電力自由化時代の電気事業 平成13年6月20日 関西電力株式会社 企画室 企画グループ 本日のトピック 1.電気事業とは 2.電力自由化時代の到来 3.海外における電力自由化の動向 4.カリフォルニア州の電力危機 1.電気事業とは 電気事業とは 1 200~ 100V 6,600V 500,000 ~275,000V 77,000~ 22,000V 水力発電所 ビル 154,000 ~77,000V マンモスビル 住宅 200~ 100V 6,600V 77,000~ 22,000V 揚水発電所 二次変電所 一次変電所 配電 用変電所 商店 柱上変圧器 火力発電所 77,000~ 22,000V 6,600V 工場 原子力発電所 発電 200~ 100V 工場 電鉄・工場 送電 配電 供給 日本の電気事業の歴史 創業・確立期 (明治中期~大正) 競争・寡占期 (大正~昭和15) 国家統制期 (昭和15~終戦) 戦後再編成期 (終戦~昭和26) 現行体制 (昭和26~平成7) 電力自由化 (平成7~) ○明治19年東京電灯創立。関西では明治20年神戸電灯設立。 ○工業化で需要は飛躍的に増加。事業者数も急増。 (明治25年 11社→明治40年 116社→昭和5年 735社) ○第一次世界大戦後の不況で電力会社の合併が促進。 5大電力が支配的地位を確立。(昭和11年:シェア60.8%) ○激烈な需要争奪戦を展開。二重投資等で各社の経営基盤弱体化。 ○電力国家統制体制が完成。日本発送電と9配電会社に再編成。 電力不足対応の供給責任の所在が曖昧化。 ○経営合理化、サービス向上への意欲が減退。 ○戦争による電力設備の被害甚大。深刻な電力不足に。 ○昭和25年ポツダム政令により公益事業令、電気事業再編成令公 布。 ○昭和26年5月より現行体制に。全国9地域に民営の発送配電一 貫、地域独占の電力会社が設立。 ○昭和47年、沖縄返還に伴い沖縄電力設立。「10電力体制」に。 ○平成7年、31年ぶりの電気事業法改正により卸電力市場自由化。 ○平成12年3月、特別高圧需要を対象に小売電力市場部分自由化。 2 日本の電気事業の特徴 ~需要サイド~ 電力9社(除沖縄電力)の販売電力量の推移 (10億kWh) 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 3 大阪万博 S45 9 電 力 発 足 S26 発足時 と比べ 約27倍 オイルショック S48 バブル景気 S61~H2 東京オリンピック S39 公害問題の高まり 夏の需給逼迫化 30 35 40 45 50 55 60 H2 7 11 (年度) (出典:電気事業連合会「電気事業統計」) (他の先進諸国と異なり)戦後、近年まで需要が一貫して伸び 続けている。 日本の電気事業の特徴 ~供給サイド~ ○民間事業による効率性の追求 ○地域事業者間の間接競争 [料金格差小] ○地域毎に発送配一貫の供給責任 ○比較的事業規模が大きい [燃料調達力、原子力発電所の保有が可能] 効率性と安定供給のバランスのとれた体制 4 関西電力の事業概要 5 設立年月日 昭和26年5月1日 資本金 4893億円 売上高 2兆5,328億円 総資産額 6兆9,145億円 従業員数 26,333人 販売電力量 1,388億kWh 契約口数 12,493千口 供給区域面積 28,681km2 ※データは平成11年3月末現在 (大阪府,京都府,兵庫県 (一部を除く),奈良県, 滋賀県,和歌山県,なら びに三重県,岐阜県,お よび福井県の各一部) 供給信頼度の実現 6 一軒当たり年間停電時間の比較 日本の一軒当たり年間停電回数の推移 [分/年・軒] [回/年・軒] 2.5 250 日本 米国 英国 200 2 150 1.5 100 1 50 0.5 0 0 88 90 92 94 97 (※)1994年の日本は阪神・淡路大震災があり、 この災害停電を除くとわずか8分/年 出典:電気事業連合会 電気事業の現状(1999~2000) 66 71 76 81 出典:電気事故統計 86 91 96 料金の低廉化 7 (S55=100) バス 郵便 水道 200 JR 消費者 物価指数 150 ガス 100 電気 50 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 (出典:日銀「消費者物価指数年報」「消費者物価指数総攬」) 地域間の料金格差の大幅な縮小 電気料金水準(総合単価) 北海道 昭和26年 平成10年 単価 指数 単価 指数 3.52 176 19.00 112 東北 2.71 136 18.31 108 東京 3.53 177 18.43 109 中部 3.79 190 17.79 105 北陸 2.00 100 16.93 100 関西 4.14 中国 4.49 225 17.61 104 四国 3.64 182 18.35 108 九州 3.70 185 18.59 110 沖縄 - (料金格差) 昭和26年発足時:約2.3倍 [北陸(2.00)と中国(4.49)] 212 17.86 105 - 20.19 119 (指数:北陸(単価最安値)=100) 出典:「電気事業便覧」 平成10年2月改定時:約1.2倍 [北陸(16.93)と沖縄(20.19)] 8 NOx、SOx排出量の削減 9 ~排煙脱硫、脱硝装置の設置、LNGの導入、低硫黄燃料の利用~ SOX排出量国際比較 (火力発電の排出原単位) (g/kWh) 9.22 10 NOX排出量国際比較 (火力発電の排出原単位) (g/kWh) 3.5 3.0 8 5.81 2.0 4 1.5 1.0 0 2.52 2.5 6 2 2.98 0.32 0.37 0.5 日本 米国 英国 (1994) (1993) (1993) 出典;OECD Environmental Data Compendium ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 0.0 日本 (1994) 米国 (1993) 英国 (1993) CO2排出量の削減 10 電気事業の環境への取組 11 「熱帯林再生技術の開発」国際共同研究 排煙脱硝装置の仕組み 排煙脱硫装置の仕組み 排煙脱炭パイロットプラント 電力会社は酸性雨、地球温暖化に対し、様々な大気汚染防止措置を講じている。 日本におけるエネルギーセキュリティーの必要性 1995年各国のエネルギー自給率 (一次エネルギーベース) 日本 エネルギー資源に乏しく 輸入に依存 (%) 140 115 120 100 米国 多様で豊富なエネルギー 資源を国内で産出 80 80 60 40 英国 北海油田の開発により 石油・ガスとも豊富 20 20 0 日本 米国 英国 通産省・電事審資料より 12 エネルギーセキュリティーの確保 ○当社では、燃料種別の多様化、調達先の多様化等により、発電用燃料の 安定確保に努めている。 1.燃料種別の多様化 ・ウラン、石油、LNG等をバランスよく調達し、燃料の多様化に努めている。 2.調達先の多様化 ・ウラン(豪州、アフリカ他)、石油(インドネシア、中国他)、LNG(インドネシア、豪 州他)というふうに供給先の多様化、リスクの分散に努めている。 13 電源構成(燃料種別)の多様化 14 我が国は1973年の石油危機以降、原子力の開発、LNGの導入等の電源の多様化を 図り、石油代替エネルギーへの転換を推進 1973 日本 1996 14% 18% 14% 8% 2% 2% 1973 10% 14% 74% 23% 17% 1994 35% 4% 8% 20% 5% 米国 45% 1973 19% 1% 15% 53% 1994 26% 2% 6% 27% 英国 62% 10% 1% IEA 50% ENERGY BALANCES 15% OF OECD COUNTRIES 石油 原子力 ガス 石炭 水力 第1次石油ショック 15 関連年表 ティッシュペーパーの売出しに人が殺到したスーパー •1973年10月6日 第4次中東戦争勃発 •10月17日 OPEC加盟6カ国が石油の公示価格を 21.22%値上げ決定。OAPECが、毎月5%の生産 削減を決定。 •10月24日 サウジアラビアが日本への原油供給 量10%削減と直接販売価格の70%値上げを通告。 •10月25日 エクソン・シェルなど国際石油資本5 社が10%の供給削減を通告。 •10月31日 兵庫県尼崎市のスーパーマーケット でトイレットペーパーの買い占め騒ぎ。以後パニッ クは各地に広がる。 •11月20日 百貨店・スーパーの開店時間を30分 繰り下げ。 •12月24日 ペルシア湾岸6カ国が74年1月1日か ら原油公示価格を約2倍に引き上げるとOPECが 発表。 •12月25日 OAPEC石油相会議で、日本を友好国 とみなして生産量を10%増やし、必要量を供給す ると決定。 原子力を中心としたエネルギー・ベストミックスの追求 ○当社においても、早い段階から原子力や天然ガス発電を導入することにより、 脱石油化に積極的に取り組んできた。 S45年 (大阪万博開催) 美浜発電所運転開始 (億kWh) S49年 (第一次石油危機の翌年) 堺港発電所にて LNGの利用開始 当社の発電電力量の推移 1600 H10年度 構成比 1400 1200 1000 (53%) 800 600 (22%) 400 (10%) 200 0 S40 (13%) S45 S50 S55 S60 H2 H7 H10 (年度) (出典:「電力需給の概要」「関西電力統計便覧」) その他 原子力 LNG 石油 水力 16 2.電力自由化時代の到来 公益事業規制緩和の流れ① •電気通信 1985年 電電公社民営化、NTT設立。競争政策の導入。 1996年 同年2月の電気通信審議会答申に基づき、 「NTT再編成に関する方針」発表。分割後各社 に公正な競争条件を確保する措置を採ることを 明記。 1999年 NTT再編、持株会社(NTT)、長距離国際会社 (NTTコミュニケーションズ)、地域通信会社(東 日本、西日本)に分割。 2000年 電気通信審議会において、通信分野の競争政 策の基本方針について議論(12月に答申) 17 公益事業規制緩和の流れ② •鉄道(JR) 1987年 国鉄分割民営化。旅客部門地域6社、貨物部門 1社のJR発足。 1993年 JR東日本株式の売却・上場(96年10月JR西日本、 97年6月JR東海) 1997年 新しい旅客運賃制度実施。(上限価格制、手続 簡素化、情報公開等) •ガス 1995年 ガス事業法改正。大口需要家(200万m3/年以上) 向けガス供給自由化。原則として自由な価格設 定により供給。 1999年 大口需要家の範囲拡大(200万→100万m3/年)。 接続供給約款の届け出、公表義務化。 18 わが国の電力自由化の背景 技術革新や国際化が進む中、産業の高コスト構造是正のための規制緩和 政策の一つとして、電力供給システム全般の見直しが実施された。 規制緩和の背景 ○規制緩和政策 「経済構造の変革と創造のためのプログラム」(H8.12閣議決定)に おいて、電力に関し「平成13年までに国際的に遜色のないコスト水 準とすることを目指す」という目標が掲げられた。 ○国際化 国際的な相互依存関係が進展し、諸外国から規制分野の市場開放を 求められるようになった。電気事業については、諸外国において 自由化が進展。 ○技術革新 小容量ガスタービン発電機などの開発により、従来、自然独占とされ ていた分野への参入可能性が高まった。 19 内外価格差(諸外国との料金比較) 単純為替レートによる比較 (円/kWh) 25 購買力平価による比較 30 22.37 18.83 20 (円/kWh) 20 25 14.30 15 14.93 26.61 22.37 20 18.82 19.53 15 10 100 84 64 67 10 5 5 0 0 日本(当社) アメリカ イギリス (モデル)家庭用 (280kWh/月) 日本は2000年10月料金改定反映後 為替レートは1999年平均 1US$=113.91円、1£=216.83円、 1FFr=22.19円 フランス 100 119 84 87 日本(当社) アメリカ イギリス フランス (モデル)家庭用 1999年OECD購買力平価 1US$=161円、1Stg£=242.47円、 1FFr=24.21円 内外価格差の要因 ○為替レートの変動 ○日本の需給構造問題 •負荷率の低さ •需要の増加が高いための設備投資水準の高さ (設備の若さ) ○人件費の高さ ○環境基準の厳しさ •良質な燃料の使用 •環境投資額の高さ ○土地制約 •土地代など土地関連コストの高さ •送電線ルートの確保の困難さ 、送電線の長距離化 21 電気事業における競争形態(イメージ) 22 発送配一貫電力会社 発電機能 発電会社A 発電会社B 卸売市場 送配電(独占) 送電・系統運用等のサービスは卸売・小売市 場への参入者に非差別的に提供。 販売機能 販売会社 小売市場 需要家 販売会社が電気 を市場から調達 し需要家に販売 需要家と直接 契約し販売 世界の電力自由化モデル 任意プール 強制プール 新規 参入者 発電 第三者アクセス (託送) 新規 参入者 発電 プール 送電 小売 需要家 ・北欧(Nord Pool) ・英国(現行) ・ドイツ ・米国/PJM 送電 送電 託 送 配電 小売 新規 参入者 発電 プール 託 送 23 託 送 配電 配電 小売 小売 需要家 ・英国(改革前) ・オーストラリア ・米国/加州 (3大電力・電力危機以前) 小売 小売 需要家 ・日本 ・フランス 部分自由化への帰着 24 電気事業審議会では、小売市場の全面自由化やプール市場の創設も検討されたが、 エネルギーセキュリティ・環境や供給信頼度、ユニバーサルサービス等の「公益的課 題と両立」を図るために、部分自由化とすることが決定。 部分自由化 全面自由化 プール市場 問題多い 公 益 的 課 題 へ の 影 響 エネルギー セキュリティ 環境 供給信頼度 ユニバーサル サービス 現 状 に お い て 現 実 性 高 い •原子力開発の困難化 •エネルギー輸入依存度の上昇 •地球環境問題への影響 •系統運用の困難化 ・地域毎に電気料金格差が発生 ・供給事業者の撤退等による需要 家への不利益発生 電気事業法の改正 25 99年5月に電気事業法が改正され、昨年3月より新制度がスタート。 制度実施の3年後には、部分自由化制度の検証が行われる。 H11.2月 H11.5月 H12.3月 電気事業法改正 国会提出 ▼ 同案 国会可決 ○改正電気事業法 施行 部分自由化制度スタート H15年頃 ○制度実施の約3年後、部分自由化制度の検証 ・自由化の範囲、制度内容についての検証 <検証の視点> ①部分自由化の実績、②海外の自由化の動向、 ③系統安定技術の状況、④公益的課題への影響 ・全面自由化、電力プール制度導入の是非についての検討 電気事業法改正(H12.3.21施行)の主要なポイント ○部分自由化の導入 ・特別高圧受電(2万V)・2千kW以上のお客さまを対象に小売 分野での競争を導入(沖縄は6万V・2万kW以上) ・新規参入者は、経済産業省への届出のみで事業開始が可能 ○料金改定手続きの簡素化 ・非自由化分野のお客さまへの電気料金について、料金を引き 下げるなどお客さまの利益を阻害するおそれがない場合、届出 のみで料金改定が可能(従来は認可制) ・選択約款は、事業の効率化に資すると見込まれるものについ ては広く設定が可能(従来は負荷平準化に資するものに限定) 26 自由化の制度設計 27 (関電管内) (他電力管内) 関西電力 IPP・ 自家発 他電力、IPP 送配電 ネットワーク 規制対象のお客さま (規制料金) 自由化対象のお客さま (自由料金) 行政に届け出る 接続供給約款に より公平に運用 自由化対象顧客の規模 自 由 化 部 門 産業用 業務用 関西電力管内における規模 (販売電力量) 業 務 用 電 力 特別高圧電力 2,000kW 高圧電力B 500kW 非 自 由 化 部 門 28 2万V 30% 70% 特別高圧 その他 高圧電力A (収入) 50kW 6,000V 低 圧 電 力 21% 200V 従 従 量 量 電 電 灯 灯 B A 200~ 100V 特別高圧 その他 79% 主な新規参入(PPS等)の状況 (主に出力1万kW以上・平成13年6月現在) 凡例 既存PPS新設予定 自家発 サニックス(苫小牧) 6.29万kW/廃プラ/2002年 水力 石炭 丸紅(三峰川) 3.22万kW/水力 石油 ガス エネット(大ガス・日本製紙都島) 1.5万kW/都市ガス/2001年 その他 発電所名(地点名他) 発電規模/燃料/運開年 エネサーブ(舞鶴or滋賀) 下線は特定規模電気事業者(PPS) 1.5万kW/ディーゼル/2004年 イーパワー(宇部) 140万kW/石炭/2006年 新日鐵(旭硝子・北九州) 1.9万kW/重油/2001年 サニックス(伊万里) 5万kW/廃プラ/2002年 大王製紙(三島工場) 1万kW/石炭/2001年 旭化成(日向) 10万kW/石炭/- イーパワー(六ヶ所) 200万kW/LNG/2007年 呉羽化学工業(いわき) 5~10万kW/石油コークス/- ダイアモンド・パワー(鹿島北) 3.5万kW/副生ガス エネット(日立造船・茨城) 2.1万kW エネット(東ガス・袖ヶ浦) 10万kW/LNG/2003年 エネット(イースクエア・袖ヶ浦) 9.5万kW/LNG/- イーパワー(大牟田) 50万kW/石炭/- イーレックス(旭化成・九州延岡) 0.7万kW/石油 29 サミット・エナジー (住友共火・新居浜西) 5万kW/石炭 トクヤマ(トクヤマ・自家発増設) 14.5万kW/石炭/- ダイアモンド・パワー(NKK・京浜) 2万kW/高炉ガス ダイアモンド・パワー(三菱化学・四日市) 1.5万kW/石油/2001年 PPSの届出は現在9件。建設予定を含め、計約52万kW(小売用・報道ベース) 3.海外における電力自由化の動向 欧州における電力自由化の背景 英 背景 国 ○非効率な国営事業の 民営化サッチャー政権) ○厳しい財政状況を踏ま え、国内炭保護政策を転 換 ○北海油田等により、石 油・ガスとも豊富に産出 し、エネルギー・セキュ リティ上の不安がない ・自給率114.9% (1995年) ねらい ○国営事業の効率化(民 営化)による電気料金の 引き下げ 30 ドイツ フランス ○割高な電気料金 ・特に産業用はフランスの約 1.5倍、英国の約1.7倍 (1996年) ・自由化によりフランスや北 欧の割安な電力の輸入 が可能になる ○国内的な自由化要請は 少なく、むしろEU大で の自由化推進の雰囲気が フランス国内の自由化を 後押し ・電気料金が比較的割安 ・「公共の福祉」の追求 を目的とした産業政策 など、国による長期的・ 計画的な政策を重視す る社会性 ○経済分野全般にわたる 規制緩和の流れ ○割高な電気料金の引き 下げ ○競争政策が推進されて いる他産業との整合性 ○EUとの関係における 一種の外圧による自由化 の導入 欧州における電力自由化の経緯 欧 州 大 1987 31 国レベル EU委員会「域内エネルギー市場」構想 • 市場統合の一貫として、EU内各国間 の電気料金格差の解消を目指すもの。 1990 イギリス電気事業再編 •強制プール導入、小売部分自由化 1991 ノルウェー新エネルギー法施行 •任意プール導入、小売全面自由化 1996 1997 •ノルウェーと共同でNord Pool開設 •小売全面自由化 EU指令発効。99.2までに国内法整備 を義務づけ。 • • • • 発電における競争 アクセス料金の透明化 発電、送電、配電の会計分離 小売市場の一定シェア開放(99.2まで に27%、2003.2までに32%) •2000/5全加盟国で国内法化完了。 スウェーデン新電気法施行 2000 フランス電力自由化法施行 •EDF(フランス電力公社)による発送配一 貫体制 •小売部分自由化(年間消費量1,600kWh 以上の需要家、約30%) 欧州の電力自由化の現状 32 90% 28% 33% 35% 30% 27% 30% 34% 46% :全面自由化 :段階的全面自由化 :部分自由化 %の数字は市場開放率 (2000.11) 米国における電力自由化の背景 米国全体 背景 ねらい ○州間の料金格差の存在 →最高/最低州:2.9倍 (日本の場合1.2倍) ○石油・天然ガス等多様で 豊富なエネルギー資源を 産出 ・自給率79.7%(1995年) カリフォルニア州 ○全米平均よりかなり高い 電気料金(1998年) →加州:9.9¢/kWh、 全米:6.74¢/kWh (1.5倍) ○州の壁を撤廃して、州外の安い電 気を導入 33 米国における電力自由化の経緯 連 邦 大 1978 34 州レベル 公益事業規則政策法(PURPA) • QF※からの購入義務づけ ※QF:認定施設(qualifying facility)と呼ばれる、再生可能エネル ギーを使用する小規模電源やコージェネレーターのこと。 1992 電気料金の高い州を中心として、 電気事業再編(小売自由化)の検討開始 エネルギー政策法(EPA) • IPPの卸売市場への参入自由化 • 送電線へのオープンアクセス義務づけ 1996 FERC ※ Order888,889 1996 カリフォルニア州、ペンシルバニア州等 で電力再編法成立 1998 カリフォルニア州、マサチューセッツ州 小売全面自由化 ※FERC:連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission) ⇒「卸売市場の自由化」 • オープンアクセスのルール整備、送電 部門の機能分離義務づけ • 回収不能費用の回収許可 1999 FERC Order2000 ⇒「卸売市場の競争環境整備」 • 送電線を所有・運用する事業者に対し、 地域的な拡がりを有する系統運用機 関RTOの自主的設立と参加の要請 •2001/1現在、24州で電力再編法が 成立し、内17州で自由化開始。 •自由化に慎重で、検討を中断する 州もある。 米国の電力自由化の現状 35 VT WA ND MT MN OR ID SD NH NY WI NV CA UT AZ CO WV VA KY MO DC NC TN SC AR MS TX OH IL IN OK AL GA LA FL AK HI CT RI NJ DE MD PA IA KS NM MA MI WY NE ME (注) 州名の斜体は、電気料金が 全米平均を上回ることを示す。 :小売自由化開始(17州) :電力再編決定(7州+DC) :州議会、規制当局で検討中(18州) 出典:EIAホームページ等 :活動なし(8州) 4.カリフォルニア州の電力危機 カリフォルニア州電力市場の概要 電 力 会社名 販 売 電力量 需要家 口 数 発 電 設備量 最大 電力 1998年実績 1998年実績 1999年実績 1999年実績 (億kWh) Ca - PG&E ★ SCE ★ ISO SDG&E★ 3社計 980 (39%) 903 (36%) 184 (7%) 2,067 (82%) (万口) 454 (35%) 428 (33%) 121 (9%) 1,003 (77%) (万kW) (万kW) 1,112 (21%) 343 (6%) 233 (5%) 1,688 (32%) 1,942 (38%) 1,836 (36%) 332 (7%) 4,110 (81%) その他 ☆ (小計) その他 合 計 2,522 (100%) 1,306 (100%) 5,311 (100%) 4,557 (90%) 517 (10%) 5,074 (100%) 出典: 販売電力量,最大電力…California Energy Commission, California Energy Demand 2000-2010 需要家口数…1998 Calfornia Electric Utility Retail Sales (http://www.energy.ca.gov/) 発電設備量…Existing Generating Units at U.S. Electric Utilities by State, Company,and Plant,as of January 1,1999 (http://www.eia.doe.gov/) ★…私営3大電力 ☆…Ca-ISO全体の最大電力を示す。 ・各社の最大電力は、各社毎の最大電力を示し、発生時刻は一致しない。 ・各社の最大電力は、最終需要家での需要であり、ロス除き、自家発含みのデータである。 PG&E :Pacific Gas & Electric SCE :Southern California Edison SDG&E:San Diego Gas & Electric 36 加州電力供給システムの枠組み 【州内シェア15%】 州外 電源 PG&E社 水力・原子力 SCE社 原子力 SDG&E社 原子力 37 【州内シェア85%】 IPP火力 公営、QF等 マストラン電源としてゼロ入札 ISO 競争移行期間中の措置 (独立系統 運用者) (2002.3orストランデッドコスト回収まで) PX(電力取引所) •既存3社には全量 PXでの電力取引 を義務づけ PX取引占有率:85%程度 ESP 新規参入 小売事業者 •既存3社に火力 発電設備50%売 却要請。 •3社は全ての火 力設備を州外事 業者に売却。 PG&E社 配電部門 SCE社 配電部門 SDG&E社 配電部門 3社販売シェア:80%程度 需 要 家 ISO:independent system operator、 PX:power exchange ESP 新規参入 小売事業者 •既存3社は小売 価格を自由化以 前の水準で凍結 •ストランデッドコス ト※を回収 ※ストランデッドコスト:電力自由化により、新規参入差 に顧客を奪われることで回収が見込めなくなった 先行投資費用。回収不能費用とも言う。 加州の発電事業者シェア(2000年) 非公益事業者 2,123万kW (40%) QF他1,175 万kW (22%) 38 売却された既存3社の火力発電 設備は、州外の事業者が購入 発電設備 5,321万 kW (2000年) 公営 1,198万kW (23%) 公益事業者 825万kW (15%) PG&E : Pacific Gas & Electric SCE : Southern California Edison SDG&E : San Diego Gas & Electric AES 407万kW(19%) その他 402万kW(19%) Southern 307万kW(14%) 非公益事業者 内 訳 Calpine 87万kW(4%) Duke 295万kW(14%) Reliant 353万kW(17%) 出典:CPUC 2000.8.2報告書 Destec 117万kW(6%) Dynegy/NRG/Destec 155万kW(7%) 需給逼迫の進行~初のStage3発動~ 39 [セント/kWh] [万kW] 5,000 12/7:初のステージ3発動 最大電力 4,000 3,000 100 150 ~ ~ 1/17,18 輪番停電実施 80 75セント/kWh 【今冬の需給逼迫の推定要因】 2,000 • P/S定期点検が集中 • 天然ガス高騰による発電用ガス不足 50セント/kWh • NOX排出権消化による運転停止 • 電力会社の経営不安? 1,000 PX日最高価格 0 60 -1,000 40 上限価格:25セント/kWh -2,000 -3,000 20 (本年1/18時点) -4,000 凡例 Stage 予備率 2000 2001 -5,000 対 策 ● 1 7%以下 55回 6回 ■ 2 5%以下 36回 4回 需給調整契約発動 ◆ 3 4月 5月 1.5%以下 1回 5回 節電の要請 6月 7月 輪番停電 0 8月 9月 10月 11月 12/8 :ISOは供給力確保優先 のため上限価格撤廃 12月 2001/ 1月 出典:CAL-PXホームページ 輪番停電の影響 40 2001年に入り、カリフォルニアISOは、6度の輪番停電を実施している。(5/9まで) 1月17日(水) 1月18日(木) 3月19日(月) 停電時間 11:40~14:00 9:50~12:00 12:00~16:00 18:00~19:15 遮断負荷 約50万kW 約100万kW 約100万kW 対象地域 州北部のサンフラン 州中部から州北部 シスコ市内・シリコン のPG&Eの供給 バレー周辺 エリア全域 ほぼ州全域 3月20日(火) 5月7日(月) 5月8日(火) 停電時間 9:20~14:00 16:45~18:00 15:45~17:15 遮断負荷 約50万kW 約30万kW 約40万kW 対象地域 ほぼ州全域 ほぼ州全域 ほぼ州全域 出典:Wall Street Journal等 2大電力会社の経営危機 41 PG&E、SCEの2社は、小売価格を凍結させられているため、需給逼迫により高騰した卸電力 価格を小売料金に転嫁できず、2000年6月以降大幅な逆ざやが発生。 株価[$] 35 9月下旬: 夏場の損失を受け、 格付け機関が格下げ 30 PG&E 1月16日: • SCEは同日期限の債務約6億ド ルの支払を一時停止 ・両社を投資不適格に格下げ 1月4日 CPUC • 翌17日、PG&Eも約8千万ドル は2社の小売料 の社債償還金の支払を停止 金の7~15%値 3月28日:CPUC料金 再値上げ認可 • 更に、一律3セント /kWh上乗せ。 • 値上げ幅は約40% 上げを認可 2月1日 ・カリフォルニア州電力 調達法案可決。 ・州が最大100億ドルの 州債を発効し、長期契 約で電力を調達。 25 SCE 20 12月中旬: ・逆ざやが解消せず、損失が拡大 ・格付け再引下げ 15 10 5 0 1月4日:CPUC料金値上げ認可 • 暫定措置として、一律1セント/kWh上乗せ。 • ただし2社の申請幅の約半分。(30%⇒15%) • 値上げ幅が不十分と判断した格付け機関が、 再々格下げ 9月 10月 11月 12月 2月16日 ・州が各社の送電設備 を買い取り直営とする 大手3社に対する救済 案発表。 1月 2月 3月 4月6日 ・PG$E連邦地裁 に破産申請。 4月 5月 出典:Dow Jonesホームページ他 加州電力危機の主な原因 42 需給バランス上の問題点 電力取引市場の不備 需要の高い伸び 天然ガス価格の高騰 渇水による水力発電の減少 加州以外からの電力調達の減少 厳しい環境規制による稼働可能電 源の不足 – 発電能力の確保義務の欠如 – 環境規制や将来の不確実性が新 規投資の抑制要因となる – 電力会社のリスクヘッジが困難 • 長期契約の禁止 • 小売価格の固定化 • 発電設備の売却要請 • 先物市場の未整備 – – – – – – 価格高騰を狙ったゲーミングの 問題 需給逼迫の原因~加州の需給バランス~ [万kW] 8,000 7,000 •1991年来の経済的活況 •IT関連需要の増 43 •猛暑・渇水に加え、計画外停止340万kW •経年30年以上の老朽設備が多い上、保 守点検が不十分なことも要因か。 (FERCスタッフレポート) 最大輸入 容 量 6,000 5,000 最大電力 4,000 州内発電 可 能 量 3,000 2,000 州当局の厳しい環境規制や、90年代 の規制緩和の先行き不透明感により、 電力会社は殆ど新設せず。 1,000 290万kWが建設中。 1,060万kWが計画中だ が、実現性は不透明。 0 1995 1996 連邦:FERC Order888 ▲ 加州:電力自由化法成立 1997 1998 1999 ▲ 小売自由化開始 2000 2001 2002 2003 出典:CPUC 2000.8.2報告書 FERC 2000.11.1報告書 CEC “California Demand2000-2001” 44 まとめ • 1.日本の電気事業の特色 • 2.電力部分自由化の仕組み • 3.欧米における自由化動向 • 4.カリフォルニア州電力危機からの教訓 参考資料 1 3Eトリレンマの構造 エネルギー (Energy) 地球温暖化 酸性雨 環 境 (Environment) 自然破壊 オゾン層破壊 エネルギーの枯渇 成長の限界 経済発展 (Economy) 2 化石燃料のポテンシャル 231年 リサイクルにより利用年数 を伸ばすことが可能 62年 43年 72年 144兆m3 1兆316億トン (高品位炭) 436万トン 1兆195億バレル 石 油 1998年1月現在 天然ガス 1998年1月現在 石 炭 ウラン 1993年末 1997年1月 (出典:原子力2000) 各種電源の1kWhあたりCO2排出量 (kg-CO2/kWh) 1.2 0.99 1 0.8 0.733 0.653 0.6 0.509 0.4 0.011 ~0.022 0.2 0 0.059 0.037 0.022 石 炭 火 力 石 油 火 力 (出典:電力中央研究所報告) L N G 火 力 L N G コ ン バ イ ン ド 太 陽 光 風 力 地 熱 0.018 原 子 力 水 力 (注)発電のみならず、原料採掘、 輸送、建設等全ての行程を 対 象にCO2排出量を算定。 3 新エネルギーの評価と見通し 項目 太陽光発電 メリット 評価 デメリット 風力発電 燃料電池(リン酸型) •クリーン •枯渇の恐れがない •クリーン •枯渇の恐れがない •分散設置が可能 •廃熱を利用できる •エネルギー密度が低 い。 •自然条件に左右され るなど不安定。 •エネルギー密度が低 い。 •自然条件に左右され るなど不安定。 •電池の長寿命化が 必要。 •信頼性、経済性が改 •経済性が改善されれ •経済性が改善されれ 善されれば、熱需要 実用分野 ば小規模電源として ば離島等の電源として の見込めるところに適 有望。 有望。 用可能。 ①実績:9.1万kW ①実績:2.1万kW ①実績:1.2万kW 導入の実績と ②目標:2010年 ②目標:2010年 ②目標:2010年 目標 500万kW 30万kW 220万kW (注)実績は1997年度暫定値である (出典:通産資料(1999年7月)他) 4 5 グリーンファンド 一般消費者向けのグリーン電力制度の枠組み 売 電 購入料金 者 成 ( 出 助 当 該 地 域 分 ) 加 拠 ( 参 ( 電 力電 会力 社会 も社 拠 出 ) ( グ各 リ地 運ー域 用ンご 主電と 体力に 制設 度置 ) 風 力 ・ 太 陽 光 ) 全 風 国 運 力 用 分 グリーンラベル 6 原子力発電の光と陰 光 陰 既設 発電所 ○ 経済発展を支えるエネル ○ 発電所等設備事故リスク ギー基盤の確立 ○ 放射性廃棄物管理 ○ エネルギー価格全体への スタビライザー機能 新設 発電所 ○ 将来のエネルギーセキュ ○ 原子力発電への技術的不安 リティー確保(エネルギ ○ 社会的不安の増加 ーの分散、資源枯渇の抑 制) ○地 球 環 境 問 題 へ の 貢 献 (CO2 抑制) 7 原子力発電の経済性 1kWhあたりの発電コスト 16 13.6 14 10.2 12 10 8 6.5 6.4 2.6 3.8 5.9 6 4 その他費用 燃料費 (ただし、原子力 については核燃 料サイクルコスト) 6.5 2 1.7 力 子 原 火 力 LN G 力 火 炭 石 石 油 火 水 力 力 0 ※総合エネルギー調査会原子力部会の試算(H11.12) 美浜原子力発電所(166.6万kW)を 太陽光発電で賄おうとすると 美浜発電所の発電電力量 約132億kWh(平成10年度) 滋賀県全体の年間 需要量にほぼ匹敵 これをすべて太陽光発電で賄おうとした場合 必要となる土地=約250k㎡ 大阪市と吹田市全体に太陽光パネル を敷き詰めることが必要になる。 8 日本中の原子力発電所を石油火力に 置き換えると ~経済への影響(エネルギーセキュリティ)~ 追加の石油消費量 約6300万 t/年 日本の電力会社が持つ 原子力発電所 設備容量:4500万kW すべて石油 火力に代替 日本の石油消費量の 約23% 世界の石油消費量の 約1.9% ○今回の原油価格急騰時のように、原油が10$/bl→30$/blに 値上がりした場合(1$=110円とすると): →約9400億円もの損失を追加的に蒙る。 (資源エネルギー庁「エネルギー2000」「総合エネルギー統計」「電気事業便覧」のデータより試算) 9 日本中の原子力発電所を石油火力に 置き換えると ~環境への影響~ 追加のCO2排出量 約2.3億 t/年 日本の電力会社の 原子力発電電力量 発電電力量:3200億kWh すべて石油 火力に代替 日本の総排出量の 約19% 世界の総排出量の 約1.0% ○CO2排出量は大幅に増える。特にCOP3において削減の 基準となる1990年の排出量比では、約22%の増となる。 (原子力発電所なしで6%削減目標達成は非常に困難。) (電気事業連合会「環境とエネルギー」「電気事業の地球温暖化対策」「電気事業便覧」のデータより試算) 10 11 今後の原子力の役割について •我が国の脆弱なエネルギー供給構造 •温暖化、酸性雨等地球環境問題の深刻化 と言った観点から鑑みると、環境に優しく、準国産エネ ルギーといえる原子力発電が、安全安心運転を第一と した上で、エネルギーの中核として位置づけられていく 必要がある。 次世代の電力システムのイメージ 12 (融合型2重構造電力システム) (現状のシステム) 集中型大型電源 原子力 原子力 原子力 火力 原子力 火力 お客さま お客さま お客さま お客さま お客さま DC 貯蔵 お客さま 貯蔵 地域分散型の小規模電源 13 電力自由化の進展 分散型電源の技術進歩 既存の集中型電源、分散型電源の良さを 組み合わせる総合エネルギー産業への転換 ● 集中型、分散型を組み合わせてのベスト・ ミックスの追求 自由化に関する通信と電力の違い 電力 託送されるもの 商品 ネットワーク外部性 相互接続コスト 事故・需給逼迫時 技術革新 電気通信 電力: 送電網の中では完全に 無差別となる。 情報: 他の情報との混合なし。 電力 ネットワークそのもの 小さい 大きい 相互接続に関するコスト のみを抽出する事は困 難。 接続に係る(traffic sensitive)コストのみを抽 出可能。 事故や需給逼迫は、シス 事故・一部不通は、迂回 テム全体に影響。 などにより対応可能。 ほとんど起こっていない。 急速に進展している。 14 ドイツにおける原子力の段階的廃止について 背 景 <電力側の状況> •1998年5月、輸送容器表面汚染問題から使用済燃料の輸送が全面的に禁止。→使用済み燃 料貯蔵プールがいっぱいで運転停止に追い込まれそうな状況。 <政府側の状況> •議席をのばした社会民主党が脱原発を掲げる緑の党と連立政権樹立(98年10月)。原子炉廃 止の実績が必要。 「連邦政府は、残存運転期間における原子力発電所の妨害なき運転及びバックエンドを保証す る」との約束を取り付けて妥協(2000年6月合意、2001年6月調印) 合意概要 •新規原子力発電所建設の禁止 •既存発電所の運転期間に一定の制限を設ける。2000年1月1日からの原子力発電電力量を 2623.3TWhに制限。(平均運転期間は32年) •使用済燃料の国内及び国外への輸送再開 •2005年7月以降の再処理の禁止(既存契約分は再処理は全うする) •原子力エネルギー利用を経済面、税制面で差別しない。 ※原子力発電を廃止した後の代替エネルギー確保については、先送りされている 最大野党CDU(前政権)は、政権交代時には原発廃止政策を破棄するとコメント 15
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