他人の煙は迷惑 - 産業医学資料展示室

法律として全面禁煙とすべき
職場と公共施設
産業医科大学
健康開発科学研究室
教授
大和
浩
喫煙室/喫煙エリア=「いわゆる分煙」は
不適切
不健康
不快的
不経済
不公平
唯一の解決策
=受動喫煙防止法で全面禁煙!
FCTC第8条「受動喫煙防止のための政策勧告」
2007年、第2回締約国会議(COP2)にて採択
○受動喫煙は深刻な健康障害を引き起こす
○喫煙室や空気清浄機の使用では、
受動喫煙を防止することはできない
FCTCの締約国に2010年2月27日までに
建物内を100%完全禁煙とする
全面禁煙法の成立と施行を求めている。
諸外国では飲食店のなどサービス産業を
含むすべての職場が全面禁煙。
喫煙エリアは意味がない
受動喫煙防止の効果なし
喫煙室も不適切
不健康:内部が喫煙者に気の毒な程劣悪
不快的:燻製状態で戻って来たひとの悪臭
喫煙室内部
劣悪
漏れ
粉じん計
4
不適切:漏れが防止できない
=ドアがフイゴとして作用+退室する喫煙者と一緒に煙が漏れる
サービス産業での問題点
透明パネル+換気扇で喫煙席を隔離した喫茶店
不適切:従業員の受動喫煙は防止できない パネルより手前は
不公平:小規模事業場では実施できない 禁煙、奥が喫煙
換気扇4台
換気扇4台で
強力排気すると
年間2万kWh
出
入
口
出
入
口
喫煙室の問題点
不適切:従業員の職業的な受動喫煙を
防止できない
換気扇4台で強力排気
年間2万kWh
排
気
喫煙席
禁煙席
厨房
タバコ煙濃度のシミュレーション
受動喫煙を防止する唯一の解決策は全面禁煙
「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」
条例前:
→
条例後:全席禁煙
利用者も
従業員も
受動喫煙ゼロ
「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」
第8条
タバコの煙に曝されることからの保護
法律により、一般職場〜居酒屋まで、すべて完全禁煙
警告表示
違反には27.5〜275ユーロ(4千円〜4万円)の罰金。
従わない場合、営業停止命令のある法律。
有効、公平、違反なし
受動喫煙防止法により、心筋梗塞が17%減少
心筋梗塞の入院患者数
Smoke-free Legislation and Hospitalizations for Acute Coronary Syndrome JP. Pell, N Engl J Med. 2008; 359: 482-91.
全面禁煙後
全面禁煙前
6月
7月 8月
9月 10月
11月 12月
1月
2月 3月
患者数の減少の内訳は、吸わない人が3分の2。
→受動喫煙防止法により、吸わない人が多く助かる。
カリフォルニア州受動喫煙防止法(1995年)の前後の売り上げ
受動喫煙防止法
宿泊業(右
軸)
レストラン
全サービス産業(左軸
)
前
後
アルコール
販売あり
アルコール
販売なし
前
後
前
Is nonsmoking dangerous to the health of restaurants? The effect of California’s indoor smoking ban on restaurant revenues.
Stolzenberg L, et al. Evaluation Review. Vol.31, No.1, 75-92, 2007
後
カリフォルニア州受動喫煙防止法(1995年)の前後の売り上げ
受動喫煙防止法
アルコール
販売あり
レストラン
アルコール
販売なし
Is nonsmoking dangerous to the health of restaurants? The effect of California’s indoor smoking ban on restaurant revenues.
Stolzenberg L, et al. Evaluation Review. Vol.31, No.1, 75-92, 2007
法律として全面禁煙とすべき
職場と公共施設
喫煙室/喫煙エリア=「いわゆる分煙」は
不適切:喫煙室からの漏れを防止できない
サービス産業の職業的受動喫煙
不健康:喫煙者に劣悪な環境での喫煙を強制
 不快的:喫煙者に染み込んだタバコ臭(3次喫煙)
不経済:電力のムダ
不公平:中小企業に不利
すべての人を受動喫煙から保護するために、
受動喫煙防止法を!