
強アルカリ
□7428
廃アルカリ(有害)
□0600
廃プラスチック類
□1700
家畜の死体
□7210
強アルカリ(有害)
□7429
ばいじん(有害)
□0700
紙くず
□1800
ばいじん
□7300
感染性廃棄物
□7430
13号廃棄物(有害)
□0800
木くず
□1900
13号廃棄物
□7410
PCB等
□
□0900
繊維くず
□4000
動物系固形不要物 □7421
廃石綿等
□
□1000
動植物性残さ
□
□7422
指定下水汚泥
□
□1100
ゴムくず
□ 石綿含有産業廃棄物
□7423
鉱さい(有害)
□
管理票交付者(処分委託者)の氏名又は名称及び管理票の交付番号(登録番号)
数量(及び単位)
荷姿
産業廃棄物の名称
有害物質等
処分方法
備考・通信欄
□ 帳簿記載のとおり
□ 当欄記載のとおり
運搬の受託
処分の受託
氏名又は名称
(運搬担当者の氏名)
(受託者の氏名又は名称)
(処分担当者の氏名)
名称/所在地/電話番号
最終処分を
行った場所
積
又
は
替
保
管
え
住所 〒 電話番号
(受託者の氏名又は名称)
処
分
事
業
場
(受領印)
(受領印)
名称
住所 〒 電話番号
)
処
分
受
託
者
運
搬
先
の
事
業
場
(
名称/所在地/電話番号
最終処分
□ 委託契約書記載のとおり
の場所
□ 当欄記載のとおり
氏名又は名称
運
搬
受
住所 〒 電話番号
託
者
名称
所在地 〒 電話番号
運 搬
有価物拾集量
終了年月日 平成 年 月 日
処 分
数量(及び単位)
最終処分
終了年月日
終了年月日 平成 年 月 日
(委託契約書記載の場所にあたっては委託契約書記載の番号)
照
合
確
認
平成 年 月 日
B2票
平成 年 月 日
D 票
平成 年 月 日
E 票
平成 年 月 日
45
廃棄物処理法
産業廃棄物管理票(マニュフェスト)A票
交付年月日
中間処理
産業廃棄物
交付番号
12345678901 1
氏名又は名称
事
業
者
●●工業㈱
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
東京都●●区○○町1-2-3
氏名
0002
整理番号
交付担当者
排
出
事
業
場
山田太郎
名称
●●工業㈱××営業所
所在地 〒 XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
千葉県××市▲▲町3-2-1
)
産
業
廃
棄
物
23年 4月 7日
(
事(
排
業出
者
者)
平成
□ 種類(特別管理産業廃棄物)
☑ 種類(普通の産業廃棄物)
□0100
燃えがら
□1200
金属くず
□7000
引火性廃油
□7424
燃えがら(有害)
□0200
汚泥
□1300
ガラス・陶磁器くず
□7010
引火性廃油(有害) □7425
汚泥(有害)
□0300
廃油
□1400
鉱さい
□7100
強酸
□7426
廃油(有害)
□0400
廃酸
□1500
がれき類
□7110
強酸(有害)
□7427
廃酸(有害)
□0500
廃アルカリ
□1600
家畜のふん尿
□7200
強アルカリ
□7428
廃アルカリ(有害)
☑0600
廃プラスチック類
□1700
家畜の死体
□7210
強アルカリ(有害)
□7429
ばいじん(有害)
□0700
紙くず
□1800
ばいじん
□7300
感染性廃棄物
□7430
13号廃棄物(有害)
□0800
木くず
□1900
13号廃棄物
□7410
PCB等
□
□0900
繊維くず
□4000
動物系固形不要物 □7421
廃石綿等
□
□1000
動植物性残さ
□
□7422
指定下水汚泥
□
□1100
ゴムくず
□ 石綿含有産業廃棄物
□7423
鉱さい(有害)
□
管理票交付者(処分委託者)の氏名又は名称及び管理票の交付番号(登録番号)
数量(及び単位)
荷姿
10kg
バラ
産業廃棄物の名称
梱包廃材
有害物質等
処分方法
焼却
備考・通信欄
□ 帳簿記載のとおり
□ 当欄記載のとおり
運搬の受託
処分の受託
氏名又は名称
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
茨城県■■市○○町1-1-1
(運搬担当者の氏名)
(受託者の氏名又は名称)
(処分担当者の氏名)
名称/所在地/電話番号
最終処分を
行った場所
積
又
は
替
保
管
え
△△リサイクル㈱
(受託者の氏名又は名称)
処
分
事
業
場
㈱××運搬 本田一郎
本
田
(受領印)
名称
△△リサイクル㈱ 千葉工場
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
千葉県○○市▲▲987
)
処
分
受
託
者
運
搬
先
の
事
業
場
(
名称/所在地/電話番号
最終処分
☑ 委託契約書記載のとおり
の場所
□ 当欄記載のとおり
氏名又は名称
運
搬
㈱××運搬
受
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
託
者
千葉県△△市□□町1234
名称
所在地 〒 電話番号
運 搬
有価物拾集量
終了年月日 平成 年 月 日
処 分
数量(及び単位)
最終処分
終了年月日
終了年月日 平成 年 月 日
(委託契約書記載の場所にあたっては委託契約書記載の番号)
照
合
確
認
平成 年 月 日
B2票
平成 23年 4月 15日
D 票
平成 23年 4月 22 日
E 票
平成 23年 4月 30日
46
廃棄物処理法
産業廃棄物管理票(マニュフェスト)A票 通し番号など
マニフェストを渡した日
交付年月日
交付番号
12345678901 1
氏名又は名称
●●工業㈱
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
東京都●●区○○町1-2-3
排
出
事
業
場
0002
整理番号
事
業
者
排
出
事
業
場
●●工業㈱××営業所
所在地 〒 XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
千葉県××市▲▲町3-2-1
□ 種類(特別管理産業廃棄物)
☑ 種類(普通の産業廃棄物)
□0100
燃えがら
□1200
金属くず
□7000
引火性廃油
□7424
燃えがら(有害)
□0200
汚泥
□1300
ガラス・陶磁器くず
□7010
引火性廃油(有害) □7425
汚泥(有害)
□0300
廃油
□1400
鉱さい
□7100
強酸
□7426
廃油(有害)
□0400
廃酸
□1500
がれき類
□7110
強酸(有害)
□7427
廃酸(有害)
□0500
廃アルカリ
□1600
家畜のふん尿
□7200
強アルカリ
□7428
廃アルカリ(有害)
☑0600
廃プラスチック類
□1700
家畜の死体
□7210
強アルカリ(有害)
□7429
ばいじん(有害)
□0700
紙くず
□1800
ばいじん
□7300
感染性廃棄物
□7430
13号廃棄物(有害)
□0800
木くず
□1900
13号廃棄物
□7410
PCB等
□
□0900
繊維くず
□4000
動物系固形不要物 □7421
廃石綿等
□
□1000
動植物性残さ
□
□7422
指定下水汚泥
□
□1100
ゴムくず
□ 石綿含有産業廃棄物
□7423
鉱さい(有害)
□
管理票交付者(処分委託者)の氏名又は名称及び管理票の交付番号(登録番号)
数量(及び単位)
荷姿
10kg
バラ
産業廃棄物の名称
梱包廃材
有害物質等
処分方法
焼却
備考・通信欄
「ドラム缶2本」
「ポリ容器」など
重量または容量
(原則、1伝票につき1種類)
産業廃棄物
山田太郎
名称
委託する廃棄物にチェック
中間処理
交付担当者
)
産
業
廃
棄
物
23年 4月 7日
(
契
約
者
事(
排
業出
者
者)
平成
実際に引き渡した人
氏名
(概算でも可)
□ 帳簿記載のとおり
□ 当欄記載のとおり
名称/所在地/電話番号
最終処分
☑ 委託契約書記載のとおり
の場所
□ 当欄記載のとおり
氏名又は名称
運
搬
㈱××運搬
受
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
託
者
千葉県△△市□□町1234
運搬の受託
処分の受託
氏名又は名称
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
茨城県■■市○○町1-1-1
(運搬担当者の氏名)
㈱××運搬 本田一郎
(受託者の氏名又は名称)
(処分担当者の氏名)
名称/所在地/電話番号
最終処分を
行った場所
積
又
は
替
保
管
え
△△リサイクル㈱
(受託者の氏名又は名称)
引き渡した相手(収集運搬業者
の運転手等)が記入・押印
処
分
事
業
場
本
田
(受領印)
△△リサイクル㈱ 千葉工場
住所 〒XXX-XXXX 電話番号 XX-XXXX-XXXX
千葉県○○市▲▲987
)
処
分
受
託
者
運
搬
先
の
事
業
場
(
通常は「委託契約書記載のとおりにチェッ
名称
ク」
名称
所在地 〒 電話番号
運 搬
有価物拾集量
終了年月日 平成 年 月 日
処 分
最終処分
終了年月日
終了年月日 平成 年 月 日
(委託契約書記載の場所にあたっては委託契約書記載の番号)
B2、D、E票を受領した
日付を記入する
数量(及び単位)
照
合
確
認
平成 年 月 日
B2票
平成 23年 4月 15日
D 票
平成 23年 4月 22 日
E 票
平成 23年 4月 30日
47
48
廃棄物処理法
マニュフェストの法定受領期間
B2票
D票
E票
産業廃棄物
特別管理産業廃棄物
交付の日から
90日以内
交付の日から
60日以内
交付の日から180日以内
上期間内に受領できない場合(処理困難な場合を含む)
処理状況の確認(委託業者に対する催促、確認など)
必要な措置の実施(実地確認、適正処理、契約解除など)
都道府県知事に報告(法定期限後30日以内)
49
廃棄物処理法
その他の法定義務
【マニュフェストの交付状況の報告】
【対象期間】 前年4月1日からその年の3月31日までの1年間
【提出期限】 6月30日
【報告内容】 産業廃棄物の種類、排出量、マニフェスト交付数、等
【特別管理産業廃棄物を排出する事業者】
資格要件を満たした「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置
(変更時には速やかに都道府県知事に報告)
帳簿(様式自由)の作成と保管(5年間)
(運搬、処分の委託をする場合を除く)
50
実務で役立つ「廃棄物処理法」
「保管基準」 の疑問
問題①
産業廃棄物置き場に一般廃棄物を置いてはいけない?
問題②
年末の大掃除で不要な机やイスを廃棄することになった。
収集運搬業者が取りにくるまでこれらを保管しておく場所
は、保管基準に則り整備(囲いの設置、掲示板の設置な
ど)をする必要がある?
問題③
排出事業者の一般廃棄物保管基準はない?
51
実務で役立つ「廃棄物処理法」
「委託基準」 の疑問①
問題①
産業廃棄物の収集運搬を委託する場合には、その収集
運搬業者は廃棄物を積む都道府県、降ろす都道府県の
両方の許可を受けていなければならない?
問題②
以下のうち、産業廃棄物の処分委託契約書の法定記載
事項でないものはどれ?
①排出事業場
②委託契約解除時の未処理廃棄物の取扱い
③廃棄物情報(性状、荷姿など)が変わった際の伝達方法
④受託業務終了時の委託者への報告
52
実務で役立つ「廃棄物処理法」
「委託基準」 の疑問②
問題③
廃プラスチック類の許可を持っている産業廃棄物処分業者であれ
ば、破砕、圧縮、焼却などのどのような処理を委託することも可能?
問題④
一般廃棄物の委託基準は、①許可業者(または市町村)に委託を
すること、②許可の内容に合致した業務のみを委託することの2点
だけでよい?
問題⑤
他社(複数社)との共同事業で、自社と他社の産業廃棄物が混在す
る形で発生した。この処理をまとめて自社が処理業者に委託しても、
違法にならない?
53
実務で役立つ「廃棄物処理法」
「マニフェスト」 の疑問
問題①
「交付担当者」の欄に記載するのは、次のどちらでしょう?
①マニフェスト管理の責任者
②現場で実際に交付を担当した者
問題②
A票の照合確認欄は、法定記載事項ではないので、
記載しなくても違法ではない?
問題③
廃油と廃プラスチックを同じ運搬車両で運搬し、同じ処分業者
で焼却する場合には、マニフェストを一括で発行してよい?
54
実務で役立つ「廃棄物処理法」
「マニフェスト交付等状況報告」 の疑問
問題①
昨年度の産業廃棄物の排出は、年末の大掃除で出た机やイ
ス等の什器類を廃棄した1回のみでした。この場合も、マニフェ
スト交付等状況報告書の提出は必要なのでしょうか?
問題②
3月末にマニフェストを交付して、E票が6月末時点でまだ返送
されていない場合は、前年度のマニフェスト交付分として報告
書に記載してよいのでしょうか?
問題③
マニフェスト交付等状況報告書を6月末までに提出するのを忘
れてしまいました。どう対処したらよいでしょうか?
55
実務で役立つ「廃棄物処理法」
その他
問題①
委託業者(収集運搬業者・中間処理業者)の実地確認は、実際にど
のようなことを確認すればよいのでしょうか?
問題②
特別管理産業廃棄物を生ずる事業場ごとに「特別管理産業廃棄物
管理責任者」を置かなければなりませんが、常駐者でなければいけ
ないのでしょうか?また、複数の事業場を兼務することは可能でしょ
うか?
問題③
飲食店の厨房からの排水は、グリストラップ(油水分離層)で油脂分
が分離されて放流されるが、そこにたまった汚泥は産業廃棄物にな
るでしょうか?
56
7. 【参考】 環境法令の主な改正予定
57
【参考】 環境法令の主な改正予定
法令名
状況
省エネ法
開会中の第183回通常国会に改正法案提出予定
フロン回収・破壊法
平成25年2月検討開始
食品リサイクル法
平成24年度中に施行状況の点検等検討開始
容器包装リサイクル法
平成25年に施行状況の点検等検討開始
家電リサイクル法
平成25年度末頃から施行状況の評価・検討を
行うための合同会合開催予定
自動車リサイクル法
平成27年1月を目途に制度の在り方を検討予定
大気汚染防止法
水質汚濁防止法
環境影響評価法
放射線物質による環境汚染の適用除外規定の削
除を検討
58
【参考】 省エネ法改正案の概要
① 電力ピークの需要家側における対策(工場、輸送
等)
蓄電池やエネルギー管理システム(BEMS・HEMS)の活用等
により電力需要ピーク時の系統電力の使用を低減する取組を
行った場合に、これを評価できる体系にすることにより、事業者が
電力需要のピーク対策に取り組みやすくする。
② 建築材料等に係るトップランナー制度※
エネルギー使用量の増加が著しい民生部門において、建築材料
等(窓、断熱材、水回り設備等)について新たにトップランナー方
式を導入し、企業の技術革新を促し、住宅・建築物の省エネ性能
の底上げを図る。
※エネルギー消費機器の製造・輸入事業者に対し、3~10年程度先に設定される目
標年度において高い基準(トップランナー基準)を満たすことを求め、目標年度にな
ると報告を求めてその達成状況を国が確認する制度。現行の対象機器は乗用自動
車、エアコン、テレビ、照明、冷蔵庫等23機器。
【参考】 フロン回収・破壊法 (概要 1/4)
特定製品に係るフロン類の改修及び破壊の実施の確保に関する法律
(平成14年4月1日施行、最終改正平成19年10月1日施行)
業務用エアコン、業務用冷蔵庫・冷凍庫、製氷機等を処分する際に
適用される法律
【法律の目的】
オゾン層破壊または地球温暖化に影響をもたらすフロン類の排出を抑
制
【適用を受ける者】
冷媒としてフロン類が充てんされている業務用エアコン、業務用冷蔵/
冷凍機器を保有している者
【対象となるフロン類】
①クロロフルオロカーボン(CFC:R12、R11、R502 等)
②ハイドロクロフルオロカーボン(HCFC:R22、R123 等)
③ハイドロフルオロカーボン(HFC:R134a、R404A、R407C、R410A
等)
60
【参考】 フロン回収・破壊法 (概要 2/4)
61
【参考】 フロン回収・破壊法 (概要 3/4)
【遵守事項】
(1) フロン類回収業者への引き渡し
(2) フロン処理料金の支払い
(3) フロン類の引渡しの委託等の書面管理(行程管理制度)
① フロン類回収業者に直接フロン類を引き渡す場合は
「回収依頼書」、設備業者等に委託する場合は、その委託
業者に「委託確認書」を交付し、写しを保存する(3年間)。
② フロン類回収業者から引取証明書を受け取り、保存する
(3年間)。
【罰則】
・特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を大気中に放出したも
の
⇒1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
62
【参考】 フロン回収破壊法 (概要 4/4)
行程管理制度
(フロン類の引渡しの委託等の書面管理)
ユーザーやビルオーナーなどの
機器の所有者
(直接フロンを
引き渡す場合)
回収
依頼書
委託確認書
設備業者、解体業者、
産廃業者、リサイク
ル
業者など
引取証明書
フロン回収業者
63
【参考】 フロン回収・破壊法 (改正の方向性 1/2)
【現 状】
CFC、HCFC (オゾン層破壊物質):
モントリオール議定書の下で確実に生産量・消費量が削減
HFC(温室効果ガス):
冷凍空調機器の冷媒がHFC・HCFCからHFCへの転換が進行
⇒機器廃棄時及び使用中の経年劣化等による漏えいにより、
今後、HFCを中心とした代替フロン類排出量の急増が見込まれる
64
【参考】 フロン回収・破壊法 (改正の方向性 2/2)
【改正の方向性】
フロン類のライフサイクル全体にわたっての排出抑制
フロン類使用製品のノンフロン・低GWP化促進 <機器・製品メーカー>
フロン類の実質的フェーズダウン <ガスメーカー>
業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止
<使用者>
管理標準の設定、冷媒漏えい量報告制度の導入、繰り返し充填の防止 等
適切な回収促進のための方策 <各主体>
回収フロンの破壊・再生処理完了報告、行程管理制度の効率化 等
指導・取組の強化 <自治体>
・・・etc.
65