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モンテカルロ法
計算物性 山崎慎太朗
キーワード
• 加重サンプリング
• 詳細つり合い
• メトロポリス法
導入
• ある条件を数学的に処理する
• ①問題を数式化する
↑不確定性を含むとき不可能
• ②数式化された問題を解く
↑できるとは限らない
• ⇒コンピュータシミュレーション
モンテカルロ法の利点
• ①現象に含まれている条件を
全て解答に盛り込める
• ②数式を作らなくてもいいことが多い
• ③数式を解析的に解かなくていい
状態を発生させる方法
• 位相空間の点をカノニカル分布に従って発生さ
せたい
• ⇒ボルツマンの重みに応じて、低いエネルギーに
偏りをかけ、統計的に独立な状態を作る
• ⇒手順が困難、多くの時間が必要
• ⇒「統計的に独立な状態を作る」のをやめ、
前の状態に依存した確率分布(マルコフ連鎖)を
用いて次の状態を生成
相関がない連鎖
• X1 ,, X N に相関がないとき
PN ( X1,, X N )  P1( X1 ) P1( X 2 ) P1 ( X N )
P1 ( X i )
:
Xi
が独立に起こる確率
相関がある(マルコフ)連鎖
•
X の後で X ’が起こる遷移確率 T ( X  X’)
を使って定義
PN ( X1 ,, X N )
 P1 ( X1 )T ( X1  X 2 )T ( X 2  X 3 )T ( X N 1  X N )
ただし T ( X  X’)  1
X’
• カノニカル分布の場合、
exp[ E ] に比例するような  ( X ) を与える
T ( X  X’) のマルコフ連鎖をつくればよい
マスター方程式
• ある時間 t において、
状態 X が出現する確率を与える関数を  ( X )
とすると
 ( X , t  t )   ( X , t )
  T ( X  X’)  ( X , t )   T ( X’ X )  ( X’, t )
X’
X’
詳細釣り合い
• 定常分布を求めるので
 ( X , t  t )   ( X , t )
より
T ( X  X’) ( X , t )  T ( X’ X ) ( X’, t )
X’
X’
(これからは t への依存性を略して表記する)
• この特殊解は
T ( X  X’)  ( X )  T ( X’ X )  ( X’)
↑詳細釣り合い
T ( X  X’)  ( X )  T ( X’ X )  ( X’)
を実用的にするため、遷移確率 T ( X  X’) を
T ( X  X’)  XX’AXX’

XX’  X ’X 、 0  XX’  1 、


0  AXX’  1
という形で書く

X’
これを詳細釣り合いの式に代入すると
AXX’  ( X’)

AX ’X
( X )
XX’
1
アルゴリズムへ
•
XX’ を試行ステップ確率
AXX’ を採択確率 として扱う
• ① X が与えられたとき、
確率 XX’ で与えられる X ’ を提案する
• ② 古い状態の重み  ( X )
新しい状態の重み  ( X’) を比較する
メトロポリス法
 ( X )   ( X’)  AXX’  1
 ( X’)
 ( X )   ( X’)  AXX’ 
( X )
とする
• 状態 X ’を確率 AXX’ で採択し( X  X ’になる)
1  A で棄却する( X のまま)
XX’
採択方法
• 0  r  1 なる一様乱数を生成し、
r  AXX’  採択
r  AXX’  棄却
を繰り返せば、全体から
いることになる
AXX’ の割合で採択して
実装
• 初期状態 i をとり、位置を ri とする
• i から j への試行変化を与え、エネルギー
の変化 E  E j  Ei を求める
• E  0 なら採択
• E  0 なら乱数 0  r  1 を発生させ、
r  exp[E] のとき採択
r  exp[E] のとき棄却
• これを繰り返す
カノニカル集団の場合、  ( X ) はカノニカル分布
を用いて
 ( X )  exp[E( X )]
と表せるので
 ( X’) exp[ E ( X’)]

 exp[ E ( X’ X )]
( X )
exp[ E ( X )]
 exp[ E ]
• これにより r に依存している物理量の平均が
求められる