Fabrication of atomic-scale gold junctions by electrochemical plating using a common medical liquid 一般的な医薬用液体を用いた電気化学的メッキによる 原子スケールの金の接合の製作 A.Umeno and K.Hirakawa 四回生 布山美慕 実験の概要 金の電極を金メッキによって成長させ、同時に抵抗を測定す ることでコンダクタンスの量子化を観測する。 金メッキは、ヨードチンキを有機溶媒として金箔を溶かし、 溶媒中に金の電極を入れ電気分解を用いて行う。電気分解に用 いる電圧を操作することで一原子ずつメッキが起こる程ゆっく り反応を起こし、コンダクタンスの量子化を観測する。 また電気分解の電圧の向きを逆にすることで、金の電極の メッキを溶かしコンダクタンスの量子化を更に確認する。 従来の方法 • 斜め蒸着方+接合破壊(shadow evaporation +break junction) • シアン化合物を用いる電気化学的方法 金の安定性(王水・シアン化合物にしか溶けな い)のため金の溶液を作るのが困難 →高い毒性を持つ青酸ガスや強い酸の発生の危険 扱いに気をつけphコントロールが必要 ヨードチンキを用いた金メッキによる 電極製作の利点 • 溶媒として有機溶媒であるヨードチンキを用いるの で、シアン化合物が発生しない。また希ヨードチン キ(濃度がヨードチンキの半分。劇物指定無しの為 一般的な薬局で扱い有り)を用いればリーズナブル。 • 電気分解を用いた金メッキは、電気分解の電圧操作 によって速度コントロールが可能な為一原子単位で のメッキが可能でコンダクタンスの量子化が観測で きる。また電気分解の反応の向きを逆転させれば成 長した電極の一原子単位の破壊が可能でこの過程で もコンダクタンスの量子化の観測が可能と考えられ る。 実験1 ヨードチンキで金メッキが可能か? AC 4mVP-P 13 HZ Ti / Au (2 / 28 nm) Ga As Before electrodeposition Counter Electrode After electrodeposition 金の電極間間隔の変化 • (a)金メッキ前 200nm ↓ • (b)金メッキ後 30nm → ヨードチンキを溶媒とした電気分解による金メッキで電極間 の間隔を操作することが可能。 実験2 コンダクタンスの量子化を見るために電圧を変え反応 速度を操作する。 AC 4 mV 13 HZ ± 650 mV 32 mV Junction Resistance - Deposition Time at Vp = 650 mV Junction Conductance - Deposition Time at VP = 32 mV lock in amplifier の500msの時間分解能の為2G0〜3G0の遷移 の確認が限界。 Junction Resistance - Deposition Time at VP = - 650 mV 電圧を逆転し電気分解の反応の向きを反転させる。 金メッキされていた部分が溶け出し電極間の間隔が広がり抵抗値が増加。 実験結果のまとめ • 従来のメッキ技術に比べ安全で簡単、廉価な金メッキがヨード チンキを有機溶媒にすることで可能。 • この金メッキ技術は電気分解に用いる電圧の制御により、金電 極の電子スケールのメッキが可能であり、室温でコンダクタン スの量子化が観測できる。 スピン偏極によるトンネル確率の変化 (a) (b) 強磁性体を電極 に用い磁場をかけ ることでスピンを 偏極させる。 両電極のスピン の平行反平行でト ンネル確率が変化。 例. (a)に比べ(b)の トンネル確率が小 さくなるはず。 →コンダクタン スの変化 問題点 • 両電極のスピンをどうやって制御するか? ・両電極にかける磁場の向きを逆にする。 →具体的には? ・両電極に異なる物質を用いて相転移の起こる磁場の強さの 違いを利用する。 • そもそもメッキしたら電極は金で覆われてしまう。その影響 は? • 熱揺らぎが大きかったら低温での測定が考えられるが、電極を どのように冷やすか? 両電極に異なる物質を用いる場合 M H 層状の試料を用いた 実験ではRの変化 が1%程と微小。 一次元のトンネル効 果でより劇的なR の変化を期待する。 (a) R 1% H (b) (a) ー、ーがそれぞれ の電極物質のH-M 特性 (b) 対応するR(抵抗 値)
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