地上低気圧の上

傾圧不安定の直感的理解(3)
地上低気圧の真上で上昇流、
高気圧の真上で下降流になる理由
三重大学・大学院生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
復習
静水圧方程式より
前頁より
ΔZが大きくなる
T が大きくなる
ΔZが小さくなる
T が小さくなる
地上低気圧の上
上降流
地上高気圧の上
下降流
な~んでか?
な~んでか♪
これが更に高・低気圧を強める
これが
ミソ?!
このとき、ジェット気流により
地上の高・低気圧の移動速度より
上空の高・低気圧の移動速度の方
が早い
では、実際に見てみよう。
初期状態を以下の図の通りとする;上空の方が位相が遅れている
500hpaH
H
H
1000hpa
西
L
Z1
H
H
L
H
この時、地上での
L 低気圧部における500hpa
L
H
H
面との高度差は
L
L
L
次に、(地上の流れ)<(上空のジェット気流) という速度差により
地上と上空の位相が同じになっていくと仮定したときを考える
H
H
H
500hpa
H
1000hpa
西
L
Z2
L
H
L
L
L
東
H
従って、 Z1 同様に、地上での
 縮む (Z1  Z2 )
H
L
L
低気圧部における500hpa
静水圧方程式より
H
面との高度差は
ΔZが小さくなる
T が小さくなる
L
L
東
温度を下げるには・・・ 断熱膨張が起きればよい。
断熱膨張を起こすものといえば
上昇気流
よって、低気圧の中心では上昇気流になる
気柱伸びる
回転速くなる(角運動量保存則〔コマ〕)
温度を下げるには・・・ 断熱膨張が起きればよい。
断熱膨張を起こすものといえば
上昇気流
よって、低気圧の中心では上昇気流になる
気柱伸びる
回転速くなる(角運動量保存則〔コマ〕)
低気圧は、より発達する
次に、高気圧部について見てみよう
初期状態を以下の図の通りとする;上空の方が位相が遅れている
500hpaH
H
H
H
Z1
L
H
L
H
この時、地上での
L高気圧部における500hpa
L
H
H
面との高度差は
1000hpa
西
L
L
L
次に、(地上の流れ)<(上空のジェット気流) という速度差により
地上と上空の位相が同じになったときを考える
500hpa
H
H
H
L
Z2
H
H
L
東
H
従って、 同様に、地上での
Z1  延びる(Z1  Z2 )
L
静水圧方程式より
高気圧部における500hpa
L
L
ΔZが大くなる
H
H T が大きくなる
面との高度差は
1000hpa
西
L
L
L
L
東
温度を上げるには・・・ 断熱圧縮が起きればよい。
断熱圧縮を起こすものといえば
下降気流
よって、高気圧の中心では下降気流になる
気柱縮む
高気圧性回転強まる
(角運動量保存則〔コマ〕)
温度を上げるには・・・ 断熱圧縮が起きればよい。
断熱圧縮を起こすものといえば
下降気流
よって、高気圧の中心では下降気流になる
気柱縮む
高気圧性回転強まる
(角運動量保存則〔コマ〕)
ラージスケールの
高・低気圧はこのような
メカニズムで発達していく
高気圧は、より発達する